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篠宮家 編
ブチ切れ継母
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「初めまして。上村朱里と申します」
私は丁寧にお辞儀をする。
「初めまして。私は篠宮フーズの代表取締役社長、篠宮亘だ」
社長が言い、私に名刺を渡してくる。
「僕は副社長の篠宮風磨と言います」
優しげな顔立ちをしたイケメン副社長が言い、微笑みかけてくれた。
「私は篠宮怜香。経理部で部長をしています。……宜しくね。商品開発部、企画三課の上村さん」
う……っ。
なにげに「お前の事は知ってるぞ」と言われてる。
初っぱなからバチバチの空気を出されたのを察して、風磨さんが私に笑いかけた。
「すっかり寒くなりましたね。僕たちもお茶をもらいましょうか」
「そうね」
全員着席したあとに三人分のお茶が出され、飲み物をオーダーして、予め頼んでいたコース料理を運んできてもらう事にした。
「前もってお伝えしましたが、僕は朱里さんと結婚したいと思っています」
尊さんが切り出し、私は緊張して背筋を伸ばす。
「上村さんはどちらの大学ご出身なの?」
怜香さんがにこやかに先制攻撃してきた。
「……都内の××大学ですけれども……」
私が通っていた大学は、難関大学ではない。
でもそこそこ頑張って勉強したので、中の上ぐらいだと思っている。
けどこの流れは……。
「そうなんですか。○○女学院ぐらいかと思っていたのですが……」
ですよねー!
選ばれしお嬢様しか行けない学校名を出さないでほしい。
「申し訳ございません。一般家庭の出でして、学費が掛かる学校には通えていません」
ムカッときたけど、穏便に済ませておく。
「お金がないなんて言うつもりはなかったのよ? 勘違いさせたらごめんなさいね?」
おわぁ……。今ハッキリ口にしましたねぇ……。
ここまでテンプレートな嫌みだと、逆に面白くなってきた。
「怜香」
社長が彼女を窘め、尊さんが続きを口にする。
「彼女のご両親には挨拶をしたのか?」
社長の言葉に、尊さんが首を横に振る。
「いいえ。普通なら彼女のご両親に挨拶するものでしょう。ですが僕は先に、母さんに『結婚したい女性がいるので、丸木さんとの縁談はお受けできない』と伝えたかったのです」
あ、やっぱりお相手は丸木エミリさんなんだ。
そして向かいでは、風磨さんが表情を強張らせていた。
自分の恋人を継弟に宛がわれるなんて、屈辱以外の何でもないよね……。
いっぽうで怜香さんは、能面みたいな無表情で尊さんを睨んでいた。こっわ。
「前から何回も言っていますが、丸木さんは兄貴の恋人です。兄貴から彼女を取り上げて、弟と結婚させて面白いですか? これで兄弟仲が悪くなっても、息子たちから憎まれても構わないと? それに、気持ちがないのに兄貴とお見合いをさせられる、三ノ宮重工の春日さんにも失礼です」
わぁ……。三ノ宮重工っていったら、名門も名門じゃない。
三ノ宮グループは不動産や銀行とか手広く事業を広げていて、遡ると明治華族にたどり着くお貴族様だ。
そんなところのお嬢様とのご縁って言ったら、飛びつきたくなるのは分かるけどさぁ……。いやぁ……ないわぁ。
私は微笑みながらも、スッと目の温度を下げる。
尊さんが反抗したからか、怜香さんは柳眉を逆立てて激怒した。
「私の決めた事に逆らうと言うの!? 風磨にいい結婚相手を探すのは当たり前でしょう!?」
「……僕は望んでいません」
とうとう我慢できなくなったのか、風磨さんが押し殺した声で口を挟んだ。
「あんな秘書なんかと結婚して、幸せになれる訳がないでしょう!」
「言葉が過ぎやしませんか? 秘書たちは立派な仕事をしてくれています。社長だって僕だって、秘書なしに仕事はできません。個人的な感情で彼らを貶めるのはやめていただきましょうか」
風磨さんに反抗されたのが堪えたのか、怜香さんは息子二人をきつく睨み、立ちあがった。
そしてクローゼットからコートを出し、袖に腕を通すと言い捨てる。
「とにかく、そんな低学歴な女性との結婚は認めません! 私の言う事を聞きなさい!」
そう言って、怜香さんは個室を出ていった。
「はぁ……」
私は止めていたように思える息を、大きく吐いた。
私は丁寧にお辞儀をする。
「初めまして。私は篠宮フーズの代表取締役社長、篠宮亘だ」
社長が言い、私に名刺を渡してくる。
「僕は副社長の篠宮風磨と言います」
優しげな顔立ちをしたイケメン副社長が言い、微笑みかけてくれた。
「私は篠宮怜香。経理部で部長をしています。……宜しくね。商品開発部、企画三課の上村さん」
う……っ。
なにげに「お前の事は知ってるぞ」と言われてる。
初っぱなからバチバチの空気を出されたのを察して、風磨さんが私に笑いかけた。
「すっかり寒くなりましたね。僕たちもお茶をもらいましょうか」
「そうね」
全員着席したあとに三人分のお茶が出され、飲み物をオーダーして、予め頼んでいたコース料理を運んできてもらう事にした。
「前もってお伝えしましたが、僕は朱里さんと結婚したいと思っています」
尊さんが切り出し、私は緊張して背筋を伸ばす。
「上村さんはどちらの大学ご出身なの?」
怜香さんがにこやかに先制攻撃してきた。
「……都内の××大学ですけれども……」
私が通っていた大学は、難関大学ではない。
でもそこそこ頑張って勉強したので、中の上ぐらいだと思っている。
けどこの流れは……。
「そうなんですか。○○女学院ぐらいかと思っていたのですが……」
ですよねー!
選ばれしお嬢様しか行けない学校名を出さないでほしい。
「申し訳ございません。一般家庭の出でして、学費が掛かる学校には通えていません」
ムカッときたけど、穏便に済ませておく。
「お金がないなんて言うつもりはなかったのよ? 勘違いさせたらごめんなさいね?」
おわぁ……。今ハッキリ口にしましたねぇ……。
ここまでテンプレートな嫌みだと、逆に面白くなってきた。
「怜香」
社長が彼女を窘め、尊さんが続きを口にする。
「彼女のご両親には挨拶をしたのか?」
社長の言葉に、尊さんが首を横に振る。
「いいえ。普通なら彼女のご両親に挨拶するものでしょう。ですが僕は先に、母さんに『結婚したい女性がいるので、丸木さんとの縁談はお受けできない』と伝えたかったのです」
あ、やっぱりお相手は丸木エミリさんなんだ。
そして向かいでは、風磨さんが表情を強張らせていた。
自分の恋人を継弟に宛がわれるなんて、屈辱以外の何でもないよね……。
いっぽうで怜香さんは、能面みたいな無表情で尊さんを睨んでいた。こっわ。
「前から何回も言っていますが、丸木さんは兄貴の恋人です。兄貴から彼女を取り上げて、弟と結婚させて面白いですか? これで兄弟仲が悪くなっても、息子たちから憎まれても構わないと? それに、気持ちがないのに兄貴とお見合いをさせられる、三ノ宮重工の春日さんにも失礼です」
わぁ……。三ノ宮重工っていったら、名門も名門じゃない。
三ノ宮グループは不動産や銀行とか手広く事業を広げていて、遡ると明治華族にたどり着くお貴族様だ。
そんなところのお嬢様とのご縁って言ったら、飛びつきたくなるのは分かるけどさぁ……。いやぁ……ないわぁ。
私は微笑みながらも、スッと目の温度を下げる。
尊さんが反抗したからか、怜香さんは柳眉を逆立てて激怒した。
「私の決めた事に逆らうと言うの!? 風磨にいい結婚相手を探すのは当たり前でしょう!?」
「……僕は望んでいません」
とうとう我慢できなくなったのか、風磨さんが押し殺した声で口を挟んだ。
「あんな秘書なんかと結婚して、幸せになれる訳がないでしょう!」
「言葉が過ぎやしませんか? 秘書たちは立派な仕事をしてくれています。社長だって僕だって、秘書なしに仕事はできません。個人的な感情で彼らを貶めるのはやめていただきましょうか」
風磨さんに反抗されたのが堪えたのか、怜香さんは息子二人をきつく睨み、立ちあがった。
そしてクローゼットからコートを出し、袖に腕を通すと言い捨てる。
「とにかく、そんな低学歴な女性との結婚は認めません! 私の言う事を聞きなさい!」
そう言って、怜香さんは個室を出ていった。
「はぁ……」
私は止めていたように思える息を、大きく吐いた。
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