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確かめ合う気持ち 編
責任とれ!
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「……昭人と付き合っていても、私の心の底には〝忍〟がいたんです。ドラマチックな出会いをしたからこそ、私は〝忍〟を理想化してしまいました。昭人と付き合っていても『〝忍〟ならもっと大人っぽい対応をしてくれる』『〝忍〟は大人だから、きっとエッチも上手に決まってる』と思っていました」
私の言葉を聞き、尊さんは静かに瞠目する。
「それって……」
「多分、私が昭人に本気になれなかったのって、価値観の違いもありましたけど、心の底で〝忍〟を想っていたからうまくいかなかったんです」
言ったあと、私は「はぁっ」と溜め息をつき、泣き笑いの表情で彼の胸板をバンッと叩いた。
「責任とれ!」
「…………勿論」
尊さんは色んな感情が混じった表情でぎこちなく微笑み、おずおずと私を抱き締めた。
その表情には、誰にも秘密にしていた事を、やっと口に出来た安堵がある。
すべて打ち明けて私に嫌われるか心配し、受け入れられた喜びもある。でもそれだけじゃ解決しない、申し訳なさや遠慮、悲しみもある。
「……もぉ……」
私は微笑んで尊さんを抱き締めた。
「……色々あったんですよね。あなたの身に起こった出来事はあまりに壮絶で、普通の人なら精神的に参ってしまってもおかしくなかった。……でも尊さんは妹さんと同じ名前の私に、光を見いだしてくれた」
私はそう言ったあと、顔を上げて尊さんの頬を両手で包んだ。
「私に遠慮しないでくださいね。そりゃあ、ちょっとびっくりしたけど、これで尊さんを嫌うなんてあり得ませんから。私はあなたをずっと想い続けていたし、あなたが必要。あなたにも私が必要」
そこまで言い、私はニコッと笑った。
「これこそ〝運命〟じゃないですか。大人になって私たちは出会えた。なら、ちゃんと向き合ってくれるんでしょう? ……もう、何があっても離れてあげませんからね」
私はにっこり微笑み、彼に口づけた。
唇を押しつけていると、尊さんはギュウ……と私を抱き締めてきた。
気持ちを確認し合うようなキスをしたあと、彼は泣きそうな顔で笑う。
「お前、やっぱり最高の女だわ」
「当たり前です。私はあなたをずっと想い続けていました。初恋の〝忍〟と再会できたら、好きになってもらいたい。そのために素敵な女性になれたら……って思っていたんですから」
そう言ったあと、彼の手を握って自分の胸に導いた。
「胸が大きいのがコンプレックスで、本当は背中を丸めて過ごしたかった。でも〝忍〟なら『自分の体を誇りに思え』って言ってくれると思っていました。だからスタイルが良く見えるように運動したし、美容も学びました」
これまでの努力を打ち明け、私は吐息を震わせて笑った。
「全部、〝忍〟と再会できる日を信じて、その時にあなたに『綺麗になった』って言ってもらいたかったから。周りにどう思われようが気にせず突き進めたんです」
尊さんは切なげに笑って、涙声で言った私の髪を撫でた。
「今まで『美人』と言われたり、胸が大きいのもあってあらゆるスカウトを受けました。目立つと同時に、何もしていないのに嫉妬されましたし、学生時代の延長で日常的にコソコソ言われていました。『男を誘ってる』とか『媚びてるんじゃない?』とか『下品な体』とか……」
「お前の体は最高に綺麗だよ」
彼ならそう言ってくれると思っていた私は、涙を拭って微笑む。
「私はいつか現れると信じていた王子様――〝忍〟に褒めてもらうために、外見を磨いて勉強も頑張りました。けど、あの時の彼に、いつ会えるか分かりません。再会できる保証もありません。それに学生時代は、私も彼氏を作らなければ『遅れていてダサい』のかと悩んでしまいました」
大人になった今なら分かる。
周りに合わせて、好きでもない人と付き合う必要なんてない。
そんなの、自分の心にも相手にも失礼だ。
「昭人に告白された時、『気が合いそうだから一緒にいたい』と言われました。彼と過ごすようになって、家庭の悩みでささくれ立っていた心が落ち着いたのは事実です。……でもそうしているうちに、『このまま忍とは会えないのかもしれない』と弱気になっていきました」
私は尊さんを見つめ、彼の頬に手を添える。
「『〝忍〟は素敵な人だし、彼女がいるかもしれない。私の知らないところで綺麗な女性に笑いかけて、抱き締めてキスをし、セックスしてるかもしれない』……そう思うとムカムカして、『私だって……』という気持ちになりました」
尊さんは「分かるよ」というように頷き、私の髪を撫でる。
私の言葉を聞き、尊さんは静かに瞠目する。
「それって……」
「多分、私が昭人に本気になれなかったのって、価値観の違いもありましたけど、心の底で〝忍〟を想っていたからうまくいかなかったんです」
言ったあと、私は「はぁっ」と溜め息をつき、泣き笑いの表情で彼の胸板をバンッと叩いた。
「責任とれ!」
「…………勿論」
尊さんは色んな感情が混じった表情でぎこちなく微笑み、おずおずと私を抱き締めた。
その表情には、誰にも秘密にしていた事を、やっと口に出来た安堵がある。
すべて打ち明けて私に嫌われるか心配し、受け入れられた喜びもある。でもそれだけじゃ解決しない、申し訳なさや遠慮、悲しみもある。
「……もぉ……」
私は微笑んで尊さんを抱き締めた。
「……色々あったんですよね。あなたの身に起こった出来事はあまりに壮絶で、普通の人なら精神的に参ってしまってもおかしくなかった。……でも尊さんは妹さんと同じ名前の私に、光を見いだしてくれた」
私はそう言ったあと、顔を上げて尊さんの頬を両手で包んだ。
「私に遠慮しないでくださいね。そりゃあ、ちょっとびっくりしたけど、これで尊さんを嫌うなんてあり得ませんから。私はあなたをずっと想い続けていたし、あなたが必要。あなたにも私が必要」
そこまで言い、私はニコッと笑った。
「これこそ〝運命〟じゃないですか。大人になって私たちは出会えた。なら、ちゃんと向き合ってくれるんでしょう? ……もう、何があっても離れてあげませんからね」
私はにっこり微笑み、彼に口づけた。
唇を押しつけていると、尊さんはギュウ……と私を抱き締めてきた。
気持ちを確認し合うようなキスをしたあと、彼は泣きそうな顔で笑う。
「お前、やっぱり最高の女だわ」
「当たり前です。私はあなたをずっと想い続けていました。初恋の〝忍〟と再会できたら、好きになってもらいたい。そのために素敵な女性になれたら……って思っていたんですから」
そう言ったあと、彼の手を握って自分の胸に導いた。
「胸が大きいのがコンプレックスで、本当は背中を丸めて過ごしたかった。でも〝忍〟なら『自分の体を誇りに思え』って言ってくれると思っていました。だからスタイルが良く見えるように運動したし、美容も学びました」
これまでの努力を打ち明け、私は吐息を震わせて笑った。
「全部、〝忍〟と再会できる日を信じて、その時にあなたに『綺麗になった』って言ってもらいたかったから。周りにどう思われようが気にせず突き進めたんです」
尊さんは切なげに笑って、涙声で言った私の髪を撫でた。
「今まで『美人』と言われたり、胸が大きいのもあってあらゆるスカウトを受けました。目立つと同時に、何もしていないのに嫉妬されましたし、学生時代の延長で日常的にコソコソ言われていました。『男を誘ってる』とか『媚びてるんじゃない?』とか『下品な体』とか……」
「お前の体は最高に綺麗だよ」
彼ならそう言ってくれると思っていた私は、涙を拭って微笑む。
「私はいつか現れると信じていた王子様――〝忍〟に褒めてもらうために、外見を磨いて勉強も頑張りました。けど、あの時の彼に、いつ会えるか分かりません。再会できる保証もありません。それに学生時代は、私も彼氏を作らなければ『遅れていてダサい』のかと悩んでしまいました」
大人になった今なら分かる。
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そんなの、自分の心にも相手にも失礼だ。
「昭人に告白された時、『気が合いそうだから一緒にいたい』と言われました。彼と過ごすようになって、家庭の悩みでささくれ立っていた心が落ち着いたのは事実です。……でもそうしているうちに、『このまま忍とは会えないのかもしれない』と弱気になっていきました」
私は尊さんを見つめ、彼の頬に手を添える。
「『〝忍〟は素敵な人だし、彼女がいるかもしれない。私の知らないところで綺麗な女性に笑いかけて、抱き締めてキスをし、セックスしてるかもしれない』……そう思うとムカムカして、『私だって……』という気持ちになりました」
尊さんは「分かるよ」というように頷き、私の髪を撫でる。
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