【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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北海道旅行 編

すし屋

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 すすきの交差点にあるココノススキノというビルは、昔からある商業ビルを改装して、つい最近オープンしたてらしい。

 一階には『ショコラティエ・マサール』という北海道ブランドのショコラティエがあり、お菓子やソフトクリームを売っている。

 中に入ってみると二階までは全国展開の眼鏡屋さんや靴屋さんがあり、三、四階が飲食店、その上はシネコンで、さらに上はホテルになっているみたいだ。

 外に出てさらに南に進み、目的地の『やま田』さんに着いた。

「こんばんは。速水です」

 引き戸を開くと尊さんが挨拶し、女性スタッフにコートを預ける。

 目の前にはカウンター席があり、大将がお客さんと話をしながらお寿司を握っていた。

 ドキドキして席に座るとお茶を出され、お寿司十貫とプラスアルファのコースが始まる。

 最初にタコと北寄貝のわさびマヨ和えが出て、ヒラメ、マグロ、大トロのお刺身でノックアウトされた。うまい!

「ここの白子焼き、絶品だぞ」

 私は普段あまりタチポンや白子を食べないので、冒険心で食べてみたけれど、塩加減が絶妙でトロッと口の中でクリーミーに広がり、全然生臭くない!

「んーっ! めちゃ美味しい!」

 目を見開くと尊さんは「だろ?」と嬉しそうに笑った。

 そのあと透明なイカ刺し、海老の姿煮が出たあと、ヒラメからお寿司が始まった。

 とろける大トロ、帆立、北寄貝、サーモン、甘くてプリプリの牡丹海老に昆布締めのヒラメ、柔らかい鮑、そして雲丹といくらの軍艦、ラストに玉子焼き。

「ふあぁ……、幸せ……」

 お寿司専用の日本酒、男山酒造の『つまみつつ』を飲みながらお寿司を食べると、寿司ネタの脂がサラッと癖のないお酒で流され、とても合う。

「他にも何か握りますか?」

 大将に尋ねられ、尊さんは帆立と牡丹海老、トロにトロたく巻き、ネギトロを頼む。

「わ、私もいい?」

「たまにしか来られないんだから、思う存分食え」

「ごちそうさまです!」

 私は大トロにサーモン、雲丹といくらを頼み、尊さんが頼んだ巻物を一緒に食べる。

「しゃーわせだ……」

 お酒を飲んで酔ってるはずなのに、いいお酒だからか頭が痛くならない。

 お店を出た私は尊さんと腕を組み、すすきのの街をプラプラ歩く。

「そうだ、〝いいもん〟見に行くか」

「行く!」

 元気よく返事をした私は、尊さんと一緒に南四条西五丁目まで歩く。

 てっきりお店に入るものかと思っていたけど、交差点前に差し掛かって尊さんが「ほれ」と言ったので「ん?」と目を瞠る。

「向かいの店、見てみ」

「あーっ! バニーちゃん……」

 なんと向かいのガラス張りになったお店には、お尻も露わなバニーガールが大勢いて、接客している様子が丸見えになっている。

「すごーい。可愛い」

 普段興味があっても女性である手前、なかなかそういうお店とはご縁がないので、本物を前にすると興奮してしまう。

「前は二階をオープンにして客寄せバニーを見せてたそうだけど、それに目を奪われて事故多発地帯になったから、一階になったそうだ」

「確かに、こんなん見せられたら、釘付けになっちゃう」

 私はケタケタ笑い、バニーちゃんたちのお尻や脚をガン見する。

 周囲には他にもこの光景を見に来ている人がいて、男性だけじゃなくマダムたちも「可愛い~。素敵」と言って写真を撮っていた。

 尊さんは私の肩を抱き、ボソッと囁いてくる。

「今度、猫からうさぎに乗り換えてみないか? 自宅でプライベートバーを開いて接待してほしい」

「…………えっち」

「だから俺はドスケベだって」

「……『ラ・メゾン・デュ・ショコラ』の一番大きい箱」

「よしきた」

 私たちはバニーちゃんのお尻を見ながら取引をし、固い握手を交わす。

「ところで、札幌といえば締めパフェが有名だけど……、行くか?」

「行く!」

 そのあと、私たちはバニーちゃんのお店から十分ほど歩いたところにある、『ななかま堂』に入った。夜パフェの名前通り、夜からしか営業していないらしい。

 芸術的な映えパフェを写真にとって「うまいうまい」と食べている傍ら、尊さんは山崎十二年を飲んでいた。

 たっぷり観光して食い倒れしたあと、私たちはタクシーに乗って札幌駅のホテルまで戻った。
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