242 / 778
北海道旅行 編
すし屋
しおりを挟む
すすきの交差点にあるココノススキノというビルは、昔からある商業ビルを改装して、つい最近オープンしたてらしい。
一階には『ショコラティエ・マサール』という北海道ブランドのショコラティエがあり、お菓子やソフトクリームを売っている。
中に入ってみると二階までは全国展開の眼鏡屋さんや靴屋さんがあり、三、四階が飲食店、その上はシネコンで、さらに上はホテルになっているみたいだ。
外に出てさらに南に進み、目的地の『やま田』さんに着いた。
「こんばんは。速水です」
引き戸を開くと尊さんが挨拶し、女性スタッフにコートを預ける。
目の前にはカウンター席があり、大将がお客さんと話をしながらお寿司を握っていた。
ドキドキして席に座るとお茶を出され、お寿司十貫とプラスアルファのコースが始まる。
最初にタコと北寄貝のわさびマヨ和えが出て、ヒラメ、マグロ、大トロのお刺身でノックアウトされた。うまい!
「ここの白子焼き、絶品だぞ」
私は普段あまりタチポンや白子を食べないので、冒険心で食べてみたけれど、塩加減が絶妙でトロッと口の中でクリーミーに広がり、全然生臭くない!
「んーっ! めちゃ美味しい!」
目を見開くと尊さんは「だろ?」と嬉しそうに笑った。
そのあと透明なイカ刺し、海老の姿煮が出たあと、ヒラメからお寿司が始まった。
とろける大トロ、帆立、北寄貝、サーモン、甘くてプリプリの牡丹海老に昆布締めのヒラメ、柔らかい鮑、そして雲丹といくらの軍艦、ラストに玉子焼き。
「ふあぁ……、幸せ……」
お寿司専用の日本酒、男山酒造の『つまみつつ』を飲みながらお寿司を食べると、寿司ネタの脂がサラッと癖のないお酒で流され、とても合う。
「他にも何か握りますか?」
大将に尋ねられ、尊さんは帆立と牡丹海老、トロにトロたく巻き、ネギトロを頼む。
「わ、私もいい?」
「たまにしか来られないんだから、思う存分食え」
「ごちそうさまです!」
私は大トロにサーモン、雲丹といくらを頼み、尊さんが頼んだ巻物を一緒に食べる。
「しゃーわせだ……」
お酒を飲んで酔ってるはずなのに、いいお酒だからか頭が痛くならない。
お店を出た私は尊さんと腕を組み、すすきのの街をプラプラ歩く。
「そうだ、〝いいもん〟見に行くか」
「行く!」
元気よく返事をした私は、尊さんと一緒に南四条西五丁目まで歩く。
てっきりお店に入るものかと思っていたけど、交差点前に差し掛かって尊さんが「ほれ」と言ったので「ん?」と目を瞠る。
「向かいの店、見てみ」
「あーっ! バニーちゃん……」
なんと向かいのガラス張りになったお店には、お尻も露わなバニーガールが大勢いて、接客している様子が丸見えになっている。
「すごーい。可愛い」
普段興味があっても女性である手前、なかなかそういうお店とはご縁がないので、本物を前にすると興奮してしまう。
「前は二階をオープンにして客寄せバニーを見せてたそうだけど、それに目を奪われて事故多発地帯になったから、一階になったそうだ」
「確かに、こんなん見せられたら、釘付けになっちゃう」
私はケタケタ笑い、バニーちゃんたちのお尻や脚をガン見する。
周囲には他にもこの光景を見に来ている人がいて、男性だけじゃなくマダムたちも「可愛い~。素敵」と言って写真を撮っていた。
尊さんは私の肩を抱き、ボソッと囁いてくる。
「今度、猫からうさぎに乗り換えてみないか? 自宅でプライベートバーを開いて接待してほしい」
「…………えっち」
「だから俺はドスケベだって」
「……『ラ・メゾン・デュ・ショコラ』の一番大きい箱」
「よしきた」
私たちはバニーちゃんのお尻を見ながら取引をし、固い握手を交わす。
「ところで、札幌といえば締めパフェが有名だけど……、行くか?」
「行く!」
そのあと、私たちはバニーちゃんのお店から十分ほど歩いたところにある、『ななかま堂』に入った。夜パフェの名前通り、夜からしか営業していないらしい。
芸術的な映えパフェを写真にとって「うまいうまい」と食べている傍ら、尊さんは山崎十二年を飲んでいた。
たっぷり観光して食い倒れしたあと、私たちはタクシーに乗って札幌駅のホテルまで戻った。
一階には『ショコラティエ・マサール』という北海道ブランドのショコラティエがあり、お菓子やソフトクリームを売っている。
中に入ってみると二階までは全国展開の眼鏡屋さんや靴屋さんがあり、三、四階が飲食店、その上はシネコンで、さらに上はホテルになっているみたいだ。
外に出てさらに南に進み、目的地の『やま田』さんに着いた。
「こんばんは。速水です」
引き戸を開くと尊さんが挨拶し、女性スタッフにコートを預ける。
目の前にはカウンター席があり、大将がお客さんと話をしながらお寿司を握っていた。
ドキドキして席に座るとお茶を出され、お寿司十貫とプラスアルファのコースが始まる。
最初にタコと北寄貝のわさびマヨ和えが出て、ヒラメ、マグロ、大トロのお刺身でノックアウトされた。うまい!
「ここの白子焼き、絶品だぞ」
私は普段あまりタチポンや白子を食べないので、冒険心で食べてみたけれど、塩加減が絶妙でトロッと口の中でクリーミーに広がり、全然生臭くない!
「んーっ! めちゃ美味しい!」
目を見開くと尊さんは「だろ?」と嬉しそうに笑った。
そのあと透明なイカ刺し、海老の姿煮が出たあと、ヒラメからお寿司が始まった。
とろける大トロ、帆立、北寄貝、サーモン、甘くてプリプリの牡丹海老に昆布締めのヒラメ、柔らかい鮑、そして雲丹といくらの軍艦、ラストに玉子焼き。
「ふあぁ……、幸せ……」
お寿司専用の日本酒、男山酒造の『つまみつつ』を飲みながらお寿司を食べると、寿司ネタの脂がサラッと癖のないお酒で流され、とても合う。
「他にも何か握りますか?」
大将に尋ねられ、尊さんは帆立と牡丹海老、トロにトロたく巻き、ネギトロを頼む。
「わ、私もいい?」
「たまにしか来られないんだから、思う存分食え」
「ごちそうさまです!」
私は大トロにサーモン、雲丹といくらを頼み、尊さんが頼んだ巻物を一緒に食べる。
「しゃーわせだ……」
お酒を飲んで酔ってるはずなのに、いいお酒だからか頭が痛くならない。
お店を出た私は尊さんと腕を組み、すすきのの街をプラプラ歩く。
「そうだ、〝いいもん〟見に行くか」
「行く!」
元気よく返事をした私は、尊さんと一緒に南四条西五丁目まで歩く。
てっきりお店に入るものかと思っていたけど、交差点前に差し掛かって尊さんが「ほれ」と言ったので「ん?」と目を瞠る。
「向かいの店、見てみ」
「あーっ! バニーちゃん……」
なんと向かいのガラス張りになったお店には、お尻も露わなバニーガールが大勢いて、接客している様子が丸見えになっている。
「すごーい。可愛い」
普段興味があっても女性である手前、なかなかそういうお店とはご縁がないので、本物を前にすると興奮してしまう。
「前は二階をオープンにして客寄せバニーを見せてたそうだけど、それに目を奪われて事故多発地帯になったから、一階になったそうだ」
「確かに、こんなん見せられたら、釘付けになっちゃう」
私はケタケタ笑い、バニーちゃんたちのお尻や脚をガン見する。
周囲には他にもこの光景を見に来ている人がいて、男性だけじゃなくマダムたちも「可愛い~。素敵」と言って写真を撮っていた。
尊さんは私の肩を抱き、ボソッと囁いてくる。
「今度、猫からうさぎに乗り換えてみないか? 自宅でプライベートバーを開いて接待してほしい」
「…………えっち」
「だから俺はドスケベだって」
「……『ラ・メゾン・デュ・ショコラ』の一番大きい箱」
「よしきた」
私たちはバニーちゃんのお尻を見ながら取引をし、固い握手を交わす。
「ところで、札幌といえば締めパフェが有名だけど……、行くか?」
「行く!」
そのあと、私たちはバニーちゃんのお店から十分ほど歩いたところにある、『ななかま堂』に入った。夜パフェの名前通り、夜からしか営業していないらしい。
芸術的な映えパフェを写真にとって「うまいうまい」と食べている傍ら、尊さんは山崎十二年を飲んでいた。
たっぷり観光して食い倒れしたあと、私たちはタクシーに乗って札幌駅のホテルまで戻った。
162
あなたにおすすめの小説
3歳児にも劣る淑女(笑)
章槻雅希
恋愛
公爵令嬢は、第一王子から理不尽な言いがかりをつけられていた。
男爵家の庶子と懇ろになった王子はその醜態を学園内に晒し続けている。
その状況を打破したのは、僅か3歳の王女殿下だった。
カテゴリーは悩みましたが、一応5歳児と3歳児のほのぼのカップルがいるので恋愛ということで(;^ω^)
ほんの思い付きの1場面的な小噺。
王女以外の固有名詞を無くしました。
元ネタをご存じの方にはご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。
創作SNSでの、ジャンル外での配慮に欠けておりました。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
病弱な私と意地悪なお姉様のお見合い顛末
黒木メイ
恋愛
幼い頃から病弱だったミルカ。外出もまともにできず、家の中に引きこもってばかり。それでもミルカは幸せだった。家族が、使用人たちがいつもミルカの側にいてくれたから。ミルカを愛してくれたから。それだけで十分――なわけないでしょう。お姉様はずるい。健康な体を持っているだけではなく、自由に外出できるんだから。その上、意地悪。だから、奪ったのよ。ずるいお姉様から全てを。当然でしょう。私は『特別な存在』で、『幸せが約束されたお姫様』なんだから。両親からの愛も、次期当主の地位も、王子様も全て私のもの。お姉様の見合い相手が私に夢中になるのも仕方ないことなの。
※設定はふわふわ。
※予告なく修正、加筆する場合があります。
※いずれ他サイトにも転載予定。
※『病弱な妹と私のお見合い顛末』のミルカ(妹)視点です。
完結 愛人さん初めまして!では元夫と出て行ってください。
音爽(ネソウ)
恋愛
金に女にだらしない男。終いには手を出す始末。
見た目と口八丁にだまされたマリエラは徐々に心を病んでいく。
だが、それではいけないと奮闘するのだが……
地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます
久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」
大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。
彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。
しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。
失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。
彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。
「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。
蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。
地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。
そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。
これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。
数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる