【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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女子会 編

女子会の終わり

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「あ、返事きた」

「なっ、なんて言ってますかッ!?」

 私は思わず食い気味にエミリさんに尋ねてしまう。

「『明日のチェックアウトの時、預けていた猫を引き取りにいく』だって。猫!!」

「ニャーーーーオ!!」

 案の定、二人は大喜びし、春日さんは化け猫みたいな声を上げてから「ガハハハハ!」と笑う。……こりゃ駄目だ。

「……そろそろお開きにしましょうか。春日さん、潰れてきてる」

「まだ大丈夫~~~~。酔ってなぁい!」

 彼女は駄々っ子のように首を振り、私に抱きついてくる。

「酔っ払いは決まってそう言うんですよ」

 私はポンポンと春日さんの頭を撫で、「立てますか?」と彼女に肩を貸して立ちあがる。

「歯磨きしてから寝ましょうね」

「んー……」

 私も割と飲んだら酷く酔っぱらうタチだけど、自分より酷い人を見ると結構冷静になるもんだ。

「じゃあ、私この辺片づけるわ」

 エミリさんはそう言ってテーブルの上を片づけ始め、私は春日さんを引きずって洗面所に向かう。

「はい、一緒に歯磨きしましょうね」

「はーい!」

 顔を赤くしてニヤニヤしている彼女を見ると、泣く子も黙る三ノ宮重工のお嬢様と思えない。

(でもお嬢様だから悩み知らずの立派な人……ってのは、偏見なんだよな。今回の女子会で凄くわかった。逆に、一般人だから苦労して当たり前、ってのも違うんだろうな。色んな事がかみ合ってうまく生きている人は、他人が〝苦労〟と思うものをつらいと感じていない)

 春日さんは思うように彼氏が作れない事で苦しんでいるけれど、人によっては彼氏がいなくても何とも思わない人だっている。

 恵もそういうタイプで、彼女の場合は私と一緒にいるために、カモフラージュの相手を探している感じだ。

(みんな、それぞれだな)

 歯を磨き終わってうがいをした私は、洗面所に置いておいたサプリを春日さんに渡した。

「はい、どうぞこれ」

「ん? なにこれ」

「沢山飲んだので、口臭ケアのサプリです。そのあとに……ジャン! マウスウォッシュ」

 ポーチから出したのは、携帯用のマウスウォッシュだ。

「お~、気が利くぅ! 乙女だからね……、口が臭かったら駄目だからね……」

 ブツブツ言いながら春日さんはサプリを飲み、マウスウォッシュでうがいをする。

 私も同様にし、少しスッキリして洗面所を出た。

 リビングはあらかた片付いていて、途中まで食べていたおつまみ類は、ジッパー付きビニール袋にしまわれていた。

「準備いいですね」

「友達と飲んだ時に、毎回こうやってしまっておくの。宅飲みの時は家主に任せがちだけど、消耗品ぐらいは用意したほうがいいかと思って」

「さすが!」

 褒めるとエミリさんはピースした。

「洗面所に口臭ケアのサプリとマウスウォッシュあるので、使ってください」

「ありがと」

「んー……、エミリさんはいい嫁になるよぉ……、エミリぃ……」

 私に抱きついている春日さんは、やっぱりおじさんみたいにブツブツ言い、私とエミリさんは顔を見合わせて笑う。

「先に寝室に行ってますね」

「ん」

 エミリさんとアイコンタクトをとったあと、私は寝室まで春日さんを連れて行き、横たわらせた。

「……朱里さん、隣寝て」

「はいはい」

 春日さんに手を引っ張られ、私はキングサイズのベッドの真ん中に寝転ぶ。

「……私んち、ベッドが大きいのよ。だからたまに寂しくなるわ。……誰かが隣にいるっていいわね」

「もう友達ですからね、呼ばれたら行きますよ」

「……うん」

 小さく返事をした彼女は、少ししてから寝息を立て始めた。

 そのあと、エミリさんが静かに寝室に入ってきた。
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