【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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二日目の夜の葛藤 編

〝男の人〟 ☆

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 少し身を竦ませると、涼さんは私の動揺を敏感に感じ取って顔を上げた。

「怖い?」

 尋ねてくる彼は、微笑んでいるけれど目にとても真剣な光を宿している。

 ――あぁ、この人、本当にまじめに私に向き合ってくれているんだ。

 理解した私は、きちんと自分の想いを打ち明けるべきだと感じた。

 涼さんがこれだけ真摯に私を想ってくれているのに、雰囲気を壊すのが嫌とか、拒否して嫌われるのが怖いとか、そんな理由で本心を押し隠すのは逆に失礼だ。

 私は一つ深呼吸したあと、緊張と羞恥で胸を高鳴らせながら本音を話した。

「六割以上は、涼さんに対するドキドキです。残りは……、こういうの初めてなので、不安とか恥ずかしいとか……。……で、少しだけ、男性に対する怯えもあります」

「うん」

 涼さんは微笑んで頷き、よしよしと私の頭を撫でてくる。

「教えてくれてありがとう。……この辺でやめておいたほうがいい? 続きをしてもいい?」

 性的な事について意見を求められるのは、とても恥ずかしい。

 でも、涼さんならきっとこう言うだろう。

『付き合うって事も結婚も、キスもセックスも二人でやるものだよ』

 なら、協力していかないと。

 私はスゥッ……と息を吸い、覚悟を決めて言った。

「……つ、続き、お願いします」

 勇気を振り絞って恥ずかしい言葉を口にすると、涼さんは小さく笑って返事をした。

「喜んで」

 彼は私の手をとり、お姫様のようにチュッと甲にキスをする。

(うう……っ)

 私の反応を楽しんでやっているのか、素なのか分からないけれど、この人はいちいちやる事が心臓に悪い。

「可愛いよ、恵ちゃん」

 涼さんはそう囁き、私の髪を手で梳く。

 それから端整な顔を傾け、再度唇を重ねてきた。

(~~~~っ!!)

 とても柔らかい唇を感じた瞬間、胸の奥がキュッと締め付けられる。

 同時に、下腹部の奥がジクリと疼いたのが分かって、全身の血が沸騰したかのような感覚に陥った。

(私……、涼さんに性欲を感じてしまっている?)

 今まで性的な経験はなかったけど、友達は割といるほうだし、色んな話を聞いている。

 加えて自慰だってたまにしているから、感じたら自分の体がどうなるかは分かっている。

 けれど目の前にいる男性に性的欲求を感じたのは初めてで、「失礼じゃないだろうか」とか、色んな考えを巡らせてしまった。

 その時、涼さんがヌルッと唇の内側を舐めてきて、私はビクッと体を震わせる。

(――――ま、待って待って待って。たんまたんまたんま。…………やらしすぎるっ!)

 キスした事がない訳じゃないけど、今までの彼氏もどきと涼さんとでは想いの深さが違う。

 彼が大事そうに唇をついばみ、下唇を軽く前歯で噛んできただけで、一杯一杯になって鼻に掛かった変な声を漏らしてしまいそうだ。

 だから、私はとっさに逃げようとしたんだろうか。

 無意識に両手両足を使って体をずり上げたけれど、涼さんはすぐに私の腰を掴んで元の位置に引き戻した。

(待ってーっ!!)

 涼さんは優しくていい人なのに、力のある〝男の人〟だ。

 私は朱里ほど細くないはずなのに、涼さんの大きな手で腰を掴まれると、自分がとても細くなったように思える。

 それに、体重だって軽くないのに、こんなにたやすく引きずられるなんて……。

 涼さんと一緒にいるほど、自分が彼に比べてずっと非力な〝女〟なのだと思い知らされる。

 その時、少し開いた私の口内に涼さんの舌が侵入し、舌先同士が触れ合う。

 ピクッと体を震わせると、涼さんは私を宥めるように優しく頭を撫でてきた。

 彼の舌は柔らかく、ヌルヌルと舌同士を触れ合わせているだけで、気持ちがフワフワしてくる。

(あれ……、いいのかな。こんな……)

 私はボーッとした意識の中、口内に挿し込まれた舌をチュッと吸う。

 キスをしながら、涼さんは私の首筋から肩、二の腕を触れていく。

 とても大切なものを確かめているような手つきなのに、私はゆっくりと肌を撫でられて息を荒げ、胸を高鳴らせる。

「……胸、触ってみても大丈夫?」

 キスの合間に涼さんが囁き声で尋ねてきた。

 それに、私はコクンと小さく頷いて返事をした。
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