505 / 783
四人でのお泊まり会 編
バストアップについて
しおりを挟む
「そうだ。私Eカップになった」
恵にいきなりカミングアウトされ、私は目をまん丸に見開いて彼女を見る。
「マジ!?」
「マジ。自分の胸に期待なんてしてなかったから、本当にびっくりした。寄せて集めるって凄いね」
「だから言ったじゃん~。恵はポテンシャルが高いんだよ。私、何回も『下着屋さんで測ってもらったら?』って言ったじゃん。なのに『間に合ってます』って訪問セールスされたみたいに、頑なに断るもんだから……」
「女子力高め朱里さんの言う事は、正しかった……」
「……なんかそのいい方、ラーメン大好き小山さんみたいだね」
ボソッと突っ込むと、恵は「バレたか」と笑う。
「……あのさ……。別に無理に胸を大きくしたいとかじゃないけど、なんか気をつけてる事ある?」
モソモソと言いにくそうに尋ねられ、私は体を洗いつつニヤァ……と笑う。
恵が女子力を上げる事に興味を持つって珍しいので、可能な限り援護したい。
「んーとね、牛乳飲んでる。それと、胸を支えるクーパー靱帯とか周りの筋肉って、結局は首肩とか背中、肩甲骨に繋がっていくから、凝らないように気をつけてるかな。何かあったら首や肩を回すとか。あと、よく寝る。そして血流が大事なので、寝る時のおぱんつは、あんまり締め付けない物にしてる」
「ナイトブラは?」
「したりしなかったり。血流の問題で言えば、しないほうがいいのかな。締め付け感があるから、ノーストレスで寝るにはないほうがいいのかも……。でも形を崩さないために推奨する派もいるから、つけたりつけなかったり」
「なるほど」
「あと、普段つける下着はちょっとお高めの、自分の形に合った物をつけてたほうがいいかな。育乳ブラとかマッサージとか、クリームとかはそれほど重要じゃなくて、胸に正しい位置を覚えさせるのが大切」
「教育か」
「んだ。あとはなるべくストレスを抱えない、豆乳、キャベツ、鶏肉とかじゃなくて、バランスのいい食事をする。姿勢に気をつける。マッサージは正しい位置を教える……の、補助ぐらいかな」
「へー……。それで、そのぱいか」
「尊さんも大好きアカリンパイですよ」
「わあ、生々しい……」
恵はいつものように、忖度のない意見を言ったあと、湯船の中で体育座りをして言う。
「涼さんは胸の大きい、小さいは特に気にしないって言ってたけど、やっぱり多少は揉み応えがあるほうがいいよね」
「人それぞれだと思うけど、恵が涼さんのために大きくしたいって思うなら、色々気をつけてみてもいいんじゃない? 血流を良くするとか、バランス良く食べるとか、姿勢に気をつける、凝らないようにするって、胸のためだけじゃないし、色んな意味でいい結果が出ると思う」
「……だね。健康でいるって、一番相手のためになる事かも」
「わぁ、それ真理だ。私、食べ過ぎないように気をつけよう」
「朱里はマジそれな。よく食べるのはいい事だし、太らない体質なのは羨ましいけど、血液検査とかマメにしたほうがいいよ」
「ウッ……」
私は泡まみれになった手で胸を押さえる。
そのあと体を流してトリートメントも流し、洗顔を終えたあとにフェイスパックをして恵と交代した。
「涼さんとやってけそう? 私も最初、尊さんと暮らし始めた頃は、周りの物がみんな高級品で、食べる物もとても美味しくて、服もブランド物を買い与えてくれるし、自分の感覚がバグっちゃいそうで怖かった」
「あー、凄い分かる。好意でやってくれてるの分かるし、スマートに受け取るほうがいいって分かってるけど、なんか居心地悪いよね。卑屈になりたくないのに『私はこんな事をしてもらう価値はない』って思っちゃう」
「だよねぇ……。仕事頑張ってるとか、忙しいなか自分磨きも忘れないとか、ストレスに晒されるなかで頑張ってる! 偉い! とか自分では思うけど、キャパを超えるご褒美をもらうと、混乱して分からなくなる」
シャンプーを終えた恵はトリートメントをつけ、溜め息をついた。
「欲望って果てしないよね。こんな贅沢、慣れたくないけど、いつか慣れてしまうかもしれない。そうしたら、涼さんに高価な物をおねだりする女になる可能性もある。そう思うとゾッとするよ」
「分かる。……でも、たまに他の友達とか家族に会って、自分の感覚がズレてないか確認するのもいいかもね。家族なら忌憚なく意見を言ってくれるし、良くないと思ったら指摘してくれると思う」
「だね。親も一人の人間で、大人になった今、親のすべてを無条件に好きかと言われたら分からないけど、自分が割とまともな感覚で育ったのは、親の教えがあっての事だと思う。その辺は感謝してる」
「私たちも、中立な立場で意見を言える親友でいようね」
「ん」
私と恵は微笑み合い、ニカッと笑う。
恵にいきなりカミングアウトされ、私は目をまん丸に見開いて彼女を見る。
「マジ!?」
「マジ。自分の胸に期待なんてしてなかったから、本当にびっくりした。寄せて集めるって凄いね」
「だから言ったじゃん~。恵はポテンシャルが高いんだよ。私、何回も『下着屋さんで測ってもらったら?』って言ったじゃん。なのに『間に合ってます』って訪問セールスされたみたいに、頑なに断るもんだから……」
「女子力高め朱里さんの言う事は、正しかった……」
「……なんかそのいい方、ラーメン大好き小山さんみたいだね」
ボソッと突っ込むと、恵は「バレたか」と笑う。
「……あのさ……。別に無理に胸を大きくしたいとかじゃないけど、なんか気をつけてる事ある?」
モソモソと言いにくそうに尋ねられ、私は体を洗いつつニヤァ……と笑う。
恵が女子力を上げる事に興味を持つって珍しいので、可能な限り援護したい。
「んーとね、牛乳飲んでる。それと、胸を支えるクーパー靱帯とか周りの筋肉って、結局は首肩とか背中、肩甲骨に繋がっていくから、凝らないように気をつけてるかな。何かあったら首や肩を回すとか。あと、よく寝る。そして血流が大事なので、寝る時のおぱんつは、あんまり締め付けない物にしてる」
「ナイトブラは?」
「したりしなかったり。血流の問題で言えば、しないほうがいいのかな。締め付け感があるから、ノーストレスで寝るにはないほうがいいのかも……。でも形を崩さないために推奨する派もいるから、つけたりつけなかったり」
「なるほど」
「あと、普段つける下着はちょっとお高めの、自分の形に合った物をつけてたほうがいいかな。育乳ブラとかマッサージとか、クリームとかはそれほど重要じゃなくて、胸に正しい位置を覚えさせるのが大切」
「教育か」
「んだ。あとはなるべくストレスを抱えない、豆乳、キャベツ、鶏肉とかじゃなくて、バランスのいい食事をする。姿勢に気をつける。マッサージは正しい位置を教える……の、補助ぐらいかな」
「へー……。それで、そのぱいか」
「尊さんも大好きアカリンパイですよ」
「わあ、生々しい……」
恵はいつものように、忖度のない意見を言ったあと、湯船の中で体育座りをして言う。
「涼さんは胸の大きい、小さいは特に気にしないって言ってたけど、やっぱり多少は揉み応えがあるほうがいいよね」
「人それぞれだと思うけど、恵が涼さんのために大きくしたいって思うなら、色々気をつけてみてもいいんじゃない? 血流を良くするとか、バランス良く食べるとか、姿勢に気をつける、凝らないようにするって、胸のためだけじゃないし、色んな意味でいい結果が出ると思う」
「……だね。健康でいるって、一番相手のためになる事かも」
「わぁ、それ真理だ。私、食べ過ぎないように気をつけよう」
「朱里はマジそれな。よく食べるのはいい事だし、太らない体質なのは羨ましいけど、血液検査とかマメにしたほうがいいよ」
「ウッ……」
私は泡まみれになった手で胸を押さえる。
そのあと体を流してトリートメントも流し、洗顔を終えたあとにフェイスパックをして恵と交代した。
「涼さんとやってけそう? 私も最初、尊さんと暮らし始めた頃は、周りの物がみんな高級品で、食べる物もとても美味しくて、服もブランド物を買い与えてくれるし、自分の感覚がバグっちゃいそうで怖かった」
「あー、凄い分かる。好意でやってくれてるの分かるし、スマートに受け取るほうがいいって分かってるけど、なんか居心地悪いよね。卑屈になりたくないのに『私はこんな事をしてもらう価値はない』って思っちゃう」
「だよねぇ……。仕事頑張ってるとか、忙しいなか自分磨きも忘れないとか、ストレスに晒されるなかで頑張ってる! 偉い! とか自分では思うけど、キャパを超えるご褒美をもらうと、混乱して分からなくなる」
シャンプーを終えた恵はトリートメントをつけ、溜め息をついた。
「欲望って果てしないよね。こんな贅沢、慣れたくないけど、いつか慣れてしまうかもしれない。そうしたら、涼さんに高価な物をおねだりする女になる可能性もある。そう思うとゾッとするよ」
「分かる。……でも、たまに他の友達とか家族に会って、自分の感覚がズレてないか確認するのもいいかもね。家族なら忌憚なく意見を言ってくれるし、良くないと思ったら指摘してくれると思う」
「だね。親も一人の人間で、大人になった今、親のすべてを無条件に好きかと言われたら分からないけど、自分が割とまともな感覚で育ったのは、親の教えがあっての事だと思う。その辺は感謝してる」
「私たちも、中立な立場で意見を言える親友でいようね」
「ん」
私と恵は微笑み合い、ニカッと笑う。
642
あなたにおすすめの小説
恋人が聖女のものになりました
キムラましゅろう
恋愛
「どうして?あんなにお願いしたのに……」
聖騎士の叙任式で聖女の前に跪く恋人ライルの姿に愕然とする主人公ユラル。
それは彼が『聖女の騎士(もの)』になったという証でもあった。
聖女が持つその神聖力によって、徐々に聖女の虜となってゆくように定められた聖騎士たち。
多くの聖騎士達の妻が、恋人が、婚約者が自分を省みなくなった相手を想い、ハンカチを涙で濡らしてきたのだ。
ライルが聖女の騎士になってしまった以上、ユラルもその女性たちの仲間入りをする事となってしまうのか……?
慢性誤字脱字病患者が執筆するお話です。
従って誤字脱字が多く見られ、ご自身で脳内変換して頂く必要がございます。予めご了承下さいませ。
完全ご都合主義、ノーリアリティ、ノークオリティのお話となります。
菩薩の如き広いお心でお読みくださいませ。
小説家になろうさんでも投稿します。
〖完結〗私はあなたのせいで死ぬのです。
藍川みいな
恋愛
「シュリル嬢、俺と結婚してくれませんか?」
憧れのレナード・ドリスト侯爵からのプロポーズ。
彼は美しいだけでなく、とても紳士的で頼りがいがあって、何より私を愛してくれていました。
すごく幸せでした……あの日までは。
結婚して1年が過ぎた頃、旦那様は愛人を連れて来ました。次々に愛人を連れて来て、愛人に子供まで出来た。
それでも愛しているのは君だけだと、離婚さえしてくれません。
そして、妹のダリアが旦那様の子を授かった……
もう耐える事は出来ません。
旦那様、私はあなたのせいで死にます。
だから、後悔しながら生きてください。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全15話で完結になります。
この物語は、主人公が8話で登場しなくなります。
感想の返信が出来なくて、申し訳ありません。
たくさんの感想ありがとうございます。
次作の『もう二度とあなたの妻にはなりません!』は、このお話の続編になっております。
このお話はバッドエンドでしたが、次作はただただシュリルが幸せになるお話です。
良かったら読んでください。
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
婚約者に妹を紹介したら、美人な妹の方と婚約したかったと言われたので、譲ってあげることにいたしました
奏音 美都
恋愛
「こちら、妹のマリアンヌですわ」
妹を紹介した途端、私のご婚約者であるジェイコブ様の顔つきが変わったのを感じました。
「マリアンヌですわ。どうぞよろしくお願いいたします、お義兄様」
「ど、どうも……」
ジェイコブ様が瞳を大きくし、マリアンヌに見惚れています。ジェイコブ様が私をチラッと見て、おっしゃいました。
「リリーにこんな美しい妹がいたなんて、知らなかったよ。婚約するなら妹君の方としたかったなぁ、なんて……」
「分かりましたわ」
こうして私のご婚約者は、妹のご婚約者となったのでした。
(完)なにも死ぬことないでしょう?
青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。
悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。
若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。
『亭主、元気で留守がいい』ということを。
だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。
ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。
昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる