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お留守番 編
事情聴取
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「……娘が心配なのですが、本当にこのあと三日月さんのお宅に伺っても宜しいんですか?」
「勿論です。僕はまだ午後も仕事があるので同行できないのですが、そこの上条に案内させます。家主が不在で落ち着かないかと思いますが、今後は恵さんの住まいにもなる所ですので、どうか寛いでください」
「ありがとうございます」
チラッと腕時計を見ると、そろそろ会社に戻らないといけない時間だ。
「すみません、次の予定がありますので……」
「ええ、わざわざ丁寧なご挨拶をありがとうございます。また、夜にゆっくりお話しましょう」
「失礼いたします」
俺は佳苗さんに一礼したあと、上条に今後の予定を軽く確認し、また車に乗って会社に戻った。
**
恵の荷物の片づけが終わった頃には北原さんは帰っていた。
けれど、彼女が紅茶やコーヒー、お茶菓子が置いてある所を教えてくれて「ご自由にお召し上がりください」と言ってくれたので、コーヒーを淹れさせてもらった。
女子三人でたわいのない話をし、昨晩尊さんが使っていたトランプで遊んだら、予想外にヒートアップした。
学生時代から今も、恵はスピードの女王だ……。くっ。
夕方になって尊さんと涼さんが戻り、彼らは再度佳苗さんに挨拶する。
ゆっくりしていればすぐ警察の人が来てしまうとの事で、その前に私と恵の前に出されたのは最新のスマホだ。
「どうしたんですか?」
「万が一だけど、田村はメッセージアプリを使ってコンタクトしてきたから、証拠物としてスマホを任意提出する可能性がある。スマホがなくなったら不便だろうと思って、新しいのを買ってきた。朱里が使ってる格安SIMにしたから、使い勝手は同じだと思う」
「え? じゃあ、スマホ戻ってきたら二台持ちですか?」
「邪魔になったら売るなりなんなり。とにかく、すぐ同期するぞ」
そう言って尊さんと涼さんは、私と恵のスマホを弄り、サクサクと新しいスマホに中身を同期させた。
アプリによっては旧スマホから完全に引き継がないとならないものもあるけれど、とりあえず一時的なものなので、預けたスマホが戻ってくるまではそのアプリを使わなければいい話だ。
最低限、SNSアカウントと電話、メールが使えるなら御の字だ。
加えてなめこを育てるゲームと、万歩計ゲームも新しいスマホでできるのでホッとした。
その作業が終わった頃、警察の人がきた。
本物の刑事さんを見るのは初めてでとても緊張したけれど、比較的落ち着いて受け答えする事ができた。
刑事さんは「すみませんね、スマホを少しお借りします」と言ったあと、後日、現場検証として恵のマンションと、私が誘拐された先のライブハウスの立ち会いも必要だと言った。
また、昭人や仲間たちの裁判が始まった時は、証言をするために出頭しなければならないらしい。
本当は恵のマンションは現状維持が好ましかったらしいけど、涼さんの心配性が爆破してしまったし、彼は警察上層部と知り合いなので、特にお咎めはなかった。
「はぁー……、緊張した……」
刑事さんが帰ったあと、私はグタ……とソファの背もたれに寄りかかる。
恵もソファの上で体育座りをしていて、膝の間に顔を埋めていた。
「……よし! 気分転換に食事に行こうか!」
涼さんはパンと手を打って言い、私と恵は顔を上げる。
「気が重たい事があった時、同じ場所にいると停滞した気持ちになってしまう。疲れていると思うけど、着替えてメイクして一緒に出かけよう。美味しい物を食べたら気分が上がると思うし、無理矢理にでも気分転換しないと」
行動派の涼さんの言葉を聞き、佳苗さんが「イェーイ! シャンパン飲んじゃう!」と張り切った。
「……まったく……」
恵は苦笑いし、私に向かって手を差しだし「行こうか」と一緒に部屋へ向かった。
「勿論です。僕はまだ午後も仕事があるので同行できないのですが、そこの上条に案内させます。家主が不在で落ち着かないかと思いますが、今後は恵さんの住まいにもなる所ですので、どうか寛いでください」
「ありがとうございます」
チラッと腕時計を見ると、そろそろ会社に戻らないといけない時間だ。
「すみません、次の予定がありますので……」
「ええ、わざわざ丁寧なご挨拶をありがとうございます。また、夜にゆっくりお話しましょう」
「失礼いたします」
俺は佳苗さんに一礼したあと、上条に今後の予定を軽く確認し、また車に乗って会社に戻った。
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恵の荷物の片づけが終わった頃には北原さんは帰っていた。
けれど、彼女が紅茶やコーヒー、お茶菓子が置いてある所を教えてくれて「ご自由にお召し上がりください」と言ってくれたので、コーヒーを淹れさせてもらった。
女子三人でたわいのない話をし、昨晩尊さんが使っていたトランプで遊んだら、予想外にヒートアップした。
学生時代から今も、恵はスピードの女王だ……。くっ。
夕方になって尊さんと涼さんが戻り、彼らは再度佳苗さんに挨拶する。
ゆっくりしていればすぐ警察の人が来てしまうとの事で、その前に私と恵の前に出されたのは最新のスマホだ。
「どうしたんですか?」
「万が一だけど、田村はメッセージアプリを使ってコンタクトしてきたから、証拠物としてスマホを任意提出する可能性がある。スマホがなくなったら不便だろうと思って、新しいのを買ってきた。朱里が使ってる格安SIMにしたから、使い勝手は同じだと思う」
「え? じゃあ、スマホ戻ってきたら二台持ちですか?」
「邪魔になったら売るなりなんなり。とにかく、すぐ同期するぞ」
そう言って尊さんと涼さんは、私と恵のスマホを弄り、サクサクと新しいスマホに中身を同期させた。
アプリによっては旧スマホから完全に引き継がないとならないものもあるけれど、とりあえず一時的なものなので、預けたスマホが戻ってくるまではそのアプリを使わなければいい話だ。
最低限、SNSアカウントと電話、メールが使えるなら御の字だ。
加えてなめこを育てるゲームと、万歩計ゲームも新しいスマホでできるのでホッとした。
その作業が終わった頃、警察の人がきた。
本物の刑事さんを見るのは初めてでとても緊張したけれど、比較的落ち着いて受け答えする事ができた。
刑事さんは「すみませんね、スマホを少しお借りします」と言ったあと、後日、現場検証として恵のマンションと、私が誘拐された先のライブハウスの立ち会いも必要だと言った。
また、昭人や仲間たちの裁判が始まった時は、証言をするために出頭しなければならないらしい。
本当は恵のマンションは現状維持が好ましかったらしいけど、涼さんの心配性が爆破してしまったし、彼は警察上層部と知り合いなので、特にお咎めはなかった。
「はぁー……、緊張した……」
刑事さんが帰ったあと、私はグタ……とソファの背もたれに寄りかかる。
恵もソファの上で体育座りをしていて、膝の間に顔を埋めていた。
「……よし! 気分転換に食事に行こうか!」
涼さんはパンと手を打って言い、私と恵は顔を上げる。
「気が重たい事があった時、同じ場所にいると停滞した気持ちになってしまう。疲れていると思うけど、着替えてメイクして一緒に出かけよう。美味しい物を食べたら気分が上がると思うし、無理矢理にでも気分転換しないと」
行動派の涼さんの言葉を聞き、佳苗さんが「イェーイ! シャンパン飲んじゃう!」と張り切った。
「……まったく……」
恵は苦笑いし、私に向かって手を差しだし「行こうか」と一緒に部屋へ向かった。
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