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イベントを終えて 編
情事のあと ☆
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「あ……っ、はぁ……っ、あ……、あぁ……」
私はズルズルと脱力しながらも尊さんにしがみつき、彼は私が怪我をしないようにしっかり支えてくれる。
湯船の中に座り込むと、目の前には少し勢いを失ったモノの先端に白濁が溜まっているのが見えた。
(えっちだ……)
避妊具は私の愛蜜でテラテラと光っていて、それもまたいやらしい。
「ちょっと処理してくる。大丈夫か?」
尊さんに尋ねられ、私はコクンと頷く。
彼は「悪い」と一言謝ったあと、サッとバスルームの外に出て行った。
それからすぐに尊さんは手に水のペットボトルを持って戻り、バスタブに入ったあと「ほれ」とキャップを取って私に飲ませる。
「ん……、ん」
クピクピと音を立てて水を飲むと、このまま目を閉じて寝てしまいそうな感覚が少し覚める。
「…………やっちまったな」
尊さんは溜め息混じりに言ったあと、私が満足してペットボトルから口を離すと、それを手にしてゴクゴクと飲む。
「……大変気持ちようございました」
感想を述べると、尊さんはぶふっと噴き出す。
「なら良かったけど」
彼は腕を伸ばしてトンとペットボトルを置き、温かいお湯に身を浸して溜め息をつく。
「……なんか、色々話したい事があったはずなのに、セックスしたら頭から抜けてったな……」
「私も、宮本さんの事とか、色々頭の中でグルグルしていたんですが、……どうでも良くなっちゃった……。あとになったらまた悩むかもしれないんですが、今は『いいやー』ってなっちゃってます」
「世間には仲直りックスって言葉もあるみたいだし、ある程度セックスして解決する事ってありそうだよな」
「もうちょっと色々考える人になって、人からも『頭が良さそう』って思われたいんですが、割とご飯食べてお腹一杯になると『まぁいいや』ってなりますし、寝て起きたら大体忘れてますし、そういうもんですよね」
「それが一番平和でいいよ。プライベートな時間まで哲学的な事や、ディベート的な事を言ってたら俺はやだな……」
尊さんはクシャッと笑い、両手で水鉄砲を作ると、ピュッと私にお湯をかけてくる。
「政治とか国際問題とか、真剣に考えるのは大事だし、そういう事について話し合える夫婦って理想だと思う。でも仕事でもプライベートでも、百パーセント真面目じゃなくていいんだ。気を抜ける時は抜くでいいと思うぜ」
「そうですねぇ……。原っぱに寝転んで雲の形を見て、お魚に似てる……とか考える時間があってもいいと思います」
「それはまた牧歌的だな」
「んー……」
ポーッとした私が尊さんに抱きついてうなると、彼は「そろそろ上がるか」と言ってライトの色と強さを元に戻した。
フェイスケアとボディケア、ヘアケアを終えたあと、私たちはストレッチをしてからベッドに潜り込み、「おやすみ」を言い合う。
尊さんにくっついて脚を絡ませて寝ようとしつつ、私は親友の事を思いだしていた。
(恵、最近あまり話せてないけど、涼さんとうまくいってるかな……)
便りが無いのは元気な証拠と言うけれど、そういう事にしておこう。
なんにせよ、会社で今まで通りしょっちゅう会えていなくても、週末はある程度の報告会を行っているので、問題があったらその時教えてくれるだろう。
(応援してるよ、恵)
私は心の中でつぶやき、スゥゥー……、と尊さんの匂いを嗅いだ。
**
私――、中村恵は、就任パーティーから帰った夜、涼さんに壁際に追い詰められていた。
「ねぇ、どうしてパーティーで無視したの?」
……まずい。
ほんっとうにまずい。
就任パーティーには涼さんも来ていて、『あ、いる』と思って彼のほうを見た時、パチッと目が合った。
ヒラヒラと手を振られたのだけれど、周りにいる部署の人――特に綾子さん周りに知られると面倒なので、知らないふりをした。
そのツケが今きているのだ。
私はズルズルと脱力しながらも尊さんにしがみつき、彼は私が怪我をしないようにしっかり支えてくれる。
湯船の中に座り込むと、目の前には少し勢いを失ったモノの先端に白濁が溜まっているのが見えた。
(えっちだ……)
避妊具は私の愛蜜でテラテラと光っていて、それもまたいやらしい。
「ちょっと処理してくる。大丈夫か?」
尊さんに尋ねられ、私はコクンと頷く。
彼は「悪い」と一言謝ったあと、サッとバスルームの外に出て行った。
それからすぐに尊さんは手に水のペットボトルを持って戻り、バスタブに入ったあと「ほれ」とキャップを取って私に飲ませる。
「ん……、ん」
クピクピと音を立てて水を飲むと、このまま目を閉じて寝てしまいそうな感覚が少し覚める。
「…………やっちまったな」
尊さんは溜め息混じりに言ったあと、私が満足してペットボトルから口を離すと、それを手にしてゴクゴクと飲む。
「……大変気持ちようございました」
感想を述べると、尊さんはぶふっと噴き出す。
「なら良かったけど」
彼は腕を伸ばしてトンとペットボトルを置き、温かいお湯に身を浸して溜め息をつく。
「……なんか、色々話したい事があったはずなのに、セックスしたら頭から抜けてったな……」
「私も、宮本さんの事とか、色々頭の中でグルグルしていたんですが、……どうでも良くなっちゃった……。あとになったらまた悩むかもしれないんですが、今は『いいやー』ってなっちゃってます」
「世間には仲直りックスって言葉もあるみたいだし、ある程度セックスして解決する事ってありそうだよな」
「もうちょっと色々考える人になって、人からも『頭が良さそう』って思われたいんですが、割とご飯食べてお腹一杯になると『まぁいいや』ってなりますし、寝て起きたら大体忘れてますし、そういうもんですよね」
「それが一番平和でいいよ。プライベートな時間まで哲学的な事や、ディベート的な事を言ってたら俺はやだな……」
尊さんはクシャッと笑い、両手で水鉄砲を作ると、ピュッと私にお湯をかけてくる。
「政治とか国際問題とか、真剣に考えるのは大事だし、そういう事について話し合える夫婦って理想だと思う。でも仕事でもプライベートでも、百パーセント真面目じゃなくていいんだ。気を抜ける時は抜くでいいと思うぜ」
「そうですねぇ……。原っぱに寝転んで雲の形を見て、お魚に似てる……とか考える時間があってもいいと思います」
「それはまた牧歌的だな」
「んー……」
ポーッとした私が尊さんに抱きついてうなると、彼は「そろそろ上がるか」と言ってライトの色と強さを元に戻した。
フェイスケアとボディケア、ヘアケアを終えたあと、私たちはストレッチをしてからベッドに潜り込み、「おやすみ」を言い合う。
尊さんにくっついて脚を絡ませて寝ようとしつつ、私は親友の事を思いだしていた。
(恵、最近あまり話せてないけど、涼さんとうまくいってるかな……)
便りが無いのは元気な証拠と言うけれど、そういう事にしておこう。
なんにせよ、会社で今まで通りしょっちゅう会えていなくても、週末はある程度の報告会を行っているので、問題があったらその時教えてくれるだろう。
(応援してるよ、恵)
私は心の中でつぶやき、スゥゥー……、と尊さんの匂いを嗅いだ。
**
私――、中村恵は、就任パーティーから帰った夜、涼さんに壁際に追い詰められていた。
「ねぇ、どうしてパーティーで無視したの?」
……まずい。
ほんっとうにまずい。
就任パーティーには涼さんも来ていて、『あ、いる』と思って彼のほうを見た時、パチッと目が合った。
ヒラヒラと手を振られたのだけれど、周りにいる部署の人――特に綾子さん周りに知られると面倒なので、知らないふりをした。
そのツケが今きているのだ。
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