【R-18】上司と継弟に求められて~私と彼と彼の爛れた生活~

臣桜

文字の大きさ
11 / 114

ファーストキス

『…………え?』

 一瞬何を言われたのか理解できず、私は何度目かの硬直をする。

 ――何言ってるの?

 ――確かにまだ懐かれてるとは言いがたいけど、一応姉なんだけど。

 ――亮なりのいじめだったりして。

 訳が分からないまま黙っていると、彼がつけ加えた。

『キスした事がないんだ。遅れてるって思われるのが嫌だから、練習させて』

 ――嘘だ。

 とっさに私は心の中で思った。

 亮は高身長で顔もいいし、成績もいい上にスポーツ万能だ。

 そんな彼がモテないはずがない。

 絶対大勢に告白されてるし、女の子が家まで勉強しに来た事だってあった。

 黒髪が綺麗な清楚なお嬢さんで、あきらかに亮に気がある表情をしているのを見て、『ああ、青春だな』と思っていた。

 ……私を見て、『お姉さん?』ってクスクス笑っていたのは、ちょっと気に食わないけど。

『練習であっても、姉弟でする事じゃないでしょ』

『あれ? 俺のこと意識してんの?』

『しっ、してない! 馬鹿言うな』

 赤面したのは、亮を恋愛対象として見ているからじゃない。からかわれたからだ。

『じゃあ、弟とのキスなんてカウントに入らないじゃん』

 そうじゃない。私だって未経験だし、弟とファーストキスをするなんて嫌だ。

『初めてじゃないだろ?』

 けれどそう言われて、サッと赤面した。

 年上なのに〝済ませない〟のが恥ずかしく、『初めて』なんて口が裂けても言えない。

 だから――とっさに嘘をついた。

『もっ、勿論、経験済みだけど?』

『じゃあ、教えてくれよ。好きな子がいるから、失敗したくないんだ』

 ――好きな子、いるんだ。

 ――あの綺麗な子かな。

 一瞬そう考えてモヤッとしてしまった自分が嫌だ。

 私、なんなの?

 姉でしょ? 血が繋がっていなくても、私は亮の姉なんだから。

 亮に好きな人がいても関係ないし、キスを教えてって言われても動揺する必要はない。

 テンパって自分に言い聞かせた私は、売り言葉に買い言葉で言い返していた。

『れ、練習したいなら亮からしたら? 私はいつもされる側だから、自分からした事ないの』

 苦し紛れにそう言ったのは、キスの仕方が分からないからだ。

 唇をつければいいのは分かってるけど、友達の失敗談を聞いたら歯がぶつかったというから、未経験の自分にできる訳がないと思って亮に丸投げした。

 亮が失敗しても私のせいにはならず、私が初めてとはバレないはず。

 言った時、亮はうっすら笑った。

『じゃあ俺からする』

 亮は私の前に立ち、見下ろしてくる。

 気まずくて視線を逸らしていると、肩に掛かった髪をサラリと払われた。

(練習、弟、ノーカン)

 私の心の中で、その言葉を繰り返す。

 けれど表向きは、慣れてますよ、と澄ました顔で目を閉じた。

 亮は私の頬を両手で包み、顔を仰向かせる。

 それだけで心臓がバクバクいい、顔が紅潮してしまいそうで焦る。

(早くして! 照れてるのバレる!)

 焦りのあまり、私は眉間に皺を寄せる。

 その時、唇に柔らかい物が押しつけられた。

(やわ……っ)

 ふにゅ、とマシュマロみたいな物が押し当てられ、ちゅ、ちゅ、と何度かついばんでくる。

(何……? 慣れてる? 初めてじゃなかったの?)

 驚いた私は顔を離そうとしたけれど、抱き締められてベッドの上に押し倒された。

『え……っ!?』

 ――話が違う!

 抵抗しようとしても、また唇を塞がれ、今度は口内にヌルリと舌が入ってきた。

(怖い!)

 未知の感覚に、私は体を硬直させる。

 それをいい事に、亮は私の口内を蹂躙するようにキスしてきた。

『んっ、んぅ……っ、ん、……んー!』

 亮はヌルヌルと私の舌を舐め、嫌なはずなのに体がゾクゾクする。

 怯えた私は逃げようとするけれど、亮はしっかりと私を抱き締めて離さない。

『あ……っ、ふ、――う、ぅ、……ん、……んむ、……んっ』

 抵抗していたはずなのに、私は気が付けば頭の中を真っ白にし、されるがままになっていた。

 最初は信じられないという思いと、驚きで固まっていた。

 でも亮のキスに翻弄されるうちに、悔しい事に気持ちよさを覚えて身を委ねてしまった自分がいる。

 すっかり亮に圧倒された私は、ワンピースの背中のファスナーを下ろされても、気付けずにいた。
感想 1

あなたにおすすめの小説

俺様上司に今宵も激しく求められる。

藤白ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。

イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。 きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。 そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……? ※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。 ※他サイトにも掲載しています。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。