【R-18】上司と継弟に求められて~私と彼と彼の爛れた生活~

臣桜

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私にはこの人がいるから大丈夫

「今日は上長たちと話し合うから遅くなると思う。夕貴は亮くんに連絡して一緒にいてもらってくれ。俺の家で飯食ってていいから」

「……いいの?」

 亮を受け入れると言ったけど、留守中に家に上げるなんてなかなかだ。

「全然。亮くんの事ならもう信頼してるよ。彼は良くも悪くもプライドが高い。俺がいない間に卑怯な真似をするなんて、自分の誇りが許さないタイプだ。それに彼以上に夕貴を任せられる人はいない。亮くんなら何があっても守ってくれる」

 言われて、確かにそうかもと思った。

 亮は他人に迷惑を掛ける人を見て、冷ややかな対応をする人だ。

 子供の頃なら善悪の判断が揺らぐ事も多いかもしれないけど、亮はかなり潔癖だった。

 多分、お母さんを亡くしてしまった分、しっかりしないとと思ったからかもしれない。

 私と関係を持った事についてのみ、亮は〝普通〟から大きく逸脱してしまったけど、それ以外については厳格にルールを守るタイプだと思う。

 いつだったか『新居で旦那のいない間に抱いてやる』と言っていたけど、今はもうそんな事は考えていないと思う。

 あの時は頭に血が上っていたと思うけど、三人でエッチして秀弥さんを敵と思わなくなったあとは、もう抜け駆けしようとする気持ちも持っていないように感じられる。

 だから私は、秀弥さんの穏やかな表情を見て頷いた。

「……そうだね。亮はもともといい子だから」

 そう言うと、秀弥さんはツンと私の鼻先をつついた。

「大体の事には目ぇ瞑るけど、家主がいない時におっぱじめるのはナシな。ヤる時は参加させてくれ」

「…………もう!」

 エッチの事を言われ、私は赤面して彼の腕を軽く叩く。

「……いけるか?」

 立ちあがった秀弥さんは私の顔を覗き込んで尋ねてくる。

 ――私にはこの人がいるから大丈夫。

 そう思った私は、大きく深呼吸してから頷いた。

「うん!」





 昼休みはもう終わろうとしていて、秀弥さんと一緒に階段を上がってフロアに戻ると、廊下にいた人たちが私たちを見てきた。

 無遠慮な視線に萎縮してしまいそうだけど、隣に彼がいてくれるから顔を上げられる。

 商品開発部のデスクに戻りかけた時、いつも私に仕事を押しつけてくる女性たちが、意味深な表情を浮かべて近寄ってきた。

「西崎課長補佐~。長谷川さん、チームから外してくれませんかぁ? 私たちとしても変な噂のある人と一緒に働いてると、迷惑するっていうかぁ……」

 彼女たちは秀弥さんに甘えるふりをして、チラッと私を見てせせら笑う。

 周囲の人たちはその様子を見て、「うわ、よくやるな」という顔をしていた。

 そう思えるぐらいには、私の精神状態も安定してきている。

 秀弥さんは彼女たちを睥睨したあと、皮肉げに笑った。

「なら、君たちが抜けたら?」

「なっ……!」

 そう言われると思っていなかったのか、彼女たちは気色ばむ。

「他人のプライベートってそんなに大事? 仮に君たちがパパ活をして、男性から金品を巻き上げて被害届けが出たっていうなら会社としても対策するけど」

 秀弥さんのたとえ話を聞いて、彼女たちは表情を強張らせる。

 実際、そういう噂はあった。

 見た目に気を遣ってデパコスを使っている彼女たちの私服姿は、ブランド物で固めて凄いらしい。

 別の女性の先輩が街中ですれ違った時、彼女たちはリッチそうなおじさんと腕を組んでいたとか。

「……でも社外の恋愛が仕事にどんな影響を与える? 幼馴染みと恋愛しようが、誰かの浮気相手になっていようが、何股もしていようが、会社に迷惑を掛けないなら問題ないはずだが。……それとも君たちは、会社に社員のプライベートに首を突っ込んで精査し、判断しろと?」

 秀弥さんが言ったあと、周囲がシン……と静まりかえる。

 彼の反論すべてが私のためとは思わない。でも秀弥さんは私が嗤われた事でかなり怒っている。

 だからこの気まずさは私のせいで……、と思ってしまうのを必死に堪えた。

 彼女たちは焦った顔をするも、鼻で嗤って言い返す。

「西崎課長補佐、長谷川さんと付き合ってるからそういう事を言うんですか? 公私混同するのだっさ」

 一人がせせら笑った時、両手をポケットに入れた秀弥さんは一歩踏み出して彼女を見下ろし、吐き捨てるように言った。
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