【R-18】上司と継弟に求められて~私と彼と彼の爛れた生活~

臣桜

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遊んだのち、待っていたのは

「……とりあえずは、身の回りに気をつけるしかないわね」

 母が物憂げに溜め息をつき、私は心配を掛けてしまい申し訳なく思う。

「……夕貴はこのあと、どうしていくつもりなの?」

 母に尋ねられ、私はポソポソと答えていく。

「仕事を辞めたあと、少しゆっくりしてまず三人での今後をどうするか考える。二人を頼るようで情けないけど、生活していくのに心配はないって言ってくれてるから、一時的にその言葉に頼る事にする。……それで結婚と出産が終わって落ち着いたら、また自分のためにバリバリ働いていけたらなって思ってる」

 すると母は穏やかな顔で頷いた。

「そうね。今は色んな事が起こって混乱してるだろうけど、一つずつ解決していきましょう。私たちの事は心配しなくていいし、当面の生活は西崎さんと亮くんに支えてもらいなさい。そして、しばらくは三人とも精神的な安定を優先して、三人が納得した形での幸せを得る事を考えてちょうだい。他の事は後回しにしていいから」

 そう言われ、絡まっていた気持ちがゆっくりほどけていく。

「ずっと考え込んでいて、ストレスが溜まってるんじゃない? 少しゆっくりしたら? 気晴らしにどこか出かけてもいいと思うし」

「……うん。そうだね」

 近年、一緒に遊ぶといえば相手は志保だった。

 でも大学卒業後、会う頻度が下がったとはいえ、学生時代の友達がいない訳じゃない。

 彼女たちに声を掛けて遊ぶのもいいし、秀弥さんと亮と三人で親睦を深めるために、どこか行くのも名案だ。

 それに頼子さんたちが開いてくれるという送別会も楽しみだし、見方を変えれば以前秀弥さんが言ったように、これからの楽しみは沢山ある。

(つらい事があったあとは、きっといい事がある)

 自分に言い聞かせ、私はニコッと笑った。





 その日は家族と一緒に出前のお寿司を食べ、三人で気分転換がてら遊んでから帰る事にした。

 亮はまだ実家に住んでいるけれど、一人暮らしをする物件には見当をつけ、いつでも引っ越せる状態らしい。

 けれど私たちが今後どういう道を辿っていくか見極めてから、正式に手続きする予定みたいだ。

 確かに三人で住むと言ったら、契約するだけ無駄になってしまうから、その選択は正しい。

 私たちは思いきり気分転換するために、お台場にある屋内テーマパークに行き、ジェットコースターに乗り、シューティングゲームをしたり、童心に返って思いきり遊んだ。

「……お前、意外と絶叫系大丈夫なんだな……」

 ジェットコースターから降りた秀弥さんは、ぐったりとして言う。

「私、遊園地大好きですから」

 張りきって答えると、亮が表情を変えずに言う。

「夕貴は遊園地に行ったら、体力の際限なく遊ぶからこえーよ」

 ちなみに秀弥さんは絶叫系が苦手というほどではないけれど、乗りながら「うわ、マジか」とか思わず声が漏れてしまうタイプだ。

 そして亮は真顔で固まり、ガタガタと揺られて、終わったあとに盛大な溜め息をついて、なんとか自分の中で昇華させるタイプだ。

「人は見た目によらねぇな」

 秀弥さんは苦笑いし、「アイスでも食うか」と言って出入り口付近にあるアイスクリームショップに向かう。

 カップに入ったアイスは色とりどりの小さな粒が入っていて、色んなフレーバーがある。

 私はストロベリーチーズにし、秀弥さんはチョコミント、亮はチョコバナナを頼んだ。

 そのあとも色んなアトラクションを楽しみ、テーマパークを出たあとにしゃぶしゃぶのお店に入って、思う存分お肉を食べた。





「はぁ……、楽しかった!」

 車で南青山まで帰ったあと、私と亮はマンション前で下りる。

 そのあと、秀弥さんはマンションの立体駐車場に向かって車を走らせていった。

 私たちは合鍵を持っているので、このところ外出から帰った時はこうして亮と二人で先に中に入っているのが常だ。

「たまにはこういうのもいいな」

「うん! 絶対また行きたい!」

 亮と話しながら玄関に向かっていたけれど、彼がピタリと足を止めると「待て」と私の前に腕を出した。

 トンッとその腕に胸元をぶつけた私は、「えっ?」と彼を見上げる。

 亮は厳しい顔をして前方を睨んでいて、その視線を追って前を見ると、そこにいたのは――。

「……高瀬さん……」
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