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第八部・イギリス捜索 編
介抱
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(潰れたか)
佑は息をつき、香澄の頭を撫でてから彼女を抱き起こした。
そしてメンバーを見て、双子には香澄を触らせたくないと判断して、マティアスに頼む。
「マティアス、おんぶするから少し手伝ってくれ」
佑はしゃがみ、マティアスが香澄を支えて背負わせる。
普通ならスカート姿でおんぶは危うくて避けたいのだが、部屋の鍵を開ける事も考えると横抱きは不向きだ。
立ち上がると、アロイスが尋ねてきた。
「タスク、そのまんま部屋で寝る?」
「いや、寝かせたら戻って来る。もう少しぐらいなら付き合える」
「分かった。じゃあねー、カスミ」
『きちんと寝かせて上げてね』
それぞれの言葉を背中に、佑はバーを出て部屋に向かった。
脱力した香澄の体はいつもより少し重さを感じるが、好きな女ぐらい介抱できなければ鍛えている意味がないと思っている。
酔っ払った香澄を背負うのは初めてで、一度は経験してみたいと思っていた事の一つだった。
一般の会社員をしていればオフィスラブをして、仕事帰りに飲む事もあるのだろう。
その中で、酔った彼女を背負ったり介抱したり……というロマンスについ憧れてしまう自分もいる。
だが佑は起業して経営者となり、脇目も振らず突き進んできた。
先に帰る部下を会社で見送り、遅くまで待っていてくれた美智瑠の事もほぼ無視していた。
当時の彼女であった美智瑠を思うと、自分はいい彼氏ではなかったと痛感する。
(だから今、香澄を大切にすると言ったら、言い訳になるかもしれない。それでも俺は香澄を大事にしたい。今はもう心を入れ替えた)
だから……、と続く言葉を呑み込み、佑は足を進める。
エグゼクティブスイートの前まで来て、カードキーをかざす。
リビングにはウェルカムスイーツなども用意されてあったが、部屋に訪れる前にレストランに行ってしまったので、あとで香澄に好きなように食べてもらおうと思った。
キングサイズのベッドの上に香澄を寝かせると、少し腰を伸ばして「ふう」と息をつく。
「香澄、脱がせるぞ」
断ってから白いロングフレアスカートのホックとファスナーを外し、トップスのオフショルダーも脱がせる。
オフショルダー用のブラジャーも脱がし、ふるんと白い乳房が見えるが、今は〝そういう時〟ではないので我慢する。
部屋を取る時にパジャマも頼んでおいたので、香澄にそれを着させた。
そしてアメニティのメイク落としで、丁寧にメイクを落としてゆく。
仰向けになった彼女に化粧水を浴びせられず、コットンに化粧水を含ませて丁寧に肌に押し込み、乳液も両手につけて包み込む。
髪もピンを抜き、ヘアゴムを取る。
「起きたら歯磨きをする事……と」
メモにサラサラとメッセージを書き、分かりやすい場所に置いておく。
「他は……」
香澄にできるケアを考え、ミニバーからミネラルウォーターのペットボトルを出し、それもベッドサイドに置いておいた。
ついでに自分も水を飲み、もう一度香澄の元に戻る。
「……体調は大丈夫かな」
彼女の額や首筋に手を当て、体温や呼吸を確かめる。
だがこれ以上自分にできる事はなさそうだと思うと、香澄の額に唇を押しつけ「おやすみ」と囁いた。
香澄がいないとなると、愛想を振りまく相手もいなくなる。
しかしドイツからエミリアとマティアスが来たのなら、知り合いとしてもてなさなくてはならない。
「……まぁ、別に嫌いじゃないからいいんだけど」
呟いたあと、佑は部屋の照明を落とし、廊下に出てしっかりドアが閉まって施錠されたのを確認する。
それから廊下をゆったり歩み、またバーに戻るのだった。
「ただいま」
バーに戻ると、双子たちは変わらない様子でお喋りを楽しんでいる。
エミリアもスイスイと酒を飲んでいる。
酒が強いから、双子たちと同じペースで酒を飲み楽しめているのだろう。
佑は息をつき、香澄の頭を撫でてから彼女を抱き起こした。
そしてメンバーを見て、双子には香澄を触らせたくないと判断して、マティアスに頼む。
「マティアス、おんぶするから少し手伝ってくれ」
佑はしゃがみ、マティアスが香澄を支えて背負わせる。
普通ならスカート姿でおんぶは危うくて避けたいのだが、部屋の鍵を開ける事も考えると横抱きは不向きだ。
立ち上がると、アロイスが尋ねてきた。
「タスク、そのまんま部屋で寝る?」
「いや、寝かせたら戻って来る。もう少しぐらいなら付き合える」
「分かった。じゃあねー、カスミ」
『きちんと寝かせて上げてね』
それぞれの言葉を背中に、佑はバーを出て部屋に向かった。
脱力した香澄の体はいつもより少し重さを感じるが、好きな女ぐらい介抱できなければ鍛えている意味がないと思っている。
酔っ払った香澄を背負うのは初めてで、一度は経験してみたいと思っていた事の一つだった。
一般の会社員をしていればオフィスラブをして、仕事帰りに飲む事もあるのだろう。
その中で、酔った彼女を背負ったり介抱したり……というロマンスについ憧れてしまう自分もいる。
だが佑は起業して経営者となり、脇目も振らず突き進んできた。
先に帰る部下を会社で見送り、遅くまで待っていてくれた美智瑠の事もほぼ無視していた。
当時の彼女であった美智瑠を思うと、自分はいい彼氏ではなかったと痛感する。
(だから今、香澄を大切にすると言ったら、言い訳になるかもしれない。それでも俺は香澄を大事にしたい。今はもう心を入れ替えた)
だから……、と続く言葉を呑み込み、佑は足を進める。
エグゼクティブスイートの前まで来て、カードキーをかざす。
リビングにはウェルカムスイーツなども用意されてあったが、部屋に訪れる前にレストランに行ってしまったので、あとで香澄に好きなように食べてもらおうと思った。
キングサイズのベッドの上に香澄を寝かせると、少し腰を伸ばして「ふう」と息をつく。
「香澄、脱がせるぞ」
断ってから白いロングフレアスカートのホックとファスナーを外し、トップスのオフショルダーも脱がせる。
オフショルダー用のブラジャーも脱がし、ふるんと白い乳房が見えるが、今は〝そういう時〟ではないので我慢する。
部屋を取る時にパジャマも頼んでおいたので、香澄にそれを着させた。
そしてアメニティのメイク落としで、丁寧にメイクを落としてゆく。
仰向けになった彼女に化粧水を浴びせられず、コットンに化粧水を含ませて丁寧に肌に押し込み、乳液も両手につけて包み込む。
髪もピンを抜き、ヘアゴムを取る。
「起きたら歯磨きをする事……と」
メモにサラサラとメッセージを書き、分かりやすい場所に置いておく。
「他は……」
香澄にできるケアを考え、ミニバーからミネラルウォーターのペットボトルを出し、それもベッドサイドに置いておいた。
ついでに自分も水を飲み、もう一度香澄の元に戻る。
「……体調は大丈夫かな」
彼女の額や首筋に手を当て、体温や呼吸を確かめる。
だがこれ以上自分にできる事はなさそうだと思うと、香澄の額に唇を押しつけ「おやすみ」と囁いた。
香澄がいないとなると、愛想を振りまく相手もいなくなる。
しかしドイツからエミリアとマティアスが来たのなら、知り合いとしてもてなさなくてはならない。
「……まぁ、別に嫌いじゃないからいいんだけど」
呟いたあと、佑は部屋の照明を落とし、廊下に出てしっかりドアが閉まって施錠されたのを確認する。
それから廊下をゆったり歩み、またバーに戻るのだった。
「ただいま」
バーに戻ると、双子たちは変わらない様子でお喋りを楽しんでいる。
エミリアもスイスイと酒を飲んでいる。
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