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第二十三部・幸せへ 編
ナショナルモール
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ランチにワタリガニや牡蠣などのシーフードを食べたあと、香澄は双子たちと一緒に博物館に行く事にした。
「空が広いですね。NYと違って高い建物がないです」
「だねー。日本でいえば京都と似た感じで、高層ビルを建てたらダメとか、規制が厳しい街なんだよ。その分あのモニュメントが目立ってるでしょ」
アロイスに言われたほうを見ると、白いオベリスクがにょっきりと生えている。
「……なかなか、インパクトが強いです」
道産子の香澄としては、今はもうない百年記念塔や、里塚霊園にある塔を思い出してしまう。
けれどワシントン記念塔はそれらよりずっと高く、巨大だ。
「あれは何のための物ですか?」
「独立戦争を勝利に導いた、初代大統領のジョージ・ワシントンを讃える塔だよ」
「ほうほう」
説明されて頷くと、クラウスが付け足した。
「西側にリフレクティング・プールって呼ばれてるカナールがあるけど、名前の通り、細長い池にモニュメントが映って綺麗だよ」
「そうなんですね。あとで行ってみようっと」
「地元の人からは、ペンシルって呼ばれてるんだ」
「へ? ペンシル? あっ、そっか。鉛筆に似てる」
言われて納得した香澄は、雲間から巨大な手が生えて鉛筆を……という想像をして「いやいや」とやめる。
「無料で中に入れて展望台もあるから、あとで行ってみな。整理券が必要だから気をつけてね」
「無料! お得……」
その言葉に反応した香澄を見て、双子はクスクス笑っている。
「驚いたところ悪いけど、これから向かうスミソニアンも全部無料よ」
「ええっ!?」
香澄は澪の言葉を聞いて二重に驚き、どの建物か分からないが公園付近にある建物をキョロキョロと見る。
「スミソニアン博物館ですよね? 何がある博物館ですか?」
彼女の質問を聞いて、双子はニヤッと笑う。
「この辺にある十以上の博物館や美術館、全部を総称してスミソニアンって言うんだよ」
「えっ!? それ全部タダですか?」
「そうそう。だから一日じゃ回りきれないから、滞在してる間たっぷり楽しみなよ」
「へええ……」
感心していると、またクラウスが付け加えた。
「目玉は宇宙博物館と、『ナイトミュージアム』を思わせる自然史博物館。ここは『タイタニック』に出てくる宝石のモデルになった、でかいダイヤがあるよ。恐竜の模型とか化石、隕石とか色々ある」
「面白そう!」
「あとはナショナルギャラリーだね。絵画が見放題」
「行きたい、行きたい」
両手で拳を握って訴えると、澪が笑って背中をポンポン叩いてきた。
「逃げないからそう焦らず。……まぁ、見る余裕があったらだけど」
ボソッと呟いた彼女の言葉に「ん?」と振り向くと、澪は「なんでもない」と言って両手を組み伸びをした。
「国会議事堂の中も入れるからね。ネット予約で整理券ゲットしたら、一時間ぐらいかけて中を説明してくれるツアーもあるよ。これも無料」
「素敵~」
すっかり無料の虜になった香澄は、ワクワクして目を輝かせている。
「その分、どこもセキュリティは厳しいからね。ペットボトルは持ち歩かないほうがいいよ」
「分かりました」
気持ちのいい公園内を歩いて写真を撮って散歩し、お腹がこなれたところで四人は宇宙博物館に入った。
**
いっぽう、佑は汗だくになって川縁を歩いていた。
どこを歩いても道なりに桜、桜、桜。
普段なら「美しい」と思って写真ぐらい撮るだろうが、今はそんな気持ちにもなれない。
(香澄……っ)
護衛が小走りになるほど早足で歩く佑は、黒髪ストレートのアジア人女性を見かけるたびに顔を覗き込み、「Excuse me.」を繰り返す。
「空が広いですね。NYと違って高い建物がないです」
「だねー。日本でいえば京都と似た感じで、高層ビルを建てたらダメとか、規制が厳しい街なんだよ。その分あのモニュメントが目立ってるでしょ」
アロイスに言われたほうを見ると、白いオベリスクがにょっきりと生えている。
「……なかなか、インパクトが強いです」
道産子の香澄としては、今はもうない百年記念塔や、里塚霊園にある塔を思い出してしまう。
けれどワシントン記念塔はそれらよりずっと高く、巨大だ。
「あれは何のための物ですか?」
「独立戦争を勝利に導いた、初代大統領のジョージ・ワシントンを讃える塔だよ」
「ほうほう」
説明されて頷くと、クラウスが付け足した。
「西側にリフレクティング・プールって呼ばれてるカナールがあるけど、名前の通り、細長い池にモニュメントが映って綺麗だよ」
「そうなんですね。あとで行ってみようっと」
「地元の人からは、ペンシルって呼ばれてるんだ」
「へ? ペンシル? あっ、そっか。鉛筆に似てる」
言われて納得した香澄は、雲間から巨大な手が生えて鉛筆を……という想像をして「いやいや」とやめる。
「無料で中に入れて展望台もあるから、あとで行ってみな。整理券が必要だから気をつけてね」
「無料! お得……」
その言葉に反応した香澄を見て、双子はクスクス笑っている。
「驚いたところ悪いけど、これから向かうスミソニアンも全部無料よ」
「ええっ!?」
香澄は澪の言葉を聞いて二重に驚き、どの建物か分からないが公園付近にある建物をキョロキョロと見る。
「スミソニアン博物館ですよね? 何がある博物館ですか?」
彼女の質問を聞いて、双子はニヤッと笑う。
「この辺にある十以上の博物館や美術館、全部を総称してスミソニアンって言うんだよ」
「えっ!? それ全部タダですか?」
「そうそう。だから一日じゃ回りきれないから、滞在してる間たっぷり楽しみなよ」
「へええ……」
感心していると、またクラウスが付け加えた。
「目玉は宇宙博物館と、『ナイトミュージアム』を思わせる自然史博物館。ここは『タイタニック』に出てくる宝石のモデルになった、でかいダイヤがあるよ。恐竜の模型とか化石、隕石とか色々ある」
「面白そう!」
「あとはナショナルギャラリーだね。絵画が見放題」
「行きたい、行きたい」
両手で拳を握って訴えると、澪が笑って背中をポンポン叩いてきた。
「逃げないからそう焦らず。……まぁ、見る余裕があったらだけど」
ボソッと呟いた彼女の言葉に「ん?」と振り向くと、澪は「なんでもない」と言って両手を組み伸びをした。
「国会議事堂の中も入れるからね。ネット予約で整理券ゲットしたら、一時間ぐらいかけて中を説明してくれるツアーもあるよ。これも無料」
「素敵~」
すっかり無料の虜になった香澄は、ワクワクして目を輝かせている。
「その分、どこもセキュリティは厳しいからね。ペットボトルは持ち歩かないほうがいいよ」
「分かりました」
気持ちのいい公園内を歩いて写真を撮って散歩し、お腹がこなれたところで四人は宇宙博物館に入った。
**
いっぽう、佑は汗だくになって川縁を歩いていた。
どこを歩いても道なりに桜、桜、桜。
普段なら「美しい」と思って写真ぐらい撮るだろうが、今はそんな気持ちにもなれない。
(香澄……っ)
護衛が小走りになるほど早足で歩く佑は、黒髪ストレートのアジア人女性を見かけるたびに顔を覗き込み、「Excuse me.」を繰り返す。
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