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第一章
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今まで一緒に過ごした彩香はもういない。
喪失感に襲われながらその場に座り込んだ。
しばらく何も考えられず空を眺めていた。
何時間経っただろうか。
辺りは夕暮れに包まれきている。
このままここにいても仕方ない。
本殿の方へ戻ることにした。
本殿に戻り神社を出ようと石畳の先を見て俺は驚愕した。
「なんだ、、これ」
鳥居の間に鉄製のドアが現れたのだ。
このドアは昨日彩香とこの世界に来た時に通ったドアだとわかった。
つまりこのドアを開けるとあの駅に戻るということなのだろうか。
俺は思い切ってドアを開けた。
鉄製だが思ったより軽いドア。
やはりあの時のドアだ。
ドアの中は薄暗い道が続いている。
しばらく歩いていると若い男性の駅員がいた。
俺に43番ホームが目的地と言った駅員と同じ人だった。
「お帰りなさいませ。目的は果たせましたか?」
駅員は会釈しながら聞いてきた。
「わかりません。ただ僕にはまだやらなければならないことがあるはずです」
駅員はリフトのある場所へ腕を伸ばした。
「ではお客様。本来あなたが行かなければならない場所へ案内致します」
本来行かなければならない場所。俺には心当たりがあった。
最初にホームで言われた場所。
34番ホームだ。
駅員に案内してもらいリフトに乗る。他に乗客はいなかった。リフトは螺旋状に下へ降りていく。他の階層に止まることなく34番ホームに到着した。
到着すると女性の駅員が案内してくれた。
「お疲れ様でした。ここが34番ホームです。お足元にお気をつけ下さい」
リフトを降りて女性駅員の案内してくれた方へ向かう。
先程同様に薄暗い道が続いていた。
最初に降りた43番ホームでは彩香がいた。
思い出すと寂しさが込み上げてきた。
しばらく歩くとまた鉄製のドアがある。
俺はドアを躊躇なく押した。
ドアを開けた瞬間。
目の前が真っ暗になった。
「おい!総司!総司ってば!」
肩を揺すられて目が覚める。
「あ、、佐々木、、?」
俺の隣で佐々木は心配そうな顔をしている。
「急に黙ってどうしたんだよ。立ちながら寝てたのか?」
佐々木は笑いながら俺の背中を叩いた。
「佐々木だよな?お前71番ホームで電車に乗ってどこにいたんだよ」
佐々木は怪訝な表情で俺の顔を覗いた。
「お前本当に寝てたのか?71番ホーム?意味がわからんぞ」
佐々木は本当に心配そうな顔で俺を見た。
俺は状況が飲み込めずスマホを見る。
圏外表示は改善されていた。
画面表示を見て俺は戦慄した。
7月4日。16時55分
あの螺旋状の駅に入る直前の時刻だったのだ。
第一章 終わり
喪失感に襲われながらその場に座り込んだ。
しばらく何も考えられず空を眺めていた。
何時間経っただろうか。
辺りは夕暮れに包まれきている。
このままここにいても仕方ない。
本殿の方へ戻ることにした。
本殿に戻り神社を出ようと石畳の先を見て俺は驚愕した。
「なんだ、、これ」
鳥居の間に鉄製のドアが現れたのだ。
このドアは昨日彩香とこの世界に来た時に通ったドアだとわかった。
つまりこのドアを開けるとあの駅に戻るということなのだろうか。
俺は思い切ってドアを開けた。
鉄製だが思ったより軽いドア。
やはりあの時のドアだ。
ドアの中は薄暗い道が続いている。
しばらく歩いていると若い男性の駅員がいた。
俺に43番ホームが目的地と言った駅員と同じ人だった。
「お帰りなさいませ。目的は果たせましたか?」
駅員は会釈しながら聞いてきた。
「わかりません。ただ僕にはまだやらなければならないことがあるはずです」
駅員はリフトのある場所へ腕を伸ばした。
「ではお客様。本来あなたが行かなければならない場所へ案内致します」
本来行かなければならない場所。俺には心当たりがあった。
最初にホームで言われた場所。
34番ホームだ。
駅員に案内してもらいリフトに乗る。他に乗客はいなかった。リフトは螺旋状に下へ降りていく。他の階層に止まることなく34番ホームに到着した。
到着すると女性の駅員が案内してくれた。
「お疲れ様でした。ここが34番ホームです。お足元にお気をつけ下さい」
リフトを降りて女性駅員の案内してくれた方へ向かう。
先程同様に薄暗い道が続いていた。
最初に降りた43番ホームでは彩香がいた。
思い出すと寂しさが込み上げてきた。
しばらく歩くとまた鉄製のドアがある。
俺はドアを躊躇なく押した。
ドアを開けた瞬間。
目の前が真っ暗になった。
「おい!総司!総司ってば!」
肩を揺すられて目が覚める。
「あ、、佐々木、、?」
俺の隣で佐々木は心配そうな顔をしている。
「急に黙ってどうしたんだよ。立ちながら寝てたのか?」
佐々木は笑いながら俺の背中を叩いた。
「佐々木だよな?お前71番ホームで電車に乗ってどこにいたんだよ」
佐々木は怪訝な表情で俺の顔を覗いた。
「お前本当に寝てたのか?71番ホーム?意味がわからんぞ」
佐々木は本当に心配そうな顔で俺を見た。
俺は状況が飲み込めずスマホを見る。
圏外表示は改善されていた。
画面表示を見て俺は戦慄した。
7月4日。16時55分
あの螺旋状の駅に入る直前の時刻だったのだ。
第一章 終わり
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