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序章
その4 作戦会議
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七月某日。
俺達、日ノ宮学園文芸部は放課後に部室へと集まり作戦会議を行っていたのだった。
「それでは作戦会議を行いまーす」
議長を務めるのは、文芸部の部長でもあるナツキ。どこからともなく運び出したホワイトボードを背にして、長机に四人並んで座る俺達と向き合う形だ。
ちなみにこの文芸部は去年の三年生しか部員が入部していなかったため、卒業後は俺達が入部するまで部員がいない状態が続いていた。ので、一年生であるナツキが部長になっているのだ。
ナツキは水性マーカーでホワイトボードの右端に『魔竜呼び出しの方法!!』と読みやすい文字で大きく書いた。キュポンと音の鳴るマーカーのキャップを閉めた後、俺達に意見を仰ぐように振り返った。すると早速フユカが挙手をする。
「やっぱり黒魔術なんかに頼った方が良いのでは?」
「はんはん、なるほどねー。く、ろ、魔術……っと」
黒魔術て。そんな方法で呼び出す位大層なものなら、七不思議なんかになってないだろ。しかしナツキは頷きながら、『黒魔術』とホワイトボードに記載した。
「んー僕からも良いかな?」
「良いよアメ」
「こういう七不思議が出来たのは最近だろうし、事情を知ってそうな古株の先生に話を聞きにいくとか」
「おー、言われてみればその考えは今までなかったね」
「今までお菓子で誘き寄せたり、中二ごっこしたりしてただけですもんね」
「そう考えると無作為な時間を過ごしていたわね私達……」
ナツキがアメの発案に感心した様にサラサラとホワイトボードに『聞き込み!』と書いた。そしてなぜだかハルが頭を痛そうに抑えていたので、そこは気を遣っておこう。優しさって大事。
「確かに見ているだけ、というのは無作為な時間だったかもな。次からはお前も参加させてやるから」
「そういう意味じゃないわよ。あんな中二ごっこ、そもそもやる意味ないって話よ」
「むむむ、《闇夜の黒兎》と《極限たる無》の暗黒大戦を馬鹿にするのですか」
「あんな壮大な戦いじゃなかったでしょ。部屋真っ暗にしておかしなポーズで二人して向き合ってただけじゃない」
そのハルの言葉に俺とフユカはやれやれと首を振る。
「やはりお前には早すぎた次元だったようだな」
「気にしなくてもいいんですよ。いずれあなたも到達出来る領域ですから」
「到達なんてしたくないから。あんた達も真面目に案を出しなさいよ」
急な正論に俺達二人は黙り込んでしまう。……しまったのだが、フユカは明後日の方向を向いて下手くそな口笛を吹き出した。
「私もう意見出しましたし」
うわっズル。こいつ黒魔術なんていう荒唐無稽な意見でこの場を乗り切ろうとしてやがる。
しかし意見を出していることには出してるからな……。意見のレベルとしては下の下の下だが。せめてその意見には負けない様、少しばかり真面目に考えてみることにした。
その間にも議論は進む。
「ねぇナツキ。この部室にある本とかに何かヒントとか乗ってる可能性もあるんじゃない?」
「確かに、全部の本を調べたわけじゃないからねー。もしかしたら過去の文芸部の作品に何かしら残ってるかも。暇があるとき皆で調べよっか」
「それにしても入学して早3ヶ月。ここまで手応えがないと、本当に七不思議が存在するのかも怪しいですね」
「存在するよ。いや、してくれないと困るかな」
俺達文芸部の作戦会議は入部当初から続くれっきとした活動内容の一部となっている。作戦会議の議題は一貫して、魔竜呼び出しの方法である。日ノ宮学園七不思議の1つである『文芸部室に封印された魔竜』。その不思議解明こそ、現在の文芸部の主たる活動なのだ。
俺達、日ノ宮学園文芸部は放課後に部室へと集まり作戦会議を行っていたのだった。
「それでは作戦会議を行いまーす」
議長を務めるのは、文芸部の部長でもあるナツキ。どこからともなく運び出したホワイトボードを背にして、長机に四人並んで座る俺達と向き合う形だ。
ちなみにこの文芸部は去年の三年生しか部員が入部していなかったため、卒業後は俺達が入部するまで部員がいない状態が続いていた。ので、一年生であるナツキが部長になっているのだ。
ナツキは水性マーカーでホワイトボードの右端に『魔竜呼び出しの方法!!』と読みやすい文字で大きく書いた。キュポンと音の鳴るマーカーのキャップを閉めた後、俺達に意見を仰ぐように振り返った。すると早速フユカが挙手をする。
「やっぱり黒魔術なんかに頼った方が良いのでは?」
「はんはん、なるほどねー。く、ろ、魔術……っと」
黒魔術て。そんな方法で呼び出す位大層なものなら、七不思議なんかになってないだろ。しかしナツキは頷きながら、『黒魔術』とホワイトボードに記載した。
「んー僕からも良いかな?」
「良いよアメ」
「こういう七不思議が出来たのは最近だろうし、事情を知ってそうな古株の先生に話を聞きにいくとか」
「おー、言われてみればその考えは今までなかったね」
「今までお菓子で誘き寄せたり、中二ごっこしたりしてただけですもんね」
「そう考えると無作為な時間を過ごしていたわね私達……」
ナツキがアメの発案に感心した様にサラサラとホワイトボードに『聞き込み!』と書いた。そしてなぜだかハルが頭を痛そうに抑えていたので、そこは気を遣っておこう。優しさって大事。
「確かに見ているだけ、というのは無作為な時間だったかもな。次からはお前も参加させてやるから」
「そういう意味じゃないわよ。あんな中二ごっこ、そもそもやる意味ないって話よ」
「むむむ、《闇夜の黒兎》と《極限たる無》の暗黒大戦を馬鹿にするのですか」
「あんな壮大な戦いじゃなかったでしょ。部屋真っ暗にしておかしなポーズで二人して向き合ってただけじゃない」
そのハルの言葉に俺とフユカはやれやれと首を振る。
「やはりお前には早すぎた次元だったようだな」
「気にしなくてもいいんですよ。いずれあなたも到達出来る領域ですから」
「到達なんてしたくないから。あんた達も真面目に案を出しなさいよ」
急な正論に俺達二人は黙り込んでしまう。……しまったのだが、フユカは明後日の方向を向いて下手くそな口笛を吹き出した。
「私もう意見出しましたし」
うわっズル。こいつ黒魔術なんていう荒唐無稽な意見でこの場を乗り切ろうとしてやがる。
しかし意見を出していることには出してるからな……。意見のレベルとしては下の下の下だが。せめてその意見には負けない様、少しばかり真面目に考えてみることにした。
その間にも議論は進む。
「ねぇナツキ。この部室にある本とかに何かヒントとか乗ってる可能性もあるんじゃない?」
「確かに、全部の本を調べたわけじゃないからねー。もしかしたら過去の文芸部の作品に何かしら残ってるかも。暇があるとき皆で調べよっか」
「それにしても入学して早3ヶ月。ここまで手応えがないと、本当に七不思議が存在するのかも怪しいですね」
「存在するよ。いや、してくれないと困るかな」
俺達文芸部の作戦会議は入部当初から続くれっきとした活動内容の一部となっている。作戦会議の議題は一貫して、魔竜呼び出しの方法である。日ノ宮学園七不思議の1つである『文芸部室に封印された魔竜』。その不思議解明こそ、現在の文芸部の主たる活動なのだ。
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