焦げアゲ↑フライリング

作者チョロまつ

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プロローグ

13話 こげあげふらいりんぐ

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「なぁレン、この問題分かるか?」
「what?どれですカ?」
「あははは!俺に分からんならレンにも無理だろ!!」
「HAHAHA!ですネー!!サッパリでーす!!」
レンのいるクラスを訪ねた勇樹。
彼は仲良くクラスメイトと喋っていた。

その会話からして、セレブのお坊っちゃまと普通の高校生の会話とはまるで思えない。
そんな事気にしていない勇樹にとっちゃ、それはどうでもよいのであるが。

「おぉ!ユウキー!!昨日はありがとうございマシタ!!」
「いえいえっ、お父さんの知り合いには会えた?」
「会えマシタ!いい人でした!!ユウキもいい人です!!」
「えへへ、ありがとー。」
近付いてくる勇樹を見てすぐに名前を呼んだレン。
二人の会話がすぐさま始まった。

「おぉっ、1年生可愛い子ランキング1位の子じゃん。」
「何それ初耳なんだけど!?しかも可愛い子って……」
「聞いてねぇの?女子を抜いてぶっちぎりの1位だったんだよー」
「Wow!!スゴイですユウキ!!」
「ちっとも嬉しくないよ!?」
さっきまで三人で話していた仲に入り、
すぐに馴染んだ四人の会話が弾んだ。



「ははは、勇樹は馴染むのが早いねー。な、柿田。」
「まぁーそれが勇樹だし仕方ない。」
偶然通りかかった井森と挙流。
勇樹達を眺めながら改めて、勇樹が馴染みやすい人物だと認識した。
「私友人できるまで時間かかったわー、アンタは?」
「俺?なんか出来てた。」
「男ってなんかいいな。」
別のクラスの壁に背をつけて話す二人、
内容は残念ながら乏しい話だった。


「でねー、いもちーの店行ったらかき揚げ食べる柿田がいて、名前思い出したらツボって死ぬかと思った。」
「だ…大丈夫ですか菫さん…。挙流の名前ってかき揚げに似てますもんね。…少し。」
「プッ…!」
「大丈夫ですか…!?」
少し離れて林檎台学園。
休み時間に日常会話をする二人。
「よくよく考えたらいもちーってさつまいもなんだよなー」
「薩摩さんですか、確かに…。じゃぁ私は海老になりますね!」
「なんか普通だなー」
「菫さんは何もないですけど。」
「ハッ、本当だ!何もねぇ!!」
人の名前をもじって話している、
なんだか和やかな会話が流れていた。



「うーん…もっと左に寄って。」
「こうかい?」
「そんな感じ!いいよー美樹。」
とある中学校の放課後、
美樹が被写体になり、茶燐が絵を描いている。

熱意を持っている茶燐の今回の絵。
見たものによると、とても上出来なものだったそうだ。


そんな彼らの日常生活は今日もはっちゃけている。







… … …

「やべ、オニオンリング焦げた。」
「あっはっはっは!!黒っ!!おもろ!!いもちー、これ名前付けて!!」
「は?名前?……」


「『焦げアゲ↑フライリング』。」


「HAHAHA!!」
「悪かったなセンス無くて!!」





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