焼きたてフィーリング

作者チョロまつ

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プロローグ

３話　追われ身のお嬢様

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「おじゃまするわ…」
入ってきたのは、同じクラスメイトだった。
さっき多々の書いていたノートの内容の、最初に出てきたお嬢様だ。
「いらっしゃいませ。こちらの席へどうぞ。」
智登は何事も無いようにクラスメイトを案内した。
「秋花しゅうか様ってここからお宅へは遠いんですよね！よく来てくださいました！」
「あぁ…うん、そうね。」
場の雰囲気に慣れないまま動揺しつつ秋花は席についた。

「今日はメイドさん、見当たらないようですが…？」
「別にいいじゃない…」
秋花は何か拒んでいるようだ。
「あ、注文だけど、しないまま居座るって駄目？」
「んー、お客さん少ないからいいですよ。」
「あぁ…そう。」
智登は秋花の注文に対し即答した。
ちょっとぎこちなさにひたりつつ、秋花は用意された水を飲んだ。

その時だった。
「すいやせん、ここらで金髪のガキ女見ませんっしたか？」
いかにも悪そうな見た目の男が店内の入り口を開けてきた。
横で秋花は隠れているようにも見えた。
「えぇ、こちらnー」
「こちらではお見かけしておりませんでした。」
秋花は金髪で子供らしい見た目をしている。
素直な流卵は答えようとしたが、もちろん智登は止めた。
「そっすか、あざっす。」
入ってきた男性はその場を後にしようとした。
その時、
「あっれぇー？なんかいるぞー？」
もう一人の男が秋花に向かって指を指す。
「あいつじゃねぇか！紫躍しやく財閥の娘さんだ！」
そういって男達は秋花に向かう。
一人は入り口付近に残った。
「おいあんた、よくも嘘吐いてくれたな？」
一人が智登に向かってがんをとばす。
「悪いですか？」
しかし、智登は余裕の表情を浮かべている。
「悪いだろ？てかなんだその顔。腹が立つな！」
一人は智登に向かって拳を向けた。
智登はその拳を手に取り、男性を抱え込み、外に放り投げた。
「お客様のご迷惑となります。お許しを。」
完全に腰をやられた男性は身悶えしている。
「いやああああ！放して！」
店内で叫び声が聞こえた。
入口を見たら、大柄な男が秋花を肩で抱えていた。
「…おいこら、そこどけよ。」
智登は店の入り口を塞いだ。
「じーっ…」
流卵は陰で見守っている。
「あー、すみません。私の友達に手荒な真似しないで下さい。」
智登は何も変わらぬ表情のまま台詞をはく。
「はっはっは！おもしれぇ。こいつに友達がいたのかよ！」
男性等はばかにするように笑い声をあげた。
「いい加減にしてくださいね？」
智登の放つ言葉、感情の色が出ていない。
その分、恐怖を感じさせた。

「ぐぉっ！？」
智登は相手に勢いよく腹パンし、体制が崩れた所で秋花を抱えた。
「あゎ……ぁ…」
秋花は泣いて声が出ていない。

「ガキがいきがってんじゃないぞ！」
複数の男性が智登に襲いかかる。

智登は焦り一つ見せず、一人一人対象していって、何分かで全員ノックアウトした状態で外に追い出した。
智登の圧勝である。

「ご主人様ってお強いんですね…！」
初めて智登の実力を知った流卵は尊敬の目を向けた。
にしてもこの男、やっぱり表情が変わらない。
それ以上に息切れすらしていない。

智登は意識が無くなった秋花を店のソファに寝かせた。
一体どんな事情があるのだろうか？

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