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2章 訪問!紫躍財閥
21話 帰り際のカミングアウト
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「まず一礼からです。もう少し角度が上だといいですね。」
「分かりました。」
流卵は一人のメイドに色々と教えてもらっていた。
「それにしてもお客様、本当にメイドをなさっているのですか?」
「え…?はい。」
不意に聞かれた質問に首をかしげた流卵。
「私服でもいいかもしれませんが…服装は清潔にしましょう。」
「あ…」
一応メイドをやっている流卵だがメイド服など持っておらず、私服で今までやってきた。
「旦那様には後でお伝えしときます故、どうぞこちらを受け取って下さい。」
そう言ってメイドは5着のメイド服を持ってきた。
「えぇっ!?そんなっ!?悪いですよ!」
「旦那様はお心が広く、お嬢様のご友人であるお客様の事なら喜んで差し出すようなお方です。遠慮なさらないで下さい。」
「…ありがとうございますっ!」
断った流卵だが、せっかくなので貰うことにした。
更衣室も用意して貰い、早速メイド服に着替えた流卵。
「とってもお似合いです。」
「えへへ…」
本当にメイドになった気持ちになった流卵。
「ちょっとイメージと違いました。」
「まぁ、そうかもしれませんね。」
というのも、よく見る白黒のフリルがついたメイド服。
ではなく、地味な色で、安っぽい服だったからだ。
「かなり古いのですが、大体のメイドはこのような格好ですよ。」
「そうなんですね。」
流卵はまた一つ勉強になった。
「さぁ、続きを致しましょう。」
「分かりました!」
流卵はその後も色んな事を教えてもらった。
数時間後…
いつのまにかつけられてたGPSをたどって秋花が智登達を父親の元へ連れていった。
「専門家にも、プロの方にも来ていただいて、絶品の一品を見つけたからこれを持っていきなさい。」
と言われて出されたのはいかにも高そうで性能のよさそうなオーブン。
「ちなみに…おいくらですか…?」
恐る恐る秋花の父に値段を聞いた智登。
「ふーむ…いくらだ?」
「はい、約5000万円でございます。」
「ぶっ」
予想だにしていなかった値段に吹いた智登。
「なぁに、これぐらい安いものだよ。」
「金銭感覚がおかしい…!?」
およそ大卒と高卒の最終的な値段の違いほどもあるこの値段を安いと言い張った。
「あぁ安心してくれ、これは私の使い直々に君達の店へ運んでもらう。」
「…ありがとうございます。」
もう色々と訳が分からなくなってきた智登。
「扶蓮…どうしたの?」
「いや…何でもないっす…」
固まってるので心配されたが…表情があったらもっと心配されそうだろう。
とここで不意に智登はさっきの事を思い出した。
「そういえばさ流卵、父親の名前なんて言うの?」
それを聞いて流卵は困った顔をした。
「お父さんの名前ですか…?言わせないでくださいよ…ひどいじゃないですか…」
亡くなった人の事を思い出してしまい悲しくなってきた流卵。
「それはごめん、でも教えて。」
「はい…」
一応主人の命令なので言うことにした。
「私の父は卓郎…掬羅卓郎ですが…それがどうかしましたか…?」
「えぇっ!?」
「掬羅卓郎だとっ!?」
それを聞いて驚いたのは智登ではなく、秋花と秋花の父親だった。
「分かりました。」
流卵は一人のメイドに色々と教えてもらっていた。
「それにしてもお客様、本当にメイドをなさっているのですか?」
「え…?はい。」
不意に聞かれた質問に首をかしげた流卵。
「私服でもいいかもしれませんが…服装は清潔にしましょう。」
「あ…」
一応メイドをやっている流卵だがメイド服など持っておらず、私服で今までやってきた。
「旦那様には後でお伝えしときます故、どうぞこちらを受け取って下さい。」
そう言ってメイドは5着のメイド服を持ってきた。
「えぇっ!?そんなっ!?悪いですよ!」
「旦那様はお心が広く、お嬢様のご友人であるお客様の事なら喜んで差し出すようなお方です。遠慮なさらないで下さい。」
「…ありがとうございますっ!」
断った流卵だが、せっかくなので貰うことにした。
更衣室も用意して貰い、早速メイド服に着替えた流卵。
「とってもお似合いです。」
「えへへ…」
本当にメイドになった気持ちになった流卵。
「ちょっとイメージと違いました。」
「まぁ、そうかもしれませんね。」
というのも、よく見る白黒のフリルがついたメイド服。
ではなく、地味な色で、安っぽい服だったからだ。
「かなり古いのですが、大体のメイドはこのような格好ですよ。」
「そうなんですね。」
流卵はまた一つ勉強になった。
「さぁ、続きを致しましょう。」
「分かりました!」
流卵はその後も色んな事を教えてもらった。
数時間後…
いつのまにかつけられてたGPSをたどって秋花が智登達を父親の元へ連れていった。
「専門家にも、プロの方にも来ていただいて、絶品の一品を見つけたからこれを持っていきなさい。」
と言われて出されたのはいかにも高そうで性能のよさそうなオーブン。
「ちなみに…おいくらですか…?」
恐る恐る秋花の父に値段を聞いた智登。
「ふーむ…いくらだ?」
「はい、約5000万円でございます。」
「ぶっ」
予想だにしていなかった値段に吹いた智登。
「なぁに、これぐらい安いものだよ。」
「金銭感覚がおかしい…!?」
およそ大卒と高卒の最終的な値段の違いほどもあるこの値段を安いと言い張った。
「あぁ安心してくれ、これは私の使い直々に君達の店へ運んでもらう。」
「…ありがとうございます。」
もう色々と訳が分からなくなってきた智登。
「扶蓮…どうしたの?」
「いや…何でもないっす…」
固まってるので心配されたが…表情があったらもっと心配されそうだろう。
とここで不意に智登はさっきの事を思い出した。
「そういえばさ流卵、父親の名前なんて言うの?」
それを聞いて流卵は困った顔をした。
「お父さんの名前ですか…?言わせないでくださいよ…ひどいじゃないですか…」
亡くなった人の事を思い出してしまい悲しくなってきた流卵。
「それはごめん、でも教えて。」
「はい…」
一応主人の命令なので言うことにした。
「私の父は卓郎…掬羅卓郎ですが…それがどうかしましたか…?」
「えぇっ!?」
「掬羅卓郎だとっ!?」
それを聞いて驚いたのは智登ではなく、秋花と秋花の父親だった。
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