焼きたてフィーリング

作者チョロまつ

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5章 夏休みの休息お出掛け!~前編~

36話 車両内での気付き

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「おっすー!」
集合場所である駅に菜羅と模子が二人揃って待っていた。
今日はいよいよお出かけ…というより旅行だ。
「全員揃ったわね、じゃぁ予定を言うわね…」
進行役、秋花が今日の予定について話した。

予定は、電車に乗って海がある駅に降りる。
移動くらい紫躍財閥の力を使えばすぐにいけるだろ?という意見があったのだが、
せっかくだし普通に行きましょうよっということでその方向となった。
海に夕方近くまでいた後、そこからバスで移動して旅館に向かう。
夜になったら祭り会場にいくという予定だ。
大詰めなスケジュールだが、楽しみがいはありそうだ。

「それで香暮、旅館の方は大丈夫なの?」
「任しときなっ!良い部屋こさえてやっからよ!」
旅館については急遽菜羅が担当するころになった。
なんでも、その新しくできた旅館に知り合いがいるそうで、連絡がつきやすいそう。
おまけに絶好の部屋を押さえておいてくれたようだ。

「流卵、今日はメイドどうすんの?」
元々は流卵に休息をあたえるために計画したこの企画。
出来るだけ流卵には楽しんでもらいたいところだ。
「その発言から察しました。私ですが、大方自由に行動して、ご命令があれば従います。」
「そう、まー楽しみなよ?」
「はいっ!」
最近の智登の言動からして何が言いたいかが分かる流卵。
もう今日はどうするかを決めていたようだ。

「じゃー時間もあれだし、行きますかっ!」
『オーッ!』

さっそく5人は電車に乗り、目的地を目指した。
さきほどは電車と言ったが、実は新幹線である。
「新幹線なんて久々だねー…」
「遠出とかしないからねー…」
席は智登と菜羅の席の隣に流卵、秋花、模子が向かい合って乗っている感じ。
三人で色々話ながら風景を楽しむ女子達。

「これがリア充高校生か…」
この状況から見て智登は思った。
「まぁ…見えなくもないわな。」
男女がほどよく混ざったこのグループ。
周りから見てみれば羨ましい限りである。

「中学生の頃まではこんな事ができるなんて夢にも思ってもないし…不思議な感覚だ。」
「ははは…そうかもな!」
この世界の勝ち組といえるような存在が行う事を今しているのに実感がわかない智登。
実際、彼らは勝ち組だと思う人は他にもいるはずだろう。

そして新幹線に揺られることおよそ30分くらい…
「あっ!海だ!」
模子が窓を指指す方向には綺麗に光を反射させる青い海があった。

「もうそろそろ着くわよー!」
秋花の指示に従いながら、5人は新幹線を降りる準備をした。
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