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5章 夏休みの休息お出掛け!~前編~
37話 今日の開場街
しおりを挟むようやく目的地の駅に到着。
新幹線に乗るにもお金はかかるが、
中でお弁当やら、お菓子やらを買っていた智登達。
ここまでの費用もだいたいは秋花が払っている。
気にしないでいいわよ?
と、本人はこう言っているのだが気にしてしまうその他メンバー。
「ここから歩きだけど…いい?」
「いいよー」
駅を降りた後は歩きで浜辺に向かう。
「結構有名な所でね、綺麗で安全なのよ。」
秋花が見つけた浜辺は、とても綺麗な海があり、危険も無く、海開きしたら屋台や海の家も大盛況するそうだ。
よほど品が良いところだろう。
「貸し切りしちゃったとか?」
紫躍財閥の令嬢が見つけた浜辺、貸し切りとかやりそうだとは思ったが、
「まさか、普通にって言ったでしょ?」
そんなことはしなかった。
でも発言からして、出来ることには出来るらしい。
海の方面に向かって歩いていく5人。
町は和風でオシャレである。
「おっ、これがあの旅館かな?」
しばらく歩いていると川を渡る橋の奥に真新しい旅館が見えた。
和装だが、古くは無く、黄色っぽい光を反射する綺麗な木材だらけ。
「うわぁ…」
模子は旅館を見て、ため息をつくように言った。
なにやら嫌なものを見る目をしている。
「どうしました模子?」
「…ううん、何でもないよ。」
流卵は模子を心配した。
何か嫌な事でもあったのだろうか?
きを取り直してまた歩き出して行くと…
「ここね、柑橘香神社。」
いかにも柑橘系の香りがしそうな名前の神社見つけた。
実際その香りがするらしい。
「ここが祭り会場?」
「そういうこと~」
遠くから見ても、何やら屋台を準備している様子がうっすらと分かる。
旅館から徒歩10分くらいのこの場所で祭りがあることを知った秋花はすぐこの祭りに決定した。
「今日はちょっと申し訳なくなるけど最っ高だな!」
「色々まわってきなさいっ」
祭りといえば、高いお値段が痛い屋台が多く、手につけられる人は少ないだろう。
しかし、今日はお金には困らなくてもよいのでその迷いが必要ないのだ。
多少の罪悪感を除いて。
「この町に来てからワクワクが止まりませんね…!」
流卵も楽しみにしている様子。
「今日、これからも頼むで。」
「任せなさいっ!」
流卵の様子を見た智登。
今日はもっと秋花に頑張ってもらおう。
「さっ!もうすぐね!皆頑張ってー!」
「はっはぁ~い…」
駅からはちょっと遠く、結構歩いてきているので応援する秋花。
でも疲労を感じているにはどうやら模子だけのようだった。
「後で疲れるのに今疲れてどうすんのっ!」
「ひゃぁっ!?」
菜羅は疲れている模子を何の迷いもなく後ろから抱き抱えた。
その状態のまま歩き始めた菜羅。
「あっ…ありがと菜羅君。」
「へへっ!休んどきな!」
この状況、なんとも羨ましいシチュエーションなのだが…
まわりから見れば親子なのが残念な点である。
そうこうしているうちに、5人は浜辺にたどり着いた…!
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