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6章 夏休みの休息お出掛け!~後半~
38話 やって来た!海!
しおりを挟む青い海、白い浜、眩しい太陽!
絶好の海日和、多くの人が水着で賑わっている。
「海って初めて来た…スゲェ。」
あたりを見回す智登。
智登の営業しているパン屋は広い平原の中にあり、海とはほど遠い。
新鮮な感覚の智登に対し…
「んー、ハワイってほど賑わってわいないわね。」
ちょっと物足りなさを感じる秋花、あのハワイと比べてどうすると思う智登だったが…
秋花は海に慣れているようだ。
「皆、水着あるよね?」
秋花が全員に向かって尋ねる。
「おう!」
「はいっ!」
菜羅はまだしも、意外と流卵も準備まんたんのようだ。
「返事ない二人はー?」
秋花の問いかけに対し全く返事をしなかった二人、
二人の荷物に海で使えそうな道具はみるからに持っていない。
「あるわけないだろ。」
「遊んできてー…」
仁王立ちで堂々と持っていないという智登と、まるで何かを退けるような動きで手を動かす模子。
本人達は曰く、
「私が運動できないの知ってるでしょ?」
運動オンチ模子、海で遊ぶ気など無かった。
「脱ぐのやだ。」
単純かつ男子が言わなそうな事をさらっと言う智登。
それどころか、今回の遠出にあたり、智登はブレザー無しの制服というやる気の無さ。
流卵は置いといて、他の3人は私服でビシっと決まっているのに対し地味すぎる。
「ぐちぐちいわなーい!万が一を思って二人の用意したから着なさい!」
用意周到の秋花、二人の水着を決めて持ってきていた。
二人も仕方なく受け取った。
「よし、いいわね。じゃぁ着替えましょっ!」
5人はそれぞれ更衣室に向かい、着替えた。
数分後…全員が着替え終わったようだ。
菜羅はカッコイイ海パン姿、秋花は綺麗なビキニで出てきた。
5人メンバー中での美男美女は流石キメてきている。
模子はワンピースタイプの水着で、問題の智登は…
「何これ服?」
「水着よ、いいでしょ?」
まるで半袖の洋服にみえる水着と海パン。セパレートタイプの水着だ。
5人の中でも意外だったのは流卵だった。
「へぇ~意外!流卵ちゃんビキニなんだ!」
「まー動きやすいですからね!」
流卵もビキニで来た。
でも秋花と違って、スポーティーで紐ではないタイプのビキニだ。
流石スポーツっ子である。
「まず浜辺に行きましょっ、あ、サンダルは忘れないでよ?」
注意を促しつつ、皆は浜辺に行った。
海で泳いだり、ビーチボールで遊んだり…
浜辺を走ったり自由気ままに遊ぶ5人。
…しかし、智登と模子は疲れてすぐ海の家に行ってしまった。
「はーよく外でいられたもんだ。」
「ねー、暑いねー…」
海の家の影に入って涼む二人。
こんな事を話し始めた。
「こんなに人多いとさー、ナンパってありそうじゃないー?」
「あぁー!あるかもね!」
よく漫画とかでみる光景、男子グループが極上の美女を誘うシーン。
よくあるのが降られるのだが、成功するかもしれない面白青春シーン。
「ねぇねぇそこの人ー」
そんな話をしていると、遠くで声が耳に入った。
「一緒に遊ばない?」
と、誰かを誘っていた。
「やってるねぇー」
「だねー」
その方向をみていないけど、ナンパだとわかる二人は声の高さを気にせずシーンを思い浮かべる。
「どうしたんだい?迷い人を探し求めるマーメイド達?」
「キャー!」
ガタッ!
智登と模子は漫才劇のように体勢を崩した。
その声、よく聞いてみると…
女グループが菜羅を誘う、逆ナンパだった。
「あーウチの連れがスミマセン他あたってください。」
「ちょちょちょ!首持つなって!」
智登はすぐその場に駆けつけて菜羅の首を掴んで引っ張り戻した。
女グループはガッカリする以前に菜羅に魅了され、ウットリしていた。
「ったく、お前は黙ってればカッコいいのに…」
智登はこう言うが、恐らく菜羅のあの変な台詞でも女性を魅了することができる。
そんな事があり…いつの間にか1時くらいになっていた。
「もうこんな時間ね。お昼にしましょうか!」
秋花の合図で5人は昼食をとることにした。
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