焼きたてフィーリング

作者チョロまつ

文字の大きさ
36 / 46
おまけ編Ⅰ 気ままな店の日常 衣装編

おまけ編Ⅰ 2話 流れはノンストップ

しおりを挟む
結局、ちょっと見てから元の格好に戻る事になった流卵。
「はぁ…ついつい言っちゃうんですよねぇ。」
「モードに入るからね。」
うつむいて顔を隠しながら戻ってきた流卵。
モードに入ると自然とあんな感じになるようだ。
意識はあるが、悪気は無い。

流卵が大体四人の側に来た所で智登はこんな事を言った。
「模子とかはどうなの?」
流卵は似合っていたが、模子や秋花がどうなるか気になったようだ。
え、と声を漏らした模子。
しかし流卵から謎の鋭い視線を感じたため、渋々更衣室へと向かった。

「まぁ、模子はあまりパっとしないかもですね。」
「そうか…」
着替え出てくる前に流卵に補足され、あまり期待しなくなった三人。

「お待たせー」
「あ、あぁ…」
「だろうね。」
期待しなくなった彼らにかすかに残っていた期待を裏切る格好でやってきた模子。
特徴的なボブヘアーで、柔らかい顔をしている。
ただの男装した幼z…少し小さな女の子にしか見えない。
言葉が漏れるような反応を、模子も予想していた。

最後は秋花もやる事になってしまった。
「ヤダヤダ!何で男装しなきゃいけないの!?しかもその服ちょっと小さいじゃない!!」
必死に反対している。
智登の服が着たくないというわけではない。
ただ単に男装が嫌なのだ。

遊んで男装する女性は多い(はず)。
それもまんざらでもないように着る。
ところが秋花は珍しく、男装を嫌う女の子だった。

サイズが少しばかり小さい服を持って強引に更衣室へとつれてかれた。

出てきた秋花の顔は真っ赤だった。
「うぅ…別に私なんか似合ってないのにぃ…」
彼女の言う通り、確かに似合っていない。
もはや流れで着るはめになった。
完全にとばっちりである。

…流れに任せて行った男装。
正直これといった得も無く終わった。
「どうだったんだ、智登。」
「そーだねー、まぁ良かったんじゃない?」
「全く…他人事ね。」
話を進めた智登に感想を聞いたが、
何にも感じていないご様子。
他人事のようにしか思っておらず、秋花は呆れた。

ところが、話はコロリと変わってしまう。
「じゃぁ今度は女装をやりましょう!!」
「却下する!!」
もはや逆襲の意図で流卵が女装を提案した。
それに素早く反対意見を出した菜羅。
意外にも、菜羅は女装が嫌らしい。
「えー!いいじゃん!!見たいなー!!私らもやったんだし!!」
「男装はまだいいだろ!?男が女装しても何の得もねぇよ!?」
というのも、女が男装するのはいいけど、男が女装するのは無い、という思想をもっているためだった。
おねだりしてみる模子だが、菜羅はそれに応えなかった。

智登は別にどうでもよさそうな態度で、必死に反論する菜羅を見つめていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

やさしいキスの見つけ方

神室さち
恋愛
 諸々の事情から、天涯孤独の高校一年生、完璧な優等生である渡辺夏清(わたなべかすみ)は日々の糧を得るために年齢を偽って某所風俗店でバイトをしながら暮らしていた。  そこへ、現れたのは、天敵に近い存在の数学教師にしてクラス担任、井名里礼良(いなりあきら)。  辞めろ辞めないの押し問答の末に、井名里が持ち出した賭けとは?果たして夏清は平穏な日常を取り戻すことができるのか!?  何て言ってても、どこかにある幸せの結末を求めて突っ走ります。  こちらは2001年初出の自サイトに掲載していた小説です。完結済み。サイト閉鎖に伴い移行。若干の加筆修正は入りますがほぼそのままにしようと思っています。20年近く前に書いた作品なのでいろいろ文明の利器が古かったり常識が若干、今と異なったりしています。 20年くらい前の女子高生はこんな感じだったのかー くらいの視点で見ていただければ幸いです。今はこんなの通用しない! と思われる点も多々あるとは思いますが、大筋の変更はしない予定です。 フィクションなので。 多少不愉快な表現等ありますが、ネタバレになる事前の注意は行いません。この表現ついていけない…と思ったらそっとタグを閉じていただけると幸いです。 当時、だいぶ未来の話として書いていた部分がすでに現代なんで…そのあたりはもしかしたら現代に即した感じになるかもしれない。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

処理中です...