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2章
03 呆れた主張
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「調子はどうかしら」
坂戸の中身が20年後の佐渡(さど)由加里(ゆかり)と知るよしもない神津(こうづ)つぼみは、横柄(おうへい)な態度を隠そうともしない。
「それよりも驚きましたよ。アンタが電話してくるなんて、どういう風の吹き回し?」
恩愛寮の会議室に呼びつけられたつぼみは、パイプイスに腰かけ足を組み、同じくパイプイスに座ったふたりを胡乱(うろん)な目で舐め回すように観察している。
「佐渡サンはなんでここにいるんですかー? 私この人苦手なんですー」
取ってつけたようなさんづけである。舐め切った態度に由加里の口調が荒くなった。自分よりも3個下の二十歳(はたち)に満たない奴を許せなかったのだ。
「この小娘、よく聞けよ。私はね――」
空気を察して坂戸が即座に口を挿(はさ)む。下手(したて)に出るというよりも、おもねるような声色である。
「佐渡さんにはムリを言っていっしょにいてもらったのよ。ほら、私ってなかなか人には強く言えない性格じゃない?」
「ハァ? 知りませんよ。アンタのことなんてキョーミないですから」
つぼみがバッサリと切り捨てる。
「そんなこと言わなくてもいいじゃない。同じチームの仲間なんだから」
坂戸は必死に猫なで声を出す。もちろんすでにはらわたが煮えくり返っていた。が、それをおくびにも出さないのが経験を積んできた大人の対応である。
「仲間、ね……」
つぼみがズボンのポケットからタバコを取り出し、火をつけて口にくわえた。眉間に皺を寄せ、上体を起こし、前のめり気味に顔を近づけた。
「仲間って言いますけどねぇ。打撃でも守備でもロクに貢献(こうけん)できてない奴を、仲間とは思いたくないですねぇ」
煙を吐く。当然、全部かかってしまうのだが、紫煙(しえん)の向こうのふたりは黙ったままである。
「特に秋の大会全般ですよ。投げる佐渡サンはともかく、一番の隠岐サンも三番の壱岐サンも目も当てられないくらい大不振だったじゃないですか。守備でも足を引っ張る始末ですし、ほかのメンツだってそう。私が打たなきゃチームは負けてましたよ」
長机の上にあったガラス製の灰皿を引き寄せ、そこに灰を落とす。
「野球は投手ひとりでできるなんて豪語する人もいますけどね。ま、指名打者制の社会人野球じゃお門違いな言葉ですよ。自分で援護できませんしね。結局は野手で打つべき人間が打たなきゃ勝てない。つまりこのチームは私がいなきゃ勝てないチームなんです」
ここまでくると清々しいほどの自惚(うぬぼ)れだが、この年の秋の大会では真実だった。ノーエラーで少ないチャンスを確実にものにする人間を、責めることなどできるはずがない。ただそれは野球の面での話だが。
「もちろん、勝てる采配は倉本監督だからだと思いますけどね。あの人は凄かったですから。尊敬できる人物ですし」
一気にタバコを吸い、煙をふたりに吹きつける。
「……で、アンタに勝てる采配なんてできますか? 選手は烏合(うごう)の衆に新米監督。競馬で言ったら、どうしようもない駄馬に新人騎手が乗るようなもんですよ」
ゆっくりと上体を背もたれに預ける。タバコを消し、新たにもう一本口にくわえ、腕を胸の前で組んだ。
「しかもあの名門の関西ガスから監督としての誘いが来てるんでしょ? 倉本監督が死んで、こんなチンケなチームに成り下がったここに居たって仕方ないですもんねぇ」
つぼみの話しぶりと態度から、完全に坂戸のことを信用しておらず、かつ舐め切っていることはわかった。先日の新後駅で会ったときと態度はまったく変わらない。ただし、信用しきれないのは少し理解できるところもある。新後アイリスを捨てて関西ガスに行こうと思えば行けるのだ。そのことでつぼみは嫉妬してヘソを曲げているのだろう。あれだけ各大会で活躍した自分には企業チームから引き抜きの話がないからだ。元の世界の記憶では、こっそり複数の企業チームのテストや練習に参加していた。おそらくこの世界でも同じことしているはずだ。横にいる由加里は知らない。なぜなら、それを知ったのは倉本が死んで数年経ったころの話であるから。
――ホント、上昇志向の塊のような女ね。そのことを知らないとでも思っているのか。
それでも、倉本のことは尊敬に値する人物として評価する一方、自分以外の人間は辛辣(しんらつ)というか見下した評価をしていた。由加里に関しても一定の評価していたが、タバコの煙をわざと吹きつけるところを見ると、まったく馬が合わないらしい。
つぼみが坂戸に試すような視線を投げかけている。
「そうねえ……」
坂戸が困ったような顔をしてつぼみに歩み寄り、顔をゆっくり近づけていく。
「な、なんだよ」
表情を崩さない坂戸に、威圧を感じ取ったつぼみの上体がじりじりとのけぞっていく。
そして、イスが完全に倒れかけた刹那、坂戸の腕が挿し入れられ、つぼみの後頭部が床にぶつからずにすんだ。
「も、文句があるんなら言ってみろよ」
虚勢を張っているがすでに震え声である。
坂戸は返事をする代わりに、つぼみがくわえていたタバコを取り、自分の口にくわえた。フィルターギリギリまで一気に吸い、頬を膨らませる。一拍(いっぱく)ののちに大量の煙をつぼみの顔面に浴びせる。
「ゲッホゲホ、うぇっ」
大量の煙に襲われたつぼみは、顔をそむけて苦し気に咳を繰り返している。
「まずは口の利き方を慎めや、この小娘が」
今まで聞いたことがない低くドスの利いた声。頭に締めつけるような痛みが走った。紫煙が薄れていき、目を少しずつ開けていく。涙目の向こうに般若(はんにゃ)がいた。
「おまえは選手としてはいいものを持っている――しかし、それだけだ。選手としてあるべき前にひとりの人間、そして社会人なんだ。今のお前は野球をやる人間としても社会人としても脱線し過ぎだ」
タバコをもみ消しながら、真剣な表情でつぼみを見据える。
「そもそも10代のクソガキがタバコなんか吸ってんじゃないよ。これに関しては法律どうこうじゃない、タバコは百害あって一利なしのものだ。いいことなんてその場の気分転換にしか過ぎない。しかも伸び盛りの大事な時期に練習にも来ないで、競馬にパチンコに競輪……ギャンブルなんてもってのほかだ」
「べつに、いいじゃないですか。誰も見てないところで見たり買ったりしてますから。しかも変装してますし」
ふて腐れた顔を隠そうともしない。どうやら、自分が悪いことをしているとは思っていないらしい。
「もしもバレたときにどうするんだ? おまえだけじゃなくてチーム全体にも迷惑がかかるんだぞ」
「そのときはそのときですよ。なんとかしますよ。それに、賭けてるだけじゃないですよ。勝負勘を養うためにやってるんです」
「何が勝負勘を養うだ? ふざけんじゃないよ。遊びたいだけだろ。勝負勘は、ほかのことで身につければいい。若いころは歳を取ったときに困らないように、基礎体力の貯金を作っておく大事な期間。あんな、金と時間喰い虫のゲームなんてやってる時間なんてない」
図星を突かれたのかつぼみは口をつぐんだ。反論の言葉を探している間に、坂戸の口が開いた。
「おまえの問いにひとつひとつ答えていってやるよ。まずは秋の大会だね。あれは自分で言うことじゃない。人間、好不調の並は誰しもある。打てる人間が打てるときに打つのが当たり前のこと。チームメイトがエラーをやらかしたら、その分も打ってやる。そういった気持ちがないと野球をする資格なんてないね。野球は個人競技じゃないのよ。
次に『私がいなきゃ勝てない』ってぬかしてたな。あれは大間違いだ。おまえなんかいなくたって勝てる。秋の大会は確かにおまえが打ってたから勝てた。だけどそれは結果論だ。ほかの大会では佳澄――隠岐――や桐子――壱岐――も打ってる。思い出してみろ、おまえだって打てなかった時期があるじゃないか。それを棚に上げて、たかだか秋の大会秋の大会っていつまでも天狗になってるのがガキなんだよ」
ますますおもしろくなさそうにつぼみは唇を歪めた。
坂戸の中身が20年後の佐渡(さど)由加里(ゆかり)と知るよしもない神津(こうづ)つぼみは、横柄(おうへい)な態度を隠そうともしない。
「それよりも驚きましたよ。アンタが電話してくるなんて、どういう風の吹き回し?」
恩愛寮の会議室に呼びつけられたつぼみは、パイプイスに腰かけ足を組み、同じくパイプイスに座ったふたりを胡乱(うろん)な目で舐め回すように観察している。
「佐渡サンはなんでここにいるんですかー? 私この人苦手なんですー」
取ってつけたようなさんづけである。舐め切った態度に由加里の口調が荒くなった。自分よりも3個下の二十歳(はたち)に満たない奴を許せなかったのだ。
「この小娘、よく聞けよ。私はね――」
空気を察して坂戸が即座に口を挿(はさ)む。下手(したて)に出るというよりも、おもねるような声色である。
「佐渡さんにはムリを言っていっしょにいてもらったのよ。ほら、私ってなかなか人には強く言えない性格じゃない?」
「ハァ? 知りませんよ。アンタのことなんてキョーミないですから」
つぼみがバッサリと切り捨てる。
「そんなこと言わなくてもいいじゃない。同じチームの仲間なんだから」
坂戸は必死に猫なで声を出す。もちろんすでにはらわたが煮えくり返っていた。が、それをおくびにも出さないのが経験を積んできた大人の対応である。
「仲間、ね……」
つぼみがズボンのポケットからタバコを取り出し、火をつけて口にくわえた。眉間に皺を寄せ、上体を起こし、前のめり気味に顔を近づけた。
「仲間って言いますけどねぇ。打撃でも守備でもロクに貢献(こうけん)できてない奴を、仲間とは思いたくないですねぇ」
煙を吐く。当然、全部かかってしまうのだが、紫煙(しえん)の向こうのふたりは黙ったままである。
「特に秋の大会全般ですよ。投げる佐渡サンはともかく、一番の隠岐サンも三番の壱岐サンも目も当てられないくらい大不振だったじゃないですか。守備でも足を引っ張る始末ですし、ほかのメンツだってそう。私が打たなきゃチームは負けてましたよ」
長机の上にあったガラス製の灰皿を引き寄せ、そこに灰を落とす。
「野球は投手ひとりでできるなんて豪語する人もいますけどね。ま、指名打者制の社会人野球じゃお門違いな言葉ですよ。自分で援護できませんしね。結局は野手で打つべき人間が打たなきゃ勝てない。つまりこのチームは私がいなきゃ勝てないチームなんです」
ここまでくると清々しいほどの自惚(うぬぼ)れだが、この年の秋の大会では真実だった。ノーエラーで少ないチャンスを確実にものにする人間を、責めることなどできるはずがない。ただそれは野球の面での話だが。
「もちろん、勝てる采配は倉本監督だからだと思いますけどね。あの人は凄かったですから。尊敬できる人物ですし」
一気にタバコを吸い、煙をふたりに吹きつける。
「……で、アンタに勝てる采配なんてできますか? 選手は烏合(うごう)の衆に新米監督。競馬で言ったら、どうしようもない駄馬に新人騎手が乗るようなもんですよ」
ゆっくりと上体を背もたれに預ける。タバコを消し、新たにもう一本口にくわえ、腕を胸の前で組んだ。
「しかもあの名門の関西ガスから監督としての誘いが来てるんでしょ? 倉本監督が死んで、こんなチンケなチームに成り下がったここに居たって仕方ないですもんねぇ」
つぼみの話しぶりと態度から、完全に坂戸のことを信用しておらず、かつ舐め切っていることはわかった。先日の新後駅で会ったときと態度はまったく変わらない。ただし、信用しきれないのは少し理解できるところもある。新後アイリスを捨てて関西ガスに行こうと思えば行けるのだ。そのことでつぼみは嫉妬してヘソを曲げているのだろう。あれだけ各大会で活躍した自分には企業チームから引き抜きの話がないからだ。元の世界の記憶では、こっそり複数の企業チームのテストや練習に参加していた。おそらくこの世界でも同じことしているはずだ。横にいる由加里は知らない。なぜなら、それを知ったのは倉本が死んで数年経ったころの話であるから。
――ホント、上昇志向の塊のような女ね。そのことを知らないとでも思っているのか。
それでも、倉本のことは尊敬に値する人物として評価する一方、自分以外の人間は辛辣(しんらつ)というか見下した評価をしていた。由加里に関しても一定の評価していたが、タバコの煙をわざと吹きつけるところを見ると、まったく馬が合わないらしい。
つぼみが坂戸に試すような視線を投げかけている。
「そうねえ……」
坂戸が困ったような顔をしてつぼみに歩み寄り、顔をゆっくり近づけていく。
「な、なんだよ」
表情を崩さない坂戸に、威圧を感じ取ったつぼみの上体がじりじりとのけぞっていく。
そして、イスが完全に倒れかけた刹那、坂戸の腕が挿し入れられ、つぼみの後頭部が床にぶつからずにすんだ。
「も、文句があるんなら言ってみろよ」
虚勢を張っているがすでに震え声である。
坂戸は返事をする代わりに、つぼみがくわえていたタバコを取り、自分の口にくわえた。フィルターギリギリまで一気に吸い、頬を膨らませる。一拍(いっぱく)ののちに大量の煙をつぼみの顔面に浴びせる。
「ゲッホゲホ、うぇっ」
大量の煙に襲われたつぼみは、顔をそむけて苦し気に咳を繰り返している。
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今まで聞いたことがない低くドスの利いた声。頭に締めつけるような痛みが走った。紫煙が薄れていき、目を少しずつ開けていく。涙目の向こうに般若(はんにゃ)がいた。
「おまえは選手としてはいいものを持っている――しかし、それだけだ。選手としてあるべき前にひとりの人間、そして社会人なんだ。今のお前は野球をやる人間としても社会人としても脱線し過ぎだ」
タバコをもみ消しながら、真剣な表情でつぼみを見据える。
「そもそも10代のクソガキがタバコなんか吸ってんじゃないよ。これに関しては法律どうこうじゃない、タバコは百害あって一利なしのものだ。いいことなんてその場の気分転換にしか過ぎない。しかも伸び盛りの大事な時期に練習にも来ないで、競馬にパチンコに競輪……ギャンブルなんてもってのほかだ」
「べつに、いいじゃないですか。誰も見てないところで見たり買ったりしてますから。しかも変装してますし」
ふて腐れた顔を隠そうともしない。どうやら、自分が悪いことをしているとは思っていないらしい。
「もしもバレたときにどうするんだ? おまえだけじゃなくてチーム全体にも迷惑がかかるんだぞ」
「そのときはそのときですよ。なんとかしますよ。それに、賭けてるだけじゃないですよ。勝負勘を養うためにやってるんです」
「何が勝負勘を養うだ? ふざけんじゃないよ。遊びたいだけだろ。勝負勘は、ほかのことで身につければいい。若いころは歳を取ったときに困らないように、基礎体力の貯金を作っておく大事な期間。あんな、金と時間喰い虫のゲームなんてやってる時間なんてない」
図星を突かれたのかつぼみは口をつぐんだ。反論の言葉を探している間に、坂戸の口が開いた。
「おまえの問いにひとつひとつ答えていってやるよ。まずは秋の大会だね。あれは自分で言うことじゃない。人間、好不調の並は誰しもある。打てる人間が打てるときに打つのが当たり前のこと。チームメイトがエラーをやらかしたら、その分も打ってやる。そういった気持ちがないと野球をする資格なんてないね。野球は個人競技じゃないのよ。
次に『私がいなきゃ勝てない』ってぬかしてたな。あれは大間違いだ。おまえなんかいなくたって勝てる。秋の大会は確かにおまえが打ってたから勝てた。だけどそれは結果論だ。ほかの大会では佳澄――隠岐――や桐子――壱岐――も打ってる。思い出してみろ、おまえだって打てなかった時期があるじゃないか。それを棚に上げて、たかだか秋の大会秋の大会っていつまでも天狗になってるのがガキなんだよ」
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