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3章
14 漂う暗雲
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恩愛寮に到着し、各自は門前から寮までの入口の道すがらで激しい雨に叩かれた。
一瞬にしてズブ濡れになった選手たちを靖子がタオルを持って迎えてくれた。
「15分後にミーティングをするから、それまでに着替えて食堂に集合ね」
自らもバスタオルで頭を拭きながら、由加里は選手たちに呼びかける。
いつもなら会議室で行うのだが、靖子がうっかりストーブをつけ忘れていたので、やむなく食堂で行うことにしたのだった。
本当なら由加里自身も冷えた体を風呂で温めたかったが、鉄やミスは熱いうちに打たねばならない。べつに吊るし上げて公開説教するわけでもない。ただ冷静にミスの内容を確認し、本人が何がしたかったのかどうしたかったかを聞き、由加里や本保、またはほかの選手たちが改善案を提言するだけである。ミスをなあなあにしていては、遅かれ早かれチームは取り返しのつかないことになり、やがては崩壊する。ある程度緩めるところは緩め、締めるところは締める。それが由加里のやり方であり、坂戸のやり方でもあった。
身内同士の草野球チームならなあなあにしていてもいいのかもしれない。みなが楽しみながらやるもので、試合中にミスをしても試合後には酒を飲みながらエラーやミスを肴(さかな)に、明るくイジる人間でもいればそこで終わりだ。しかし、新後県内有数の強豪クラブチームで、なおかつ仮にも全国大会で並み居る企業チームを倒し、名前を売った新後アイリスである。これからますます強くなっていかなければならないし、周囲から相応の期待がかけられている。その期待を選手一人ひとりが自覚しなければ、チームは伸びずに衰退の一途を辿るだろう。10年ぐらい経って「あのときの新後アイリスはまぐれだったのかな」なんて言われたくない。だから今、ここでキッチリ締めておかなけれなならないのだ。
「あのさあ、風呂に入ってからにしません?」
今日の試合でふたつもエラーをした選手が口をとがらせて不平を漏らした。由加里は聞こえない振りをして自室へ行こうとした。
「寒くて震えが止まらないんですけど」
「腹も減ってミーティングなんて頭に入んないですよ」
不平不満が数人の選手から噴出する。どいつもこいつもロクに活躍しなかったり、エラーやミスをした選手ばかりだった。ちなみに、由加里は気づいていないが、バスの中で文句を垂れていた連中でもある。心から怒りをぶつけたいと思った。しかしここは感情の赴(おもむ)くまま怒ってはならない場面である。
どう対応していいかわからず、選手たちに背を向けて怒りで体を震わせていると、背後から咳払いが聞こえた。
「君たちさ、あまり言いたくないけど反省してないでしょ。こういっちゃなんだけど、やらかした人間って申し訳なさが先立って、少しの間は自分の意見を黙殺(もくさつ)しててでも周りに合わせようとするじゃない。どうしてそれができないのかな。何もびしょびしょの格好でミーティングに参加しろって言ってるんじゃない。部屋で体を拭いて着替えれば、風邪を引くリスクなんて高くないんだから。それに、こうしてここで駄々をこねてる間にも君たちはともかく、ほかのチームメイトたちは寒さに震えて着替えてるんだからさ」
本保にしては珍しく、厳しい口調だった。日ごろ滅多なことでは腹を立てない男も、今日の試合には相当腹を据えかねていたのだろう。だが、不平不満を上げた選手たちはバツが悪そうにそっぽを向いている。本保はため息をつきたくなるほど呆れた。
「カイロもあるし、毛布もあるわよ。そうそう、湯たんぽもある。甘酒もたくさん作ってあるし、みんなでじゃんじゃん飲んで」
場の雰囲気を察知した靖子が、明るくハキハキとした声でみなに呼びかける。
まだ動く者はいない。
本保は怒りとやるせなさに震える由加里の背を守るようにして立って手を鳴らした。
「はいはい、みんな早く部屋に行って着替えて。靖子さんの作った甘酒を飲もう!」
ふたりが口々に甘酒甘酒というのには、べつに酔っ払って憂(う)さを晴らそうというわけではない。靖子が作る甘酒は、米と麹(こうじ)が原料なためアルコールはほんのわずかしか入っていない。栄養価も高く、寒い季節は体の芯から温まる。倉本が監督に就任してから靖子に頼んで作ってもらっているものである。
選手のためを思っての行動だった。
由加里がジャージに着替えて食堂に向かうと、まだだれも席に着いている人間がいなかった。ため息をつきながらいつも座る席に腰を落とすと、靖子が甘酒を持ってきてくれた。
「坂戸監督も佳澄ちゃんもいない中でよくがんばったわね。おまけにおろしたショウガも入れておいたわ」
「靖子さん、ありがとう」
マグカップに息を吹きつけてゆっくりと飲む。体中が瞬時にして温かくなっていくそんな気がした。
チラホラと着替えを終えた選手たちが席に着いて、同じように靖子の作った甘酒をホッとした表情で飲んでいる。
時計を見上げる。球場で桐子と別れてから30分は経っていた。球場から恩愛寮まで徒歩にして20分かかる道のりだが、いまだに戻ってこない。きっと、そのまま家に帰ったのだろうと由加里は思った。
ふと、背後に言い知れぬ気配を感じた。殺気とも好意とも呼べるような複雑な気配。由加里の背中に緊張が走った。
「ゆーかりさん」
背もたれに軽く衝撃があったと同時に、2本の腕が由加里の目の前に現れた。耳元がやけにくすぐったい。顔を近づけてなつめがささやいてきたからだ。
「いい匂いですね」
刈り上げて露出しているうなじに鼻をつけ、なつめは匂いを嗅いでいる。
嫌悪感と恐怖が心の中で渦巻き、頭が警鐘を鳴らしている。噴き出した冷や汗で体が一瞬にして冷え、マグカップを持つ手がカタカタと震えている。
――まずい。ここは……。
生唾を飲んで、とっさに浮かんだ逃げたい衝動をなんとか掻き消す。
――ここで逃げちゃ、これからも延々と逃げ続けることになる……。
渦巻いた感情が今回は立ち向かう勇気になった。
――いつもなら他人任せだったり、言い訳して逃げてきた。これ以上逃げてはならない。袋小路に押し込まれる前にカタをつけなければ……。
精神的な死が待っている。
――ハッキリと拒絶するんだ。
決意と同時に震えが止まった。体が熱い。恐怖で引いていた熱い血が、体中を巡っているのがよくわかった。それが正しい選択であるとも。
「なつめ……アンタはいつからそんな積極的になったの。誰かに焚(た)き付けられて動いてるだけじゃないの」
「私が焚き付けられてる? 由加里さんとは言え心外です。私は元々あなたに憧れを抱いていました。同じ投手として、同性として、何もかも私には持っていないものを持っていた。憧れがこの人といっしょにいたいという恋愛対象に変わったのです」
憧れが恋愛対象に変わることはわかる。でも、いざ自分が対象となると――怖気(おぞけ)がする。なつめの好意は、決して健全ではない病的な好意にしか思えないからだ。姿が見えないストーカーよりもたちの悪い、公然のストーカーであると強く確信した。
「……由加里さん、私と付き合ってくれませんか? この張り裂けそうな想いを受け取って欲しいんです」
由加里にとって死刑宣告に等しい言葉を、なつめはハッキリと言ってのけた。由加里もまたハッキリ聞こえた。聞き逃しようのないゼロ距離の耳打ち告白。
由加里の頭と心がパニックを起こしかけた。体が急に熱くなったり寒くなったりを繰り返している。目の前がとんでもなくかすんで見える。
――負の方向に身を任せてはいけない。正気を保たなくちゃ。
冷静に何度も何度も意識して呼吸を繰り返した。新鮮な空気を取り入れ、負に塗(まみ)れた感情を体外へ強制的に押し出していく。
1分ぐらいそうしているうちに、パニックが収まってきた。ため息のように息を吐き出し、ゆっくり目も合わせたくない相手をじっと見て断言した。
「――嫌だ」
なつめの友好的な表情が凍りつき、首をかしげて見せた。
「私には桐子がいる」
由加里はなつめがいるのにも関わらず、イスを引いて手を強く払いのけた。
「どこへ行くんですか?」
思いのほか変わり映えのしないなつめの声音が飛んできた。
「焚き付けた人間をとっちめにいく」
なつめを見もせず食堂から出て行こうとする。
「そうはさせない」
やすりのようにザラついた声に、思わず振り返ろうとした。が、由加里の視界に思いもしない物が入り込んできたのだ。
銀色に鈍く輝く小さいナイフだった。それが首筋に当てられる。もう片方の手は首に回してきた。
周囲が騒然となり、悲鳴が響き渡る。
「動かないで」
身動きが取れなくなった由加里を、食堂の隅に誘導しながらなつめは大声を出した。
「蘭ちゃん、つぼみちゃん、やるなら今だよッ!」
一瞬にしてズブ濡れになった選手たちを靖子がタオルを持って迎えてくれた。
「15分後にミーティングをするから、それまでに着替えて食堂に集合ね」
自らもバスタオルで頭を拭きながら、由加里は選手たちに呼びかける。
いつもなら会議室で行うのだが、靖子がうっかりストーブをつけ忘れていたので、やむなく食堂で行うことにしたのだった。
本当なら由加里自身も冷えた体を風呂で温めたかったが、鉄やミスは熱いうちに打たねばならない。べつに吊るし上げて公開説教するわけでもない。ただ冷静にミスの内容を確認し、本人が何がしたかったのかどうしたかったかを聞き、由加里や本保、またはほかの選手たちが改善案を提言するだけである。ミスをなあなあにしていては、遅かれ早かれチームは取り返しのつかないことになり、やがては崩壊する。ある程度緩めるところは緩め、締めるところは締める。それが由加里のやり方であり、坂戸のやり方でもあった。
身内同士の草野球チームならなあなあにしていてもいいのかもしれない。みなが楽しみながらやるもので、試合中にミスをしても試合後には酒を飲みながらエラーやミスを肴(さかな)に、明るくイジる人間でもいればそこで終わりだ。しかし、新後県内有数の強豪クラブチームで、なおかつ仮にも全国大会で並み居る企業チームを倒し、名前を売った新後アイリスである。これからますます強くなっていかなければならないし、周囲から相応の期待がかけられている。その期待を選手一人ひとりが自覚しなければ、チームは伸びずに衰退の一途を辿るだろう。10年ぐらい経って「あのときの新後アイリスはまぐれだったのかな」なんて言われたくない。だから今、ここでキッチリ締めておかなけれなならないのだ。
「あのさあ、風呂に入ってからにしません?」
今日の試合でふたつもエラーをした選手が口をとがらせて不平を漏らした。由加里は聞こえない振りをして自室へ行こうとした。
「寒くて震えが止まらないんですけど」
「腹も減ってミーティングなんて頭に入んないですよ」
不平不満が数人の選手から噴出する。どいつもこいつもロクに活躍しなかったり、エラーやミスをした選手ばかりだった。ちなみに、由加里は気づいていないが、バスの中で文句を垂れていた連中でもある。心から怒りをぶつけたいと思った。しかしここは感情の赴(おもむ)くまま怒ってはならない場面である。
どう対応していいかわからず、選手たちに背を向けて怒りで体を震わせていると、背後から咳払いが聞こえた。
「君たちさ、あまり言いたくないけど反省してないでしょ。こういっちゃなんだけど、やらかした人間って申し訳なさが先立って、少しの間は自分の意見を黙殺(もくさつ)しててでも周りに合わせようとするじゃない。どうしてそれができないのかな。何もびしょびしょの格好でミーティングに参加しろって言ってるんじゃない。部屋で体を拭いて着替えれば、風邪を引くリスクなんて高くないんだから。それに、こうしてここで駄々をこねてる間にも君たちはともかく、ほかのチームメイトたちは寒さに震えて着替えてるんだからさ」
本保にしては珍しく、厳しい口調だった。日ごろ滅多なことでは腹を立てない男も、今日の試合には相当腹を据えかねていたのだろう。だが、不平不満を上げた選手たちはバツが悪そうにそっぽを向いている。本保はため息をつきたくなるほど呆れた。
「カイロもあるし、毛布もあるわよ。そうそう、湯たんぽもある。甘酒もたくさん作ってあるし、みんなでじゃんじゃん飲んで」
場の雰囲気を察知した靖子が、明るくハキハキとした声でみなに呼びかける。
まだ動く者はいない。
本保は怒りとやるせなさに震える由加里の背を守るようにして立って手を鳴らした。
「はいはい、みんな早く部屋に行って着替えて。靖子さんの作った甘酒を飲もう!」
ふたりが口々に甘酒甘酒というのには、べつに酔っ払って憂(う)さを晴らそうというわけではない。靖子が作る甘酒は、米と麹(こうじ)が原料なためアルコールはほんのわずかしか入っていない。栄養価も高く、寒い季節は体の芯から温まる。倉本が監督に就任してから靖子に頼んで作ってもらっているものである。
選手のためを思っての行動だった。
由加里がジャージに着替えて食堂に向かうと、まだだれも席に着いている人間がいなかった。ため息をつきながらいつも座る席に腰を落とすと、靖子が甘酒を持ってきてくれた。
「坂戸監督も佳澄ちゃんもいない中でよくがんばったわね。おまけにおろしたショウガも入れておいたわ」
「靖子さん、ありがとう」
マグカップに息を吹きつけてゆっくりと飲む。体中が瞬時にして温かくなっていくそんな気がした。
チラホラと着替えを終えた選手たちが席に着いて、同じように靖子の作った甘酒をホッとした表情で飲んでいる。
時計を見上げる。球場で桐子と別れてから30分は経っていた。球場から恩愛寮まで徒歩にして20分かかる道のりだが、いまだに戻ってこない。きっと、そのまま家に帰ったのだろうと由加里は思った。
ふと、背後に言い知れぬ気配を感じた。殺気とも好意とも呼べるような複雑な気配。由加里の背中に緊張が走った。
「ゆーかりさん」
背もたれに軽く衝撃があったと同時に、2本の腕が由加里の目の前に現れた。耳元がやけにくすぐったい。顔を近づけてなつめがささやいてきたからだ。
「いい匂いですね」
刈り上げて露出しているうなじに鼻をつけ、なつめは匂いを嗅いでいる。
嫌悪感と恐怖が心の中で渦巻き、頭が警鐘を鳴らしている。噴き出した冷や汗で体が一瞬にして冷え、マグカップを持つ手がカタカタと震えている。
――まずい。ここは……。
生唾を飲んで、とっさに浮かんだ逃げたい衝動をなんとか掻き消す。
――ここで逃げちゃ、これからも延々と逃げ続けることになる……。
渦巻いた感情が今回は立ち向かう勇気になった。
――いつもなら他人任せだったり、言い訳して逃げてきた。これ以上逃げてはならない。袋小路に押し込まれる前にカタをつけなければ……。
精神的な死が待っている。
――ハッキリと拒絶するんだ。
決意と同時に震えが止まった。体が熱い。恐怖で引いていた熱い血が、体中を巡っているのがよくわかった。それが正しい選択であるとも。
「なつめ……アンタはいつからそんな積極的になったの。誰かに焚(た)き付けられて動いてるだけじゃないの」
「私が焚き付けられてる? 由加里さんとは言え心外です。私は元々あなたに憧れを抱いていました。同じ投手として、同性として、何もかも私には持っていないものを持っていた。憧れがこの人といっしょにいたいという恋愛対象に変わったのです」
憧れが恋愛対象に変わることはわかる。でも、いざ自分が対象となると――怖気(おぞけ)がする。なつめの好意は、決して健全ではない病的な好意にしか思えないからだ。姿が見えないストーカーよりもたちの悪い、公然のストーカーであると強く確信した。
「……由加里さん、私と付き合ってくれませんか? この張り裂けそうな想いを受け取って欲しいんです」
由加里にとって死刑宣告に等しい言葉を、なつめはハッキリと言ってのけた。由加里もまたハッキリ聞こえた。聞き逃しようのないゼロ距離の耳打ち告白。
由加里の頭と心がパニックを起こしかけた。体が急に熱くなったり寒くなったりを繰り返している。目の前がとんでもなくかすんで見える。
――負の方向に身を任せてはいけない。正気を保たなくちゃ。
冷静に何度も何度も意識して呼吸を繰り返した。新鮮な空気を取り入れ、負に塗(まみ)れた感情を体外へ強制的に押し出していく。
1分ぐらいそうしているうちに、パニックが収まってきた。ため息のように息を吐き出し、ゆっくり目も合わせたくない相手をじっと見て断言した。
「――嫌だ」
なつめの友好的な表情が凍りつき、首をかしげて見せた。
「私には桐子がいる」
由加里はなつめがいるのにも関わらず、イスを引いて手を強く払いのけた。
「どこへ行くんですか?」
思いのほか変わり映えのしないなつめの声音が飛んできた。
「焚き付けた人間をとっちめにいく」
なつめを見もせず食堂から出て行こうとする。
「そうはさせない」
やすりのようにザラついた声に、思わず振り返ろうとした。が、由加里の視界に思いもしない物が入り込んできたのだ。
銀色に鈍く輝く小さいナイフだった。それが首筋に当てられる。もう片方の手は首に回してきた。
周囲が騒然となり、悲鳴が響き渡る。
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