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第4章 焔の中の怪物
追憶の回廊(第4章NPC編)
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ご無沙汰しております。当館の支配人、メビウスです。ご来館の皆様、大変長らくお待たせ致しました。これより、第5章公開に先立ち、第4章の総集編にあたる、新たな展示を開放致します。
それでは、案内役のプレアデスさん、春風さん。あとは、宜しくお願いします。私は、執筆に戻りますので……。
「分かりました。皆、こんにちは!僕はプレアデス。そしてこっちがハルこと春風だよ」
「こうして直接語りかけるのはちょっと新鮮で慣れないけど……今日は、ボク達がこのフロアを案内するよ」
「「それじゃ、早速行こう!」」
【登場人物編】
#グスターヴ・ドリアス
「まず、ボク達がフリーディアで最初に関わった人物といえば、グスターヴさん。元々はイフリートの彫刻を作っている彫刻家だったんだけど、まさかあんな、重要人物だったなんてね……」
「イフリートのこともよく知っていたし、その他のことも、結局殆ど教えて貰っちゃったもんね。まるで生き字引だよ」
「ていうか、プレア殿ほんとに運良すぎじゃない?最初に話しかけられたのがそんな人なんて」
「あはは、運……なのかな?」
「イフリートの彫刻の体験もさせて貰って……プレア殿も感化されて武器作ってたっけ?」
「ああ、普通に火炎放射器作るだけじゃ面白くないなって思っちゃってね……もう、インスピレーションのままに作ったって感じ」
「それであんなの作れちゃうんだから、君も大概天才肌よね……」
「いやいや、全部スキルのおかげだから……。特に【拡大鏡】。手元の細かい作業なんか、今やあれがなかったらできる気がしない。その前にまず【統合強化】が凄すぎるんだけど」
「……それで、グスターヴさんはスロウ……いや、メグル・ドリアスの息子さんなんだっけ?」
「そう、あれには僕も驚いたよ。世界って狭いよね」
「じゃあ、次はそのメグル・ドリアスを紹介しようか」
#メグル・ドリアス
「改めて、スロウの本名、メグル・ドリアス。ウルヴァーニの最深部で、イフリートの生贄になる直前に教えてくれたんだ。僕にできた、初めての……AIの友達だよ」
「ボクも初めて聞いた時はほんとにびっくり。スロウが人間なんじゃないかって説は浮上してたけど……まさか実際に元人間だったなんて、思ってもなかったよ」
「彼については……やっぱり、僕から話すべきかな?」
「うん、お願い」
「彼は、およそ100年前の『ヒトホムンクルス化実験』っていう実験に参加させられて……そこで、意識をホムンクルスに移植されたんだ」
「それで、洗脳とかもされたんだよね……」
「うん。実験を受けたのは7人の研究者で、椅子に縛られて……それぞれに特徴的な感情を流し込まれたらしい。しかも最後の方は、拷問なんかも受けたんだ」
「ひどすぎる……スロウは、そんな辛い経験を通して、敵になっちゃったんだね」
「でも、彼は唯一自我を保てていた。だから、他の皆を助けるために、それぞれがそれぞれの地方に分散して……それでずっと、研究を続けていたんだ」
「そう考えると、なんだか憎めないね」
「ああ。僕達プレイヤーにとっては敵だったとしても、少なくとも彼は悪い人じゃない。今後、僕達が行く先々に他のホムンクルス達がいるだろうけど……スロウの代わりに、僕が助けなくちゃ」
「…………」
(気負い過ぎないでね、プレア殿……)
#ウルヴァン
「次はウルヴァン。ウルヴァーニの中に封印されていた、炎纏う伝説の魔獣だよ。僕達の今回の一連の戦いのボスにあたる敵だったね」
「大昔に人間との戦いで片目を失って敗れて、ずっと封印されてたんだって、グスターヴさんが出発前に教えてくれたんだよね」
「うん、彼がいなかったら多分どうしようもなかったよ。それに凄い強かったし。僕は最後しか戦ってなかったんだけど、実際やってみてどうだった?」
「もう大変だったよ……火球も爪の攻撃も、まともに当たった人は大体一撃でやられてたもん。同時に攻撃が来た途端に最前線が軽く崩壊したからね」
「やっぱりそうだよね……でも多分、今回のはイレギュラーな事態だったんじゃないかな?」
「どういうこと?」
「今回の戦い、多分本来はスロウを倒して、イフリートの復活を止めるところで終わるはずだったんだと思う。だって、序盤に出てくるボスにしては強すぎじゃなかった?」
「確かに……かなりのプレイヤーを動員したのに、結局殆どやられちゃってたもんね。このゲーム自体も結構難しいけど、流石にクリア不可能なイベントまでは起こらないはず……」
「僕達が負けたら街が崩壊するんだから尚更ね。だから多分、何かの条件を達成して、イベント内容が変化したのかもしれないなって思ってるんだ」
「そんなことあるの!?」
「ある。IG社が作るゲームには皆、イベントとかスキルの内容を決定するAIプログラムが搭載されているらしいんだ」
「へえ、知らなかった……だからオリジナルのスキルが作れたりもしちゃうんだね」
「そうそう。で、多分イベントの難易度を決定する条件は、そのサーバー内にいるプレイヤー達がどれくらいのレベルに到達しているかによるんだと思う」
「どれくらいの、レベル……プレア殿、まさか」
「うん。三皇を中心とする高レベルプレイヤーの存在、それと……高レアリティアイテムの多さが要因だろうね」
「あはは、じゃあ君も原因の一端って可能性があるのね……?」
「……はい」
#イフリート
「NPCで最後に紹介するのは、イフリートだよ」
「これ……NPC扱い?」
「さあ……でもまあ、精霊って立ち位置なんだし。プレイヤーでもなければ、敵でもないから」
「あはは、まあいいや……プレア殿は、イフリートとも関わってるんだよね?」
「うん。彼から貰った紅焔晶っていう特別な宝石を通して、交信できるんだ。まあ、毎回もの凄いマナを持って行かれるし、口調まで熱くて話してて疲れるからあんまやりたくないんだけど」
「そ、そうなんだ……ウルヴァンの討伐にも一役買ったのよね?」
「一役どころじゃないよー。彼がいなかったら絶対無理だったと言ってもいい」
「えぇ、そんなに?」
「うん。ウルヴァンは負の感情に囚われて暴走していたんだけど、それを浄化するためには神聖な力が必要だったの。それで、イフリートが紅焔晶に聖なる炎……【聖炎】を封じ込めてくれたんだ」
「な、何でもありだな紅焔晶……!」
それでは、案内役のプレアデスさん、春風さん。あとは、宜しくお願いします。私は、執筆に戻りますので……。
「分かりました。皆、こんにちは!僕はプレアデス。そしてこっちがハルこと春風だよ」
「こうして直接語りかけるのはちょっと新鮮で慣れないけど……今日は、ボク達がこのフロアを案内するよ」
「「それじゃ、早速行こう!」」
【登場人物編】
#グスターヴ・ドリアス
「まず、ボク達がフリーディアで最初に関わった人物といえば、グスターヴさん。元々はイフリートの彫刻を作っている彫刻家だったんだけど、まさかあんな、重要人物だったなんてね……」
「イフリートのこともよく知っていたし、その他のことも、結局殆ど教えて貰っちゃったもんね。まるで生き字引だよ」
「ていうか、プレア殿ほんとに運良すぎじゃない?最初に話しかけられたのがそんな人なんて」
「あはは、運……なのかな?」
「イフリートの彫刻の体験もさせて貰って……プレア殿も感化されて武器作ってたっけ?」
「ああ、普通に火炎放射器作るだけじゃ面白くないなって思っちゃってね……もう、インスピレーションのままに作ったって感じ」
「それであんなの作れちゃうんだから、君も大概天才肌よね……」
「いやいや、全部スキルのおかげだから……。特に【拡大鏡】。手元の細かい作業なんか、今やあれがなかったらできる気がしない。その前にまず【統合強化】が凄すぎるんだけど」
「……それで、グスターヴさんはスロウ……いや、メグル・ドリアスの息子さんなんだっけ?」
「そう、あれには僕も驚いたよ。世界って狭いよね」
「じゃあ、次はそのメグル・ドリアスを紹介しようか」
#メグル・ドリアス
「改めて、スロウの本名、メグル・ドリアス。ウルヴァーニの最深部で、イフリートの生贄になる直前に教えてくれたんだ。僕にできた、初めての……AIの友達だよ」
「ボクも初めて聞いた時はほんとにびっくり。スロウが人間なんじゃないかって説は浮上してたけど……まさか実際に元人間だったなんて、思ってもなかったよ」
「彼については……やっぱり、僕から話すべきかな?」
「うん、お願い」
「彼は、およそ100年前の『ヒトホムンクルス化実験』っていう実験に参加させられて……そこで、意識をホムンクルスに移植されたんだ」
「それで、洗脳とかもされたんだよね……」
「うん。実験を受けたのは7人の研究者で、椅子に縛られて……それぞれに特徴的な感情を流し込まれたらしい。しかも最後の方は、拷問なんかも受けたんだ」
「ひどすぎる……スロウは、そんな辛い経験を通して、敵になっちゃったんだね」
「でも、彼は唯一自我を保てていた。だから、他の皆を助けるために、それぞれがそれぞれの地方に分散して……それでずっと、研究を続けていたんだ」
「そう考えると、なんだか憎めないね」
「ああ。僕達プレイヤーにとっては敵だったとしても、少なくとも彼は悪い人じゃない。今後、僕達が行く先々に他のホムンクルス達がいるだろうけど……スロウの代わりに、僕が助けなくちゃ」
「…………」
(気負い過ぎないでね、プレア殿……)
#ウルヴァン
「次はウルヴァン。ウルヴァーニの中に封印されていた、炎纏う伝説の魔獣だよ。僕達の今回の一連の戦いのボスにあたる敵だったね」
「大昔に人間との戦いで片目を失って敗れて、ずっと封印されてたんだって、グスターヴさんが出発前に教えてくれたんだよね」
「うん、彼がいなかったら多分どうしようもなかったよ。それに凄い強かったし。僕は最後しか戦ってなかったんだけど、実際やってみてどうだった?」
「もう大変だったよ……火球も爪の攻撃も、まともに当たった人は大体一撃でやられてたもん。同時に攻撃が来た途端に最前線が軽く崩壊したからね」
「やっぱりそうだよね……でも多分、今回のはイレギュラーな事態だったんじゃないかな?」
「どういうこと?」
「今回の戦い、多分本来はスロウを倒して、イフリートの復活を止めるところで終わるはずだったんだと思う。だって、序盤に出てくるボスにしては強すぎじゃなかった?」
「確かに……かなりのプレイヤーを動員したのに、結局殆どやられちゃってたもんね。このゲーム自体も結構難しいけど、流石にクリア不可能なイベントまでは起こらないはず……」
「僕達が負けたら街が崩壊するんだから尚更ね。だから多分、何かの条件を達成して、イベント内容が変化したのかもしれないなって思ってるんだ」
「そんなことあるの!?」
「ある。IG社が作るゲームには皆、イベントとかスキルの内容を決定するAIプログラムが搭載されているらしいんだ」
「へえ、知らなかった……だからオリジナルのスキルが作れたりもしちゃうんだね」
「そうそう。で、多分イベントの難易度を決定する条件は、そのサーバー内にいるプレイヤー達がどれくらいのレベルに到達しているかによるんだと思う」
「どれくらいの、レベル……プレア殿、まさか」
「うん。三皇を中心とする高レベルプレイヤーの存在、それと……高レアリティアイテムの多さが要因だろうね」
「あはは、じゃあ君も原因の一端って可能性があるのね……?」
「……はい」
#イフリート
「NPCで最後に紹介するのは、イフリートだよ」
「これ……NPC扱い?」
「さあ……でもまあ、精霊って立ち位置なんだし。プレイヤーでもなければ、敵でもないから」
「あはは、まあいいや……プレア殿は、イフリートとも関わってるんだよね?」
「うん。彼から貰った紅焔晶っていう特別な宝石を通して、交信できるんだ。まあ、毎回もの凄いマナを持って行かれるし、口調まで熱くて話してて疲れるからあんまやりたくないんだけど」
「そ、そうなんだ……ウルヴァンの討伐にも一役買ったのよね?」
「一役どころじゃないよー。彼がいなかったら絶対無理だったと言ってもいい」
「えぇ、そんなに?」
「うん。ウルヴァンは負の感情に囚われて暴走していたんだけど、それを浄化するためには神聖な力が必要だったの。それで、イフリートが紅焔晶に聖なる炎……【聖炎】を封じ込めてくれたんだ」
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