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174 ロズ村
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「……道、あったんかい……」
西に向かっていたら馬車が一台通れるくらいの道に出てしまった。
なにか釈然としない感情が湧き起こってくるが、これは行進訓練であり体力をつけるためのもの。道を歩いてきたわけじゃない。って、自分に言い訳しておこう。うん。
「頻繁に往来してる感じだな」
重いものを運んでいるのか地面は固く踏みつけられ、轍に雑草も生えていない。生える暇なく往来してるってことだろう。
「樵の村でもあるのかな?」
とはビシャ。そういう村があるんだってさ。
「そう言えば領都の建物、木造だったな」
その樵の村から運んできてるのか。それに、この時代、薪が主な燃料っぽい。薪もそこから運んでいるのかもしれないな。
「村にいくの?」
「そうだな。ゴブリンの情報を仕入れておくか」
森や山の中ならゴブリンのエサとなるものが多いはず。なら、木を伐ってるときに見かけてるかもしれない。仕入れておいて損はないだろう。
ってことで道なりに進むと、木の柵で囲まれた結構な家が建っている、なかなか大きな村だった。
柵の門の前には武装した中年の男が立っていた。
「冒険者か?」
「はい。コラウス辺境伯領の冒険者です。冒険者ギルドで湖があると聞いたのでやってきました」
一応、銀符を見せた。
「銀印の冒険者か!」
「ええ、まあ。ですが、主に冒険者ギルドからゴブリン狩りを請け負ってます。ゴブリン情報があったら教えてもらおうと寄りました」
「それは助かる。最近、マルダ洞窟にゴブリンの群れが住み着いて困ってたんだ」
歩けば当たるゴブリン問題。もっと駆除員を送り込めよ、ダメ女神!
「詳しい情報を教えてください」
と、この村──ロズ村の長のところへと案内してもらった。
ロズ村の村長は老婆で、どうやら目が悪いようで若い娘が付き添っていた。
「オレはタカト。コラウス辺境伯領の冒険者ギルドに間借りさせてもらっているゴブリン駆除ギルド員の一人です。横にいるのは仲間のビシャ。湖にいこうとしてましたが、道を見つけたのでゴブリンの情報が得られないかと思ってここにきました」
ってことを村長以下、集まった村の者に説明した。
「率直な疑問じゃが、ゴブリンなど狩って儲かるのか?」
とは、村長の横にいる四十くらいの男性だ。
「狩れれば儲かりますが、狩れなければ今日食うものにも困ります。そこは皆さんと同じですよ」
答えにはなってないが、働け。さすれば飯が食える、だ。
「まあ、ゴブリンに恨みを持つ大魔法使いが立ち上げたギルドで、報酬は大魔法使いからもらえるんですよ。オレらが着てるものでその問いの答えはわかるでしょう」
余り突っ込まれたことはないが、オレらの着ている服に目を向ける者は多い。知識がなくても明らかに上質だと理解できるくらいの差はあるからな。
「し、失礼しました」
「お気になさらず。それで、ゴブリンの被害は多いので?」
「はい。かなりの数が住み着いているようで畑が荒らされたりします」
畑、あるんだ。木を伐るだけじゃ生きられない地ってことか。厳しいところに住んでるよ。
人への被害はまだ起きてないようだが、増え出すと人を襲うこともあるそうだ。昔、そんなことがあって滅びかけたんだとさ。
「マルダ洞窟と言うのは近いのですか?」
「はい。村から見える山にあります。子供の足でもいける場所です」
ってことは五百メートルくらい離れた場所にゴブリンが固まっているところがマルダ洞窟だろう。確かに近くだな
「マルダ洞窟は人が入れるので?」
「入れるところもあれば入れないところもあります。穴は至るところにありますので」
それはまた厄介な。穴が至るところにあるならドライアイス戦法は使えないか……。
「そうですか。見てみないとわかりませんが、駆除を試みます。状況がよければかなりの数の死体が出ると思います。そのときは片付けをお願いできますか?」
訓練中止。ゴブリン駆除に切り替えるとしよう。
「そ、それは構いませんが、そんなに簡単にできるのですか?」
「簡単ではありませんし、ゴブリンの数が多いと周辺のゴブリンまで呼び寄せる場合があります。下手したら千を超えるときもあります。本当は毎日少しずつ駆除していくほうが安全なんですよ。ですが、ゴブリンはすぐ集まる。本当に厄介な存在です」
マルダ洞窟には百匹以上の気配があり、ロズ村の周辺にはかなりの数が徘徊している。これらが集まったら三百。下手したら五百匹は集まるかもしれないだろうよ。
「あ、ゴブリンの他にどんな魔物がいますか?」
「この辺は赤毛熊が多く住んでますが、あいつらは夜に動くので夜に出歩かなければ問題ありません。食うものも山芋や木の実ばかりですので」
熊か~。またおっかねーのがいるな~。ほんと、ここに転移させられなくてよかったぜ。
「わかりました。暗くなる前にマルダ洞窟を確認してきます。夜中騒がしくなるかと思いますが、それはオレらなので脅えないでください」
あと二日くらいしかない。悠長にやってたら長丁場になってしまう。さっさと終わらせてしまおう。
「ビシャ。やるぞ」
「うん! たくさん稼ぐ!」
いつも殺る気満々で頼もしい子である。
西に向かっていたら馬車が一台通れるくらいの道に出てしまった。
なにか釈然としない感情が湧き起こってくるが、これは行進訓練であり体力をつけるためのもの。道を歩いてきたわけじゃない。って、自分に言い訳しておこう。うん。
「頻繁に往来してる感じだな」
重いものを運んでいるのか地面は固く踏みつけられ、轍に雑草も生えていない。生える暇なく往来してるってことだろう。
「樵の村でもあるのかな?」
とはビシャ。そういう村があるんだってさ。
「そう言えば領都の建物、木造だったな」
その樵の村から運んできてるのか。それに、この時代、薪が主な燃料っぽい。薪もそこから運んでいるのかもしれないな。
「村にいくの?」
「そうだな。ゴブリンの情報を仕入れておくか」
森や山の中ならゴブリンのエサとなるものが多いはず。なら、木を伐ってるときに見かけてるかもしれない。仕入れておいて損はないだろう。
ってことで道なりに進むと、木の柵で囲まれた結構な家が建っている、なかなか大きな村だった。
柵の門の前には武装した中年の男が立っていた。
「冒険者か?」
「はい。コラウス辺境伯領の冒険者です。冒険者ギルドで湖があると聞いたのでやってきました」
一応、銀符を見せた。
「銀印の冒険者か!」
「ええ、まあ。ですが、主に冒険者ギルドからゴブリン狩りを請け負ってます。ゴブリン情報があったら教えてもらおうと寄りました」
「それは助かる。最近、マルダ洞窟にゴブリンの群れが住み着いて困ってたんだ」
歩けば当たるゴブリン問題。もっと駆除員を送り込めよ、ダメ女神!
「詳しい情報を教えてください」
と、この村──ロズ村の長のところへと案内してもらった。
ロズ村の村長は老婆で、どうやら目が悪いようで若い娘が付き添っていた。
「オレはタカト。コラウス辺境伯領の冒険者ギルドに間借りさせてもらっているゴブリン駆除ギルド員の一人です。横にいるのは仲間のビシャ。湖にいこうとしてましたが、道を見つけたのでゴブリンの情報が得られないかと思ってここにきました」
ってことを村長以下、集まった村の者に説明した。
「率直な疑問じゃが、ゴブリンなど狩って儲かるのか?」
とは、村長の横にいる四十くらいの男性だ。
「狩れれば儲かりますが、狩れなければ今日食うものにも困ります。そこは皆さんと同じですよ」
答えにはなってないが、働け。さすれば飯が食える、だ。
「まあ、ゴブリンに恨みを持つ大魔法使いが立ち上げたギルドで、報酬は大魔法使いからもらえるんですよ。オレらが着てるものでその問いの答えはわかるでしょう」
余り突っ込まれたことはないが、オレらの着ている服に目を向ける者は多い。知識がなくても明らかに上質だと理解できるくらいの差はあるからな。
「し、失礼しました」
「お気になさらず。それで、ゴブリンの被害は多いので?」
「はい。かなりの数が住み着いているようで畑が荒らされたりします」
畑、あるんだ。木を伐るだけじゃ生きられない地ってことか。厳しいところに住んでるよ。
人への被害はまだ起きてないようだが、増え出すと人を襲うこともあるそうだ。昔、そんなことがあって滅びかけたんだとさ。
「マルダ洞窟と言うのは近いのですか?」
「はい。村から見える山にあります。子供の足でもいける場所です」
ってことは五百メートルくらい離れた場所にゴブリンが固まっているところがマルダ洞窟だろう。確かに近くだな
「マルダ洞窟は人が入れるので?」
「入れるところもあれば入れないところもあります。穴は至るところにありますので」
それはまた厄介な。穴が至るところにあるならドライアイス戦法は使えないか……。
「そうですか。見てみないとわかりませんが、駆除を試みます。状況がよければかなりの数の死体が出ると思います。そのときは片付けをお願いできますか?」
訓練中止。ゴブリン駆除に切り替えるとしよう。
「そ、それは構いませんが、そんなに簡単にできるのですか?」
「簡単ではありませんし、ゴブリンの数が多いと周辺のゴブリンまで呼び寄せる場合があります。下手したら千を超えるときもあります。本当は毎日少しずつ駆除していくほうが安全なんですよ。ですが、ゴブリンはすぐ集まる。本当に厄介な存在です」
マルダ洞窟には百匹以上の気配があり、ロズ村の周辺にはかなりの数が徘徊している。これらが集まったら三百。下手したら五百匹は集まるかもしれないだろうよ。
「あ、ゴブリンの他にどんな魔物がいますか?」
「この辺は赤毛熊が多く住んでますが、あいつらは夜に動くので夜に出歩かなければ問題ありません。食うものも山芋や木の実ばかりですので」
熊か~。またおっかねーのがいるな~。ほんと、ここに転移させられなくてよかったぜ。
「わかりました。暗くなる前にマルダ洞窟を確認してきます。夜中騒がしくなるかと思いますが、それはオレらなので脅えないでください」
あと二日くらいしかない。悠長にやってたら長丁場になってしまう。さっさと終わらせてしまおう。
「ビシャ。やるぞ」
「うん! たくさん稼ぐ!」
いつも殺る気満々で頼もしい子である。
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