176 / 459
176 果報は寝て待て
しおりを挟む
夜は静かに更けていき、何事もなく朝を迎えた。
なにもない事が一番だが、せっかく用意したものが無駄に終わると言うのも切ないものだ。鳥よけネット、片付けるのメンドクセーなー。
「ビシャ。三時間くらい寝る。なにかあればすぐに起こしてくれ」
起きてきたビシャにそう言ってすぐに眠りに落ち、揺さぶられて目が覚めた。
「──なにがあった?!」
すぐにチェアから起き上がり、握っていたグロックを構えた。
「敵じゃないよ」
と、ミシニーがいた。あれ? オレ、夢でも見てんのか?
「夢でもないよ。マルジィーさんの許可をもらってタカトたちを追ってきたのさ」
頭がまだ働かなくて受け止められない。ちょっとコーヒータイムをいただきたい。
「──なるほど。状況は理解した」
頭が目覚め、ミシニーの説明でやっと状況を把握できた。
「よく許可してくれたな、マルジィーさん。護衛ってそんなに融通が効くものなのか?」
「今回は特別だ。ルライズ商会はタカトに便乗した立場だからな、お前が戻ってこないとルライズ商会としても困る。タカトが無事戻ってこれるようわたしが送り込まれた、って感じだ」
なるほど。そう言うことね。オレの利用価値、思う以上に高そうだ。ハハ。
「それで、今日もゴブリンを狩るのか?」
「ああ。洞窟の中に百匹。周辺には……三百以上はいるな。まずは洞窟のを駆除したら周りにいるのを軽く駆除していくつもりだ」
中から出れないように、外からも入れないんだろうが、崩れて通れなくなったんだろうか?
「周りにそんなにいるのか?」
「ああ。隠れてこちらを伺っているな」
ゴブリンは勝てないと悟れば逃げるが、隠れる場所があれば隠れることを本能的にやってしまう感じだ。
「ビシャ。メガネを貸してくれ」
大人しくしているビシャからメガネを借り、ミシニーにかけさせた。
「赤いのが見えるだろう? それは生き物の熱を写しているんだ。体力があるなら狩ってくると──」
最後まで聞かずに風のように森の中へと消えていき、ゴブリンを次々と駆除していった。ほんと、恐ろしい女だよ。
「ビシャ。朝飯食ったか? ミシニーが稼いでくれるそうだから好きなの食べていいぞ」
「朝はもう食べたからお昼にハンバーグ食べたい」
「よし。超高級なハンバーグを出してやるよ」
オレはまだ朝食をいただいてないので胃に優しい甘酒をいただこうと思います。
携帯コンロを出し、シェラカップに米麹の甘酒(アルコール0%)を移してほどよく温めたらいただきます。あー飲む点滴は美味い。
「タカト、それ美味しいの?」
「ああ美味しい」
と短く答えたらビシャもシェラカップを出して甘酒を注いで温め始めた。
「これ美味しい! あたし好き!」
そうかいそうかい。それはよかった。いっぱいあるからおっぱい──じゃなくて、いっぱいお飲みなさい。
「シャワー浴びてくる。しばらく頼むな」
ホームに戻ると、ラダリオンはおらず、ミリエルが玄関を掃除していた。
「おはようございます。あまり眠ってないんですか? 隈が凄いですよ。体力、回復します」
ミリエルの前に立ち、両手を繋いで体力を回復してもらった。
眠気は多少あるが、怠さはなくなった。回復魔法マジ優秀。
「朝食が終わったら開始するそうです。マガジンが消えている間隔短いから結構な数がいるみたいですね」
そっか。まあ、群れてないようだから問題はないだろう。
こちらの状況を話したらユニットバスに向かい、熱いシャワーを浴びて眠気を洗い流した。
下着だけ新しくして装備はVHS-2からスコーピオン装備に換えた。ゴブリンしかいないなら9㎜弾で充分だろう。
「ミリエル。昼にまた戻ってくるよ」
そう告げて外に出た。
「ミシニーは元気に殲滅中か。一匹たりとも逃さないって意志を感じるぜ」
まったく、その意志と体力が羨ましい。どちらか分けてもらいたいよ。
「ビシャ。村のほうの様子を見てきてくれるか? 村の連中と接触する必要はないから」
「わかった」
ビシャが様子を見にいってる間、洞窟に立て籠るゴブリンの気配を探った。
ゴブリンの気配は大きく二つに分かれている。洞窟の入口から奥に入ったところに約五十。中腹辺りに十二。あとは通路と思われるところを移動している。
「ん? 一匹外に出たな」
中腹辺りから出て、また戻ってしまった。様子見か?
すぐにそこに向かうと、ゴブリンが一匹通れそうな岩の裂け目があった。
「お、中腹の塊が動き出した」
ゴブリンに言語があるのかわからないが、中腹に固まっていたゴブリンがこちらへ向かってきた。
岩に背をつけ、近くまできたら裂け目に銃口を突っ込んで引き金を引いた。
一列に移動してきたからか、殺せたのは一番前にいたヤツだけ。だが、二番目三番目がつっかえたみたいで、自ら栓となってしまった。哀れな……。
まあ、哀れむことはできても罪悪感は湧いてこない。枯れ枝を集めてきて裂け目に突っ込んで塞いだ。
「悪いな。オレのために死んでくれ」
枯れ枝にライターで火をつける。
煙が外に出てくるが、少しは中に流れていくはず。うん。ゴブリンが逃げ出した。
その気配を追って登っていくと、また岩の裂け目があり、その奥(下)からゴブリンの気配を感じた。
ホームから催涙ガスグレネードを持ってきて、ピンを抜いて裂け目へとポイ。中で破裂した。
催涙ガスは重いから下へと流れていくはず。上がってこないのを確認したらもう一つ。これで死んでくれるといいんだがな。
果報は寝て待て。アジト(パイオニア)に帰りましょう。
なにもない事が一番だが、せっかく用意したものが無駄に終わると言うのも切ないものだ。鳥よけネット、片付けるのメンドクセーなー。
「ビシャ。三時間くらい寝る。なにかあればすぐに起こしてくれ」
起きてきたビシャにそう言ってすぐに眠りに落ち、揺さぶられて目が覚めた。
「──なにがあった?!」
すぐにチェアから起き上がり、握っていたグロックを構えた。
「敵じゃないよ」
と、ミシニーがいた。あれ? オレ、夢でも見てんのか?
「夢でもないよ。マルジィーさんの許可をもらってタカトたちを追ってきたのさ」
頭がまだ働かなくて受け止められない。ちょっとコーヒータイムをいただきたい。
「──なるほど。状況は理解した」
頭が目覚め、ミシニーの説明でやっと状況を把握できた。
「よく許可してくれたな、マルジィーさん。護衛ってそんなに融通が効くものなのか?」
「今回は特別だ。ルライズ商会はタカトに便乗した立場だからな、お前が戻ってこないとルライズ商会としても困る。タカトが無事戻ってこれるようわたしが送り込まれた、って感じだ」
なるほど。そう言うことね。オレの利用価値、思う以上に高そうだ。ハハ。
「それで、今日もゴブリンを狩るのか?」
「ああ。洞窟の中に百匹。周辺には……三百以上はいるな。まずは洞窟のを駆除したら周りにいるのを軽く駆除していくつもりだ」
中から出れないように、外からも入れないんだろうが、崩れて通れなくなったんだろうか?
「周りにそんなにいるのか?」
「ああ。隠れてこちらを伺っているな」
ゴブリンは勝てないと悟れば逃げるが、隠れる場所があれば隠れることを本能的にやってしまう感じだ。
「ビシャ。メガネを貸してくれ」
大人しくしているビシャからメガネを借り、ミシニーにかけさせた。
「赤いのが見えるだろう? それは生き物の熱を写しているんだ。体力があるなら狩ってくると──」
最後まで聞かずに風のように森の中へと消えていき、ゴブリンを次々と駆除していった。ほんと、恐ろしい女だよ。
「ビシャ。朝飯食ったか? ミシニーが稼いでくれるそうだから好きなの食べていいぞ」
「朝はもう食べたからお昼にハンバーグ食べたい」
「よし。超高級なハンバーグを出してやるよ」
オレはまだ朝食をいただいてないので胃に優しい甘酒をいただこうと思います。
携帯コンロを出し、シェラカップに米麹の甘酒(アルコール0%)を移してほどよく温めたらいただきます。あー飲む点滴は美味い。
「タカト、それ美味しいの?」
「ああ美味しい」
と短く答えたらビシャもシェラカップを出して甘酒を注いで温め始めた。
「これ美味しい! あたし好き!」
そうかいそうかい。それはよかった。いっぱいあるからおっぱい──じゃなくて、いっぱいお飲みなさい。
「シャワー浴びてくる。しばらく頼むな」
ホームに戻ると、ラダリオンはおらず、ミリエルが玄関を掃除していた。
「おはようございます。あまり眠ってないんですか? 隈が凄いですよ。体力、回復します」
ミリエルの前に立ち、両手を繋いで体力を回復してもらった。
眠気は多少あるが、怠さはなくなった。回復魔法マジ優秀。
「朝食が終わったら開始するそうです。マガジンが消えている間隔短いから結構な数がいるみたいですね」
そっか。まあ、群れてないようだから問題はないだろう。
こちらの状況を話したらユニットバスに向かい、熱いシャワーを浴びて眠気を洗い流した。
下着だけ新しくして装備はVHS-2からスコーピオン装備に換えた。ゴブリンしかいないなら9㎜弾で充分だろう。
「ミリエル。昼にまた戻ってくるよ」
そう告げて外に出た。
「ミシニーは元気に殲滅中か。一匹たりとも逃さないって意志を感じるぜ」
まったく、その意志と体力が羨ましい。どちらか分けてもらいたいよ。
「ビシャ。村のほうの様子を見てきてくれるか? 村の連中と接触する必要はないから」
「わかった」
ビシャが様子を見にいってる間、洞窟に立て籠るゴブリンの気配を探った。
ゴブリンの気配は大きく二つに分かれている。洞窟の入口から奥に入ったところに約五十。中腹辺りに十二。あとは通路と思われるところを移動している。
「ん? 一匹外に出たな」
中腹辺りから出て、また戻ってしまった。様子見か?
すぐにそこに向かうと、ゴブリンが一匹通れそうな岩の裂け目があった。
「お、中腹の塊が動き出した」
ゴブリンに言語があるのかわからないが、中腹に固まっていたゴブリンがこちらへ向かってきた。
岩に背をつけ、近くまできたら裂け目に銃口を突っ込んで引き金を引いた。
一列に移動してきたからか、殺せたのは一番前にいたヤツだけ。だが、二番目三番目がつっかえたみたいで、自ら栓となってしまった。哀れな……。
まあ、哀れむことはできても罪悪感は湧いてこない。枯れ枝を集めてきて裂け目に突っ込んで塞いだ。
「悪いな。オレのために死んでくれ」
枯れ枝にライターで火をつける。
煙が外に出てくるが、少しは中に流れていくはず。うん。ゴブリンが逃げ出した。
その気配を追って登っていくと、また岩の裂け目があり、その奥(下)からゴブリンの気配を感じた。
ホームから催涙ガスグレネードを持ってきて、ピンを抜いて裂け目へとポイ。中で破裂した。
催涙ガスは重いから下へと流れていくはず。上がってこないのを確認したらもう一つ。これで死んでくれるといいんだがな。
果報は寝て待て。アジト(パイオニア)に帰りましょう。
0
あなたにおすすめの小説
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。
彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。
「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」
契約解除。返還されたレベルは9999。
一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。
対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。
静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。
「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」
これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~
RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。
試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。
「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」
枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!
ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした
茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。
貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。
母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。
バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。
しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる