207 / 459
207 ピンチはチャンス
しおりを挟む
夜中に少年たちを起こし、オレたちは眠らせてもらった。
何事もなく朝を迎え──る前にミスズの鳴き声で起こされてしまった。うっせーな! なんだよいったい!?
「タカトさん。もしかするとミスズが溢れたかもしれません」
ミスズが溢れた? どういうこと?
「原因はわかりませんが、数年前にもミスズが溢れたとロンダリオさんたちに聞いたことがあります」
「そう言えば、ココラって鳥の大群に襲われたことあったな。あれも溢れたことになるのか?」
去年のことなのに遠い昔に感じるぜ。
「ココラの大群にですか!? よく生きてますね!! あれ、人食い鳥ですよ!」
え、マジで?! ラダリオン、そんなこと言ってなかったよ!! 知ってたら即逃げてたのに!
「あのときはオーグもココラを狙っていたからな、意識が散漫になってたんだろうよ」
よくは知らんけど。
「いや、ココラとオーグを同時にって、金印でも逃げ出しますよ」
どうやらオレらは危険なことをやったらしい。今生きていることに感謝しよう……。
「まあ、過ぎたことはどうでもいいさ。ミスズが溢れるとどうなるんだ?」
「今の時期だと麦や野菜を食いに畑に現れます。前のときは各町の冒険者を総動員させて狩ったってロンダリオさんが言ってました」
「刈り取りってまだかかるのか?」
それこそ総動員で刈り取りしてるんだろう?
「あと十日くらいはかかると思います。種類によって植える日にちを変えて、収穫時期をずらしてるので」
へー。そうなんだ。そんなこと考えもしなかったよ。って、感動してる場合じゃないな。
「ミリエル。ラダリオンに伝えろ。ミスズが溢れるかもしれないって。カインゼルさんなら正しく判断してくれるはずだ」
「わかりました!」
ミリエルがホームに戻るのを見届けたらVHS-2をつかんだ。
「ルカとリュウナはここに残れ。ラズル、ミギス、ボブス。拘束したゴブリンを殺しにいくぞ」
ミスズが溢れたらゴブリンを運んでる暇はない。衰弱死される前にオレたちで殺して報酬をいただくぞ。
各自にLEDライトを渡し、拘束した場所へ向かった。
ミスズの鳴き声があちらこちらから聞こえるな。夜通し移動してるのか?
拘束した場所にきたら三人にゴブリンを殺させる。
「タカトさん、すべて殺しました!」
「よし。お前たちは先に戻れ。オレは罠を仕掛けてから戻るから」
ミスズの鳴き声からして百や二百と言った数じゃない。下手したら千はいる鳴き声だ。もう山が鳴いているくらいだわ。
「ミリエルが戻ってきたら銃は使うなと伝えろ。眠りの魔法は使っていいから」
「わかりました! 無茶しないでくださいよ!」
「オレは逃げることを恥とは思わない男。腰抜けと罵られようが自分の命を優先するさ」
格好つけて死ぬくらいなら嘲笑されても生きることを選ぶわ。
三人がいなくなったらホームへ。ラダリオンに伝え終わったようで二人はいなかった。
中央ルームに置いてあるタブレットをつかみ、玄関で白菜やキャベツを十万円分を買い、ミスズが食うかわからないが、鹿せんべいを五万円分買った。
ダストシュートに放り投げ、外へ捨てていく。
すべてを出したら外へ。捨てたものに埋もれてしまったが、構わず野菜を蹴り飛ばし、広範囲に広げた。
鹿せんべいも四方に投げ放ち、ミスズが一ヶ所に集まらないようにした。
「こんなもんでいいだろう」
どこまで効果があるかはわからないが、少なくとも足止めにはなるはずだし、広範囲に広がりはしないはずだ──と信じよう。
キャンプ地に戻り、そこにも野菜や鹿せんべいをばら蒔いた。
「少し下がるぞ」
鹿の鳴き声がすぐ近くから聞こえる。どんなに弱くても集団になられたら脅威だ。この人数でどうこうできるわけがない。逃げるしかないだろう。
一キロほど下がったらパイオニア二号をホームに戻し、一号でルカとリュウナをさらに下がらせる。
「お前たち、これを周辺に蒔け」
飼料用トウモロコシを買ってきて三人にばら蒔かせる。
「こんなのを蒔いてどうするんですか?」
「散らばられたら冒険者総動員しなくちゃならないのなら、山にいるうちに一ヶ所に集めるんだよ。それなら人数さえ揃えば包囲できるだろう」
ミスズをいくら倒したところで一円にもならないが、コラウスが大ダメージを受けたらやっと本拠地を創った苦労が水の泡だ。コラウスにはオレの後ろ盾になってもらわないとならんのだから見過ごすなんてことはできんだろう。
「それに、ここで食い止められたら人を集める時間を稼げる。仲間がくるまで踏ん張るぞ!」
さらに飼料用トウモロコシを買ってきて、ばら蒔きながらラザニア村へ下がっていく。
「タカトさん! 明かりが近づいてきます!」
ミリエルか? と思ったが、ヘッドライトをつけたゴルグたちだった。
「タカト、ミスズが溢れたってのは本当か!?」
「この鳴き声がいい証拠だ。報酬金はいくらある? あるなら害獣ネットを調べて買え! 周辺に張り巡らせろ! 上手くいけば生け捕りにできる! 冬の食料になるぞ!」
これは危機じゃない。チャンスであることを巨人に示してやる気を出させる。
「肉が大量にやってくるぞ! 急げ! この好機を逃すな!」
さらに巨人たちを煽ってやった。
何事もなく朝を迎え──る前にミスズの鳴き声で起こされてしまった。うっせーな! なんだよいったい!?
「タカトさん。もしかするとミスズが溢れたかもしれません」
ミスズが溢れた? どういうこと?
「原因はわかりませんが、数年前にもミスズが溢れたとロンダリオさんたちに聞いたことがあります」
「そう言えば、ココラって鳥の大群に襲われたことあったな。あれも溢れたことになるのか?」
去年のことなのに遠い昔に感じるぜ。
「ココラの大群にですか!? よく生きてますね!! あれ、人食い鳥ですよ!」
え、マジで?! ラダリオン、そんなこと言ってなかったよ!! 知ってたら即逃げてたのに!
「あのときはオーグもココラを狙っていたからな、意識が散漫になってたんだろうよ」
よくは知らんけど。
「いや、ココラとオーグを同時にって、金印でも逃げ出しますよ」
どうやらオレらは危険なことをやったらしい。今生きていることに感謝しよう……。
「まあ、過ぎたことはどうでもいいさ。ミスズが溢れるとどうなるんだ?」
「今の時期だと麦や野菜を食いに畑に現れます。前のときは各町の冒険者を総動員させて狩ったってロンダリオさんが言ってました」
「刈り取りってまだかかるのか?」
それこそ総動員で刈り取りしてるんだろう?
「あと十日くらいはかかると思います。種類によって植える日にちを変えて、収穫時期をずらしてるので」
へー。そうなんだ。そんなこと考えもしなかったよ。って、感動してる場合じゃないな。
「ミリエル。ラダリオンに伝えろ。ミスズが溢れるかもしれないって。カインゼルさんなら正しく判断してくれるはずだ」
「わかりました!」
ミリエルがホームに戻るのを見届けたらVHS-2をつかんだ。
「ルカとリュウナはここに残れ。ラズル、ミギス、ボブス。拘束したゴブリンを殺しにいくぞ」
ミスズが溢れたらゴブリンを運んでる暇はない。衰弱死される前にオレたちで殺して報酬をいただくぞ。
各自にLEDライトを渡し、拘束した場所へ向かった。
ミスズの鳴き声があちらこちらから聞こえるな。夜通し移動してるのか?
拘束した場所にきたら三人にゴブリンを殺させる。
「タカトさん、すべて殺しました!」
「よし。お前たちは先に戻れ。オレは罠を仕掛けてから戻るから」
ミスズの鳴き声からして百や二百と言った数じゃない。下手したら千はいる鳴き声だ。もう山が鳴いているくらいだわ。
「ミリエルが戻ってきたら銃は使うなと伝えろ。眠りの魔法は使っていいから」
「わかりました! 無茶しないでくださいよ!」
「オレは逃げることを恥とは思わない男。腰抜けと罵られようが自分の命を優先するさ」
格好つけて死ぬくらいなら嘲笑されても生きることを選ぶわ。
三人がいなくなったらホームへ。ラダリオンに伝え終わったようで二人はいなかった。
中央ルームに置いてあるタブレットをつかみ、玄関で白菜やキャベツを十万円分を買い、ミスズが食うかわからないが、鹿せんべいを五万円分買った。
ダストシュートに放り投げ、外へ捨てていく。
すべてを出したら外へ。捨てたものに埋もれてしまったが、構わず野菜を蹴り飛ばし、広範囲に広げた。
鹿せんべいも四方に投げ放ち、ミスズが一ヶ所に集まらないようにした。
「こんなもんでいいだろう」
どこまで効果があるかはわからないが、少なくとも足止めにはなるはずだし、広範囲に広がりはしないはずだ──と信じよう。
キャンプ地に戻り、そこにも野菜や鹿せんべいをばら蒔いた。
「少し下がるぞ」
鹿の鳴き声がすぐ近くから聞こえる。どんなに弱くても集団になられたら脅威だ。この人数でどうこうできるわけがない。逃げるしかないだろう。
一キロほど下がったらパイオニア二号をホームに戻し、一号でルカとリュウナをさらに下がらせる。
「お前たち、これを周辺に蒔け」
飼料用トウモロコシを買ってきて三人にばら蒔かせる。
「こんなのを蒔いてどうするんですか?」
「散らばられたら冒険者総動員しなくちゃならないのなら、山にいるうちに一ヶ所に集めるんだよ。それなら人数さえ揃えば包囲できるだろう」
ミスズをいくら倒したところで一円にもならないが、コラウスが大ダメージを受けたらやっと本拠地を創った苦労が水の泡だ。コラウスにはオレの後ろ盾になってもらわないとならんのだから見過ごすなんてことはできんだろう。
「それに、ここで食い止められたら人を集める時間を稼げる。仲間がくるまで踏ん張るぞ!」
さらに飼料用トウモロコシを買ってきて、ばら蒔きながらラザニア村へ下がっていく。
「タカトさん! 明かりが近づいてきます!」
ミリエルか? と思ったが、ヘッドライトをつけたゴルグたちだった。
「タカト、ミスズが溢れたってのは本当か!?」
「この鳴き声がいい証拠だ。報酬金はいくらある? あるなら害獣ネットを調べて買え! 周辺に張り巡らせろ! 上手くいけば生け捕りにできる! 冬の食料になるぞ!」
これは危機じゃない。チャンスであることを巨人に示してやる気を出させる。
「肉が大量にやってくるぞ! 急げ! この好機を逃すな!」
さらに巨人たちを煽ってやった。
0
あなたにおすすめの小説
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。
彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。
「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」
契約解除。返還されたレベルは9999。
一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。
対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。
静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。
「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」
これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~
RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。
試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。
「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」
枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!
ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした
茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。
貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。
母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。
バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。
しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる