ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
431 / 459

431 小隊

しおりを挟む
 アシッカの問題はなるべくアシッカにいる者で解決する。その方針で伯爵を支援しているのだが、なんかオレ、参謀の位置に立ってないか?

 まあ、別に難しい問題はないので場当たり的な対応と食料を買って領民を飢えさせないようにしているだけ。参謀とはちと言いすぎたな。

 伯爵の横であれこれ言ってばかりはいられない。新たにやってきた奴隷たちを請負員としてスコーピオンの訓練をしなくちゃならない。

 ヨシュアから状況を聞かされているようで、反抗する者はおらず、皆真剣に訓練に励んでいた。

 隊長になれそうなヤツを三人選び出し、三つの隊な振り分けして一隊をヨシュアのところへ増援。一隊をマイセンズの砦へ増援。一隊はオレが率いてミラジナ男爵領へ向かった。

 ミラジナ男爵領地はミヤマラン公爵領に続く領地であり、エントラント山脈に入る玄関口でもある。

 山脈の雪も解けてきたせいか、こちらに巣くうゴブリンが活動してきたと言う報告も上がってきたのだ。ほんと、ゴブリンはどこにでもいる害獣である。

「よくきてくれた。ゴブリンの姿が頻繁に見るようになって領民が恐れている。早めに退治してくれ」

 ミラジナ男爵は五十手前の人で、長いことゴブリンや魔物に苦しめられてきた人でもある。

 エビル男爵みたいな自ら動いて解決しようとする武闘派ではなく、柵を作ったり冒険者を雇ったりして乗り越えてきた保守的な人だそうだ。

 前も会っているので悪い人ではないのはわかっている。どちらかと言えば人格者な人だろう。男爵の中では調整の人と呼ばれていたよ。

「お任せください。春の種蒔きを邪魔されたくありませんからね」

 これ以上、食料問題は勘弁して欲しい。ゴブリンどもには死んでもらいます。

「デト。ミーティングをするぞ」

 この隊の長としたデトは二十五歳と若く、戦争時は一兵卒だったみたいだが、奴隷時代に覚醒したようで、誰よりも生きることに必死だ。自分一人では無理と理解し、仲間を纏めて生き抜くことを重視していた。

 こういうタイプは出世する。なら、早々にリーダーにさせて成長させるべきだ。

 地面に地図を描く。

「オレの察知範囲内には約三百匹のゴブリンがいる。気配が動いてないところからして巣だろう。これはメスが子を産んでいるな。オスは二匹から三匹でエサ探し回っている。デトたちは三人一組で動け。オレが指示を出す」

 デトたちにはプランデットをつけさせているが、まだなにもわかっていない状態だ。だが、こちらから通信はできる。誘導すれば苦なく駆除できるだろうよ。

「プランデットの通信半径は一キロだ。通信が届かない距離には出ないこと。昼前には戻ること。不測事態のときは後退すること。逃げられなときは笛を吹くこと。安全第一、命大事に行動すること。いいな?」

 あまり細かく言っても仕方がない。これだけは絶対に守れということだけを口にした。

「了解です!」

 代表してデトが応える。

「装備確認」

 スコーピオンの動作を確認させる。

「よし。駆除開始!」

 四隊が山に散っていった。

「男爵様。女性たちに炊き出しをしてもらっていいですか。食材は持ってきたので」

 パイオニアで牽いてきたトレーラーの幌を外し、村の人たちに降ろしてもらった。

「麦は村でも使ってくれて構いません。パンを焼いてもらってください」

 これは食料配布の意味もある。ミラジナ男爵、保守的なだけあって食料を求めてこないのだ。

 こちらとしては助かるが、ミヤマランに続く玄関口が滅んでも困る。だから理由をつけて食料を配布したのだ。ゴブリン駆除の協力もしてもらいたいからな。

「わかった。やらせよう」

「ありがとうございます。オレは奴隷たちを指揮してますんで、なにかあれば声をかけてください」

 見張り櫓を借りて指揮所とする。

 プランデットも障害物があると通信に使う魔力の消費が激しくなるのだ。

 ホームから椅子を持ってきてデトたちの気配を探る。

「第二小隊。前方二百メートルに三匹いる。左から右に移動している。背後から襲え」

 十分くらいして銃声が鳴り響き、ゴブリンの気配が消えた。

「よくやった。北の方向に移動しろ。第一小隊。前方百メートル。やや左に二匹いる。停止しているから忍び寄って襲え」

 銃声に驚いている気配だが、エサを探さなくてはならないので逃げ出すことはない。飢えているときのほうが簡単なのかもしれないな。

 他の小隊に指示しながらゴブリンを駆除していたらあっと言う間に十一時半を過ぎていた。

「昼にする。戻ってこい」

 三十分かけてデトたちが戻ってきて昼にする。

「午前中だけで四十五匹か。まずまずだな。午後も頼むぞ」

 十二人で約十六万円稼げた。その金は奴隷傭兵団が使うことになるが、働いた分は食事で還元。腹いっぱい食べさせる。

「はい! がんばります!」

 戦意は高く、食欲も好調。午後は五十匹も駆除できたよ。

「一日で百匹近いゴブリンを狩るか」

「まぁ、初日ですからね。こんなものでしょう」

 慣れてきたら二百匹はいくだろうよ。

「よし。夜営の準備だ。今日は褒美にワインを出そう。一人一本だ。飲めないヤツには菓子を出してやる」

 なぜか一定数下戸がいて、なぜか甘党だったりする。どうなってんのよ?

 あとはデトたちに任せ、オレはパイオニアをホームに戻し、明日の準備を始めた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...