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第1章 騎士見習いの誕生
2.異能力発動
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「では次は戦力を計る為に今の隣の席の人と模擬戦をして貰います。」
(隣の人か…)
「よろしく…ね?」
仁は挨拶したが返事は無かった。いや、人が居なかった。このクラスは27人、奇数で仁は余ってしまったのだ。
「す、すいません先生。僕余ったんですけど…?」
「…? あぁそっか!そうだよね!」
神道(しんどう)先生は一瞬わからない、といった表情をしたが理解すると手を合わせた。
「そっかぁ、じゃあ~どうしようかな?」
(それは先生が決めてくれないと…)
仁はこの先生で大丈夫かな、と不安を感じていた。
「それでは先生が直々にお手合わせして上げるよ!」
「………え?」
神道先生が自信満々に豊かな胸を張り言ったのに対して仁は困惑の表情を浮かべた。
「だいじょーぶ♪戦力を計るだけだから!別に日々のストレスを晴らしたいとかそんなんじゃ無いから!断じて違うから!!!」
「「「目論見全部言っちゃってるし」」」
(どうやら先生はストレスを発散したいらしい…)
全員が演習場に集まり既に何組かの演習が終わった。先生によるとこの演習で上位5人は学園最強を決めるオルタナ戦舞祭に出れるらしい。
(あ、次三条さんの番だ。三条さん緊張してるかな。声かけてこよう)
「三条さん、頑張ってね」
仁が肩を叩くと三条の身体がビクッと跳ねた
「ひゃっ!?……白月さんでしたか、急に肩叩かないで下さい」
「ごめんごめん、それと呼び捨てで良いよ。僕もそうして良い?堅苦しいの苦手だから」
「はい。わかりました。白月さ…仁…さん…?」
「結局さんって付けてるけど、でもまぁ少しづつ慣れてからで良いよ。じゃあ頑張ってね!」
「言われなくても、全力で挑みます。」
(お陰で少し緊張が解れました。)
要は微笑むと演習場へ向かって歩を進めた。
演習場には体格の良い男子と三条が相対し、その間に審判として神道がいた。
「それでは2人とも霊装を構えて下さい。」
神道の指示で2人は霊装を顕現(顕現)させた。
「来い、破刃!(はじん)」
「飛沫け!鬨時雨(ときしぐれ)」
男子の手に大剣が現れた。対する三条は小太刀(こだち)の霊装を顕現させ逆手に構えた。
「それでは2人とも用意は良いですね?試合開始!」
神道の合図で男子は地を蹴った。
(大剣と小太刀…リーチでは三条さんの方が不利か…)
仁の考えは当たっていたが現実は違う結果だった。
三条は持ち前の身軽さを武器に男子の重い連撃を交わすと隙を突く様に切り距離を置く。と言う流れを繰り返していた。
霊装は人に物理的な傷を与える霊現状態と傷は与えず体力を削る霊幻状態を持ち主の意思により切り替えることができ、演習では霊幻状態が絶対であるため男子は傷は出来てはいないがかなり体力を消耗していた。
「要さん…凄いな。確実に削っていってる。」
そこで男子が動いた。
「オォォォオォ!!!」
獣の様な咆哮と共に大剣を地面に刺し、電流を発生させる魔法を使った。電流は地面を伝い三条に喰らいつく!
「破障水壁!!(はしょうすいへき)」
これに三条も魔力を含んだ水の壁の水圧で攻撃を止める魔法を使った。
(いけない!水属性は雷には弱い!)
これまた仁の考えを裏切られた。なんと水壁に電流が当たった瞬間、電流が消えたのだ。
(どういう事だ…?)
「流石ね三条さん…」
「…?どういう事ですか?神道先生」
仁は隣に座る担任と神道に尋ねた。
「普通は水壁に雷が伝って行くんだけどね?三条さんの水壁には不純物が一切入っていないからほぼ絶縁体(ぜつえんたい)になっているの」
「そんな事…出来るんですか?」
「普通は出来ないわ。でも三条さんは魔力制御能力は新入生で1位なのよ。だからこそ、なのかもね」
「……!?」
思い出した。どこかで聞いたことがあると思っていたが…
(能力上位者だったのか…)
「水針弾!(すいしんだん)」
三条は水壁を解くと魔力を纏わせ衝撃を受けると鉄の様に硬くなる水を針の様に鋭く変形させ男子に向け飛ばした。
「そんなん、当たるか!!」
だが全て大剣で弾かれてしまった。
「くっ…水針弾!」
立て続けに飛ばすがすべて避けるか弾かれてしまう。
「次はこっちの番だぁ!」
男子が地を蹴り剣を振り上げ走ってきた。だがその足が急に止まった。足下を見ると氷で凍っている。
「かかりましたね」
地面に薄く水の膜を張って置き、そこから水を凍らせたのだ。
「なるほど、三条さんの罠ね。」
神道先生の解説により歓声が沸いた。
「魔法を使いながら罠とか凄いなー!」「凄い強くね!?」「頑張れ~!」
そして動けない相手に最後の水針弾を放った。
「勝者、三条さん!」
神道先生の判定により戦いは終わり要が戻ってきた。
「お疲れ様!凄い戦いだったよ。しかも能力上位者だったなんて」
「ありがとうございます。それに関しては隠すつもりでは無かったのですが自分から言うのはアレなので…」
「ははっ、まぁ確かにそうだよね。でもまさか魔法と同時にトラップまで作るなんてね~」
先ほどの戦いについて話しをしていると全員が終わり残るは自分と先生だけの様だ。
「では、白月さん、頑張って下さい。」
「うん。ありがとう、頑張るよ」
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。小説を書くなんて初なのでおかしいところ等あるかも知れませんがこれからも続ける予定なのでよろしくお願いします。
(隣の人か…)
「よろしく…ね?」
仁は挨拶したが返事は無かった。いや、人が居なかった。このクラスは27人、奇数で仁は余ってしまったのだ。
「す、すいません先生。僕余ったんですけど…?」
「…? あぁそっか!そうだよね!」
神道(しんどう)先生は一瞬わからない、といった表情をしたが理解すると手を合わせた。
「そっかぁ、じゃあ~どうしようかな?」
(それは先生が決めてくれないと…)
仁はこの先生で大丈夫かな、と不安を感じていた。
「それでは先生が直々にお手合わせして上げるよ!」
「………え?」
神道先生が自信満々に豊かな胸を張り言ったのに対して仁は困惑の表情を浮かべた。
「だいじょーぶ♪戦力を計るだけだから!別に日々のストレスを晴らしたいとかそんなんじゃ無いから!断じて違うから!!!」
「「「目論見全部言っちゃってるし」」」
(どうやら先生はストレスを発散したいらしい…)
全員が演習場に集まり既に何組かの演習が終わった。先生によるとこの演習で上位5人は学園最強を決めるオルタナ戦舞祭に出れるらしい。
(あ、次三条さんの番だ。三条さん緊張してるかな。声かけてこよう)
「三条さん、頑張ってね」
仁が肩を叩くと三条の身体がビクッと跳ねた
「ひゃっ!?……白月さんでしたか、急に肩叩かないで下さい」
「ごめんごめん、それと呼び捨てで良いよ。僕もそうして良い?堅苦しいの苦手だから」
「はい。わかりました。白月さ…仁…さん…?」
「結局さんって付けてるけど、でもまぁ少しづつ慣れてからで良いよ。じゃあ頑張ってね!」
「言われなくても、全力で挑みます。」
(お陰で少し緊張が解れました。)
要は微笑むと演習場へ向かって歩を進めた。
演習場には体格の良い男子と三条が相対し、その間に審判として神道がいた。
「それでは2人とも霊装を構えて下さい。」
神道の指示で2人は霊装を顕現(顕現)させた。
「来い、破刃!(はじん)」
「飛沫け!鬨時雨(ときしぐれ)」
男子の手に大剣が現れた。対する三条は小太刀(こだち)の霊装を顕現させ逆手に構えた。
「それでは2人とも用意は良いですね?試合開始!」
神道の合図で男子は地を蹴った。
(大剣と小太刀…リーチでは三条さんの方が不利か…)
仁の考えは当たっていたが現実は違う結果だった。
三条は持ち前の身軽さを武器に男子の重い連撃を交わすと隙を突く様に切り距離を置く。と言う流れを繰り返していた。
霊装は人に物理的な傷を与える霊現状態と傷は与えず体力を削る霊幻状態を持ち主の意思により切り替えることができ、演習では霊幻状態が絶対であるため男子は傷は出来てはいないがかなり体力を消耗していた。
「要さん…凄いな。確実に削っていってる。」
そこで男子が動いた。
「オォォォオォ!!!」
獣の様な咆哮と共に大剣を地面に刺し、電流を発生させる魔法を使った。電流は地面を伝い三条に喰らいつく!
「破障水壁!!(はしょうすいへき)」
これに三条も魔力を含んだ水の壁の水圧で攻撃を止める魔法を使った。
(いけない!水属性は雷には弱い!)
これまた仁の考えを裏切られた。なんと水壁に電流が当たった瞬間、電流が消えたのだ。
(どういう事だ…?)
「流石ね三条さん…」
「…?どういう事ですか?神道先生」
仁は隣に座る担任と神道に尋ねた。
「普通は水壁に雷が伝って行くんだけどね?三条さんの水壁には不純物が一切入っていないからほぼ絶縁体(ぜつえんたい)になっているの」
「そんな事…出来るんですか?」
「普通は出来ないわ。でも三条さんは魔力制御能力は新入生で1位なのよ。だからこそ、なのかもね」
「……!?」
思い出した。どこかで聞いたことがあると思っていたが…
(能力上位者だったのか…)
「水針弾!(すいしんだん)」
三条は水壁を解くと魔力を纏わせ衝撃を受けると鉄の様に硬くなる水を針の様に鋭く変形させ男子に向け飛ばした。
「そんなん、当たるか!!」
だが全て大剣で弾かれてしまった。
「くっ…水針弾!」
立て続けに飛ばすがすべて避けるか弾かれてしまう。
「次はこっちの番だぁ!」
男子が地を蹴り剣を振り上げ走ってきた。だがその足が急に止まった。足下を見ると氷で凍っている。
「かかりましたね」
地面に薄く水の膜を張って置き、そこから水を凍らせたのだ。
「なるほど、三条さんの罠ね。」
神道先生の解説により歓声が沸いた。
「魔法を使いながら罠とか凄いなー!」「凄い強くね!?」「頑張れ~!」
そして動けない相手に最後の水針弾を放った。
「勝者、三条さん!」
神道先生の判定により戦いは終わり要が戻ってきた。
「お疲れ様!凄い戦いだったよ。しかも能力上位者だったなんて」
「ありがとうございます。それに関しては隠すつもりでは無かったのですが自分から言うのはアレなので…」
「ははっ、まぁ確かにそうだよね。でもまさか魔法と同時にトラップまで作るなんてね~」
先ほどの戦いについて話しをしていると全員が終わり残るは自分と先生だけの様だ。
「では、白月さん、頑張って下さい。」
「うん。ありがとう、頑張るよ」
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。小説を書くなんて初なのでおかしいところ等あるかも知れませんがこれからも続ける予定なのでよろしくお願いします。
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