僕、聖騎士もハーレムも目指します

ナルミン

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第1章 騎士見習いの誕生

3.勝敗は一瞬で決まる

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演習場には白月と神道が立っていた。
「それでは白月君、私に1回でも剣を当てれたら終了です。」
「分かりました。全力で行かせて貰います!」
仁が応えるととてもこれから戦う相手に向ける物とは思えない優しい微笑みを浮かべた。
「フフッ、よろしい♪では霊装を構えて下さい」
神道先生は笑顔を真剣な表情に変え霊装を顕現させた。
「舞え、黒ノ羽(くろのは)」
神道の手に黒い扇子の様な霊装が現れた。しかも2つ。2つで一対の霊装の様だ。
「来てくれ、獅子王」
仁の刀身が白く輝く日本刀の霊装が現れた。
仁の霊装を確認すると神道は合図を出した。
「では行きますよ?試合、開始!」
それと共に仁が駆けた。
(やるからには、勝つ!!)
仁は神道に向かい刀を振り下げた。だが、容易く受けられ衝撃だけが返ってくる。だが仁はその衝撃を殺さず刀を振る力に変え何度も刀を振った。衝撃は蓄積され徐々に強くなっているはずなのに全て受けられる。
「それじゃあそろそろ攻めますよ!」
仁は剣撃を受け流されガラ空きの腹に黒ノ羽の一撃を入れられた。
「うぐっ…」
体力を削られ身体がだるい…
だが怯むこと無く振り下げた刀を振り上げ神道を退かせる事により体制を立て直した。
「なかなかやりますね、白月君。では、これはどうかな?黒霧!(くろきり)」
神道の霊装から数匹の黒い蝶が現れ鱗粉を撒き散らし、それが黒い霧となった。
(これじゃあ視覚は意味が無い…)
仁には1m先も見えていないが神道は鱗粉を通して仁の居場所が分かっている。
「……。~~~~。」
仁が何かを呟くと身体がほんのり蒼く光った。


「これなら避けられないでしょっ!!」
神道は仁の背後に周り霊装を振り下げた。
次の瞬間、体力が削られた時に出る白い光が飛んだ。
「……え?」
だがそれは仁の物では無く神道の物だった。
「これで終了ですね?先生」
背後には目を瞑り(つむり)薄く微笑(わら)っている仁がいた。
「え、えぇ、そうね。うん。」
神道は動揺しつつも霊装を消した。
それに伴い黒い霧も消え、先生の背後を取る仁の姿を見て歓声が沸いた。
「えっ?勝ったの?」「霧で見えなかったー」「白月君すご~い!」
仁がみんなの元に戻ると三条が駆け寄って来た。
「お疲れ様です。どうでしたか?」
「うん。無事勝てたよ。ありがとう。」
「しかし、一体どうやって?霧で何も見えなかったはずですが…」
「うん。だから見ずに戦ったんだ。」
「………??」
わからない、と言った表情をするので詳しく説明する事にした。そして何故かみんながそれを聞いていた。
「みんな身体能力上昇は出来るよね?」
身体能力上昇とは魔力を用いて自らの身体能力を上昇させる技である。伸び幅は消費した魔力に比例するが常に消費しなくてはいけないのであまり大きく上昇させるのは難しいが基本中の基本だ。
「僕はそれを使ったんだよ」
そこに神道先生も入ってきた。
「そんなっ!?それなら私だって常に使ってたし常識よ?」
「確かに。でも僕は普通とは違う使い方をしてるんです。普通は全体の能力を少しづつ上げますが僕は一部だけの能力を数10倍にまで引き上げられる。金剛部身(こんごうぶしん)って言う技なんだ。」
「そんな事、出来る…の?」
仁は自分の神経まで操作できるのだからこれ位出来てもおかしくはない。
「もちろん普通は出来ませんよ、自分の身体の全てをコントロール出来ないと。」
「そうなの…でも凄いわね。霊装能力(オリジナルスキル)も属性魔法も使わずに勝っちゃうなんて。」
「本当です。仁のオリジナルスキルはどんな物なのですか?」
「ごめんね要、それはちょっと教えれないんだ。秘密だよ。」
「…?そうなのですか?わかりました。」
三条は少し悲しそうに俯(うつむ)いてしまった。
「それでは上位5人を発表しますね♪」
神道先生はさっきと同じテンションに戻っていた。
(やっぱこの方が先生らしいや)
「1位は白月君ね」
先生を倒しただけあって誰も異論は無いらしい。
「2位は三条さん。クロスバトル(近距離戦)もロングバトル(遠距離戦)も良かったわ。」
「3位、4位は白露 桜(さくら)さんと
紅葉(もみじ)さん。」
神道先生の目線の先には葵い髪と瞳の双子がいた。桜さんはロングストレート、紅葉さんはショートボブの髪型だ。
「5位は神通 大和君」
そこには金色の髪をオールバックでまとめた白い肌に蒼い瞳の男子がいた。
「以上です♪では、教室に戻りましょうか。」
(演習とは言え疲れたなぁ~)
その後、仁は沢山の人(主に女子)に注目されて気も休めなかった。
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