僕、聖騎士もハーレムも目指します

ナルミン

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第1章 騎士見習いの誕生

6.演習開始

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第一演習場中心部
仁と冬が相対していた。その周りには白月姉妹と要がいる。
「冬さん大丈夫?寝不足なんだよね?」
仁が心配そうに尋ねると
「もう大丈夫よ、ごめんなさいね」と答えた。
2人とも、審判は私がします。用意は良いですか?
要が2人の間に入り言った。
「では、霊装を構えて下さい。」
要の一言により2人は霊装を顕現させた。
「来てくれ、獅子王」
仁の手には白刃の日本刀
「焼きつくせ。陽炎(かげろう)」
冬の手には大振りの紅い刀身の大剣が顕現した。
「それでは、試合開始です!」
要の合図と同時に冬が駆けると大剣を振り下ろした。
「フッ…」
仁は短い呼吸をすると冬の剣撃に呼吸を合わせ受け流そうとした。
だが予想以上に衝撃が強く重い金属音が鳴ると仁は体ごと演習場の端まで飛ばされた。
「仁!?」
要の心配そうな声に応えるように立ち上がった。
「凄いな…威力もスピードもある…」
「あら、相手を褒めるなんて余裕ね?」
冬は追撃に十、二十と連続で剣を振った。
だが仁はそれを全て流すか受けていた。
「なるほど、防御はなかなかね。でも攻めきれてないわよ。仁君?」
全くもってその通り。仁は防戦一方でペースを取られていた。
(金剛部身は身体に負担をかけるから1回10分が限界だからあまり使いたく無いけど…)
「仕方ない!金剛部身!」
仁の身体に蒼光が浮かんだ。
そして同時に仁は自らの世界から匂い、色、音を消し動体視力に全神経を回した。
「なっ!?急に速くなった!?」
冬は驚きのあまり隙の多い大上段切りをしてしまった。
「フッ」
仁はその隙を見逃さず横に一閃、刀を返し一閃すると横にステップし剣を避け上段切りを放った。
「あ…私の完敗ね…立つ体力も無いわ…」
冬は霊幻状態で切られたことにより体力をごっそり削られていた。
「大丈夫?ほら」
仁は冬に手を差し伸べた。
「立てないでしょ?」
「ふふっありがとう♪」
冬は礼を言うと手を取った。
「「あっ」」
仁は手を引っ張ったのだが冬がバランスを崩してしまい仁の胸に身体を預ける形になってしまった。
「えと…ごめんなさいね?」
「い、いや、僕もごめん。」
2人が赤くなり黙っていると隣にニョキっと出てきた要が口を開いた。
「良い雰囲気のところ申し訳ありません、2人ともいつまでくっ付いてるんですか!!」
要の言葉に状況を再確認した冬は耳まで更に赤くすると凄い速さで演習場の隅まで行ってしまった。
「………極端です。さぁ、切り替えて、次は桜さんですよ?仁は休みますか?」
「ううん、大丈夫。よろしくね、桜さん」
「はい、よろしくお願い致します。」
「では桜さん霊装を構えて下さい。」
「穿ちなさい、八咫烏。」
桜の手に黒い魔弓が顕現した。魔弓とは己の魔力を矢に変えることでほぼ無限に撃つことができ、また魔力を消費する事で威力を上げられる霊装で妖刀に並ぶほど極めてレアな霊装である。
「桜さんの霊装は魔弓か、でもクロスバトルではこっちが有利なはずだ」
「確かにそうですね。まぁ…基本的に後衛ですし…」
「では、用意は良いですか?試合開始です!」
先手は桜だった。合図と共に5方向に同時に魔力の矢を放った。
仁は横移動では避けられないと悟りしゃがんだ。
(予想通りです!)
が、そこにも矢が飛んできた。
「うわっ?!」
辛うじて避けたものの体制を崩しそうになりバックステップで一呼吸置いた。
「これは…近づけないな…」
「じん~桜の凄いところはこれからだよ~」
紅葉が見学席から手を振り教えてくれた。
「紅葉?!何言っちゃってるんですか?!……まぁ良いです。では、全力で行かせて頂きます。」
そう言うとさっきとは変わり真剣な表情になった。
「霊装能力(オリジナルスキル)魔風追矢(まふうついや)」
すると桜の上空へ放った十もの魔力を帯びカラスの様になった矢が全て仁を狙い飛んできた。
初撃は避けられたが避けた場所へまた魔力の矢が落ちてくる。
「くっ…」
それに加え通常の矢も放たれる。
「もう1度…魔風追矢!」
またしても魔力の矢が仁を狙い飛んでくる。この矢は威力を完全に失わない限り仁を狙ってくる。
「グァッ…」
遂に仁は矢を腕に受けてしまった。外傷は無くとも痛みはある…
(このままじゃダメだ…)
仁は意識を動体視力に集中すると矢の軌道を予測し避けると一気に桜の元へ走った。
「そんな!?急に避けるなんて!?」
桜は驚きの声を上げると自分の周りに風の壁を作った。
「この壁に突っ込めば風圧で体はボロボロです!」
仁にはいくつかの自作の剣技がある。その内の一つを使った。
「毒牙の太刀!」
仁は刀を地面に叩き付けた。
すると桜がなにかの衝撃を受け倒れた。
「なっ?!何ですか今の?!」
要が驚きを隠せない表情をしている。
毒牙の太刀とは衝撃を与える事で体の内側から破壊する剣技だ。
人体はほとんどが水分で出来ている。故に衝撃に弱く振動を伝えやすい。なので外から衝撃を与え内側を攻撃する技だ。
「桜さんは倒れてますし。仁の勝ちですね。お疲れ様です。」
「うん。キツかったよ…」
「うぅ~お姉ぇ重い~」
「し、失礼ね。紅葉だって同じ位でしょ!」
「大丈夫?手伝うよ。ほら。」
と言うと桜を背中におぶった。
「あ、ありがとうございます。」
すると桜は顔を紅くしてしまった
「ううん。あれ?桜さん何か熱っぽいよ?」
「な、何でも無いです。」
それをジトーと見て要は呟いた「…ズルイです。」
要はふてくされてしまった。
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