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虫よけ4
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コンコン
「はい。」
私の部屋に訪ねてくるのは1人しかいない。
扉を開けると、そこには姫がいた。
「どうぞ。」
「ありがとう。」
私たちは、小さなテーブルに向かい合わせで座って話をする。
「アリス!凄いわ!こんなに早くお姉様になる日が近付くなんて思わなかったわ!またお兄様にお散歩に誘われるなんて。」
とんだ地獄耳!!
「そのうちアランと交代しますし、そんなに大したことではありません。」
「けれど、それもアリスじゃない」
…夢見る姫……やっぱり話が通じない!
「1人2役を演じるのですから、別人として考えてください!」
「まぁ何でもいいわ。それならアランとして頑張りなさい」
…勘弁してください…
頑張るのは私ではなく王様。
夢見る謎計画、その計画書をもう一度頭の中で整理整頓してほしい。
こちらとしては、万が一にも頑張ってもらう日が来ない事を祈っているので、お姉様になることは無いのです。
残念ですね。
夢みるお姫様。
強気でいましたが、いきなり盾として、おさんぽをする事になりました。
「アリス、お前は喧嘩をするのか?」
は?
「それは、どういう事でしょうか?」
「……いや、人や物を殴った事のある手をしているのでな。」
ヒョーーっ!
何でそんな事がバレてるの!
だいたい王様がそんな拳なんて見た事あるの!?
「アランと間違えて向かってくる人がいるので…。中性的な私達は女の子に人気がありまして…」
「そういえば、祭りの時もキャーキャー言われてたな。」
「…ええ。ですので、向かってくれば戦います。」
「男相手にか?敵わないだろう」
「やってみないとわかりません」
「負けた事は…?」
「今のところありません。」
「……凄いな」
うんうん、怪我の功名。
拳のこと聞かれた時は焦ったけど、ケンカする女だとわかれば距離をおくでしょう。
「誰かに護ってもらおうとは思わないのか?」
まだケンカ話が続くんだ…。
「護ってくれる人がいませんので戦います。」
「…………」
よし!完全に女扱いされない方向へすすむはず。
ところがどっこい。
私に護衛をつけると…そう申し上げて下さってくれたりしちゃってます!
いらん!!
「護衛は…どなたが?」
アランだと言われてしまうと、もう逃げられない。
王族を騙した罪!死罪!!
先に選ばせてもらおう!
「でしたら、アランの剣術の相手をしてくれている、ロレッソ様でお願いします!」
彼は話しやすいし、同じ年頃なのもいい。
「いいだろう」
「……あの、特に護衛はいらない…というのが本音なのですが…」
「お前は一応女なのだからな。」
いちおう!?だとーー!
私は女だ!
そこをあやふやにしないでもらおうか!!
貴方の一応のラインはどの辺りなの!
私をアランとして標準を置くのは止めていただきたい!
…やはり、男色の王なんじゃなかろうか……
私はいつ足をあらえるの……。
誰か助けてください!!
護衛は希望通りロレッソ君がついてくれる事になった。
「何、アランじゃねぇの?お前。」
ロレッソ君が私を見て言った。
「アリスと申します。どうぞヨロシク」
「ふーん、ところで、今日は何処へいくんだ?」
「へ?」
「護衛してるんだから、何処かいくんじゃないのかよ。」
「今日は王様の仕事のお手伝いがありまして…。というか、毎日そこで仕事をしているので、外出もあまり出来ませんし。」
「じゃあ護衛いらなくないか?」
「そう!いらないの!城の中で護衛なんて
いらないの!」
「お、おう……」
勢いがつきすぎてしまった!
「王様に兄妹そろって気に入られるとは、将来この国を牛耳るのはお前らなんじゃないか?」
なんと恐ろしい事を…
「それは私に王様の妾になれ…と言う事でしょうか」
「あ、妾の方なんだな。やっぱり。」
……やらかしました。
この言い方だと、アランが本命なんですよ、って双子(設定)の妹が認めてる事になるのでは?
ごまかさないと!これは、噂になったら大変だ!!
「王様がアランを好きとか、そういう事ではなくてですね!私が王様を好きだった場合、身分的につり合わず妾になるしかない!ということです。」
「アランは男だから、形としては本妻はアリスになるだろう。」
「一先ずアランからはなれようか…ロレッソ君」
「兄が恋敵じゃ、悲しいよな。」
「アランの話はやめましょう!」
「俺はお前を応援する!」
「いえ……あの……」
何だろう…この城に住む人は、話を聞かない人が多いのかな…
「アリスもアランも顔は同じだけど、体がなぁ。……服着てれば男って言ってもバレないと思うぞ」
この男…失礼すぎる。
「アランと全く一緒だし」
「…双子ですから」
「違う、ほくろ」
ホクロ?
「手にあるやつ」
「っっ!!」
忘れてた…というか、そんなの気にしてなかった。
ほくろの位置はずらせません!
王様…気がついてなかったかな……。
私の手をみて、『人を殴った事のある手だ…』と言っていたということは、私のほくろは気がついているはず。アランはどうだっただろう……。
とりあえず姫に……マアサ様に報告をしなければ!!
今日の報告。
「王様に気がつかれたかもしれません。」
「あら、そうなの?素晴らしいじゃない!」
「素晴らしい?」
「これでお兄様もどうどうとアリスを好きだと言えるんですもの」
好きだという事実は全くないですね。
「マアサ様、嘘だってバレて死刑になったりしませんよね?私…」
「………」
え…否定してください。
これは…本当にどうにかしないと…。
「はい。」
私の部屋に訪ねてくるのは1人しかいない。
扉を開けると、そこには姫がいた。
「どうぞ。」
「ありがとう。」
私たちは、小さなテーブルに向かい合わせで座って話をする。
「アリス!凄いわ!こんなに早くお姉様になる日が近付くなんて思わなかったわ!またお兄様にお散歩に誘われるなんて。」
とんだ地獄耳!!
「そのうちアランと交代しますし、そんなに大したことではありません。」
「けれど、それもアリスじゃない」
…夢見る姫……やっぱり話が通じない!
「1人2役を演じるのですから、別人として考えてください!」
「まぁ何でもいいわ。それならアランとして頑張りなさい」
…勘弁してください…
頑張るのは私ではなく王様。
夢見る謎計画、その計画書をもう一度頭の中で整理整頓してほしい。
こちらとしては、万が一にも頑張ってもらう日が来ない事を祈っているので、お姉様になることは無いのです。
残念ですね。
夢みるお姫様。
強気でいましたが、いきなり盾として、おさんぽをする事になりました。
「アリス、お前は喧嘩をするのか?」
は?
「それは、どういう事でしょうか?」
「……いや、人や物を殴った事のある手をしているのでな。」
ヒョーーっ!
何でそんな事がバレてるの!
だいたい王様がそんな拳なんて見た事あるの!?
「アランと間違えて向かってくる人がいるので…。中性的な私達は女の子に人気がありまして…」
「そういえば、祭りの時もキャーキャー言われてたな。」
「…ええ。ですので、向かってくれば戦います。」
「男相手にか?敵わないだろう」
「やってみないとわかりません」
「負けた事は…?」
「今のところありません。」
「……凄いな」
うんうん、怪我の功名。
拳のこと聞かれた時は焦ったけど、ケンカする女だとわかれば距離をおくでしょう。
「誰かに護ってもらおうとは思わないのか?」
まだケンカ話が続くんだ…。
「護ってくれる人がいませんので戦います。」
「…………」
よし!完全に女扱いされない方向へすすむはず。
ところがどっこい。
私に護衛をつけると…そう申し上げて下さってくれたりしちゃってます!
いらん!!
「護衛は…どなたが?」
アランだと言われてしまうと、もう逃げられない。
王族を騙した罪!死罪!!
先に選ばせてもらおう!
「でしたら、アランの剣術の相手をしてくれている、ロレッソ様でお願いします!」
彼は話しやすいし、同じ年頃なのもいい。
「いいだろう」
「……あの、特に護衛はいらない…というのが本音なのですが…」
「お前は一応女なのだからな。」
いちおう!?だとーー!
私は女だ!
そこをあやふやにしないでもらおうか!!
貴方の一応のラインはどの辺りなの!
私をアランとして標準を置くのは止めていただきたい!
…やはり、男色の王なんじゃなかろうか……
私はいつ足をあらえるの……。
誰か助けてください!!
護衛は希望通りロレッソ君がついてくれる事になった。
「何、アランじゃねぇの?お前。」
ロレッソ君が私を見て言った。
「アリスと申します。どうぞヨロシク」
「ふーん、ところで、今日は何処へいくんだ?」
「へ?」
「護衛してるんだから、何処かいくんじゃないのかよ。」
「今日は王様の仕事のお手伝いがありまして…。というか、毎日そこで仕事をしているので、外出もあまり出来ませんし。」
「じゃあ護衛いらなくないか?」
「そう!いらないの!城の中で護衛なんて
いらないの!」
「お、おう……」
勢いがつきすぎてしまった!
「王様に兄妹そろって気に入られるとは、将来この国を牛耳るのはお前らなんじゃないか?」
なんと恐ろしい事を…
「それは私に王様の妾になれ…と言う事でしょうか」
「あ、妾の方なんだな。やっぱり。」
……やらかしました。
この言い方だと、アランが本命なんですよ、って双子(設定)の妹が認めてる事になるのでは?
ごまかさないと!これは、噂になったら大変だ!!
「王様がアランを好きとか、そういう事ではなくてですね!私が王様を好きだった場合、身分的につり合わず妾になるしかない!ということです。」
「アランは男だから、形としては本妻はアリスになるだろう。」
「一先ずアランからはなれようか…ロレッソ君」
「兄が恋敵じゃ、悲しいよな。」
「アランの話はやめましょう!」
「俺はお前を応援する!」
「いえ……あの……」
何だろう…この城に住む人は、話を聞かない人が多いのかな…
「アリスもアランも顔は同じだけど、体がなぁ。……服着てれば男って言ってもバレないと思うぞ」
この男…失礼すぎる。
「アランと全く一緒だし」
「…双子ですから」
「違う、ほくろ」
ホクロ?
「手にあるやつ」
「っっ!!」
忘れてた…というか、そんなの気にしてなかった。
ほくろの位置はずらせません!
王様…気がついてなかったかな……。
私の手をみて、『人を殴った事のある手だ…』と言っていたということは、私のほくろは気がついているはず。アランはどうだっただろう……。
とりあえず姫に……マアサ様に報告をしなければ!!
今日の報告。
「王様に気がつかれたかもしれません。」
「あら、そうなの?素晴らしいじゃない!」
「素晴らしい?」
「これでお兄様もどうどうとアリスを好きだと言えるんですもの」
好きだという事実は全くないですね。
「マアサ様、嘘だってバレて死刑になったりしませんよね?私…」
「………」
え…否定してください。
これは…本当にどうにかしないと…。
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