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レナードの魔法
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「言いたい事は山程あると思いますが、今日はこのまま眠ってください」
レナードが私の頬を撫でようとして、サッと手を引いた。
「おやすみなさい」
何故か私にハンカチを握らせて、レナードは静かに部屋を出て行った。
頬に何かついてるのかな……。
そばにある鏡を見てみると、頬が濡れている。
気づかないうちに、また泣いてたんだ……。
「気を使わず、何か言い返せばいいのに……」
今日は色々なことがありすぎて、考えるのは疲れたわ。
体力も魔力も回復していないから、布団に横になるとすぐに眠れた。
翌朝、窓から差し込む光で目が覚めた。
「ん~……」
あれから1日しかたってないけど、今日は体に力が入るし歩けそう。
お腹もすいたし……
人間、辛くても悲しくても、体が元気だとお腹はすくのね。
精神的に弱い女だったら『食欲がないから食べられない』とか言うかもだけど、私にはその繊細さは全くないのよ。だって、魔物がうようよいる逢魔が刻の森で4年も1人で暮らせてたんだもの。
私はまだ20才だし、ガスパールなんかより素敵な人に出会えるよね。何事も前向きに考えないと。昨日は最悪な誕生日だけど、来年は最高かもしれないんだから。
約50年たった今、街で私が魔法使いだと知る人はいないよね。それなら、職業を手品師って事にして、世界を旅するのもいいかもしれない。普通なら女の一人旅なんて危険すぎるけど、私には魔法があるから襲われても反撃出来るし。
手品師として、1人ぶらり旅!凄くいい!!
そんな事を考えていると、ノックの音がした。
コンコン
「レナードです」
「……どうぞ」
本当は無視したいけど、レナードも被害者なんだから、これからは大人の余裕で対応しなきゃね。実質70才に近いお婆ちゃんなんだから、私は。
「おはようございます。具合はどうですか?」
「平気よ。内臓の調子もいいみたい」
「それは良かった。では、朝食を用意しますね」
私が回復すれば兄を助けられるから、レナードは嬉しそう。でも、私は意地悪だから思い通りになんて動くつもりはないわ。
「昨日は王子を治すって言ったけど、やっぱりこのブレスを外すのを条件にするわ。早く外し方を王様に聞いてきなさい」
手首を指差して言うけれど、レナードは緩く首を横に振った。
「ブレスを外さなければリュシルは魔法を使わない、今はそれで構いません。それに、妙案を思い付いたので」
妙案?
「どんな?」
「リュシルが結婚したいと思える男になるよう、俺は頑張ります」
何を言ってるの、この人……。
「今や世界で1番嫌いな顔をしてる男を、私が好きになるわけないでしょ」
「人は容姿じゃないと思います」
「思う思わないじゃなくて、普通ありえないから!!」
「それなら、リュシルの好きな顔に変えてください」
「そういう問題じゃなくて!!」
「世界一格好いい顔でも構いませんよ」
そういう曖昧な魔法って一番難しいって知ってて言ってるよね。格好いいとか、美味しいとか、可愛いっていうのは主観だから、一番って定義がどこにもないし。
レナードが私の頬を撫でようとして、サッと手を引いた。
「おやすみなさい」
何故か私にハンカチを握らせて、レナードは静かに部屋を出て行った。
頬に何かついてるのかな……。
そばにある鏡を見てみると、頬が濡れている。
気づかないうちに、また泣いてたんだ……。
「気を使わず、何か言い返せばいいのに……」
今日は色々なことがありすぎて、考えるのは疲れたわ。
体力も魔力も回復していないから、布団に横になるとすぐに眠れた。
翌朝、窓から差し込む光で目が覚めた。
「ん~……」
あれから1日しかたってないけど、今日は体に力が入るし歩けそう。
お腹もすいたし……
人間、辛くても悲しくても、体が元気だとお腹はすくのね。
精神的に弱い女だったら『食欲がないから食べられない』とか言うかもだけど、私にはその繊細さは全くないのよ。だって、魔物がうようよいる逢魔が刻の森で4年も1人で暮らせてたんだもの。
私はまだ20才だし、ガスパールなんかより素敵な人に出会えるよね。何事も前向きに考えないと。昨日は最悪な誕生日だけど、来年は最高かもしれないんだから。
約50年たった今、街で私が魔法使いだと知る人はいないよね。それなら、職業を手品師って事にして、世界を旅するのもいいかもしれない。普通なら女の一人旅なんて危険すぎるけど、私には魔法があるから襲われても反撃出来るし。
手品師として、1人ぶらり旅!凄くいい!!
そんな事を考えていると、ノックの音がした。
コンコン
「レナードです」
「……どうぞ」
本当は無視したいけど、レナードも被害者なんだから、これからは大人の余裕で対応しなきゃね。実質70才に近いお婆ちゃんなんだから、私は。
「おはようございます。具合はどうですか?」
「平気よ。内臓の調子もいいみたい」
「それは良かった。では、朝食を用意しますね」
私が回復すれば兄を助けられるから、レナードは嬉しそう。でも、私は意地悪だから思い通りになんて動くつもりはないわ。
「昨日は王子を治すって言ったけど、やっぱりこのブレスを外すのを条件にするわ。早く外し方を王様に聞いてきなさい」
手首を指差して言うけれど、レナードは緩く首を横に振った。
「ブレスを外さなければリュシルは魔法を使わない、今はそれで構いません。それに、妙案を思い付いたので」
妙案?
「どんな?」
「リュシルが結婚したいと思える男になるよう、俺は頑張ります」
何を言ってるの、この人……。
「今や世界で1番嫌いな顔をしてる男を、私が好きになるわけないでしょ」
「人は容姿じゃないと思います」
「思う思わないじゃなくて、普通ありえないから!!」
「それなら、リュシルの好きな顔に変えてください」
「そういう問題じゃなくて!!」
「世界一格好いい顔でも構いませんよ」
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