結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん

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本編後の小話 全19話

助言

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…クリフの奥様、マーガレット様に言われてから、 とても悩んでる事があるんだよね。

『自分から少しだけくっついてみなさい』って。
そんな恥ずかしい事は出来ないわ!!エドワードだって、あまりくっついて来ないのに!

もしかして…触れたくないのかしら……。別に、近くに行きたいとかではなくて!

「……」

よし!やってみるわっ!!
悩んでたって始まらないもの!


17時ごろ。

「エドワードが帰って来たの?」
「はい、まだ下にいらっしゃいます。」

よし!

「行ってくるわ!」
「え?ニーナ様!」

エドワードはまだ玄関にいた。
よかった!!間に合った!

「おかえりなさい。」
「ああ、ただいま。今日は少し早く…ニーナ?」
「……」

頑張るのよ私っ!!
おもいきってエドワードに抱きついてみた。

「…っニー」
「さよなら!」
「え!?ちょっと…」



そこにいた皆が無言になったが、少しすると笑顔になっている。

「ニーナ様、可愛い。」

まわりがクスクス笑っているが、俺は突拍子もない行動にそのまま立ち尽くしていた。

「陛下への愛情表現ですね。精一杯の。」
「だとしたら卑怯だな…」
何故あれを2人きりの時にやらないんだ。
これは、少しくらいなら俺から触れてもいいという事か?

そう期待したのが馬鹿だった。
恥ずかしいと言って部屋から出て来なかった。

くっついて来て逃げるなんて…卑怯だぞ。


・・・・


次の日、ボナースへ行くとルルが私の側によって来た。
私となかなか仲良くなれなかった子だけど、もう彼女も大人になって表情も柔らかいわ。
ボランティアでお手伝いに来てる時もあるようだし、いい子に育ってくれて嬉しいわ。

相談があるというから聞いていたのだけど、その内容に驚いた。

付き合っている男性から口付けされた…と。

「…っ」
「ニーナも…するでしょう…?男性ってどんな雰囲気が好みかわかる?でも王様と庶民じゃ違いすぎるから参考にならないわね。」

「……」
参考にさせて貰いたいのは此方だわ。ショックが大きすぎて動けないわ。


帰って来てから、考えてみる。
私は色気が無さすぎたんだわ。ルルはお洒落をしていたわ。デートに行くからって。ボナースへ立ち寄ったのは、私に会うためだった。



いきなりお化粧とかしてエドワードを待つのも恥ずかしいわ。

「ケイト…ほんの少しだけお化粧してくれないかしら。」
「ふふ、畏まりました。」
昔からずっと私についていてくれるケイト。何もかもお見通しだわ。

その日エドワードが帰って来たのは22時くらい。
また、挑戦よ!
ルルでさえ頑張ってるんだから!

「おかえりなっ!?」
私が抱きつこうとしたら、先に抱き締められた。
「…っなにを!?離してっ!」
じたばたしてるのを見て、まわりの皆がいなくなった。

「っ何で行っちゃうのよ!」
「昨日は邪魔者だったからね。」
「…まさか貴方が……っ」
「どうだろう。」
「……ずるいわ。」
「はは、ごめんごめん。」

エドワードの笑顔を見て、何だか恥ずかしくて逃げてしまった。
恥ずかしいけれど、嬉しかったし、離れるのはさみしいかったり、よくわからないわ。



「はぁ、卑怯というか酷すぎるぞ……。」

その日、また出てこなかった。

このまま放っておけば、自分から部屋に来てくれそうな気もする。

しばらく何をするか見てみよう。
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