BLゲームの悪役令息に異世界転生したら攻略対象の王子に目をつけられました

ほしふり

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【第六章】悪役令息の奔走

(8)ゲーム主人公のパラメーター

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(それにしても)

いくら主人公とはいえ、リズは積極的に俺と話したがっている?
それはちょっとまずい。
原作のリズはもっとベリルに対して得体のしれない恐怖を抱いているはずなのに。

「リズ。お前が思っているほど全ては単純ではないよ」

少しぐらいわからせるべきであると俺は判断した。
椅子に座るリズのもとまで歩み寄ると、正面から見据えて言葉を続ける。

「それに最近はフランツとサイラスに守られていたから、気が抜けていたんじゃないのか?」

リズが座る椅子の背もたれに俺は両手をつき、逃げられないように片膝でリズの両足を割り開く。
ズボン越しのそれを膝でぐりぐりと刺激すればリズが息を呑み込んだ。

「結局の所、お前は搾取される側であってそれはこれからも変わらない事だ」

何度か刺激を与えているとすぐにズボンの表面を押し上げるほどになった。
この学園に来て以来、何度も抱かれたことにより彼の身体は過敏に反応するようになったのだろう。

「んっ、ぅっ」

小さく吐息を漏らしながらリズは刺激に抵抗するように頭を振る。
膝を押し込むとビクビクと体の中心が震えて大きくなるのがわかり、俺は何度も擦り上げた。
椅子に押し倒した可愛らしい少年を眺めていると、両手が伸びてくる。
その手は俺の両脇に向かい、その意図を察するのが遅すぎた。

「ぃっ!?」

両手の親指の腹は、俺の胸の先端を同時にぐりっと刺激した。
無論、制服の上からだというのに、指先は的確にその場所を狙っていた。
予想外の反撃に俺の力が抜けると、そのまま両手で身体を上げられて抱っこされた。
そのまま俺はリズの身体に跨るように正面に座らされる。
世にいう正面座位である。
身長も殆ど変わらないリズにいいように扱われた俺は呆気にとられた。

「ベリル様、無理してませんか?」
「し、していない!!」

予想外の展開に動揺はしたが、気を取り直して俺は口を開く。

「お前、生意気になったな?」
「ベリル様は押せばいけるってサイラス様が仰っていましたので」

そう言いながらリズは控えめな笑みを浮かべている。
くそ!!!サイラス!!!いらないことをリズに吹き込んだのか!!!!!
心の中でツッコミを入れている間、リズの固くなったアレが俺の尻の割れ目に押し付けられていることに気がついて焦った。

「あの、まってくれ、リズ、その、これは…?」
「僕もこの学園に来てから色々あったので、これは愛嬌ということで…」

興奮気味に染まった朱色の頬と、榛色の瞳がキラキラと輝いているのが正面からハッキリとわかる。

「おい、リズ」
「ベリル様は皆さんのものなので、僕がどうこうするつもりはありませんよ」

リズはそう言うと俺の背中に手を回し、身体を引き寄せて抱きしめた。
身体同士が密着する。
無論、リズの下半身のそれが俺の尻にもぎゅっと当たる。
まるで俺の身体を熟知しているかのように、尻の窄みに押し当てられている。
服の上からどうしてわかるんだと言いたい。
密着しているため、相手の吐息が伝わる。
こちらの心臓の音も伝わるのではないのかと思えるほど距離が近い。

「……リズ?」

ただ抱きしめる、それだけだった。
何度も背中を撫でる手が優しく往復する。
しばらくそうしているとリズが口を開いた。

「ベリル様、取り返しがつかないことばかりではありませんよ。僕だってベリル様を恨んではいません」

抱きしめられたまま、顔は見えないがリズは続ける。

「わからないから怖いこともいっぱいあると思うのです。だから、これからも色々と知ることができればいいなぁと僕は思います」
「…。」
「生徒会長が来た時、本当は僕もサイラスさんもベリル様を助けたかった。けれど立場として僕たちは動けませんでした」

公爵家と侯爵家の言い争いに口出しできるやつは、あの場ではフランツしかいなかった。

「ベリル様が困っているなら僕は助けたい。エリオットさんとベリル様が秘密倶楽部で大変なのもなんとなくわかっていました。力になれないのが歯痒いと感じています。少しぐらい頼ってくれてもいいのですよ?」
「…もしかして俺、すごく慰められている?」
「ふふっ、そうかもしれません」

リズは微笑む。

「ベリル様が僕に手を出す時って、いたずらしてかまって欲しい時じゃないのかなぁと思ったりしたので」
それは的外れではあるのだが、本来のベリルが何を思ってリズに手を出していたのかは俺にもわからない。

(やっぱり俺…悪役令息に向いていないわ…)

抱きしめられたまま身体から力を抜いて俺は深い溜め息を吐いた。
俺がもっと狡猾だったら、リズに対してもこんなに心配されることはなかったはずなのに。

「…。」

穏やかな手に撫でられながら、この優しさに委ねるわけにもいかず俺は身体を起こしてリズから離れた。

「お前がすごく優しいやつだというのはわかった。だが、そのうち足元をすくわれないようにな」

ふふっとリズは笑みを漏らすと、この場を去る俺の背中を見送った。
あっさりと逃がしてくれたのはありがたい。

(だが、だがこれは…)

この世界は…このゲームのバランスは俺には計り知れない。

(リズがあんなに押せ押せになっているということは、パラメーターが攻め寄りになっている可能性がある)

リズがもしバリタチ極振りのパラメーターになった場合、フランツ以外太刀打ちできなくなるのか…
本来のベリルならともかく、今の俺ではどうなるかわからない。
入学式の可愛い可愛い主人公を返してくれ。
足をすくわれるのは俺かもしれない。
今でこそフランツとサイラスの保護下にいるのだが、将来的にその可能性は捨てきれない。
そう考えるとリズもしっかりマークしておかないと、今後はもっと大変なことになるかもしれないと想像する。

(とはいえ、今は生徒会長ラゼルの対策だ)

決戦は明日。
それに向けて俺は自室へと向かった。
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