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【第六章】悪役令息の奔走
(9)生徒会長の憂鬱
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生徒会長ラゼル・フォン・クラーゲルは苛立っていた。
今年の入学式からとある人物が新入生としてこの学園へやってきたからだ。
フェリスト公爵家の令息であるベリルその人である。
光を反射するさらりとした銀髪に紫苑色の瞳。
童顔な顔立ちは整っており可愛らしい造形。
身長は百六十ぐらいだろうか?…過去に出会った少年がそのまま成長した姿がそこにはあった。
年齢の経過により容姿に磨きがかかり、人目を引く彼の美しさは増していた。
無論、入学式の舞台で挨拶をする際にラゼルはベリルを目撃していた。
…だが、ベリルは生徒会長の挨拶なんて目もくれず、隣の席の黒髪の少年に夢中だったようだが。
公然の場でわいせつな行為を率先する姿を見てしまった。
本当にベリルは昔と変わらなかった。
だが、苛立っている理由はそれだけではない。
入学してからもベリルは何も音沙汰がなかった。
ベリル派と思われる生徒たちが校内で性行為を行っているとか、そういう噂はまことしやかに囁かれていたがそれだけだった。
何も問題が起こっていないのならそれでいい。
だが、こちらがずっと警戒しているこの現状が自分だけ意識しているようであり、ラゼルの苛つきを加速させていた。
ガーグス教の生徒たちから報告がやってきたのはその後だった。
ベリルのみならず、周りの生徒達もそれに感化されるように授業中や放課後に隠れて行為をする者たちがいるという報告が相次いだ。
伝染するように悪魔の企みは広がる。
ただれた学生生活が浮き彫りになり、取り返しがつかなくなる前に行動しなければならない。
秘密倶楽部という全ての現況のような場所を特定し、潰すために動いた。
そしてラゼルは重い腰を上げてベリルのもとへ向かった。
大本を叩けば何かしら変化があると考えて。
過去のしがらみなんて関係はなく、終止符を打つなんて感覚もない。
対面した時、やけにベリルは幼く感じた。
体格の差もあるが、こんなに違っただろうか?
威厳なんて無い、子供が背伸びをして胸を張ったようなベリルの姿に違和感があった。
地に足がつかないような…何を言われても重みを感じない。
こんなに…相手は弱かっただろうか?
ラゼルは困惑した。
過去のラゼル少年の投げかけに現在のラゼルは小首をかしげることしか出来なかった。
心とは裏腹に、今までの苛立ちをすべてぶつけるように言葉でベリルを攻撃した。
そろそろ泣くのではないのかと思った頃にフランツ殿下が口を挟んできた。
…フランツとベリルは幼馴染だ。
そのフランツがこのベリルの変化に気が付かないわけがない。
それでも、フランツはベリルを守った。
向こうにも何か事情があるのだろうか?
それはラゼルの知ることではなかった。
…その後、警告した日から学園内の乱交騒動は大人しくなったようだった。
秘密倶楽部の方に引っ込んだと言ったほうが正解かもしれない。
警告して一週間が経とうとした今日、向こうに動きがあった。
呼び出された場所は学園の生徒会室。
わざわざこちら側の場所に呼び出したということは話し合うつもりなのか…それとも…罠か?
何にしても行かなければならない。
生徒会のメンバーには時間になったら来るように招集をかけておいたので、罠だとしても問題はない。
ラゼルは見知った生徒会室の前の扉の前に立つと、そのドアを開いた。
✕✕✕
今年の入学式からとある人物が新入生としてこの学園へやってきたからだ。
フェリスト公爵家の令息であるベリルその人である。
光を反射するさらりとした銀髪に紫苑色の瞳。
童顔な顔立ちは整っており可愛らしい造形。
身長は百六十ぐらいだろうか?…過去に出会った少年がそのまま成長した姿がそこにはあった。
年齢の経過により容姿に磨きがかかり、人目を引く彼の美しさは増していた。
無論、入学式の舞台で挨拶をする際にラゼルはベリルを目撃していた。
…だが、ベリルは生徒会長の挨拶なんて目もくれず、隣の席の黒髪の少年に夢中だったようだが。
公然の場でわいせつな行為を率先する姿を見てしまった。
本当にベリルは昔と変わらなかった。
だが、苛立っている理由はそれだけではない。
入学してからもベリルは何も音沙汰がなかった。
ベリル派と思われる生徒たちが校内で性行為を行っているとか、そういう噂はまことしやかに囁かれていたがそれだけだった。
何も問題が起こっていないのならそれでいい。
だが、こちらがずっと警戒しているこの現状が自分だけ意識しているようであり、ラゼルの苛つきを加速させていた。
ガーグス教の生徒たちから報告がやってきたのはその後だった。
ベリルのみならず、周りの生徒達もそれに感化されるように授業中や放課後に隠れて行為をする者たちがいるという報告が相次いだ。
伝染するように悪魔の企みは広がる。
ただれた学生生活が浮き彫りになり、取り返しがつかなくなる前に行動しなければならない。
秘密倶楽部という全ての現況のような場所を特定し、潰すために動いた。
そしてラゼルは重い腰を上げてベリルのもとへ向かった。
大本を叩けば何かしら変化があると考えて。
過去のしがらみなんて関係はなく、終止符を打つなんて感覚もない。
対面した時、やけにベリルは幼く感じた。
体格の差もあるが、こんなに違っただろうか?
威厳なんて無い、子供が背伸びをして胸を張ったようなベリルの姿に違和感があった。
地に足がつかないような…何を言われても重みを感じない。
こんなに…相手は弱かっただろうか?
ラゼルは困惑した。
過去のラゼル少年の投げかけに現在のラゼルは小首をかしげることしか出来なかった。
心とは裏腹に、今までの苛立ちをすべてぶつけるように言葉でベリルを攻撃した。
そろそろ泣くのではないのかと思った頃にフランツ殿下が口を挟んできた。
…フランツとベリルは幼馴染だ。
そのフランツがこのベリルの変化に気が付かないわけがない。
それでも、フランツはベリルを守った。
向こうにも何か事情があるのだろうか?
それはラゼルの知ることではなかった。
…その後、警告した日から学園内の乱交騒動は大人しくなったようだった。
秘密倶楽部の方に引っ込んだと言ったほうが正解かもしれない。
警告して一週間が経とうとした今日、向こうに動きがあった。
呼び出された場所は学園の生徒会室。
わざわざこちら側の場所に呼び出したということは話し合うつもりなのか…それとも…罠か?
何にしても行かなければならない。
生徒会のメンバーには時間になったら来るように招集をかけておいたので、罠だとしても問題はない。
ラゼルは見知った生徒会室の前の扉の前に立つと、そのドアを開いた。
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