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39. 企み③〈コーネリアside〉
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〈コーネリアside〉
私が気が付いた時、いつもの寝室のベッドの上だった。
体がホカホカして、頭はハッキリしない。
ドレスは脱がされ夜着姿ということは、予定通り計画が進んでいるのだろうか?
「そうだ、私、ニコラスを待っていたのよ」
だから違和感があったんだわ。
破瓜の痛みを軽減するという薬のせいね。
股間のもっと奥。
月のモノが来る時に痛む場所と同じところに熱を持っていて、なぜかムズムズする。
そして入り口付近はピクピクと蠢いて、男の訪れを待ち侘びているようだ。
無意識に両足をモジモジさせ、それでも足りずに腰までも揺らしてしまっていた。
それにしても喉が渇いた。
私は侍女を呼ぼうとベルを鳴らす。
すぐにノックされ、許可を与えれば誰かが寝室まで入ってきた。
「何か飲み物が欲しいわ」
いつものように声を掛けたのだけど、侍女は返事をしない。
でもコップを持って来たらしく、私に渡そうと天蓋の幕を開け始めた。
薄暗い天蓋の中ではあまりよく見えなくて、無造作に伸ばした手が何かに当たった。
え?
侍女ってこんなに硬い?
何か違和感はあったけど、ほんの些細なこと過ぎて、コップの水を飲んでいるうちに頭の中から消えていた。
けれどお水を飲み終わっても、その侍女は出ていかない。
何だか頭がボーッとするし、早く出ていってくれないかしら?
そうでないと落ち着いて寝られない……。
「もう下がっていいわ」
出ていくように言ったのに、一向に動かない人影。
もう放っておこうかとベッドに横たわる。
誰?
足先を触らないで……。
モゾモゾと動かして逃れたけど、また触られる。
今度は膝あたりまで撫でられた。
何度も避けつつ触られるうちに、誰かが手で撫でているのだと分かった。
「ちょっと、やめなさい」
拒絶しても手は止まらない。
段々触る面積が増え、大胆になっていき、太ももまで到達した。
これって……。
女性の手ではないのでは!?
それに気が付いてゾッとした。
慌てて手と反対の方向に転がって避ける。
するとゴゾゴゾと音がして、ミシミシとベッドが軋んだ。
嘘、ベッドに上がってきた!?
恐怖で体が勝手にプルプルと震えて上手く動けない。
「こ、来ないで!」
言ってもムダだと分かっていたが、それでも言わずにはいられなかった。
たぶん男。
男がなぜ私の部屋に?
そうだ、ニコラス。
まさか彼が?
「ニコラスなの?」
返事は返ってこない。
ニコラスなら慇懃無礼に答える。
大体にして、あんなに私の誘いを断ったのだ。
魔香漬けにして正体不明にするしか無いと言われたニコラスが、こんなに冷静に私に触れてくるなんておかしいわ。
それならここにいるのはニコラスでは無いの?
だとしたら、他に誰が?
「私が……だ、第三王女コーネリアだと……わ、分かっての狼藉か?」
威厳を込めて言ったつもりが、声も裏返り震えていてまったく抑止力にならない。
暗い部屋のさらに暗い天蓋ベッドの中のこと。
男の顔も見えないし、そのシルエットもボヤけている。
「さ、下がりなさい! 触れるでない!」
大きな声で叫んでも、ベル紐を盛大に引き鳴らしても、誰も部屋に来る様子がない。
ここでぼんやりした私でも、助けは来ないのだと悟った。
男は嫌がる私を楽しんでいるようで、足首から太ももを何度も往復してそっと撫でる事を繰り返すのみ。
最初のように何をされるか分からない恐怖は薄れたが、その分気持ち悪い怖さが加速していた。
「や、止め……はぁはぁ……何これ……」
太ももから腰のほうへ時々手が滑り、ゾクゾクする感覚が這い上がる。
体の熱も上がっているのか、息が上がってきて男の手が冷たく心地よさまで感じて来た。
もしかしなくても、これは媚薬の作用だ。
媚薬の作用がある者はどこを触れられても、優しく撫でるだけで体が火照り気が昂る。
こうなれば発散するほか逃れる術がないということも、昨日説明されていた──ニコラスがそうなると……。
「撫でないで……」
無言の男の手が止まった。
確かに動かず、彼の手は止まっている。
ただ、その場所が問題だった。
彼の手は、私の大事な場所に置かれていた。
動かさないが……。
それでも指が花芯を押し、蜜口に中指の第一関節が入り込んだ状態。
そのまま彼はじっとしていた。
媚薬の中でも強力な魔香の影響を受けた私は、とても我慢できるような状態ではない。
体を拘束されている訳でもないのに、思うように動けないから、体制を自分で変えようとしてもできなくて……。
「……手を退かして」
やっとのことでそれだけ言ったが聞き入れてはくれない。
むしろ面白がって、指先を小刻みに揺らし快感を与えてくる。
もうこうなると、理性は無きに等しい。
私が経験豊富な女だったなら、もしかしたらこんな攻め苦にも対処できたかもしれないが、生憎と私は生娘だった。
経験のない私が初めて受ける未知の快感に耐性などあるはずも無く……。
「あ……なに……?」
急に訪れた気持ち良さと切羽詰まったような感覚と、超えてはいけない何かを超えてしまう不安。
「やぁ……気持ちいい……ダメ……あ、あ、あ、あぁぁぁああ……」
それほど時間も掛からずに絶頂が訪れた。
誰だかすら分からない知らない男に、夫にしか晒さないはずの場所をイジリ倒され、一瞬意識が飛ぶような体験をさせられてしまう。
屈辱であると同時に、私はこの初めての快感に酔いしれていたのだった。
私が気が付いた時、いつもの寝室のベッドの上だった。
体がホカホカして、頭はハッキリしない。
ドレスは脱がされ夜着姿ということは、予定通り計画が進んでいるのだろうか?
「そうだ、私、ニコラスを待っていたのよ」
だから違和感があったんだわ。
破瓜の痛みを軽減するという薬のせいね。
股間のもっと奥。
月のモノが来る時に痛む場所と同じところに熱を持っていて、なぜかムズムズする。
そして入り口付近はピクピクと蠢いて、男の訪れを待ち侘びているようだ。
無意識に両足をモジモジさせ、それでも足りずに腰までも揺らしてしまっていた。
それにしても喉が渇いた。
私は侍女を呼ぼうとベルを鳴らす。
すぐにノックされ、許可を与えれば誰かが寝室まで入ってきた。
「何か飲み物が欲しいわ」
いつものように声を掛けたのだけど、侍女は返事をしない。
でもコップを持って来たらしく、私に渡そうと天蓋の幕を開け始めた。
薄暗い天蓋の中ではあまりよく見えなくて、無造作に伸ばした手が何かに当たった。
え?
侍女ってこんなに硬い?
何か違和感はあったけど、ほんの些細なこと過ぎて、コップの水を飲んでいるうちに頭の中から消えていた。
けれどお水を飲み終わっても、その侍女は出ていかない。
何だか頭がボーッとするし、早く出ていってくれないかしら?
そうでないと落ち着いて寝られない……。
「もう下がっていいわ」
出ていくように言ったのに、一向に動かない人影。
もう放っておこうかとベッドに横たわる。
誰?
足先を触らないで……。
モゾモゾと動かして逃れたけど、また触られる。
今度は膝あたりまで撫でられた。
何度も避けつつ触られるうちに、誰かが手で撫でているのだと分かった。
「ちょっと、やめなさい」
拒絶しても手は止まらない。
段々触る面積が増え、大胆になっていき、太ももまで到達した。
これって……。
女性の手ではないのでは!?
それに気が付いてゾッとした。
慌てて手と反対の方向に転がって避ける。
するとゴゾゴゾと音がして、ミシミシとベッドが軋んだ。
嘘、ベッドに上がってきた!?
恐怖で体が勝手にプルプルと震えて上手く動けない。
「こ、来ないで!」
言ってもムダだと分かっていたが、それでも言わずにはいられなかった。
たぶん男。
男がなぜ私の部屋に?
そうだ、ニコラス。
まさか彼が?
「ニコラスなの?」
返事は返ってこない。
ニコラスなら慇懃無礼に答える。
大体にして、あんなに私の誘いを断ったのだ。
魔香漬けにして正体不明にするしか無いと言われたニコラスが、こんなに冷静に私に触れてくるなんておかしいわ。
それならここにいるのはニコラスでは無いの?
だとしたら、他に誰が?
「私が……だ、第三王女コーネリアだと……わ、分かっての狼藉か?」
威厳を込めて言ったつもりが、声も裏返り震えていてまったく抑止力にならない。
暗い部屋のさらに暗い天蓋ベッドの中のこと。
男の顔も見えないし、そのシルエットもボヤけている。
「さ、下がりなさい! 触れるでない!」
大きな声で叫んでも、ベル紐を盛大に引き鳴らしても、誰も部屋に来る様子がない。
ここでぼんやりした私でも、助けは来ないのだと悟った。
男は嫌がる私を楽しんでいるようで、足首から太ももを何度も往復してそっと撫でる事を繰り返すのみ。
最初のように何をされるか分からない恐怖は薄れたが、その分気持ち悪い怖さが加速していた。
「や、止め……はぁはぁ……何これ……」
太ももから腰のほうへ時々手が滑り、ゾクゾクする感覚が這い上がる。
体の熱も上がっているのか、息が上がってきて男の手が冷たく心地よさまで感じて来た。
もしかしなくても、これは媚薬の作用だ。
媚薬の作用がある者はどこを触れられても、優しく撫でるだけで体が火照り気が昂る。
こうなれば発散するほか逃れる術がないということも、昨日説明されていた──ニコラスがそうなると……。
「撫でないで……」
無言の男の手が止まった。
確かに動かず、彼の手は止まっている。
ただ、その場所が問題だった。
彼の手は、私の大事な場所に置かれていた。
動かさないが……。
それでも指が花芯を押し、蜜口に中指の第一関節が入り込んだ状態。
そのまま彼はじっとしていた。
媚薬の中でも強力な魔香の影響を受けた私は、とても我慢できるような状態ではない。
体を拘束されている訳でもないのに、思うように動けないから、体制を自分で変えようとしてもできなくて……。
「……手を退かして」
やっとのことでそれだけ言ったが聞き入れてはくれない。
むしろ面白がって、指先を小刻みに揺らし快感を与えてくる。
もうこうなると、理性は無きに等しい。
私が経験豊富な女だったなら、もしかしたらこんな攻め苦にも対処できたかもしれないが、生憎と私は生娘だった。
経験のない私が初めて受ける未知の快感に耐性などあるはずも無く……。
「あ……なに……?」
急に訪れた気持ち良さと切羽詰まったような感覚と、超えてはいけない何かを超えてしまう不安。
「やぁ……気持ちいい……ダメ……あ、あ、あ、あぁぁぁああ……」
それほど時間も掛からずに絶頂が訪れた。
誰だかすら分からない知らない男に、夫にしか晒さないはずの場所をイジリ倒され、一瞬意識が飛ぶような体験をさせられてしまう。
屈辱であると同時に、私はこの初めての快感に酔いしれていたのだった。
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