【R18】今夜私は義弟に抱かれる〜不治の病に侵された夫は寝取られに目覚めてしまった模様です〜

栗花

文字の大きさ
39 / 39

39. 企み③〈コーネリアside〉

しおりを挟む
〈コーネリアside〉



 わたくしが気が付いた時、いつもの寝室のベッドの上だった。

 体がホカホカして、頭はハッキリしない。

 ドレスは脱がされ夜着やぎ姿ということは、予定通り計画が進んでいるのだろうか?



「そうだ、わたくし、ニコラスを待っていたのよ」



 だから違和感があったんだわ。

 破瓜はかの痛みを軽減するという薬のせいね。

 股間のもっと奥。

 月のモノが来る時に痛む場所と同じところに熱を持っていて、なぜかムズムズする。

 そして入り口付近はピクピクとうごめいて、男の訪れを待ちびているようだ。

 無意識に両足をモジモジさせ、それでも足りずに腰までも揺らしてしまっていた。



 それにしてものどが渇いた。



 わたくしは侍女を呼ぼうとベルを鳴らす。

 すぐにノックされ、許可を与えれば誰かが寝室まで入ってきた。



「何か飲み物が欲しいわ」



 いつものように声を掛けたのだけど、侍女は返事をしない。

 でもコップを持って来たらしく、わたくしに渡そうと天蓋てんがいの幕を開け始めた。

 薄暗い天蓋てんがいの中ではあまりよく見えなくて、無造作に伸ばした手が何かに当たった。



 え?

 侍女ってこんなに硬い?



 何か違和感はあったけど、ほんの些細ささいなこと過ぎて、コップの水を飲んでいるうちに頭の中から消えていた。 

 けれどお水を飲み終わっても、その侍女は出ていかない。



 何だか頭がボーッとするし、早く出ていってくれないかしら?

 そうでないと落ち着いて寝られない……。



「もう下がっていいわ」



 出ていくように言ったのに、一向に動かない人影。

 もう放っておこうかとベッドに横たわる。



 誰?

 足先を触らないで……。



 モゾモゾと動かして逃れたけど、また触られる。

 今度は膝あたりまで撫でられた。

 何度も避けつつ触られるうちに、誰かが手で撫でているのだと分かった。



「ちょっと、やめなさい」



 拒絶しても手は止まらない。

 段々触る面積が増え、大胆になっていき、太ももまで到達した。



 これって……。

 女性の手ではないのでは!?



 それに気が付いてゾッとした。

 慌てて手と反対の方向に転がって避ける。

 するとゴゾゴゾと音がして、ミシミシとベッドがきしんだ。



 嘘、ベッドに上がってきた!?



 恐怖で体が勝手にプルプルと震えて上手く動けない。



「こ、来ないで!」



 言ってもムダだと分かっていたが、それでも言わずにはいられなかった。

 たぶん男。

 男がなぜ私の部屋に?

 そうだ、ニコラス。

 まさか彼が?



「ニコラスなの?」



 返事は返ってこない。

 ニコラスなら慇懃無礼いんぎんぶれいに答える。

 大体にして、あんなにわたくしの誘いを断ったのだ。

 魔香まこう漬けにして正体不明にするしか無いと言われたニコラスが、こんなに冷静にわたくしに触れてくるなんておかしいわ。

 それならここにいるのはニコラスでは無いの?

 だとしたら、他に誰が?



わたくしが……だ、第三王女コーネリアだと……わ、分かっての狼藉ろうぜきか?」



 威厳を込めて言ったつもりが、声も裏返り震えていてまったく抑止力にならない。

 暗い部屋のさらに暗い天蓋ベッドの中のこと。

 男の顔も見えないし、そのシルエットもボヤけている。



「さ、下がりなさい! 触れるでない!」



 大きな声で叫んでも、ベル紐を盛大に引き鳴らしても、誰も部屋に来る様子がない。

 ここでぼんやりしたわたくしでも、助けは来ないのだと悟った。

 男は嫌がるわたくしを楽しんでいるようで、足首から太ももを何度も往復してそっと撫でる事を繰り返すのみ。

 最初のように何をされるか分からない恐怖は薄れたが、その分気持ち悪い怖さが加速していた。



「や、め……はぁはぁ……何これ……」



 太ももから腰のほうへ時々手が滑り、ゾクゾクする感覚が這い上がる。

 体の熱も上がっているのか、息が上がってきて男の手が冷たく心地よさまで感じて来た。



 もしかしなくても、これは媚薬びやくの作用だ。



 媚薬びやくの作用がある者はどこを触れられても、優しく撫でるだけで体が火照り気がたかぶる。

 こうなれば発散するほか逃れる術がないということも、昨日説明されていた──ニコラスがそうなると……。



「撫でないで……」



 無言の男の手が止まった。

 確かに動かず、彼の手は止まっている。

 ただ、その場所が問題だった。

 彼の手は、私の大事な場所に置かれていた。

 動かさないが……。

 それでも指が花芯を押し、蜜口に中指の第一関節が入り込んだ状態。

 そのまま彼はじっとしていた。

 媚薬びやくの中でも強力な魔香まこうの影響を受けたわたくしは、とても我慢できるような状態ではない。

 体を拘束こうそくされている訳でもないのに、思うように動けないから、体制を自分で変えようとしてもできなくて……。



「……手を退かして」




 やっとのことでそれだけ言ったが聞き入れてはくれない。

 むしろ面白がって、指先を小刻みに揺らし快感を与えてくる。

 もうこうなると、理性は無きに等しい。

 わたくしが経験豊富な女だったなら、もしかしたらこんな攻め苦にも対処できたかもしれないが、生憎とわたくし生娘きむすめだった。

 経験のないわたくしが初めて受ける未知の快感に耐性などあるはずも無く……。



「あ……なに……?」



 急に訪れた気持ち良さと切羽詰まったような感覚と、超えてはいけない何かを超えてしまう不安。



「やぁ……気持ちいい……ダメ……あ、あ、あ、あぁぁぁああ……」



 それほど時間も掛からずに絶頂が訪れた。

 誰だかすら分からない知らない男に、夫にしか晒さないはずの場所をイジリ倒され、一瞬意識が飛ぶような体験をさせられてしまう。

 屈辱であると同時に、わたくしはこの初めての快感に酔いしれていたのだった。
しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

彩麟
2022.04.13 彩麟

更新、お待ちしています。

解除
ルルマ
2021.09.07 ルルマ

登場人物も増え動きが出てきてとても面白いです。
更新が楽しみです!!

2021.09.08 栗花

楽しみにして下さってありがとうございます。
コメント頂けてすごく励みになりました。
今後ともよろしくお願いします(❀ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾ᵖᵉᵏᵒ

解除
花雨
2021.08.12 花雨

作品登録しときますね(^^)

2021.08.12 栗花

数ある作品の中、お越しいただいてありがとうございます。
楽しんでもらえたら嬉しいです(*^^*)♪

解除

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。