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3_この国は、鬼が支配しています_後半
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「数年前までは、鬼廻貴円貴円様というお方が御主様だったけど、ご息女と一緒に視察中に、何者かに暗殺されて、今は貴円様の弟君の、鬼廻張乾様が跡を継がれ、大将軍となられたのよ」
――――鬼廻貴円。
久しぶりに父上の名前を聞いて、私は胸に、針が刺さったような痛みを覚えていた。
鬼の家系には、女の子が生まれない。でも家同志の繋がりには、女が必要だという考えが、この地域には古くから根付いている。
だから鬼の家系は、別の家から女の子をもらい受けたり、身寄りがいない女の子を引き取って、自分の娘として育てる。
私も赤ん坊の頃に、鬼廻貴円様の元に、養女として迎え入れられ、穏葉と名付けられた。
私は、自分が生まれた家のことを何も知らない。鬼廻家に入った後は、生まれた家とは縁を切り、知ろうとしないのが仕来りだ。だから私も、それに従ってきた。
父上は、優しい人だった。歌や花を好む温和な人で、家来にも優しく、養女に迎えた私を、実の娘のように育ててくれた。
――――優しすぎて、時に冷酷な決断をしなければならない御主という立場は、父上には苦しかったのかもしれない。決断できずに、苦しんでいる姿を、何度か見たことがある。
それでも父上は精一杯、御主としての役割を務め、北鬼は平和だった。
だけどいつ頃からか、父上は暗殺の気配を感じるようになっていたらしい。どんな時でも、信頼できる護衛の鬼を連れて歩くようになった。
そこまで用心していても、父上は視察の途中で、刺客の鬼に殺されてしまい、私も巻き込まれて、傷を負ってしまった。
父上を殺した鬼達は、私を人質にして、身代金を奪うつもりだったようだ。攫われて、閉じこめられた上、血を飲むために、噛み痕まで残されてしまった。
――――いずれ私は、売られるか、殺されるのだろう。私は生きることを諦めていた。
そんな私を助けにきてくれたのが、父に仕えていた、久芽里の鬼達だった。
私は御政堂に戻ることができたけれど、御政堂はもう、新しい御主の、張乾様のものになっていて、前の御主の娘である私には、居場所がなかった。
そのうえ、顔に切り傷、首に噛み痕を残された私は、傷物とみなされている。
前の御主の娘という微妙な立場であることも重なって、縁談は一つもまとまらないまま、時間だけが過ぎていった。
張乾御主も、私のことを腫物のように感じているようだった。
私は大奥の隅にある、木蔦の宮に閉じ込められ、行事や集まりに呼ばれることはなくなり、外出もあまり許可してもらえなくなった。
集まりに参加するのは苦手だから、呼ばれないことは構わないけれど、外出を禁じられるようになったことには、息苦しさを感じている。
幸い、抜け道を知っているから、気が滅入らないようにたまに御政堂を抜けだして、町を散策するようにしていた。
「張乾御主には、ご子息が五人おられるそうだわ」
私が過去のことを思い出している間に、母娘の話題は、張乾様のご子息のほうに移っていた。
「ご子息の中で有名なのは、四番目の若君の、勇啓様かしら。勇啓様はとても強い武官だそうよ。鬼は本当に長生きで、老齢の長老達の中には、五百年近く生きている人までいるそうよ」
「本当に? すごいね!」
母娘は楽しそうに笑った。
「長老の中でも決定権を持つ、最も強い七人の鬼は、嶺長老と呼ばれて、国民から慕われているのよ。鬼達は一族の繋がりを大事にしていて、一族の代表者、つまり、当主ね。その当主は、頭代と呼ばれているの」
「へえー」
自分が知らない世界のことを知り、女の子の目は、きらきらと輝いた。
「それにしても、今日は本当に人が多いね」
「数十年に一度の祭事が、三日後にあるからね。きっと各地から集まってきてるんだわ」
「花嫁行列を見るために、みんなここにきてるんだね」
「そうよ」
(・・・・ああ、そうか。――――もうすぐ、閻魔の婚礼があるんだ)
母娘の会話を聞いて、私はようやく、この国で一番大事な行事、閻魔の婚礼が近いことを思い出した。
「そういえば、花嫁って、誰のお嫁さんになるの?」
「閻魔様のお嫁になるのよ」
女の子はまた、不思議そうに目を瞬かせる。
「閻魔様は眠っているんでしょ? どうやって結婚するの?」
「うーん・・・・」
難しい説明を求められて、母親はしばらく考えこんでいた。
「・・・・これは婚礼じゃなくて、実際には、儀式みたいなもの、といえば伝わるかしら」
「儀式?」
「閻魔様が目覚めなくなったあと、閻魔様の従者は、閻魔様が夢の世界で寂しい思いをしていらっしゃるかもしれないからと、花嫁を贈ることにしたの。それ以来、数十年に一度、名家のご息女が、閻魔様の花嫁になるために、都に集められるようになった」
「名家のご息女・・・・」
「御政堂の奥には、大奥があって、閻魔堂はその中にある。大奥は大きく、三つに分かれているの。一つが政治の中心である御政堂、もう一つが御主様の奥様が住まわれる梅の廓、そして最後の一つが、儀式の中心となる桜の廓よ。閻魔堂は桜の廓の中にあって、花嫁は桜の廓に入って、勤めを果たすそうよ」
「でも、閻魔様は眠っていらっしゃるんでしょう?」
「そう、だから儀式なの。花嫁達は閻魔の婚礼の間、閻魔様に祈りを捧げて、期間が過ぎたら実家に帰り、別の人と結婚するわ。花嫁は、神様に仕える巫女のようなものなのよ。閻魔の婚礼は、この国にとってはとても大事な行事なの。儀式なのに、いつの間にか周辺諸国でも人気が出てね。この日になると毎年、花嫁行列を一目見ようと、観光客が大勢押しかけてくるのよ。婚礼の儀式には、御三家も関わるかもしれないわね」
「御三家?」
「この国には、御三家と呼ばれる、古くから閻魔様の守りと、政に関わってきた家が三つあるの。鬼久家、久宮家、鬼伏家よ。その御三家の代表者は御家頭代と呼ばれていて、一目置かれているそうよ。長老に選ばれるのは、この御三家の鬼達が多いの」
「へえ」
「鬼久家は、最近新しい頭代に代わったばかりだと聞いたわ。新しい鬼久頭代の燿茜様は、たいへん見目麗しい方で、北鬼一美しいと言われているの。今は武官として国に尽くしていらっしゃるそうよ。あ、でも若いと言っても、百歳はすぎてるんじゃないかしら」
「そんなに長生きだと、奥さんは先に亡くなっちゃうね」
「・・・・そうね。鬼は情が深くて、鬼の家に迎えられた女性は、家桜と呼ばれ、とても大切にされるそうよ」
「いいなあ! 私も、鬼のところに嫁ぎたいなー」
すると、母親の顔が曇った。
「・・・・それはやめたほうがいい」
「どうして?」
「彼らがどうして、鬼と呼ばれていると思う? 寿命が長い、特殊な力を持つ存在なだけなら、鬼なんていう、禍々しい呼び名は定着しないわ。・・・・彼らは冷酷で、残忍な一面も持っているのよ。だから、関わっちゃ駄目よ。遠目から、一目見るだけにしましょ」
母親の深刻そうな表情を見て、少女の笑顔も萎んでしまった。
「・・・・お母さん、鬼が怖いの?」
「それは・・・・ね。だって、彼らは人間じゃないんだもの。怖いと思っている人は多いはずだわ」
「みんな怖いと思ってるなら、どうして鬼に従ってるの?」
「それは・・・・」
母親は声を詰まらせて、目を逸らしてしまう。それでも少女は真っ直ぐな視線を、母親の横顔に向けていた。
「それは、鬼の方々が、私達を守ってくれるからよ」
「守ってくれる? 何から?」
「この世界には、危険な鬼がたくさんいるのよ。ううん、鬼だけじゃない、人間の中にも、悪い人達はたくさんいる。この国の鬼達は、そんな悪い人達から、国民を守ってくれるのよ」
「じゃあ、やっぱりいい鬼なんじゃない?」
「・・・・そうね。いい鬼、なのかもしれないわ」
声に隠しきれない迷いを滲ませながらも、母親はそう答えた。
「でもさっきも言ったとおり、鬼に近づいちゃ駄目よ。鬼は吸血衝動を持っているの。血に飢えているときに近づくと、ひどい目に遭ってしまうわ」
「でも、悪い鬼じゃないんでしょ?」
「悪い人じゃなくても、距離を保つべき時はあるのよ。わかったわね?」
「・・・・わかった」
「いい子ね」
母親は安心したのか、笑顔を取りもどして、少女の髪を撫でる。母親の安心が伝わったのか、少女の顔からも曇りがなくなった。
――――鬼に守られながら、鬼を恐れている人々。この国で暮らす人間達を一言で表すなら、その言葉が相応しいと思った。
「それじゃ、宿に行きましょうか」
「うん!」
母娘は歩き出して、声が遠ざかっていった。
――――鬼廻貴円。
久しぶりに父上の名前を聞いて、私は胸に、針が刺さったような痛みを覚えていた。
鬼の家系には、女の子が生まれない。でも家同志の繋がりには、女が必要だという考えが、この地域には古くから根付いている。
だから鬼の家系は、別の家から女の子をもらい受けたり、身寄りがいない女の子を引き取って、自分の娘として育てる。
私も赤ん坊の頃に、鬼廻貴円様の元に、養女として迎え入れられ、穏葉と名付けられた。
私は、自分が生まれた家のことを何も知らない。鬼廻家に入った後は、生まれた家とは縁を切り、知ろうとしないのが仕来りだ。だから私も、それに従ってきた。
父上は、優しい人だった。歌や花を好む温和な人で、家来にも優しく、養女に迎えた私を、実の娘のように育ててくれた。
――――優しすぎて、時に冷酷な決断をしなければならない御主という立場は、父上には苦しかったのかもしれない。決断できずに、苦しんでいる姿を、何度か見たことがある。
それでも父上は精一杯、御主としての役割を務め、北鬼は平和だった。
だけどいつ頃からか、父上は暗殺の気配を感じるようになっていたらしい。どんな時でも、信頼できる護衛の鬼を連れて歩くようになった。
そこまで用心していても、父上は視察の途中で、刺客の鬼に殺されてしまい、私も巻き込まれて、傷を負ってしまった。
父上を殺した鬼達は、私を人質にして、身代金を奪うつもりだったようだ。攫われて、閉じこめられた上、血を飲むために、噛み痕まで残されてしまった。
――――いずれ私は、売られるか、殺されるのだろう。私は生きることを諦めていた。
そんな私を助けにきてくれたのが、父に仕えていた、久芽里の鬼達だった。
私は御政堂に戻ることができたけれど、御政堂はもう、新しい御主の、張乾様のものになっていて、前の御主の娘である私には、居場所がなかった。
そのうえ、顔に切り傷、首に噛み痕を残された私は、傷物とみなされている。
前の御主の娘という微妙な立場であることも重なって、縁談は一つもまとまらないまま、時間だけが過ぎていった。
張乾御主も、私のことを腫物のように感じているようだった。
私は大奥の隅にある、木蔦の宮に閉じ込められ、行事や集まりに呼ばれることはなくなり、外出もあまり許可してもらえなくなった。
集まりに参加するのは苦手だから、呼ばれないことは構わないけれど、外出を禁じられるようになったことには、息苦しさを感じている。
幸い、抜け道を知っているから、気が滅入らないようにたまに御政堂を抜けだして、町を散策するようにしていた。
「張乾御主には、ご子息が五人おられるそうだわ」
私が過去のことを思い出している間に、母娘の話題は、張乾様のご子息のほうに移っていた。
「ご子息の中で有名なのは、四番目の若君の、勇啓様かしら。勇啓様はとても強い武官だそうよ。鬼は本当に長生きで、老齢の長老達の中には、五百年近く生きている人までいるそうよ」
「本当に? すごいね!」
母娘は楽しそうに笑った。
「長老の中でも決定権を持つ、最も強い七人の鬼は、嶺長老と呼ばれて、国民から慕われているのよ。鬼達は一族の繋がりを大事にしていて、一族の代表者、つまり、当主ね。その当主は、頭代と呼ばれているの」
「へえー」
自分が知らない世界のことを知り、女の子の目は、きらきらと輝いた。
「それにしても、今日は本当に人が多いね」
「数十年に一度の祭事が、三日後にあるからね。きっと各地から集まってきてるんだわ」
「花嫁行列を見るために、みんなここにきてるんだね」
「そうよ」
(・・・・ああ、そうか。――――もうすぐ、閻魔の婚礼があるんだ)
母娘の会話を聞いて、私はようやく、この国で一番大事な行事、閻魔の婚礼が近いことを思い出した。
「そういえば、花嫁って、誰のお嫁さんになるの?」
「閻魔様のお嫁になるのよ」
女の子はまた、不思議そうに目を瞬かせる。
「閻魔様は眠っているんでしょ? どうやって結婚するの?」
「うーん・・・・」
難しい説明を求められて、母親はしばらく考えこんでいた。
「・・・・これは婚礼じゃなくて、実際には、儀式みたいなもの、といえば伝わるかしら」
「儀式?」
「閻魔様が目覚めなくなったあと、閻魔様の従者は、閻魔様が夢の世界で寂しい思いをしていらっしゃるかもしれないからと、花嫁を贈ることにしたの。それ以来、数十年に一度、名家のご息女が、閻魔様の花嫁になるために、都に集められるようになった」
「名家のご息女・・・・」
「御政堂の奥には、大奥があって、閻魔堂はその中にある。大奥は大きく、三つに分かれているの。一つが政治の中心である御政堂、もう一つが御主様の奥様が住まわれる梅の廓、そして最後の一つが、儀式の中心となる桜の廓よ。閻魔堂は桜の廓の中にあって、花嫁は桜の廓に入って、勤めを果たすそうよ」
「でも、閻魔様は眠っていらっしゃるんでしょう?」
「そう、だから儀式なの。花嫁達は閻魔の婚礼の間、閻魔様に祈りを捧げて、期間が過ぎたら実家に帰り、別の人と結婚するわ。花嫁は、神様に仕える巫女のようなものなのよ。閻魔の婚礼は、この国にとってはとても大事な行事なの。儀式なのに、いつの間にか周辺諸国でも人気が出てね。この日になると毎年、花嫁行列を一目見ようと、観光客が大勢押しかけてくるのよ。婚礼の儀式には、御三家も関わるかもしれないわね」
「御三家?」
「この国には、御三家と呼ばれる、古くから閻魔様の守りと、政に関わってきた家が三つあるの。鬼久家、久宮家、鬼伏家よ。その御三家の代表者は御家頭代と呼ばれていて、一目置かれているそうよ。長老に選ばれるのは、この御三家の鬼達が多いの」
「へえ」
「鬼久家は、最近新しい頭代に代わったばかりだと聞いたわ。新しい鬼久頭代の燿茜様は、たいへん見目麗しい方で、北鬼一美しいと言われているの。今は武官として国に尽くしていらっしゃるそうよ。あ、でも若いと言っても、百歳はすぎてるんじゃないかしら」
「そんなに長生きだと、奥さんは先に亡くなっちゃうね」
「・・・・そうね。鬼は情が深くて、鬼の家に迎えられた女性は、家桜と呼ばれ、とても大切にされるそうよ」
「いいなあ! 私も、鬼のところに嫁ぎたいなー」
すると、母親の顔が曇った。
「・・・・それはやめたほうがいい」
「どうして?」
「彼らがどうして、鬼と呼ばれていると思う? 寿命が長い、特殊な力を持つ存在なだけなら、鬼なんていう、禍々しい呼び名は定着しないわ。・・・・彼らは冷酷で、残忍な一面も持っているのよ。だから、関わっちゃ駄目よ。遠目から、一目見るだけにしましょ」
母親の深刻そうな表情を見て、少女の笑顔も萎んでしまった。
「・・・・お母さん、鬼が怖いの?」
「それは・・・・ね。だって、彼らは人間じゃないんだもの。怖いと思っている人は多いはずだわ」
「みんな怖いと思ってるなら、どうして鬼に従ってるの?」
「それは・・・・」
母親は声を詰まらせて、目を逸らしてしまう。それでも少女は真っ直ぐな視線を、母親の横顔に向けていた。
「それは、鬼の方々が、私達を守ってくれるからよ」
「守ってくれる? 何から?」
「この世界には、危険な鬼がたくさんいるのよ。ううん、鬼だけじゃない、人間の中にも、悪い人達はたくさんいる。この国の鬼達は、そんな悪い人達から、国民を守ってくれるのよ」
「じゃあ、やっぱりいい鬼なんじゃない?」
「・・・・そうね。いい鬼、なのかもしれないわ」
声に隠しきれない迷いを滲ませながらも、母親はそう答えた。
「でもさっきも言ったとおり、鬼に近づいちゃ駄目よ。鬼は吸血衝動を持っているの。血に飢えているときに近づくと、ひどい目に遭ってしまうわ」
「でも、悪い鬼じゃないんでしょ?」
「悪い人じゃなくても、距離を保つべき時はあるのよ。わかったわね?」
「・・・・わかった」
「いい子ね」
母親は安心したのか、笑顔を取りもどして、少女の髪を撫でる。母親の安心が伝わったのか、少女の顔からも曇りがなくなった。
――――鬼に守られながら、鬼を恐れている人々。この国で暮らす人間達を一言で表すなら、その言葉が相応しいと思った。
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