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最終章 性の行方(高校1年編)
5-11 急襲★
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12月になって一個上の引退式が行われた。一個上の代とは試合もずっと一緒に出てきてお世話になったため、さみしい思いが強い。だが同時にこれでやっと自分たちの代になるというワクワク感も強かった。俺は晴れて副部長になる。今までになかったような結果を残り1年で残したい。
まずは、年明けの新人戦で初のベスト4を達成したい。去年地方大会で負けてからずっとそれをモチベーションにしてきたし、みんなもそれを目標に試合のない期間もやる気を持ち続けてきてくれている。涼介も約束を覚えていてくれており、準々決勝は絶対観に行くと言ってくれている。彼自身の部活の予定的にも当日はこれそうだ。
実際今年は強い。もともとテクニックのある選手は多かったが、体づくりも自主的にみんなやってくれてフィジカルレベルも上がっている。
最たる例が一輝で、彼は体が弱くて中学の時はベンチだったが、今は体幹も強くなり間違いなくレギュラーだ。
「一輝体強くなったよね」
「やっぱあの試合が悔しかったから、俺も進化したかった」
「いよいよ新人戦だし頑張ろう」
「うん。もう壮太だけに背負わせないから」
彼はピッチ内外でとても信頼のできる人間だ。こんな彼と友人になれてとてもありがたい。
その翌日の土曜授業の後に俺は午後1のコマで塾に行った。この日は振り替え授業でいつもと違う時間に受けたが、美穂とまた一緒になった。
その日の授業後、同じ塾の陸上部の同級生から急な誘いを受けた。
「この後、女の子と遊びに行くんだけど、お前も来てよ」
「は?行かないわ」
「もう来るって言っちゃたんだよ。向こう2人で男も2人いなきゃ変だろ。片方お前の女だし」
"お前の女"とは美穂のことを指しているのは明らかである。俺は絶対に嫌だったが、結局その子に懇願され、半ば無理やりに連れていかれた。
最初4人でゲームセンター行ったがすぐに、
「あ、やばい親に帰ってこいって言われた」
とその陸上部が言い出した。冗談じゃないと俺は思っていたら、
「あ、私も帰んないと」
と言って女の子も帰ってしまう。
その時全てを察した。女の子に興味なさそうなそいつが、急に遊ぶと言いだしたのは変だとは思っていた。完全に俺は嵌められたのだ。美穂と俺を2人きりにするために。
「2人帰っちゃったね。でもせっかくだから遊ぼ!」
俺は一刻も早く帰りたかったが、暇だといって来てしまった以上そういうわけにもいかない。とりあえず、会話をしなくて済む映画に行くことにした。だが、その映画が思ったよりも短く、終わってもまだ帰るには早い時間だった。
美穂から「カラオケ行こ」と言われて、まあそれならあまり会話をしなくてすむと思い、行くことにした。
カラオケは好きでも嫌いでもないが、DAMの精密採点で90点以上は軽く出せるくらいには歌は下手でない。俺はテキトーに流行りの曲を歌っていたが、なんだか美穂の様子がソワソワしている。
交互に歌っていく中、俺の5曲目くらいで美穂が急に俺のすぐ隣まで近づいてきた。それまでは人2人分くらいは離れていた。近い。近すぎる。
すると美穂は俺の膝に倒れかかってきて、腕を俺の腰に巻きつけてきた。俺はあわてて振り払おうとするが、女の子相手だから強くはできない。
「壮太そのまま歌っててよ」
俺は驚きのあまり、それ以上体が動かない。
「やめて」
と小声で言うが、向こうは聞く素振りを見せない。
「手こきカラオケしてあげるよ。男の子だからそういうの好きでしょ」
美穂の片方の手が俺の制服のズボンのチャックを開けようと股間を弄ってくる。俺は歌うのをやめ、慌てて制止する。
すると、チャックを開けるのは諦めたが、スボンの上から俺のアソコを触ってきた。
「壮太くんの大きいって小学生の時言われてたの知ってるよ。気持ちよくしてあげるね」
数秒間は身動きが取れなかったが、さすがにそんなことをされたため強めに振り払った。
まだ今何が起きているのか理解できていない。
「そんな恥ずかしがんなくてもいいのに。同じ学校の子から壮太がエロいっての聞いてるよ。振られてからも壮太のことずっと想ってたんだよ。私が初めての相手になりたいって」
といって美穂は制服の胸元を開けて下着を見せて俺にそこを押し当てようとしてきた。身の危険を感じた。俺は持っていた5千円札を投げ捨てて、咄嗟に逃げた。
怖かった。恥ずかしかった。悲しかった。小学校の時も俺の性器を気にしていたことは知っているが、まだそういう目で見られていたと思うと気分が悪い。美穂は普段はとてもいい子である。だが、今日はすごくおかしい。たとえ俺のことを想ってくれているからだとしても、流石に俺には受け入れられなかった。俺はゲイだ。どうあがいても彼女を好きになることはない。
家に帰ってから色々考えさせられた。彼女が俺にやってきた行為は俺にとってはトラウマものである。だが、それと同じようなことを俺も好きな男の子にやってきているなと。そう考えるとあまり責めることもできない。
これから美穂にあったらどうしようか。俺を嵌めた同級生には何て言えばいいのかとか。余計なことだがとても大きな悩みのタネができてしまった。
まずは、年明けの新人戦で初のベスト4を達成したい。去年地方大会で負けてからずっとそれをモチベーションにしてきたし、みんなもそれを目標に試合のない期間もやる気を持ち続けてきてくれている。涼介も約束を覚えていてくれており、準々決勝は絶対観に行くと言ってくれている。彼自身の部活の予定的にも当日はこれそうだ。
実際今年は強い。もともとテクニックのある選手は多かったが、体づくりも自主的にみんなやってくれてフィジカルレベルも上がっている。
最たる例が一輝で、彼は体が弱くて中学の時はベンチだったが、今は体幹も強くなり間違いなくレギュラーだ。
「一輝体強くなったよね」
「やっぱあの試合が悔しかったから、俺も進化したかった」
「いよいよ新人戦だし頑張ろう」
「うん。もう壮太だけに背負わせないから」
彼はピッチ内外でとても信頼のできる人間だ。こんな彼と友人になれてとてもありがたい。
その翌日の土曜授業の後に俺は午後1のコマで塾に行った。この日は振り替え授業でいつもと違う時間に受けたが、美穂とまた一緒になった。
その日の授業後、同じ塾の陸上部の同級生から急な誘いを受けた。
「この後、女の子と遊びに行くんだけど、お前も来てよ」
「は?行かないわ」
「もう来るって言っちゃたんだよ。向こう2人で男も2人いなきゃ変だろ。片方お前の女だし」
"お前の女"とは美穂のことを指しているのは明らかである。俺は絶対に嫌だったが、結局その子に懇願され、半ば無理やりに連れていかれた。
最初4人でゲームセンター行ったがすぐに、
「あ、やばい親に帰ってこいって言われた」
とその陸上部が言い出した。冗談じゃないと俺は思っていたら、
「あ、私も帰んないと」
と言って女の子も帰ってしまう。
その時全てを察した。女の子に興味なさそうなそいつが、急に遊ぶと言いだしたのは変だとは思っていた。完全に俺は嵌められたのだ。美穂と俺を2人きりにするために。
「2人帰っちゃったね。でもせっかくだから遊ぼ!」
俺は一刻も早く帰りたかったが、暇だといって来てしまった以上そういうわけにもいかない。とりあえず、会話をしなくて済む映画に行くことにした。だが、その映画が思ったよりも短く、終わってもまだ帰るには早い時間だった。
美穂から「カラオケ行こ」と言われて、まあそれならあまり会話をしなくてすむと思い、行くことにした。
カラオケは好きでも嫌いでもないが、DAMの精密採点で90点以上は軽く出せるくらいには歌は下手でない。俺はテキトーに流行りの曲を歌っていたが、なんだか美穂の様子がソワソワしている。
交互に歌っていく中、俺の5曲目くらいで美穂が急に俺のすぐ隣まで近づいてきた。それまでは人2人分くらいは離れていた。近い。近すぎる。
すると美穂は俺の膝に倒れかかってきて、腕を俺の腰に巻きつけてきた。俺はあわてて振り払おうとするが、女の子相手だから強くはできない。
「壮太そのまま歌っててよ」
俺は驚きのあまり、それ以上体が動かない。
「やめて」
と小声で言うが、向こうは聞く素振りを見せない。
「手こきカラオケしてあげるよ。男の子だからそういうの好きでしょ」
美穂の片方の手が俺の制服のズボンのチャックを開けようと股間を弄ってくる。俺は歌うのをやめ、慌てて制止する。
すると、チャックを開けるのは諦めたが、スボンの上から俺のアソコを触ってきた。
「壮太くんの大きいって小学生の時言われてたの知ってるよ。気持ちよくしてあげるね」
数秒間は身動きが取れなかったが、さすがにそんなことをされたため強めに振り払った。
まだ今何が起きているのか理解できていない。
「そんな恥ずかしがんなくてもいいのに。同じ学校の子から壮太がエロいっての聞いてるよ。振られてからも壮太のことずっと想ってたんだよ。私が初めての相手になりたいって」
といって美穂は制服の胸元を開けて下着を見せて俺にそこを押し当てようとしてきた。身の危険を感じた。俺は持っていた5千円札を投げ捨てて、咄嗟に逃げた。
怖かった。恥ずかしかった。悲しかった。小学校の時も俺の性器を気にしていたことは知っているが、まだそういう目で見られていたと思うと気分が悪い。美穂は普段はとてもいい子である。だが、今日はすごくおかしい。たとえ俺のことを想ってくれているからだとしても、流石に俺には受け入れられなかった。俺はゲイだ。どうあがいても彼女を好きになることはない。
家に帰ってから色々考えさせられた。彼女が俺にやってきた行為は俺にとってはトラウマものである。だが、それと同じようなことを俺も好きな男の子にやってきているなと。そう考えるとあまり責めることもできない。
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