男の性春

はりお

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最終章 性の行方(高校1年編)

5-13 激震

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その数日後になって、少しは俺と美穂の噂に関するイジりも落ち着いてきてはいた。
その日も普段どおり涼介に話しかけにいくと何だか様子がおかしい。いつもなら、俺が彼の席に近づくと"また来たのかよ、何の用?"というような顔で俺を迎えてくれるが、今日はその素振りがない。
だが、俺は普通に話しかけた。
「英語の課題わかんないとこあるんだけど教えてくれない?」
いつもなら勉強のことであればすぐに食いついてくれる。だが、彼は応答しない。"シカト"されているのだ。話題を変えて話しかけても無視が続く。
昨日までは仲良く喋っていたのに急すぎる。意味がわからない。前日の行動を振り返ったがなんか無視されるのに思い当たるふしはなかった。
ショックだった。無視ということは自分を存在しないものとして見なされることである。大好きな人にそんなことをされるときつい。授業中もずっとそのことで集中できなかった。
昼休みに涼介と同じ卓球部の米田に会った。
「さっき涼介に会ったけど、お前今日から無視されてるんだって?」
彼は面白そうに話してきた。涼介がなんて言っていたのか彼に聞いたところ、「ずーっとセクハラされてて鬱陶しくなったから」と言っていたそうだ。
何か特定の俺の行動が悪かったわけではないようだ。今までの積み重ねだ。それなら文句も言いようがない。
実際俺は涼介に度重なるセクハラをしてきたのは事実だ。俺の場合それで性欲を満たしていた面もある。そう考えると、俺がこの前美穂にやられたことを毎日のように俺は涼介にやってきたのだ。特に最近は涼介への愛情が増すに比例して、彼への性的な接触もどんどん増していた。そんなことをされていたら確かに耐えられないであろう。

その日はあの美穂とのエピソードがあって以来の塾だった。俺は涼介に無視されたショックもありかなり苛ついている。俺が教室に入ると俺の学校と美穂の学校の生徒の双方がこっちを向いてザワザワとしてきたが、俺は表情を変えずに美穂と一番離れた席に座った。
授業後すぐ美穂が明らかに俺の方に向かってきたが、それを目も合わせずにガン無視してさっさと俺は帰った。その様子を見て周りは驚いている。
だが、駅のホームで電車を待っていると走ってきた美穂に追いつかれてしまった。
「壮太はやいよ~。ちょっとこの前驚かせちゃってごめんね」
「何で人にペラペラ話してんだよ」
「2人でカラオケ行ったって話したらみんなが色々聞いてきて。少し『そういう雰囲気になった』って話したらみんなが盛って噂にしちゃって」
「『そういう雰囲気』って何だよ。美穂が勝手にやってきただけだろ。俺は好きでもない人にやられて嫌だった」
キッパリと俺は言った。本当はこんな言い方をしたくなかった。だがこれ以上美穂に気を持たれ続けるのもお互いにとって良くないだろう。
美穂はその場で泣き出したが、俺は無視してそこから少し離れた車両の電車に乗って帰路についた。女の子を泣かせたことに一抹の罪悪感を抱えながらも俺はそうする以外に考えがなかった。
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