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最終章 性の行方(高校1年編)
5-22 久々のデートにて…☆
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その日は日曜日にも関わらず朝早く起きた。朝8時半から涼介の地元の児童館で勉強をした。少しは勉強も追いついて来たため、特に数学などは涼介に教えられるくらいには取り戻せていた。13時頃までひたすら勉強をしてから俺らは昼食をとり、その後動物園に向かった。動物園は県立の公園の中にあり、結構な広さである。
「本当は女の子と行くはずだったのに俺なんかでごめんな」
「だからその子のことは好きじゃなかったっつーの」
動物園に行くのは小学校低学年の遠足以来である。少し大人になってから来ても案外楽しいものだ。
「あのゴリラ藤田みたいだな」
涼介はさっきから動物を見る度に"〇〇に似ている"と言って遊んでいる。じゃあ「俺は何に似ている?」って聞いたところ、「お前は顔整ってるから普通に人間。動物顔じゃない」と言われちょっと嬉しかった。
動物園を満喫した後は公園内の池でボートを漕いだり、グローブとボールを借りて広場でキャッチボールしたり、本当にデートをしてるかのような時間であった。
あんなこともあったし、ツンデレな面もあるが、やはり涼介は優しくてかわいい。ずっとこのまま時が止まればいいのにとも思った。
夕飯を近くの小洒落た喫茶店で済ませた後、夜の公園に戻り、少し階段を登ってたどり着く見晴らしのいい場所にあるベンチに2人で座った。俺は試合の時に仲直りをしたが、まだちゃんと謝れてはいなかった。
「今更だけどさ、色々嫌なことずっとしてきてごめんね」
「あ、何のこと?」
「いや、俺がずっとセクハラしてて。それだから口利いてくれなかったんでしょ?」
「あぁ、その話か。別にそれが理由で無視したわけじゃないよ。周りには面倒だからそう言ってたけど」
それを聞いて少しびっくりした。ずっとそうだと思って後悔していた。
「じゃあ何で俺のこと無視してたの?」
「うーん。まあ、壮太が女の子と遊んだというか、ちょっとエッチなことしたってきいて嫉妬したからかな?」
それを聞いて内心「は?」と思った。俺はどんだけ傷ついたと思ってるんだと言いたくなった。そんなしょうもない理由で無視までしたのかと。だがその気持ちを抑えて答えた。
「まじ?すまんな。結局俺には彼女なんてできてねーけど。まあ、それでお前も焦って彼女作ったのか。俺に負けたくないから」
涼介が一瞬返答するのを迷ったかのような表情をしたが、一呼吸置いてから再び口を開ける。
「いや、俺は女ができたお前に嫉妬したんじゃないよ。お前の女になった相手の子に嫉妬したんだよ」
そういって不敵な笑みを俺に向けてきた。
意味深な言葉だが、向こうに他意はないだろう。
「どういうことだよ?」
「俺が壮太の一番の友達でいたい、みたいな?なんかそれで嫌だったから無視したり、俺も好きじゃない女の子と付き合ってみた。壮太がちょっとは嫌がるかなと思って」
涼介の言う嫉妬と、俺が涼介の相手の女の子に抱いた嫉妬では意味合いが全然違うだろう。彼の嫉妬の意味は、たまにドラマとかで見るような親友に異性の恋人ができて嫉妬する学生のような感覚に違いない。そういうふうに自分では納得したつもりだった。だが、俺は素直に自分の思いを言った。
「ああ、俺も涼介に彼女ができたって聞いたときめちゃくちゃ嫉妬したよ。あのあとずっと落ち込んで、毎日が嫌になった。それでサッカーも不調になった」
「すまんすまん。元気なさそうだなとは思ったけどそれが理由だったんだ。何でそんなにだよ?」
俺はこれ以上言うべきか迷った。だが、なんか暗がりに浮かぶ涼介の顔を前にして改めて見つめると、涼介への愛おしさが急遽に増してきた。俺はやはり涼介のことが大好きだ。それに、最近は辛かった時期の反動で俺は少し浮き足立っている。妙に常に気分がいい。
なんだか自分の本当の思いを涼介に伝えたい衝動に強く駆られてしまった。涼介が俺のことを何とも思っていないにしても彼は俺の気持ちを馬鹿にしたり言いふらしたりはしないだろう。そんな子ならそもそも好きになっていない。また、ずっとこの気持ちを残りの高校生活の2年間抱えながら過ごすより、ここで吐き出して振られたほうがいい気がしてきた。一輝にカミングアウトした時もすごく心が軽くなった。
「おい、黙んないで何か…」
と涼介が言おうとした瞬間に俺は口を開いた。
「好きなやつに恋人ができるなんて耐えられなかった」
その言葉を聞いて涼介は驚いている。自分の耳を疑っているようだ。
「は?何て言った?」
「お前のことが大好きだからだよ。心の底から大大大好きなやつが誰かと付き合うなんて俺には耐えられるわけなんてなかったんだよ」
今周りに人は全くいない。俺はもう何とでもなれと思って彼の正面から抱きついてしまった。
中3のときに廊下で抱きついた時の何倍もの力で俺は抱き締めた。暫く彼は応答してくれなかった。こんなことしたらまた無視くらいはされるかもなんて考えたりもした。
しかし、彼のことを抱き締めていると何だか下の方に違和感を覚えた。彼の股のあたりにある少しばかり硬いものが俺の右脚の太腿あたりに当たっている。まさかとは思った。俺はそれが何かを確かめるために、そのあたりを手で触ってしまった。
「触んなよ気持ち悪い」
いつも俺がセクハラをする時に言われるのよりも何倍も柔らかい口調で涼介がそう言った。
「いや、ごめん」
「ああ、でもそういうことだよ」
「え?」
「俺も壮太のことずっと好きだったよ」
「本当は女の子と行くはずだったのに俺なんかでごめんな」
「だからその子のことは好きじゃなかったっつーの」
動物園に行くのは小学校低学年の遠足以来である。少し大人になってから来ても案外楽しいものだ。
「あのゴリラ藤田みたいだな」
涼介はさっきから動物を見る度に"〇〇に似ている"と言って遊んでいる。じゃあ「俺は何に似ている?」って聞いたところ、「お前は顔整ってるから普通に人間。動物顔じゃない」と言われちょっと嬉しかった。
動物園を満喫した後は公園内の池でボートを漕いだり、グローブとボールを借りて広場でキャッチボールしたり、本当にデートをしてるかのような時間であった。
あんなこともあったし、ツンデレな面もあるが、やはり涼介は優しくてかわいい。ずっとこのまま時が止まればいいのにとも思った。
夕飯を近くの小洒落た喫茶店で済ませた後、夜の公園に戻り、少し階段を登ってたどり着く見晴らしのいい場所にあるベンチに2人で座った。俺は試合の時に仲直りをしたが、まだちゃんと謝れてはいなかった。
「今更だけどさ、色々嫌なことずっとしてきてごめんね」
「あ、何のこと?」
「いや、俺がずっとセクハラしてて。それだから口利いてくれなかったんでしょ?」
「あぁ、その話か。別にそれが理由で無視したわけじゃないよ。周りには面倒だからそう言ってたけど」
それを聞いて少しびっくりした。ずっとそうだと思って後悔していた。
「じゃあ何で俺のこと無視してたの?」
「うーん。まあ、壮太が女の子と遊んだというか、ちょっとエッチなことしたってきいて嫉妬したからかな?」
それを聞いて内心「は?」と思った。俺はどんだけ傷ついたと思ってるんだと言いたくなった。そんなしょうもない理由で無視までしたのかと。だがその気持ちを抑えて答えた。
「まじ?すまんな。結局俺には彼女なんてできてねーけど。まあ、それでお前も焦って彼女作ったのか。俺に負けたくないから」
涼介が一瞬返答するのを迷ったかのような表情をしたが、一呼吸置いてから再び口を開ける。
「いや、俺は女ができたお前に嫉妬したんじゃないよ。お前の女になった相手の子に嫉妬したんだよ」
そういって不敵な笑みを俺に向けてきた。
意味深な言葉だが、向こうに他意はないだろう。
「どういうことだよ?」
「俺が壮太の一番の友達でいたい、みたいな?なんかそれで嫌だったから無視したり、俺も好きじゃない女の子と付き合ってみた。壮太がちょっとは嫌がるかなと思って」
涼介の言う嫉妬と、俺が涼介の相手の女の子に抱いた嫉妬では意味合いが全然違うだろう。彼の嫉妬の意味は、たまにドラマとかで見るような親友に異性の恋人ができて嫉妬する学生のような感覚に違いない。そういうふうに自分では納得したつもりだった。だが、俺は素直に自分の思いを言った。
「ああ、俺も涼介に彼女ができたって聞いたときめちゃくちゃ嫉妬したよ。あのあとずっと落ち込んで、毎日が嫌になった。それでサッカーも不調になった」
「すまんすまん。元気なさそうだなとは思ったけどそれが理由だったんだ。何でそんなにだよ?」
俺はこれ以上言うべきか迷った。だが、なんか暗がりに浮かぶ涼介の顔を前にして改めて見つめると、涼介への愛おしさが急遽に増してきた。俺はやはり涼介のことが大好きだ。それに、最近は辛かった時期の反動で俺は少し浮き足立っている。妙に常に気分がいい。
なんだか自分の本当の思いを涼介に伝えたい衝動に強く駆られてしまった。涼介が俺のことを何とも思っていないにしても彼は俺の気持ちを馬鹿にしたり言いふらしたりはしないだろう。そんな子ならそもそも好きになっていない。また、ずっとこの気持ちを残りの高校生活の2年間抱えながら過ごすより、ここで吐き出して振られたほうがいい気がしてきた。一輝にカミングアウトした時もすごく心が軽くなった。
「おい、黙んないで何か…」
と涼介が言おうとした瞬間に俺は口を開いた。
「好きなやつに恋人ができるなんて耐えられなかった」
その言葉を聞いて涼介は驚いている。自分の耳を疑っているようだ。
「は?何て言った?」
「お前のことが大好きだからだよ。心の底から大大大好きなやつが誰かと付き合うなんて俺には耐えられるわけなんてなかったんだよ」
今周りに人は全くいない。俺はもう何とでもなれと思って彼の正面から抱きついてしまった。
中3のときに廊下で抱きついた時の何倍もの力で俺は抱き締めた。暫く彼は応答してくれなかった。こんなことしたらまた無視くらいはされるかもなんて考えたりもした。
しかし、彼のことを抱き締めていると何だか下の方に違和感を覚えた。彼の股のあたりにある少しばかり硬いものが俺の右脚の太腿あたりに当たっている。まさかとは思った。俺はそれが何かを確かめるために、そのあたりを手で触ってしまった。
「触んなよ気持ち悪い」
いつも俺がセクハラをする時に言われるのよりも何倍も柔らかい口調で涼介がそう言った。
「いや、ごめん」
「ああ、でもそういうことだよ」
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「俺も壮太のことずっと好きだったよ」
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