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5. くすぐったいけど気持ちいい? きゅんきゅんなんてしてないし!
しおりを挟むはじめは優しく食むように。シャツの上からカリッと甘噛みをされると、ぞくぞくむずむずした感覚が腰のあたりから広がってくる。
「やっ、くすぐった……っ」
「擽ったいなら大丈夫。だんだん気持ちいいに変わるからね~」
嬉々とした様子を隠そうともせず、ボタンを外しているサイは、むず痒さに身を捩る僕を宥めながら、直接の愛撫を施し始める。
ちゅ、ちゅぱっ、ちゅ、ちゅっ
「ん、ふ、ふふふ……っ」
まるで膨らみのない胸の突起に、音を鳴らしながらサイが吸い付いている光景が、なんだか滑稽に思えてきて。擽ったさと相まって僕の口からは笑いが溢れてしまった。
なんだか可愛いなぁ、なんて思うほど余裕があったのも束の間。
ぬちゅ、ぐち、ぐちゅ、ぐりり……っ
「あっ、は……はぁう……っ♡」
後孔に差し入れられた指がバラバラと動き出し、激しく抽送を開始した。
「んんっあ! あっ? 待って、止まって……っ」
まったりとした空気から一変して、何かを探すようにお尻の中ぐるりと旋回した指が、ある一点を掠めると僕の身体が大きく跳ねる。
「ここ?」
「あ! あぁんっ! そこ、や、あ、あぁんっ……♡」
「ここが気持ちいいの? あー、いい顔するなぁ……」
にゅちっ、にゅちっ、にゅちっ、
ぐちゅ、ぐぽっ、くぷぷ……
「このまま三本目も挿れてみよっか」
「ひぅ……っ!」
既にいっぱいいっぱいだったのに、遠慮なしに足される三本目の指。
さすがに動かす余裕もないくらいギチギチに食い締めてしまい、先ほどまで翻弄されていた快感の濁流はおさまったものの、別の苦しさに喉を喘がせた。
「く、くるし……」
「ん~ごめんねぇ。でも俺のちんちん挿れるなら、最低でも三本は入らないと無理だから」
「やだ、もぉやだ……」
いろんな感情がごちゃ混ぜになって、自然と涙が零れてしまう。サイは流れ落ちる雫を掬うように、ちゅっ、ちゅ、と優しいキスを繰り返しながら、空いているもう一方の手で緩やかに腰を撫でてくる。
「大丈夫。リタちゃんのお尻、切れずに上手に咥えてるよ」
すり…っと、引き伸ばされている後孔の縁をなぞり、にっこりと艶美に笑う。
「もうちょっとだけ、こうしてようね」
「……ん、ん♡」
再び優しくねっとりとしたキスが繰り返され、僕の意識はお尻から少しずつ遠のいていく。
キスは好き。
あったかくて、きもちよくて、ぼーっとしちゃうから。
夢中になって吸い付いていると、苦しさを忘れた腰がゆるゆると、僅かに快楽を求めて揺らめいてしまう。
「ふふ、だんだん指じゃ物足りなくなってきた? リタちゃん腰動いてる」
「やっ♡ ちが……っ♡」
「違うの? ちんちんも勃起しちゃってるのに」
「あぅっ♡」
薄く繁った体毛が濡れてしまうほど、溢れ出ている先走りを塗り込めるように、サイの指先がぐりゅぅっ、と僕の陰茎を擦る。
「そろそろ大丈夫かな」
「はぁっ、は……っ、ん♡」
指を引き抜かれると、否が応でも身体がビクンと震えてしまう。突然咥えていたものがなくなって、不自然に後孔がくぱくぱと開閉していることを理解すると、顔に血がのぼるのを感じた。
そして、恥ずかしさに顔を伏せていた僕は、サイが何をしようとしているのか、気付くことが出来なかったのだ。
ぐぷ……っ
後孔に今までにないほどの熱を感じて振り返れば、僕のものとは比べ物にならないくらい、大きくそそり立ったサイの陰茎が、今まさに僕のお尻に突き入れられようとしていて……。
「ま、待って……! やっぱりだめっ」
「ん? なんで?」
「えっ!? な、なんでって……」
まさか理由を問われるとは思っていなかった。
確かにさっきまでは、この方法が一番いいって思っていたのだけど、サイの陰茎の感触をリアルに感じた瞬間怖くなってしまったのだ。だけどなんとなくプライドが邪魔をして、素直に怖いと言うことが出来ず、もごもごと口籠ってしまう。
「俺はリタちゃんの中にちんちん挿れたいよ。だって、こんなトロトロでふわっふわなんだもん。絶対くそ気持ちいいに決まってんじゃん」
「あっ♡ ん……っ!」
僅かに含まされていた陰茎がずるっと滑り、後孔の入り口を先端で引っ掛けるように擦り上げられる。
にゅち、にゅっ、にゅち……
僕のお尻が濡れているのか、サイの先走りなのか。はたまたそのどちらものせいで、湿り気を帯びた音が響く。耳まで犯されるように思えて、弱々しく首を振る。
「や、や……っ」
「お腹の奥きゅんきゅんするでしょ? 指で届かなかったところ、これでたくさんゴリゴリしてあげるよ?」
そんなの全然求めてないっ。
たしかにさっきまでサイの指を三本も咥えていた後孔は、物足りないと言うかのように収斂を繰り返しているけど。
身体の奥がぽかぽかとして、何かを求めるみたいに疼くのだって、きっと気のせいに違いない。
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