サンタクロースのすすめ〜留年したくない僕とヤリチンチャラ男のサンタ学〜

つむぎみか

文字の大きさ
5 / 7

5. くすぐったいけど気持ちいい? きゅんきゅんなんてしてないし!

しおりを挟む


 はじめは優しく食むように。シャツの上からカリッと甘噛みをされると、ぞくぞくむずむずした感覚が腰のあたりから広がってくる。

「やっ、くすぐった……っ」
「擽ったいなら大丈夫。だんだん気持ちいいに変わるからね~」

 嬉々とした様子を隠そうともせず、ボタンを外しているサイは、むず痒さに身を捩る僕を宥めながら、直接の愛撫を施し始める。

 ちゅ、ちゅぱっ、ちゅ、ちゅっ

「ん、ふ、ふふふ……っ」

 まるで膨らみのない胸の突起に、音を鳴らしながらサイが吸い付いている光景が、なんだか滑稽に思えてきて。擽ったさと相まって僕の口からは笑いが溢れてしまった。
 なんだか可愛いなぁ、なんて思うほど余裕があったのも束の間。

 ぬちゅ、ぐち、ぐちゅ、ぐりり……っ

「あっ、は……はぁう……っ♡」

 後孔に差し入れられた指がバラバラと動き出し、激しく抽送を開始した。

「んんっあ! あっ? 待って、止まって……っ」

 まったりとした空気から一変して、何かを探すようにお尻の中ぐるりと旋回した指が、ある一点を掠めると僕の身体が大きく跳ねる。

「ここ?」
「あ! あぁんっ! そこ、や、あ、あぁんっ……♡」
「ここが気持ちいいの? あー、いい顔するなぁ……」

 にゅちっ、にゅちっ、にゅちっ、
 ぐちゅ、ぐぽっ、くぷぷ……

「このまま三本目も挿れてみよっか」
「ひぅ……っ!」

 既にいっぱいいっぱいだったのに、遠慮なしに足される三本目の指。
 さすがに動かす余裕もないくらいギチギチに食い締めてしまい、先ほどまで翻弄されていた快感の濁流はおさまったものの、別の苦しさに喉を喘がせた。

「く、くるし……」
「ん~ごめんねぇ。でも俺のちんちん挿れるなら、最低でも三本は入らないと無理だから」
「やだ、もぉやだ……」

 いろんな感情がごちゃ混ぜになって、自然と涙が零れてしまう。サイは流れ落ちる雫を掬うように、ちゅっ、ちゅ、と優しいキスを繰り返しながら、空いているもう一方の手で緩やかに腰を撫でてくる。

「大丈夫。リタちゃんのお尻、切れずに上手に咥えてるよ」

 すり…っと、引き伸ばされている後孔の縁をなぞり、にっこりと艶美に笑う。

「もうちょっとだけ、こうしてようね」
「……ん、ん♡」

 再び優しくねっとりとしたキスが繰り返され、僕の意識はお尻から少しずつ遠のいていく。

 キスは好き。
 あったかくて、きもちよくて、ぼーっとしちゃうから。

 夢中になって吸い付いていると、苦しさを忘れた腰がゆるゆると、僅かに快楽を求めて揺らめいてしまう。

「ふふ、だんだん指じゃ物足りなくなってきた? リタちゃん腰動いてる」
「やっ♡ ちが……っ♡」
「違うの? ちんちんも勃起しちゃってるのに」
「あぅっ♡」

 薄く繁った体毛が濡れてしまうほど、溢れ出ている先走りを塗り込めるように、サイの指先がぐりゅぅっ、と僕の陰茎を擦る。

「そろそろ大丈夫かな」
「はぁっ、は……っ、ん♡」

 指を引き抜かれると、否が応でも身体がビクンと震えてしまう。突然咥えていたものがなくなって、不自然に後孔がくぱくぱと開閉していることを理解すると、顔に血がのぼるのを感じた。

 そして、恥ずかしさに顔を伏せていた僕は、サイが何をしようとしているのか、気付くことが出来なかったのだ。

 ぐぷ……っ

 後孔に今までにないほどの熱を感じて振り返れば、僕のものとは比べ物にならないくらい、大きくそそり立ったサイの陰茎が、今まさに僕のお尻に突き入れられようとしていて……。

「ま、待って……! やっぱりだめっ」
「ん? なんで?」
「えっ!? な、なんでって……」

 まさか理由を問われるとは思っていなかった。

 確かにさっきまでは、この方法が一番いいって思っていたのだけど、サイの陰茎の感触をリアルに感じた瞬間怖くなってしまったのだ。だけどなんとなくプライドが邪魔をして、素直に怖いと言うことが出来ず、もごもごと口籠ってしまう。

「俺はリタちゃんの中にちんちん挿れたいよ。だって、こんなトロトロでふわっふわなんだもん。絶対くそ気持ちいいに決まってんじゃん」
「あっ♡ ん……っ!」

 僅かに含まされていた陰茎がずるっと滑り、後孔の入り口を先端で引っ掛けるように擦り上げられる。

 にゅち、にゅっ、にゅち……

 僕のお尻が濡れているのか、サイの先走りなのか。はたまたそのどちらものせいで、湿り気を帯びた音が響く。耳まで犯されるように思えて、弱々しく首を振る。

「や、や……っ」
「お腹の奥きゅんきゅんするでしょ? 指で届かなかったところ、これでたくさんゴリゴリしてあげるよ?」

 そんなの全然求めてないっ。

 たしかにさっきまでサイの指を三本も咥えていた後孔は、物足りないと言うかのように収斂を繰り返しているけど。
 身体の奥がぽかぽかとして、何かを求めるみたいに疼くのだって、きっと気のせいに違いない。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン大学生にナンパされているようですが、どうやらただのナンパ男ではないようです

市川
BL
会社帰り、突然声をかけてきたイケメン大学生。断ろうにもうまくいかず……

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

崖っぷちアイドルが、マネージャーと枕営業の練習をする話

はし
BL
崖っぷちアイドルが、初めての枕営業の練習をマネージャーとする話。 *他サイトにも投稿しています。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

処理中です...