美少年(腐)の僕は、イケメンかつ絶倫巨根を所望する

つむぎみか

文字の大きさ
11 / 17

10

しおりを挟む


 さて……放課後にえっちの約束は出来たものの、現在進行形でむらむらしているこの身体はどうしたものか。こんな状態で授業に出るのも難しいし、フラフラしていて変な相手に目を付けられても困る。

「とりあえず、保健室にでも逃げ込もうかな……」

 気分が優れない(発情)なのは嘘じゃないし、サボりじゃないよ!
 ここで保健室の先生も目当てのイケメンだったりすれば最高だったんだけど、残念ながら保健医のエリオット先生はちょっと苦手なタイプなんだよなぁ。なんていうか同類?

 見た目は優しそうで儚げな美人って感じなんだけど、僕を見る目が笑ってないというか……。一度偶然ドミニクとイチャイチャしている時に出くわしたことがあるんだけど、その時は視線だけで人を殺せそうだったもんなぁ。怖い怖い。
 僕のタイプも美人系より格好いい人が好きだから、エリオット先生は対象外なのが救いかな。好みの相手にあんな目で見られたら泣いちゃうもん。

 そんな事を考えながら歩いていたら、いつの間にか保健室まで辿り着いていた。僕は少しだけ具合の悪そうな演技を心がけて、保健室の扉をノックした。


 ――― コンコンコン。ガチャッ…

「失礼します。あのエリオット先生、体調が悪いので少し寝かせて……」

 そう言って部屋の中に入った僕が目にしたのは、とんでもない光景だった。


「……え、ドミニク……?」

「っ、ユーリ⁈」
「わぁっ! グ、グレンジャーくん……!」


 綺麗に整えられたベッドの上で、上半身だけ起こしたドミニクの上に跨るようにして乗り上げているエリオット先生。先生の白衣は乱れて胸元も大きく開いているし、ドミニクなんて上半身裸だ。
 何をしていたのか、いや、しようとしていたのかは一目瞭然で。僕はその現実が受け入れられずに、ぽかんと呆気にとられてしまっていた。

「ユーリ、これは違くて……エリオット先生が無理やり乗ってきて……!」
「ちょ、無理やりじゃないだろっ! さっきまでノリノリだったクセに!」
「いいからっ、先生は黙ってろよ!」

 二人からしたら突然の乱入者である僕に、さぞ驚いた事だろう。ドミニクは自分の上に乗っているエリオット先生を突き飛ばし、僕に対して言い訳を始めていた。
 この際どっちが誘ったとかなんでも良いけど、他の生徒が来るかもしれない場所でことに及ぼうとするなら、最低限鍵をかけるとかそこら辺の自衛はちゃんとして欲しいんだけど……。

 それにしてもドミニクは一体どういうつもりなんだ?僕も複数のイケメンと関係を持とうとしているので、相手に貞操観念を求めるつもりはないけれど、物事には順序というものがあるはずだ。男相手に勃つんなら、エリオット先生よりまず僕に手を出すべきなんじゃないの⁈

「……エリオット先生。申し訳ありませんが、ドミニクと二人にしてくれませんか? 彼とゆっくり話がしたいんです」
「えっ? う、うん……わかったよ……」

 ふつふつと湧き上がる怒りに、僕の口から出た言葉は平常時よりも随分と低い。その声色にびくりと身体を震わせるドミニクの事は一旦無視をして、エリオット先生に退室を願い出る。
 いざこれから、というところで出て行かなくてはいけないのは大層辛いことだろう。僕もその気持ち、すごい分かります……。しかし、今回は状況が状況なので分(ぶ)が悪いと思ったのか、エリオット先生は特に文句を言うこともなく、ただ名残惜しそうにドミニクを見ながら出て行った。

 パタン。と、扉の閉まる音が響く。
 居心地の悪い沈黙が室内を満たしていたが、その空気を壊すように僕からドミニクに問いかけた。

「ねぇドミニク……。エリオット先生と付き合ってるの?」
「い、いやっ! 付き合ってないよ……っ」
「でも、先生の事が好きなんだよね? えっちなこと、しようとしてたんだもん」

 それならそうと、早く言ってくれたらよかったのに。そうしたら僕だって、もっと早く諦めがついたはずだ。

 正直ドミニクはめちゃくちゃタイプだから、セックスできないのは物凄く残念だけど。もし他に好きな人がいるから僕に手が出せないって言うのなら、それはもうしょうがないと我慢するしかないのだ。

「……いつもお尻触ったりしてきたのは、僕のこと、揶揄ってたんだね……」

 思わず恨みがましいような台詞が溢れてしまったのは、許してほしい。だって期待しちゃってたんだもん!




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

寝てる間に××されてる!?

しづ未
BL
どこでも寝てしまう男子高校生が寝てる間に色々な被害に遭う話です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

学園の卒業パーティーで卒業生全員の筆下ろしを終わらせるまで帰れない保険医

ミクリ21
BL
学園の卒業パーティーで、卒業生達の筆下ろしをすることになった保険医の話。 筆下ろしが終わるまで、保険医は帰れません。

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

俺の指をちゅぱちゅぱする癖が治っていない幼馴染

海野
BL
 唯(ゆい)には幼いころから治らない癖がある。それは寝ている間無意識に幼馴染である相馬の指をくわえるというものだ。相馬(そうま)はいつしかそんな唯に自分から指を差し出し、興奮するようになってしまうようになり、起きる直前に慌ててトイレに向かい欲を吐き出していた。  ある日、いつもの様に指を唯の唇に当てると、彼は何故か狸寝入りをしていて…?

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

処理中です...