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side かもめ
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鳥飼かもめは気づいた。この世界が前世で愛読していた漫画『パラダイス☆ヒットマン』――『パラヒ』の世界に非常に酷似しているということを。つまり、かもめは己が異世界転生者らしいということにも気づいた。そしてその事実を――喜んだ。
前世のかもめはどこにでもいる女子高生のまま、なにか大それたものを手にすることも、何者かになることもなく死んだらしい。死の瞬間の記憶はあいまいで、それは今の世界で成長するにつれてさらにおぼろげなものになっていった。
いずれにせよ、かもめの人生が道半ばで終わったことだけはたしかだ。そのことを理解したかもめの心残りは色々あったが、もっとも強いものは、『パラヒ』の完結を見届けられなかったことだろう。話は最終章に入ったばかりで、次々に謎が明かされつつも、最終章らしく主人公が追い詰められながら、先が見えないストーリー展開に目が離せなかった。
かもめは『パラヒ』のファンだった。『パラヒ』は人工島である極楽島を舞台に、個性豊かな殺し屋たちが躍動するピカレスクロマン。ちょっと近未来SF要素が入っているところも好きだったが、なによりもキャラクターと、その強すぎる個性によって織りなされるストーリーが魅力だった。
中でもかもめが好きだったのは、海と陸の双子の殺し屋だ。飄々としたつかめない性格の海と、そんな海に振り回されがちな苦労人……だけど海よりもイカれている陸。まずビジュアルに惹かれて、作中では主人公の敵になったり味方になったりする立ち位置から描かれるその魅力にドハマりした。
もともと、かもめが「双子」という属性が好きだったこともあるが、それを差し引きしても海と陸のふたりは魅力にあふれていた。いや、あふれすぎていた。主人公を食うほどではないものの、『パラヒ』の二次創作界隈では一大勢力を築いていたことからも、海と陸の双子に魅力を感じたのはかもめだけではないということがわかる。
海と陸のことを「双子」とかもめが言ってはいるが、実は三つ子で、このふたりには姉がいた――ということが、最終章手前に挟まった過去回想から発覚。初登場時から作中でもファン界隈でも「双子」と呼ばれていたので、この情報は完全な不意打ちであった。
過去回想によれば、その姉の名前は空といって、双子とはあまり仲が良くなかったらしい。コロシの仕事に失敗して空が亡くなると、双子は「双子」として生きて行くことを決意し、現在に至る。それでも未だに姉に対して悔いがあるような描写があり、快楽主義者的面が強調されてきた双子の、今までに見たことのない一面に界隈は沸いた。もちろんかもめも。
意外と人間らしい情のある一面。そのギャップに、かもめはますます双子が好きになった。毎日アップロードされた夢小説をチェックして回るのを欠かさなかったし、SNS上でも結構活動的にやっていたほうのファンだ。
だがしかしかもめは死んだ。『パラヒ』の完結を見届けることなく死んだ。そして『パラヒ』によく似た世界に転生した。
それを確信したのは特に強い意志もなく進学した先の高校で、双子を見かけたからだ。びっくりした。それはもうびっくりした。白昼夢じゃないかと思ったが、双子は現実に存在していた。
かもめは沸き上がった。オタク心が、夢女子心が、大いに沸き立った。
けれど、最初はただ遠くから見ていたり、なんとはなしに噂を聞くだけでよかった。双子はあのビジュアルだったから、この世界でも目立っていたし、そこに惹かれる人間は大勢いるらしかった。かもめも、そんな大勢のひとり。そうわきまえていたからこそ、でしゃばったマネなどはしなかった。
正直に言えば双子に近づきたかった。彼女……とまではいかずとも、知り合いになってみたかった。漫画からだけではわからない、双子の一面を見てみたかった。
今世のかもめは幸いにも可愛い部類に入る女の子だ。けれどもかもめよりも可愛かったり、美人だったりする生徒も、双子に告白して玉砕したらしいという噂をちょくちょく聞く環境にあっては、さすがに勇気は出ない。
推しは遠くから見るだけでいい――。かもめは沸き上がる欲望を無視して、そう思うことでどうにか平静を保っていた。
だがかもめは出会ってしまった。双子の姉である空に。
第一印象は「地味」。漫画でもビジュアルは出ていたが、考え抜かれたキャラクターデザイン……とは違う、モブに近しい容姿だった。なので、口さがないファンは空のことを「ネームドモブ」などと呼んでいた。
そして現実にかもめの目の前を通り過ぎて行った空も、かもめが擦り切れるほどに『パラヒ』を読んでいなければ気づけなかっただろう、平々凡々な容姿であった。
空はかもめと同じ制服を着ていたから、双子と同じ高校に通っているのだろう。けれども双子に姉がいるという噂は耳にしたことがない。どうやら、モブモブしい見た目通り、学校でも空はモブの立ち位置なのだろう。
ちょうど迷惑なナンパをされているタイミングだったが、かもめの脳に天啓が降った。……この状況は、使えるのではないか、と。そして自画自賛をしたくなるほど、その計画は上手く行った。
「……ごめんなさい。わたしの好きな漫画のキャラクターの名前なんです。『空』って……。とっさに、それしか思い浮かばなくって……」
なぜ初対面の人間が己の名前を知っているのか空は疑問に思ったようだが、かもめが嘘と真実を混ぜて話せば、彼女はどうやらかもめの言い分を信じたようだった。
そしてかもめがテキトーに空を持ち上げるようなことを言えば、空はかもめに興味を抱いたようで、名前を聞いてくる。そうすればしめたもので、かもめは空と連絡先を交換することに成功した。
二番目に抱いた空への印象は、「つまんない子」だった。とにかく空と話していても面白いことがひとつもない。口下手で気を回すのもヘタ。どうやらかもめ以外に友人もいないらしいが、「さもありなん」といったところだ。とにかく社交性がなくて、こちらから色々と話していても反応も薄いので面白くない。
けれどもかもめは我慢した。空に取り入れば、いずれは双子と会える。それに、空は漫画通りなら現役の殺し屋なのだ。不興を買ってジ・エンドとは行きたくなかった。せっかく推しである双子のいる世界に転生できたのだ。せめて双子を至近距離でひと目見てから死にたかった。
そして空との「つまんない」時間を耐えた末に――かもめは双子と出会った。
豪雨に降られて濡れ鼠になってしまったかもめを見て、空が珍しく気を回してマンションに招いてくれたとき、「勝った」と思った。
そこから先はとんとん拍子だった。なぜか双子はかもめに興味を引かれたらしく、空を放置してかもめを質問攻めにした。しかも、ソファでかもめをあいだに挟んで、左右からアレコレと聞かれる。「天国はここにあった」とかもめは思った。
その後は夢見心地のふわふわとした気持ちのまま帰れた。かもめの脳裏からはもう、空の存在は吹っ飛んでいた。
家に帰って自室でスマートフォンの通知を見て、これから空との関係をどうするか考えた。つかず離れずの良好な関係を築いておけばこの先も無難だろう。……けれどもそんな気持ちもすぐにどこかへ行ってしまった。
あの豪雨の日以来、双子から連絡がくるようになったのだ。かもめはそれに舞い上がり、夢中になった。とにかく頻繁にメッセージがくるので、空のことを思い出すことは少なくなった。空が特になにも言ってこなかったこともあって、かもめはますます彼女のことを忘れて行った。
それでも空のことを思い出すときはある。
「あ~マンションには空もいるから……」
双子は、かもめがそれとなくマンションに行きたいと言っても、そう断るのだ。そのときばかりはかもめは空のことを思い出す。そして「ちょっと邪魔だな~」と思った。双子はどうも、身内にはそういう姿――つまり、異性といちゃついているところは見せたくないのだろう。双子は、そういう態度だった。
そのころにはかもめは双子と水族館デートをしていたし、もう「これは勝ちでしょ」と思っていた。なにに勝っているのかまではかもめにもわかってはいなかったが、「双子ルート入った」くらいの確信は抱いていた。
『かもめにきてほしいところがあるんだけど』
だから、陸からそんな連絡が入ったときも、かもめは一切警戒せず、呼び出しに応じた。
前世のかもめはどこにでもいる女子高生のまま、なにか大それたものを手にすることも、何者かになることもなく死んだらしい。死の瞬間の記憶はあいまいで、それは今の世界で成長するにつれてさらにおぼろげなものになっていった。
いずれにせよ、かもめの人生が道半ばで終わったことだけはたしかだ。そのことを理解したかもめの心残りは色々あったが、もっとも強いものは、『パラヒ』の完結を見届けられなかったことだろう。話は最終章に入ったばかりで、次々に謎が明かされつつも、最終章らしく主人公が追い詰められながら、先が見えないストーリー展開に目が離せなかった。
かもめは『パラヒ』のファンだった。『パラヒ』は人工島である極楽島を舞台に、個性豊かな殺し屋たちが躍動するピカレスクロマン。ちょっと近未来SF要素が入っているところも好きだったが、なによりもキャラクターと、その強すぎる個性によって織りなされるストーリーが魅力だった。
中でもかもめが好きだったのは、海と陸の双子の殺し屋だ。飄々としたつかめない性格の海と、そんな海に振り回されがちな苦労人……だけど海よりもイカれている陸。まずビジュアルに惹かれて、作中では主人公の敵になったり味方になったりする立ち位置から描かれるその魅力にドハマりした。
もともと、かもめが「双子」という属性が好きだったこともあるが、それを差し引きしても海と陸のふたりは魅力にあふれていた。いや、あふれすぎていた。主人公を食うほどではないものの、『パラヒ』の二次創作界隈では一大勢力を築いていたことからも、海と陸の双子に魅力を感じたのはかもめだけではないということがわかる。
海と陸のことを「双子」とかもめが言ってはいるが、実は三つ子で、このふたりには姉がいた――ということが、最終章手前に挟まった過去回想から発覚。初登場時から作中でもファン界隈でも「双子」と呼ばれていたので、この情報は完全な不意打ちであった。
過去回想によれば、その姉の名前は空といって、双子とはあまり仲が良くなかったらしい。コロシの仕事に失敗して空が亡くなると、双子は「双子」として生きて行くことを決意し、現在に至る。それでも未だに姉に対して悔いがあるような描写があり、快楽主義者的面が強調されてきた双子の、今までに見たことのない一面に界隈は沸いた。もちろんかもめも。
意外と人間らしい情のある一面。そのギャップに、かもめはますます双子が好きになった。毎日アップロードされた夢小説をチェックして回るのを欠かさなかったし、SNS上でも結構活動的にやっていたほうのファンだ。
だがしかしかもめは死んだ。『パラヒ』の完結を見届けることなく死んだ。そして『パラヒ』によく似た世界に転生した。
それを確信したのは特に強い意志もなく進学した先の高校で、双子を見かけたからだ。びっくりした。それはもうびっくりした。白昼夢じゃないかと思ったが、双子は現実に存在していた。
かもめは沸き上がった。オタク心が、夢女子心が、大いに沸き立った。
けれど、最初はただ遠くから見ていたり、なんとはなしに噂を聞くだけでよかった。双子はあのビジュアルだったから、この世界でも目立っていたし、そこに惹かれる人間は大勢いるらしかった。かもめも、そんな大勢のひとり。そうわきまえていたからこそ、でしゃばったマネなどはしなかった。
正直に言えば双子に近づきたかった。彼女……とまではいかずとも、知り合いになってみたかった。漫画からだけではわからない、双子の一面を見てみたかった。
今世のかもめは幸いにも可愛い部類に入る女の子だ。けれどもかもめよりも可愛かったり、美人だったりする生徒も、双子に告白して玉砕したらしいという噂をちょくちょく聞く環境にあっては、さすがに勇気は出ない。
推しは遠くから見るだけでいい――。かもめは沸き上がる欲望を無視して、そう思うことでどうにか平静を保っていた。
だがかもめは出会ってしまった。双子の姉である空に。
第一印象は「地味」。漫画でもビジュアルは出ていたが、考え抜かれたキャラクターデザイン……とは違う、モブに近しい容姿だった。なので、口さがないファンは空のことを「ネームドモブ」などと呼んでいた。
そして現実にかもめの目の前を通り過ぎて行った空も、かもめが擦り切れるほどに『パラヒ』を読んでいなければ気づけなかっただろう、平々凡々な容姿であった。
空はかもめと同じ制服を着ていたから、双子と同じ高校に通っているのだろう。けれども双子に姉がいるという噂は耳にしたことがない。どうやら、モブモブしい見た目通り、学校でも空はモブの立ち位置なのだろう。
ちょうど迷惑なナンパをされているタイミングだったが、かもめの脳に天啓が降った。……この状況は、使えるのではないか、と。そして自画自賛をしたくなるほど、その計画は上手く行った。
「……ごめんなさい。わたしの好きな漫画のキャラクターの名前なんです。『空』って……。とっさに、それしか思い浮かばなくって……」
なぜ初対面の人間が己の名前を知っているのか空は疑問に思ったようだが、かもめが嘘と真実を混ぜて話せば、彼女はどうやらかもめの言い分を信じたようだった。
そしてかもめがテキトーに空を持ち上げるようなことを言えば、空はかもめに興味を抱いたようで、名前を聞いてくる。そうすればしめたもので、かもめは空と連絡先を交換することに成功した。
二番目に抱いた空への印象は、「つまんない子」だった。とにかく空と話していても面白いことがひとつもない。口下手で気を回すのもヘタ。どうやらかもめ以外に友人もいないらしいが、「さもありなん」といったところだ。とにかく社交性がなくて、こちらから色々と話していても反応も薄いので面白くない。
けれどもかもめは我慢した。空に取り入れば、いずれは双子と会える。それに、空は漫画通りなら現役の殺し屋なのだ。不興を買ってジ・エンドとは行きたくなかった。せっかく推しである双子のいる世界に転生できたのだ。せめて双子を至近距離でひと目見てから死にたかった。
そして空との「つまんない」時間を耐えた末に――かもめは双子と出会った。
豪雨に降られて濡れ鼠になってしまったかもめを見て、空が珍しく気を回してマンションに招いてくれたとき、「勝った」と思った。
そこから先はとんとん拍子だった。なぜか双子はかもめに興味を引かれたらしく、空を放置してかもめを質問攻めにした。しかも、ソファでかもめをあいだに挟んで、左右からアレコレと聞かれる。「天国はここにあった」とかもめは思った。
その後は夢見心地のふわふわとした気持ちのまま帰れた。かもめの脳裏からはもう、空の存在は吹っ飛んでいた。
家に帰って自室でスマートフォンの通知を見て、これから空との関係をどうするか考えた。つかず離れずの良好な関係を築いておけばこの先も無難だろう。……けれどもそんな気持ちもすぐにどこかへ行ってしまった。
あの豪雨の日以来、双子から連絡がくるようになったのだ。かもめはそれに舞い上がり、夢中になった。とにかく頻繁にメッセージがくるので、空のことを思い出すことは少なくなった。空が特になにも言ってこなかったこともあって、かもめはますます彼女のことを忘れて行った。
それでも空のことを思い出すときはある。
「あ~マンションには空もいるから……」
双子は、かもめがそれとなくマンションに行きたいと言っても、そう断るのだ。そのときばかりはかもめは空のことを思い出す。そして「ちょっと邪魔だな~」と思った。双子はどうも、身内にはそういう姿――つまり、異性といちゃついているところは見せたくないのだろう。双子は、そういう態度だった。
そのころにはかもめは双子と水族館デートをしていたし、もう「これは勝ちでしょ」と思っていた。なにに勝っているのかまではかもめにもわかってはいなかったが、「双子ルート入った」くらいの確信は抱いていた。
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