5 / 22
(5)
しおりを挟む
「いでででででっ!」
リーダー格の男の、悲鳴にも似た声に釣られてか、徐々に周囲にひと――大部分が冒険者――が集まってくる。
迷宮の出入り口から近いために、ここはひとの往来が多い。
よって冒険者同士のいざこざは日常茶飯事で、少々の言い合いくらいではひとが集まってくることはない。
それでも若い男が、自分よりも背の低い小娘に腕をひねり上げられているさまは注目を集めた。
おまけに小娘のほう――ソガリは《六本指》の職員の制服を着ている。
迷宮都市の中心部にある大広場に面してギルドホールを構えている《六本指》のことを知らない冒険者は、この街にはいない。
ひとの声がまたひとを呼び、あっという間にカイたちは野次馬の冒険者たちに囲まれてしまった。
カイはソガリがリーダー格の男の腕をひねり上げるのを見て、一瞬だけあせった。
ソガリと男の体格差は明白だったからだ。
けれどもカイのそれは杞憂に終わった。
どうやらソガリは、見た目に反して思ったよりも力が強いらしい。
あるいは、魔法でも使えるのか。
いずれにせよ、リーダー格の男が何度か体をひねっても、ソガリの拘束を解くことは叶わなかった。
「暴力で解決しようだなんていけません!」
「お前がそれを言うのかよ」とカイは思ったし、周囲にいる野次馬たちもそう思っただろう。
しかしそれが火種となったのか、取り囲んでいる野次馬たちからささやかな笑い声が漏れ出した。
原野に放たれた火があっという間に燃え広がるように、野次馬たちに笑いが広がる。
「お、おい。もうあいつなんて放っておこうぜ!」
先に絡んできたのは男たちのほうだというのに、この言いぐさである。
どうやら予想外にひとが集まってきた上に、醜態を笑われたと感じたのだろう。
男たちは急にそわそわとしだして、この場から離れようとする。
「もう悪さしちゃいけませんよ!」
小さな子供に言って聞かせるようなソガリの言い方に、今度こそ周囲からはどっと大きな笑い声が上がった。
ソガリがリーダー格の男を解放すると、絡んできた男たちはそそくさとその場を立ち去る。
カイが男たちを引き留めなかったのは、もうその顔をすっかり覚えてしまったからだった。
加えて、救助した男が回復すれば、あの男たちの所業についての証言も取れるだろう。
男たちが持っているであろう、《六本指》が発行しているギルドカードは没収、ギルドホールへは出入り禁止となるに違いなかった。
《六本指》は、新米冒険者への手厚いサービスで名前を売っている面もある。
《六本指》の先代ギルドマスターがこの迷宮都市における冒険者稼業への参入障壁を下げたことには未だ賛否両論あるが、今ではどの冒険者ギルドも新米冒険者に対する補助サービスを提供しているのは事実。
《六本指》では特に初心者を食い物にするような行動はご法度なのだ。
ギルドマスターであるボスは、決して優しいだけの人物ではないから、厳しい処分が下されることは確定しているも同然だった。
「ダサいのはどっちだよ」と思いつつ、カイは男たちの背中を見送った。
「――で、なんでお前こんなところにまで来てんの?」
カイが救助した男を宿まで背負って送り届けたあと。
救助代金について後日《六本指》のギルドホールで手続きをするため、男から預かったギルドカードをギルド内の所定の保管場所にしまいつつ、カイはようやくその疑問を口にした。
「ちょうどお使いで。それにカイが帰ってくるの遅いなーって思って」
「……冒険者なんて乱暴者ばっかだし、クズも多いんだからあんま迷宮付近に近づくなよ」
ソガリがカイを呼び捨てにし、敬語もやめたのはカイがそれを望んだからだ。
――「カイ『さん』はやめろ、呼び捨てでいい。あと別に敬語使わなくていい。オレとお前とじゃ歳そんなに変わんねーだろ」
カイがそう言ったのは、ソガリに小説を貸し出して三冊目のときのことだった。
なんだかんだと小説の貸し借りをして、ついでに感想を言い合ったりしているうちに、カイとソガリはなんとなく気安い言葉を交わす間柄となっていた。
「っていうかカイ! 怪我してる! さっきの――」
「ちげーわ。これは迷宮内でついた傷」
「どっちにしても手当てしないと!」
そう言うや、ソガリは大急ぎでスタッフルームの棚にしまわれていた包帯やらガーゼやら軟膏やら小さなハサミやらを持ち出してくる。
そしてソガリはそのままカイの怪我の手当てをしようとしてきたので、カイはちょっとおどろいた。
「それくらい自分でできる」
と言ってカイは突っぱねようとしたが、
「いつも小説貸してくれるお礼だよ!」
と言ってソガリは包帯やハサミから手を離しはしなかった。
カイはこのまま押し問答をするのがめんどうくさくなり、ソガリに促されるままイスに腰を下ろした。
カイは、ソガリとの密かな付き合いの中で、彼女の性格についてなんとなく把握しだしていた。
いつもにこにこと笑顔で、コマネズミのように働いて、文句のひとつもこぼさない。
けれども優柔不断だったり、気の弱いところを感じたことは一度もなく、どちらかといえば頑固なほうという印象だ。
柔軟性がないわけではないのだが、荒くれの冒険者を前にしても一歩も引いたところを見せたことはない。
今だって、カイの怪我の手当てをするという意思を通してきた。
カイがちょっと嫌な顔をしても、だ。
ソガリのそんな態度は、時と場合によっては考えものだったが、カイは嫌悪感を抱きはしなかった。不思議なことに。
これまでのカイであれば、怪我の手当てを任せるだなんてことはしなかった。
他人に弱みを見せたり、借りを作るだなんて、カイには耐えられないことだからだ。
けれどもソガリはもう、カイがわざわざ公にしていない趣味――読書――を知っている。
だからだろうか。そこからもうひとつなにか弱みを握られても、今さらな気がしたし、そもそも能天気なソガリはそこにつけ込むようなことはしないだろう、という思いもあった。
「慣れてるな」
「あー、わたし怪我することが多くって」
慣れた手つきでカイの左腕に包帯を巻いて行くソガリを見る。
どこにでもいる女だ。カイと同じようにまだどこかあどけなさが残っていて、それから平凡な顔立ちの。
今は、真剣な表情でカイの怪我の手当てをしている。
以前までのカイであれば、強引に手当てをしようとする人間がいれば憎まれ口のひとつでも叩いただろう。
けれども今日は、そんな気にはなれなかった。
なんだか、こんな時間は嫌じゃない――。
カイはそんな心境の変化に戸惑いを覚えたが、それを顔に出すことはしなかった。
リーダー格の男の、悲鳴にも似た声に釣られてか、徐々に周囲にひと――大部分が冒険者――が集まってくる。
迷宮の出入り口から近いために、ここはひとの往来が多い。
よって冒険者同士のいざこざは日常茶飯事で、少々の言い合いくらいではひとが集まってくることはない。
それでも若い男が、自分よりも背の低い小娘に腕をひねり上げられているさまは注目を集めた。
おまけに小娘のほう――ソガリは《六本指》の職員の制服を着ている。
迷宮都市の中心部にある大広場に面してギルドホールを構えている《六本指》のことを知らない冒険者は、この街にはいない。
ひとの声がまたひとを呼び、あっという間にカイたちは野次馬の冒険者たちに囲まれてしまった。
カイはソガリがリーダー格の男の腕をひねり上げるのを見て、一瞬だけあせった。
ソガリと男の体格差は明白だったからだ。
けれどもカイのそれは杞憂に終わった。
どうやらソガリは、見た目に反して思ったよりも力が強いらしい。
あるいは、魔法でも使えるのか。
いずれにせよ、リーダー格の男が何度か体をひねっても、ソガリの拘束を解くことは叶わなかった。
「暴力で解決しようだなんていけません!」
「お前がそれを言うのかよ」とカイは思ったし、周囲にいる野次馬たちもそう思っただろう。
しかしそれが火種となったのか、取り囲んでいる野次馬たちからささやかな笑い声が漏れ出した。
原野に放たれた火があっという間に燃え広がるように、野次馬たちに笑いが広がる。
「お、おい。もうあいつなんて放っておこうぜ!」
先に絡んできたのは男たちのほうだというのに、この言いぐさである。
どうやら予想外にひとが集まってきた上に、醜態を笑われたと感じたのだろう。
男たちは急にそわそわとしだして、この場から離れようとする。
「もう悪さしちゃいけませんよ!」
小さな子供に言って聞かせるようなソガリの言い方に、今度こそ周囲からはどっと大きな笑い声が上がった。
ソガリがリーダー格の男を解放すると、絡んできた男たちはそそくさとその場を立ち去る。
カイが男たちを引き留めなかったのは、もうその顔をすっかり覚えてしまったからだった。
加えて、救助した男が回復すれば、あの男たちの所業についての証言も取れるだろう。
男たちが持っているであろう、《六本指》が発行しているギルドカードは没収、ギルドホールへは出入り禁止となるに違いなかった。
《六本指》は、新米冒険者への手厚いサービスで名前を売っている面もある。
《六本指》の先代ギルドマスターがこの迷宮都市における冒険者稼業への参入障壁を下げたことには未だ賛否両論あるが、今ではどの冒険者ギルドも新米冒険者に対する補助サービスを提供しているのは事実。
《六本指》では特に初心者を食い物にするような行動はご法度なのだ。
ギルドマスターであるボスは、決して優しいだけの人物ではないから、厳しい処分が下されることは確定しているも同然だった。
「ダサいのはどっちだよ」と思いつつ、カイは男たちの背中を見送った。
「――で、なんでお前こんなところにまで来てんの?」
カイが救助した男を宿まで背負って送り届けたあと。
救助代金について後日《六本指》のギルドホールで手続きをするため、男から預かったギルドカードをギルド内の所定の保管場所にしまいつつ、カイはようやくその疑問を口にした。
「ちょうどお使いで。それにカイが帰ってくるの遅いなーって思って」
「……冒険者なんて乱暴者ばっかだし、クズも多いんだからあんま迷宮付近に近づくなよ」
ソガリがカイを呼び捨てにし、敬語もやめたのはカイがそれを望んだからだ。
――「カイ『さん』はやめろ、呼び捨てでいい。あと別に敬語使わなくていい。オレとお前とじゃ歳そんなに変わんねーだろ」
カイがそう言ったのは、ソガリに小説を貸し出して三冊目のときのことだった。
なんだかんだと小説の貸し借りをして、ついでに感想を言い合ったりしているうちに、カイとソガリはなんとなく気安い言葉を交わす間柄となっていた。
「っていうかカイ! 怪我してる! さっきの――」
「ちげーわ。これは迷宮内でついた傷」
「どっちにしても手当てしないと!」
そう言うや、ソガリは大急ぎでスタッフルームの棚にしまわれていた包帯やらガーゼやら軟膏やら小さなハサミやらを持ち出してくる。
そしてソガリはそのままカイの怪我の手当てをしようとしてきたので、カイはちょっとおどろいた。
「それくらい自分でできる」
と言ってカイは突っぱねようとしたが、
「いつも小説貸してくれるお礼だよ!」
と言ってソガリは包帯やハサミから手を離しはしなかった。
カイはこのまま押し問答をするのがめんどうくさくなり、ソガリに促されるままイスに腰を下ろした。
カイは、ソガリとの密かな付き合いの中で、彼女の性格についてなんとなく把握しだしていた。
いつもにこにこと笑顔で、コマネズミのように働いて、文句のひとつもこぼさない。
けれども優柔不断だったり、気の弱いところを感じたことは一度もなく、どちらかといえば頑固なほうという印象だ。
柔軟性がないわけではないのだが、荒くれの冒険者を前にしても一歩も引いたところを見せたことはない。
今だって、カイの怪我の手当てをするという意思を通してきた。
カイがちょっと嫌な顔をしても、だ。
ソガリのそんな態度は、時と場合によっては考えものだったが、カイは嫌悪感を抱きはしなかった。不思議なことに。
これまでのカイであれば、怪我の手当てを任せるだなんてことはしなかった。
他人に弱みを見せたり、借りを作るだなんて、カイには耐えられないことだからだ。
けれどもソガリはもう、カイがわざわざ公にしていない趣味――読書――を知っている。
だからだろうか。そこからもうひとつなにか弱みを握られても、今さらな気がしたし、そもそも能天気なソガリはそこにつけ込むようなことはしないだろう、という思いもあった。
「慣れてるな」
「あー、わたし怪我することが多くって」
慣れた手つきでカイの左腕に包帯を巻いて行くソガリを見る。
どこにでもいる女だ。カイと同じようにまだどこかあどけなさが残っていて、それから平凡な顔立ちの。
今は、真剣な表情でカイの怪我の手当てをしている。
以前までのカイであれば、強引に手当てをしようとする人間がいれば憎まれ口のひとつでも叩いただろう。
けれども今日は、そんな気にはなれなかった。
なんだか、こんな時間は嫌じゃない――。
カイはそんな心境の変化に戸惑いを覚えたが、それを顔に出すことはしなかった。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた
鳥羽ミワ
恋愛
ロゼ=ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。
幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼はもう二十を過ぎているのに、いまだ縁談のひとつも来ていないのだ。
焦ったロゼはどこでもいいから嫁ごうとするものの、行く先々にエドガーが現れる。
このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。気づかないロゼ。構わず迫るエドガー。
エドガーはありとあらゆるギリギリ世間の許容範囲(の外)の方法で外堀を埋めていく。
「パーティーのパートナーは俺だけだよ。俺以外の男の手を取るなんて許さない」
「お茶会に行くんだったら、ロゼはこのドレスを着てね。古いのは全部処分しておいたから」
「アクセサリー選びは任せて。俺の瞳の色だけで綺麗に飾ってあげるし、もちろん俺のネクタイもロゼの瞳の色だよ」
ちょっと抜けてる真面目酒カス令嬢が、シスコン義弟に溺愛される話。
※この話はカクヨム様、アルファポリス様、エブリスタ様にも掲載されています。
※レーティングをつけるほどではないと判断しましたが、作中性的ないやがらせ、暴行の描写、ないしはそれらを想起させる描写があります。
課長と私のほのぼの婚
藤谷 郁
恋愛
冬美が結婚したのは十も離れた年上男性。
舘林陽一35歳。
仕事はできるが、ちょっと変わった人と噂される彼は他部署の課長さん。
ひょんなことから交際が始まり、5か月後の秋、気がつけば夫婦になっていた。
※他サイトにも投稿。
※一部写真は写真ACさまよりお借りしています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる