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カイは、間違っても《六本指》を利用する冒険者と親しくした覚えはない。
むしろそういったことは徹底的に避けて、おおむね事務的な態度を貫き通してきた。
それでも、なにか見当違いに勘違いしてカイに馴れ馴れしく接してきたり、秋波を送ってくる者もいる。
今、カイに絡んできた少し酒に酔った様子の女冒険者もそうだ。
カイの態度のどこに引っかかったのかはさっぱり知れないのだが、カイを見つけると必ず声をかけてくる。
それだけならばまだ事務的に挨拶を返すだけだ。
問題は、断ってもしつこくパーティに入らないかだとか、いっしょに出かけないかだとか言ってくるところだった。
どのように誘われたとて、カイは断るだけだ。
たとえ相手がどれほどの美女であったとしても、カイはお断りだった。
困ったことに、こういった冒険者は――というか人物は、男女問わずいる。
特にカイは救助依頼を多くこなす。
するとカイに助けられただけで、好意を向けてくる人間も出てくる。
カイに絡んできた女冒険者もそうだ。
過去に一度、たった一度だけ助けた覚えはもちろんカイにもあったが、それだけでしつこく誘われるようになったのだから、たまったものではない。
しつこくて、詮索屋で、遠慮のない距離の詰め方も、ハッキリ言って好きではない――。
カイが割り切った関係を心がけていても、それを望まない相手もいる。
だがカイは己の態度を改めるつもりは一切なかった。
「新入りですんで」
絡んできた女冒険者に対し、カイはそっけなく言葉を返す。
それで話を切り上げて、職員用の休憩室へ向かうつもりだった。
しかしカイのそんな態度にじれたのか、はたまた腹を立てたのか、女冒険者は嫌味っぽく言う。
「あんな能天気そうな女の子になびいて……前はそんなやつじゃなかったじゃない」
カイはとっさに口元まで出かかった言葉を呑み込んだ。
『お前はオレのなにを知ってるんだよ』
『お前はアイツのなにを知ってるんだよ』
……結局のところ、《六本指》にとって冒険者は「お客様」である。
冒険者ギルドは、利用する冒険者がいなければ成り立たない商売だ。
カイももちろん、それをよくわかっている。
わかっているからこそ、腹が立った気持ちを腹の中にそのまま収めて、言葉を呑み込んだのだ。
それでも心の中で「知ったかぶり女」と罵る。
「……用がおありでしたらカウンターへドウゾ」
カイはどうにかその言葉だけ絞り出して、決して胸中を悟られないような声音で言い置き、ギルドホールをあとにする。
気持ちがささくれ立って、不愉快だった。
大股で走るようにして休憩室ではなく職員寮の自室に向かい、乱暴に扉を開いて、閉じる。
こんなに腹が立ったのは久しぶりだった。
やはり、惚れた腫れたなんて馬鹿らしい――。
その思いを強めたカイだったが、次に頭に浮かんだのは、「能天気そうに」笑うソガリの顔だった。
ソガリはたしかに能天気そうに笑う。
けれども、決して能天気なだけの人間じゃない。
むしろ他人の心の機微には敏感なほうだろう。
冒険者が落ち込んでいればさりげなく励ましの言葉をかけるし、依頼達成に成功すれば心の底から喜んで祝いの言葉を口にする。
むしろ能天気にカイの嫌がることをしているのは、先ほどの女冒険者のほうだろう。
カイにしつこく絡んでくるのは毎度のことであったが、今回はなによりソガリを腐されたことに腹が立った。
「……知ったかぶりやがって」
憎々しい気持ちを、言葉と共に吐き出す。
くさくさした気持ちを落ち着けるように、自然と壁一面を覆う本棚へと目をやった。
その背表紙を見て、次にソガリに貸す小説を決めていなかったことを思い出す。
カイの趣味を知るのは今のところ《六本指》ではギルドマスターであるボスと、ソガリくらいだった。
そしてボスもソガリも、カイの趣味を言いふらしたりするようなタイプではないので、このふたりしかカイの趣味を知らない。
カイに文字の読み書きを教えたのはボスだ。
以来、カイは自分の中の足りないものを埋めるかのように読書に耽溺している。
だがその趣味はなんとなく自分には似つかわしくないという意識がカイにはあったので、ことさら大っぴらにすることは避けていた。
迷宮都市にいくつかあるスラム街のひとつが、カイの生まれ故郷である。
衣食住、どれも常に足りなかった。
当然、愛情をかけられたこともなかった。
スラム街を生きる子供に余裕なんて言葉は縁遠く、カイはいつだって飢餓感をそばに置きながら、かろうじて生きていた。
そんなカイを気まぐれに拾い上げたのがボスだった。
当時はまだ先代ギルドマスターが健在で、「ボス」とは呼ばれてはいなかったが、今も昔も彼はある種の苛烈さを秘めていた。
カイは、そんなボスにスリを働こうとして失敗し――ボコボコにされた。
今でもカイが疲れたときに見る悪夢のバリエーションの中に、そのときの記憶があるのだと言えば、どれほど苛烈であったかが推察できるだろう。
それからボスはなんらかの気まぐれを起こし、カイを《六本指》に迎え入れた。
礼儀の「れ」の字どころか、そんな言葉すら知らなかったようなカイに、社会常識や迷宮内の知識を文字通り叩き込んだのもボスで――言ってしまえばボスはカイの「恩人」なのだろう。
衣食住、どれも足りた生活を送れて、思い立ったときに贅沢もできる。
だがカイは根っから意地っ張りだから、ボスに感謝の言葉を送ったことはないし、感激して彼の信奉者になる……ということもなかった。
けれども複雑ながらも恩義は感じていたから、カイはボスの言葉には基本的に逆らわない。というか、逆らえない。
だから、カイはボスが先代から受け継ぎ、大事にしている《六本指》の不利になるような振る舞いはできないのだ。
ボスのお陰で文字の読み書きができるようになり、本を読むようになり――それでソガリとも知り合って……。
なんとなく感じ入ってしまったカイは、途端にガラでもないと恥ずかしい気持ちになって、その思考を打ち切るように本棚から視線を外した。
むしろそういったことは徹底的に避けて、おおむね事務的な態度を貫き通してきた。
それでも、なにか見当違いに勘違いしてカイに馴れ馴れしく接してきたり、秋波を送ってくる者もいる。
今、カイに絡んできた少し酒に酔った様子の女冒険者もそうだ。
カイの態度のどこに引っかかったのかはさっぱり知れないのだが、カイを見つけると必ず声をかけてくる。
それだけならばまだ事務的に挨拶を返すだけだ。
問題は、断ってもしつこくパーティに入らないかだとか、いっしょに出かけないかだとか言ってくるところだった。
どのように誘われたとて、カイは断るだけだ。
たとえ相手がどれほどの美女であったとしても、カイはお断りだった。
困ったことに、こういった冒険者は――というか人物は、男女問わずいる。
特にカイは救助依頼を多くこなす。
するとカイに助けられただけで、好意を向けてくる人間も出てくる。
カイに絡んできた女冒険者もそうだ。
過去に一度、たった一度だけ助けた覚えはもちろんカイにもあったが、それだけでしつこく誘われるようになったのだから、たまったものではない。
しつこくて、詮索屋で、遠慮のない距離の詰め方も、ハッキリ言って好きではない――。
カイが割り切った関係を心がけていても、それを望まない相手もいる。
だがカイは己の態度を改めるつもりは一切なかった。
「新入りですんで」
絡んできた女冒険者に対し、カイはそっけなく言葉を返す。
それで話を切り上げて、職員用の休憩室へ向かうつもりだった。
しかしカイのそんな態度にじれたのか、はたまた腹を立てたのか、女冒険者は嫌味っぽく言う。
「あんな能天気そうな女の子になびいて……前はそんなやつじゃなかったじゃない」
カイはとっさに口元まで出かかった言葉を呑み込んだ。
『お前はオレのなにを知ってるんだよ』
『お前はアイツのなにを知ってるんだよ』
……結局のところ、《六本指》にとって冒険者は「お客様」である。
冒険者ギルドは、利用する冒険者がいなければ成り立たない商売だ。
カイももちろん、それをよくわかっている。
わかっているからこそ、腹が立った気持ちを腹の中にそのまま収めて、言葉を呑み込んだのだ。
それでも心の中で「知ったかぶり女」と罵る。
「……用がおありでしたらカウンターへドウゾ」
カイはどうにかその言葉だけ絞り出して、決して胸中を悟られないような声音で言い置き、ギルドホールをあとにする。
気持ちがささくれ立って、不愉快だった。
大股で走るようにして休憩室ではなく職員寮の自室に向かい、乱暴に扉を開いて、閉じる。
こんなに腹が立ったのは久しぶりだった。
やはり、惚れた腫れたなんて馬鹿らしい――。
その思いを強めたカイだったが、次に頭に浮かんだのは、「能天気そうに」笑うソガリの顔だった。
ソガリはたしかに能天気そうに笑う。
けれども、決して能天気なだけの人間じゃない。
むしろ他人の心の機微には敏感なほうだろう。
冒険者が落ち込んでいればさりげなく励ましの言葉をかけるし、依頼達成に成功すれば心の底から喜んで祝いの言葉を口にする。
むしろ能天気にカイの嫌がることをしているのは、先ほどの女冒険者のほうだろう。
カイにしつこく絡んでくるのは毎度のことであったが、今回はなによりソガリを腐されたことに腹が立った。
「……知ったかぶりやがって」
憎々しい気持ちを、言葉と共に吐き出す。
くさくさした気持ちを落ち着けるように、自然と壁一面を覆う本棚へと目をやった。
その背表紙を見て、次にソガリに貸す小説を決めていなかったことを思い出す。
カイの趣味を知るのは今のところ《六本指》ではギルドマスターであるボスと、ソガリくらいだった。
そしてボスもソガリも、カイの趣味を言いふらしたりするようなタイプではないので、このふたりしかカイの趣味を知らない。
カイに文字の読み書きを教えたのはボスだ。
以来、カイは自分の中の足りないものを埋めるかのように読書に耽溺している。
だがその趣味はなんとなく自分には似つかわしくないという意識がカイにはあったので、ことさら大っぴらにすることは避けていた。
迷宮都市にいくつかあるスラム街のひとつが、カイの生まれ故郷である。
衣食住、どれも常に足りなかった。
当然、愛情をかけられたこともなかった。
スラム街を生きる子供に余裕なんて言葉は縁遠く、カイはいつだって飢餓感をそばに置きながら、かろうじて生きていた。
そんなカイを気まぐれに拾い上げたのがボスだった。
当時はまだ先代ギルドマスターが健在で、「ボス」とは呼ばれてはいなかったが、今も昔も彼はある種の苛烈さを秘めていた。
カイは、そんなボスにスリを働こうとして失敗し――ボコボコにされた。
今でもカイが疲れたときに見る悪夢のバリエーションの中に、そのときの記憶があるのだと言えば、どれほど苛烈であったかが推察できるだろう。
それからボスはなんらかの気まぐれを起こし、カイを《六本指》に迎え入れた。
礼儀の「れ」の字どころか、そんな言葉すら知らなかったようなカイに、社会常識や迷宮内の知識を文字通り叩き込んだのもボスで――言ってしまえばボスはカイの「恩人」なのだろう。
衣食住、どれも足りた生活を送れて、思い立ったときに贅沢もできる。
だがカイは根っから意地っ張りだから、ボスに感謝の言葉を送ったことはないし、感激して彼の信奉者になる……ということもなかった。
けれども複雑ながらも恩義は感じていたから、カイはボスの言葉には基本的に逆らわない。というか、逆らえない。
だから、カイはボスが先代から受け継ぎ、大事にしている《六本指》の不利になるような振る舞いはできないのだ。
ボスのお陰で文字の読み書きができるようになり、本を読むようになり――それでソガリとも知り合って……。
なんとなく感じ入ってしまったカイは、途端にガラでもないと恥ずかしい気持ちになって、その思考を打ち切るように本棚から視線を外した。
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