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月曜日の朝を迎えるころには、幸いにもおれの性衝動は治まりを見せていた。まだ多少熱っぽく、体はだるさを抱えていたものの、この休日のあいだの痴態を思えばかなりマシになったと言える。
けれども発情期はまだ終わっていない。そんな中で登校しなければならないのは、かなり憂鬱だった。
おれがオメガであることは、同級生たちにとっては暗黙の了解だろう。今さらそれをわざわざ隠すつもりもないし、身体的特徴などは隠しようもない。
しかしそれと、フェロモンを撒き散らしたまま登校するのは、雲泥の差がある。
「アルファを誘惑するのに、なりふり構わないオメガ」。このまま登校すれば、そういう烙印を押されることは目に見えていた。
だが学校を休むことなど許されるはずもなく、おれはいつものように家を出る。
けれどもその足が学校へ向かうことはなかった。
スマートフォンで学校に電話をかけ、発情期なので欠席すると担任に告げる。当たり前だが教師は生徒の「第二の性」について把握していたし、養護教諭から申し送りがあったらしく、欠席はあっさりと認められた。
拍子抜けするほど簡単にズル休みが――いや、実際にはズル休みではないのだが――出来て、おれはそっと胸を撫で下ろす。
しかしやることを終えたと同時に、陰を潜めていた自己嫌悪が再び首をもたげる。
端的かつ直截に言えば、おれは高宮で抜いた。
その事実はどうやったって覆しようがなく、おれの良心を責め立てる。
それと同じくらい胸を占めるのは、高宮に惹かれているという事実に困惑する感情。
たしかにおれは高宮を好ましく思っている。けれどもそれは友情的な意味で、のはずだった。
高宮ともっと色んなことを話したいと思うのも、高宮のそばにいたいと思うのも、高宮と同じ大学に行ってみたいと思うのも、すべては彼が好ましい性格の人物だから。
おれがオメガであることをわかっているだろうに、高宮は始めから好奇の目で見ることも、忌避することもしなかった。
おれはオメガで、高宮はアルファだ。けれどもふたりでいるときは、そんなことを忘れられた。ただの立花透と、高宮祐一という、男子高校生でいられた。それは胸が締めつけられるほどに、価値のある瞬間だったのだ。
だからおれも高宮に憧憬の情を抱きながらも、決してそう言う目では見ないようにした。
けれどもそういう努力をさして必要としないほどには、高宮の前でおれは自然体でいられたし、彼を単なる友人――と言ってしまっていいのだろうか――として接することが出来ていたように思う。
そんな、そんな高宮を、おれは――
手にしたままだったスマートフォンが振動して、どつぼにはまりかけていたおれの思考が現実へと引き戻される。急かされるようなバイブレーションにあわてて画面に視線をやると、メッセージを受信したと通知欄が告げていた。
『大丈夫?』
短いメッセージは、高宮からのものだった。
なんで高宮から? と一瞬困惑したものの、記憶を掘り起こさねばならないほど前に、メッセージアプリのIDを交換していたことを思い出す。
今までおれからメッセージを送ったこともなければ、高宮から送られることもなかったので、今の今まで完全に忘却してしまっていたのだ。
それを今になってどうして? メッセージアプリを起動しながら、そんな疑問が頭を占める。
再びスマートフォンが振動し、メッセージの受信を知らせる。
『病院行った?』
その文章にどきりとする。なんとなく高宮におれの事情を見抜かれているような、そんな気がして嫌な汗をかいた。
おれはどう返信しようか、そもそも返信するべきか逡巡する。
しかし行動するのは高宮のほうが早かった。
アプリの画面が通話の着信を告げる。手のひらの中でスマートフォンがバイブレーションする。
何度目かのバイブレーションのあと、切れる様子がないのを見て、おれは腹をくくった。
無視することも、もちろん考えた。けれども結局おれは高宮が好きで、だからシカトを決め込むことが出来なくて――いや、違う。
高宮の声が、聞きたかったんだ。
「立花」
電話越しであっても聞き覚えのある高宮の声を聞いて、おれは少しだけ胸が軽くなるのを感じた。
発情期を迎えたにも関わらず、抑制剤を持てない不安感は予想以上におれの心をむしばんでいた。加えて、高宮の子を孕めという命令もいよいよ現実味を帯びると同時に、「貸し腹」の話ももはや無視出来ないまでに近くのものとなってしまった。
それが、不安で、苦痛で、仕方がない。
「体調どう?」
「大丈夫。急にどうしたんだ?」
探るような高宮の声は、いつもの自身に溢れた様子を納めて、慎重に言葉を選んで発しているような、そんな感じがした。
「なんか心配で」
電話口からは、他の生徒の声は漏れ聞こえて来ない。
「……ちゃんと病院行った?」
こちらを心配しているのがわかる声。けれどもおれはその質問に答えることが出来ず、ふたりのあいだに居心地の悪い沈黙が訪れる。
「立花」
まごついているうちに高宮が再び口を開いた。
「今どこ?」
家にいないことを見抜かれているような気がして、心臓が跳ねる。
「どこって」
家に決まってるじゃん。
たったそれだけの言葉が、喉から出て来ない。
「立花」
高宮がまたおれの名を呼ぶ。どこか、すがるような声音で。
今までこんな高宮の声は聞いたことがなかった。
「どこにいるの?」
高宮の声。おれの好きな高宮の声。きっとこの声で「お願い」なんてされたら、おれは拒否なんて出来ない。そう思えるような、高宮の声。
そんな声を出して欲しくないと思いながらも、そんな声で言って欲しいと思う、相反する感情がおれの中でせめぎ合う。
逆らえない「命令」なら、「仕方がない」と言い訳が出来るから――。
「ねえ、教えて」
「……公園」
どうしても言えなかった、たったそれだけの単語は、高宮の声によって喉の奥から引きずり出された。すると不思議なことに先ほどまでの強固な抵抗感は消え去って、するすると言葉が出て来るようになる。
「どこの公園?」
「……遠いよ」
高宮が言わんとしていることは、おれにもわかった。
おれの家は学校から電車を乗り継いで、一時間半もかかる場所にある。その家から駅と反対方向にある公園までさらに徒歩で三〇分。
それを淡々と高宮に告げる。
「遠くても行くよ」
「……来るの?」
「うん」
「なんで?」
「立花に会いたいから」
その声を聞いた瞬間、おれの心に芽生えたのは、間違えようもない歓喜だった。
「……なんで?」
そう返した声は、少し震えていたように思う。
高宮にすべてを委ねてしまいたい欲求と、すべてをめちゃくちゃにして台無しにしてしまいたい衝動が、おれの中で渦を巻いていた。
高宮の言葉を嬉しく思うと同時に、単なる同情心だ、憐れみだと理性的な部分がせせら笑う。
高宮にとって自分が特別だと思いたいという感情と、高宮にとって自分は単なる一クラスメイトでしかないという冷静な意見が、混ざり合ってぐちゃぐちゃになる。
「なんで、高宮は」
そこから先の言葉は続かなかった。実際になにを言いたかったのかも、わからなかった。
「立花」
高宮の、凛とした声が鼓膜を震わす。
「立花に会いたい。立花の顔が見たい。立花としゃべりたい。――だから、立花のいるところに行きたい」
「え……」
「ダメ?」
そういう聞き方はズルい、と思った。
「おれも……」
「うん」
「おれも、高宮……に、会いたい」
その言葉を口にした瞬間、心臓がぎゅうと締めつけられたような気がした。
けれども発情期はまだ終わっていない。そんな中で登校しなければならないのは、かなり憂鬱だった。
おれがオメガであることは、同級生たちにとっては暗黙の了解だろう。今さらそれをわざわざ隠すつもりもないし、身体的特徴などは隠しようもない。
しかしそれと、フェロモンを撒き散らしたまま登校するのは、雲泥の差がある。
「アルファを誘惑するのに、なりふり構わないオメガ」。このまま登校すれば、そういう烙印を押されることは目に見えていた。
だが学校を休むことなど許されるはずもなく、おれはいつものように家を出る。
けれどもその足が学校へ向かうことはなかった。
スマートフォンで学校に電話をかけ、発情期なので欠席すると担任に告げる。当たり前だが教師は生徒の「第二の性」について把握していたし、養護教諭から申し送りがあったらしく、欠席はあっさりと認められた。
拍子抜けするほど簡単にズル休みが――いや、実際にはズル休みではないのだが――出来て、おれはそっと胸を撫で下ろす。
しかしやることを終えたと同時に、陰を潜めていた自己嫌悪が再び首をもたげる。
端的かつ直截に言えば、おれは高宮で抜いた。
その事実はどうやったって覆しようがなく、おれの良心を責め立てる。
それと同じくらい胸を占めるのは、高宮に惹かれているという事実に困惑する感情。
たしかにおれは高宮を好ましく思っている。けれどもそれは友情的な意味で、のはずだった。
高宮ともっと色んなことを話したいと思うのも、高宮のそばにいたいと思うのも、高宮と同じ大学に行ってみたいと思うのも、すべては彼が好ましい性格の人物だから。
おれがオメガであることをわかっているだろうに、高宮は始めから好奇の目で見ることも、忌避することもしなかった。
おれはオメガで、高宮はアルファだ。けれどもふたりでいるときは、そんなことを忘れられた。ただの立花透と、高宮祐一という、男子高校生でいられた。それは胸が締めつけられるほどに、価値のある瞬間だったのだ。
だからおれも高宮に憧憬の情を抱きながらも、決してそう言う目では見ないようにした。
けれどもそういう努力をさして必要としないほどには、高宮の前でおれは自然体でいられたし、彼を単なる友人――と言ってしまっていいのだろうか――として接することが出来ていたように思う。
そんな、そんな高宮を、おれは――
手にしたままだったスマートフォンが振動して、どつぼにはまりかけていたおれの思考が現実へと引き戻される。急かされるようなバイブレーションにあわてて画面に視線をやると、メッセージを受信したと通知欄が告げていた。
『大丈夫?』
短いメッセージは、高宮からのものだった。
なんで高宮から? と一瞬困惑したものの、記憶を掘り起こさねばならないほど前に、メッセージアプリのIDを交換していたことを思い出す。
今までおれからメッセージを送ったこともなければ、高宮から送られることもなかったので、今の今まで完全に忘却してしまっていたのだ。
それを今になってどうして? メッセージアプリを起動しながら、そんな疑問が頭を占める。
再びスマートフォンが振動し、メッセージの受信を知らせる。
『病院行った?』
その文章にどきりとする。なんとなく高宮におれの事情を見抜かれているような、そんな気がして嫌な汗をかいた。
おれはどう返信しようか、そもそも返信するべきか逡巡する。
しかし行動するのは高宮のほうが早かった。
アプリの画面が通話の着信を告げる。手のひらの中でスマートフォンがバイブレーションする。
何度目かのバイブレーションのあと、切れる様子がないのを見て、おれは腹をくくった。
無視することも、もちろん考えた。けれども結局おれは高宮が好きで、だからシカトを決め込むことが出来なくて――いや、違う。
高宮の声が、聞きたかったんだ。
「立花」
電話越しであっても聞き覚えのある高宮の声を聞いて、おれは少しだけ胸が軽くなるのを感じた。
発情期を迎えたにも関わらず、抑制剤を持てない不安感は予想以上におれの心をむしばんでいた。加えて、高宮の子を孕めという命令もいよいよ現実味を帯びると同時に、「貸し腹」の話ももはや無視出来ないまでに近くのものとなってしまった。
それが、不安で、苦痛で、仕方がない。
「体調どう?」
「大丈夫。急にどうしたんだ?」
探るような高宮の声は、いつもの自身に溢れた様子を納めて、慎重に言葉を選んで発しているような、そんな感じがした。
「なんか心配で」
電話口からは、他の生徒の声は漏れ聞こえて来ない。
「……ちゃんと病院行った?」
こちらを心配しているのがわかる声。けれどもおれはその質問に答えることが出来ず、ふたりのあいだに居心地の悪い沈黙が訪れる。
「立花」
まごついているうちに高宮が再び口を開いた。
「今どこ?」
家にいないことを見抜かれているような気がして、心臓が跳ねる。
「どこって」
家に決まってるじゃん。
たったそれだけの言葉が、喉から出て来ない。
「立花」
高宮がまたおれの名を呼ぶ。どこか、すがるような声音で。
今までこんな高宮の声は聞いたことがなかった。
「どこにいるの?」
高宮の声。おれの好きな高宮の声。きっとこの声で「お願い」なんてされたら、おれは拒否なんて出来ない。そう思えるような、高宮の声。
そんな声を出して欲しくないと思いながらも、そんな声で言って欲しいと思う、相反する感情がおれの中でせめぎ合う。
逆らえない「命令」なら、「仕方がない」と言い訳が出来るから――。
「ねえ、教えて」
「……公園」
どうしても言えなかった、たったそれだけの単語は、高宮の声によって喉の奥から引きずり出された。すると不思議なことに先ほどまでの強固な抵抗感は消え去って、するすると言葉が出て来るようになる。
「どこの公園?」
「……遠いよ」
高宮が言わんとしていることは、おれにもわかった。
おれの家は学校から電車を乗り継いで、一時間半もかかる場所にある。その家から駅と反対方向にある公園までさらに徒歩で三〇分。
それを淡々と高宮に告げる。
「遠くても行くよ」
「……来るの?」
「うん」
「なんで?」
「立花に会いたいから」
その声を聞いた瞬間、おれの心に芽生えたのは、間違えようもない歓喜だった。
「……なんで?」
そう返した声は、少し震えていたように思う。
高宮にすべてを委ねてしまいたい欲求と、すべてをめちゃくちゃにして台無しにしてしまいたい衝動が、おれの中で渦を巻いていた。
高宮の言葉を嬉しく思うと同時に、単なる同情心だ、憐れみだと理性的な部分がせせら笑う。
高宮にとって自分が特別だと思いたいという感情と、高宮にとって自分は単なる一クラスメイトでしかないという冷静な意見が、混ざり合ってぐちゃぐちゃになる。
「なんで、高宮は」
そこから先の言葉は続かなかった。実際になにを言いたかったのかも、わからなかった。
「立花」
高宮の、凛とした声が鼓膜を震わす。
「立花に会いたい。立花の顔が見たい。立花としゃべりたい。――だから、立花のいるところに行きたい」
「え……」
「ダメ?」
そういう聞き方はズルい、と思った。
「おれも……」
「うん」
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