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※当作品には話の都合上、差別的な発言が含まれますが、その行為を礼賛・推奨・助長する意図はありません。
***
本年一五を数えるマウヤが生まれ育った村は、小さく貧しい。農耕で生計を立てる、どこにでもあるような、さしたる特徴のない村であった。
であるからして、そんな貧しい土地で育った素朴な彼が村を出るのは、これが初めてのことであった。
「よくよく礼をお欠きでないよ」
「なに、よく仕え、よく愛することを誓えばあとは大丈夫さ」
村のみんなと庄屋の夫婦に見送られて、マウヤが村を発ったのはひと月前のことである。
マウヤの村は、小さく貧しい。神力にすがらねば立ち行かないほどに、元来その土地は痩せていた。
村人たちが今こうして日々の生計を得られるのは、すべて神の力のお陰である。マウヤが生まれ育ったのも、その両親が生まれ育ったのも、そのまた二親が生まれ育ったのも、すべて神力の加護を得ていたから。
マウヤの村だけでなく、各々の村ではそれぞれ拝する神を持ち、その神に仕える侍者をひとり出して、それと引き換えに日々の安寧を手に入れていた。
何十年も前にマウヤの村を出て侍者になったユオジという名の者が、つい最近亡くなったとの報せが来たのは、七日ほど前の話であった。
もっとも、そろそろ「代わりの年」が来るだろうという話は、ここ数年出ていた。その「年」が来ればだれがユオジの代わりに侍者となるかも、あらかじめ決められていたので、旅路の支度はすみやかに行われた。
マウヤは五年前に流行病で両親と三人の弟妹をいっぺんに亡くした。さいわい兄夫婦とその子供たちは無事であったから、マウヤは天涯孤独になったというわけではない。そういうわけではないのだが、侍者を出す理由づけに、それはじゅうぶんなことであった。
「兄夫婦のためにも、侍者になってよくよく神様にお仕えになりなされ」
庄屋の翁にそう言われては、「はいわかりました」と言わざるを得ないのが、マウヤの村での立場というものであった。
心優しい兄夫婦はマウヤを心配したが、当人たるマウヤは別段気負った様子はない。
それというのもマウヤは良くも悪くも「田舎者」といった気風で、早い話が純朴で、意地悪く言ってしまえばのろまなのだった。働き者だが頭のほうはのんびりとした、根っからの善人であったから、しばしばそれをからかわれることもある、そんな人間なのである。
「お前に侍者がつとまるのかい」
村の意地悪な者はそう言ってマウヤを嘲笑ったが、マウヤはただ「誠心誠意お仕えするだけです」と笑顔で返すだけだった。
マウヤの村から南にずっといったところに、神々が住まう「神都」と呼ばれる都がある。
マウヤはそこへ行って亡くなったユオジの代わりに神の侍者とならねばならない。侍者とは神の身の回りの世話をするのが仕事で、そうであるから一度侍者になると、もう二度と村には帰れない。
ただし侍者の契約を結んだあと、一度だけ村に帰ることを許される。これは「ためし」と呼ばれるもので、要は約定をきちんと守るのか、神からの試しの儀式なのであった。
しかしそんなことはマウヤは知らない。庄屋夫婦が教えなかったからである。
もっとも、人の好いマウヤはその残酷な約定すらも、そうとは思わず愚直に守るだろう。
けれども念には念をということで、庄屋夫婦はただ神に仕える心構えだけを説いて、マウヤを神都へ送り出したのである。
途中、気の好い商人の馬車に乗せてもらうなどして、ひと月かけてマウヤは神都へと足を踏み入れた。そして村との違いにマウヤは圧倒された。
道は広く石で舗装され、脇に立つ家屋の類いはみな石造りの立派なものばかりである。石瓦の屋根なぞ、マウヤは庄屋の家でも見たことがなかった。
家々はどれも美しく、その白い壁をきらきらと大通りへ向けている。丸く切り取られた壁の、繊細な象嵌の格子がはめられた飾り窓が、マウヤの目を奪う。
特に軒先から吊るされた灯籠は、色鮮やかな肢体をゆらゆらと揺らして、マウヤを惑わした。
そんな家屋が延々と軒を連ねているので、マウヤは庄屋にもらった粗雑な地図を見ても、どこか目的の神が住まう家なのか、さっぱりわからずじまいである。
大きな屋敷を構えているとは聞いていたからすぐにわかるだろうと思っていたのだが、神都へ来て見ればほとんど「大きな屋敷」しかないので、マウヤはすっかり困ってしまった。
「あんた、侍者見習いかい」
マウヤがぱっとうしろを振り返れば、綺麗な着物を着た少年が立っていた。年の頃はマウヤと同じに見える。
彼はマウヤよりもずっと垢抜けていて、それではじめからその目はマウヤを見下していた。
けれども人の好いマウヤは少年のそんな視線には気づかずに、天からの助けとばかり、あっというまに飛びついてしまった。
「はい。侍者になるために来たのですが、どうにも道に迷ってしまって」
「神都は格子状に屋敷が並んで、どこもかしこも同じ景色だからね。初めてのやつはよく迷うんだ。地図を貸しなよ。案内してあげるからさ」
「あ、ありがとうございます!」
喜色の顔で何度も頭を下げるマウヤを、脇を過ぎ行く人々は奇異な者を見る目を送る。それに嫌気が差して少年は早々にマウヤを止めた。
「こんな往来でやめてくれよ。案内するくらい、どうってことないだろう」
そうしてマウヤは少年――ナナトに連れられて、神都のずっと端の、奥まった地域へと案内される。
大通りからははずれた、さびれてはいないものの、人の気配のない、閑静な場所である。空き家が多いのか、先ほど見たような美しい飾り窓のそばには花もないし、鮮やかな灯籠もすっかり姿を消してしまっていた。
「ここに、神様が……」
「ああ、この神様はひどく気分屋で気難しい。だからこんなところにひとりで住んでいるのさ」
ナナトの言葉に、マウヤはここに来て初めて不安を覚えた。
――もし神様に追い返されたらどうしよう。
そうなっては庄屋夫婦や村人たちに合わせる顔はない。
曇り顔のマウヤを見て、ナナトは裏でせせら笑う。もちろんマウヤはそんなことは知らないままだ。
「あとはあんたの気概次第だよ」
「はい。ありがとうございました、ナナトさん。頑張って、侍者になります」
マウヤはまた何度もナナトに頭を下げて、彼の背が見えなくなるまでそうしていた。
顔を上げて、次に立派だがどこか寂しげな屋敷へと向き直る。
――ここに神様がおわすのか。
マウヤはつばを飲み込み、胸に手を当てた。手のひらの下で脈打つ心臓は、明らかに早鐘を打っている。
くるりくるりと両腕を動かして身なりを確認し、粗相はないかと何度も衣服をはたいた。
そうしてやっと心が決まったので、背負い袋を負い直し、マウヤは黒塗りのぴかぴかとした戸を二度叩いた。
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本年一五を数えるマウヤが生まれ育った村は、小さく貧しい。農耕で生計を立てる、どこにでもあるような、さしたる特徴のない村であった。
であるからして、そんな貧しい土地で育った素朴な彼が村を出るのは、これが初めてのことであった。
「よくよく礼をお欠きでないよ」
「なに、よく仕え、よく愛することを誓えばあとは大丈夫さ」
村のみんなと庄屋の夫婦に見送られて、マウヤが村を発ったのはひと月前のことである。
マウヤの村は、小さく貧しい。神力にすがらねば立ち行かないほどに、元来その土地は痩せていた。
村人たちが今こうして日々の生計を得られるのは、すべて神の力のお陰である。マウヤが生まれ育ったのも、その両親が生まれ育ったのも、そのまた二親が生まれ育ったのも、すべて神力の加護を得ていたから。
マウヤの村だけでなく、各々の村ではそれぞれ拝する神を持ち、その神に仕える侍者をひとり出して、それと引き換えに日々の安寧を手に入れていた。
何十年も前にマウヤの村を出て侍者になったユオジという名の者が、つい最近亡くなったとの報せが来たのは、七日ほど前の話であった。
もっとも、そろそろ「代わりの年」が来るだろうという話は、ここ数年出ていた。その「年」が来ればだれがユオジの代わりに侍者となるかも、あらかじめ決められていたので、旅路の支度はすみやかに行われた。
マウヤは五年前に流行病で両親と三人の弟妹をいっぺんに亡くした。さいわい兄夫婦とその子供たちは無事であったから、マウヤは天涯孤独になったというわけではない。そういうわけではないのだが、侍者を出す理由づけに、それはじゅうぶんなことであった。
「兄夫婦のためにも、侍者になってよくよく神様にお仕えになりなされ」
庄屋の翁にそう言われては、「はいわかりました」と言わざるを得ないのが、マウヤの村での立場というものであった。
心優しい兄夫婦はマウヤを心配したが、当人たるマウヤは別段気負った様子はない。
それというのもマウヤは良くも悪くも「田舎者」といった気風で、早い話が純朴で、意地悪く言ってしまえばのろまなのだった。働き者だが頭のほうはのんびりとした、根っからの善人であったから、しばしばそれをからかわれることもある、そんな人間なのである。
「お前に侍者がつとまるのかい」
村の意地悪な者はそう言ってマウヤを嘲笑ったが、マウヤはただ「誠心誠意お仕えするだけです」と笑顔で返すだけだった。
マウヤの村から南にずっといったところに、神々が住まう「神都」と呼ばれる都がある。
マウヤはそこへ行って亡くなったユオジの代わりに神の侍者とならねばならない。侍者とは神の身の回りの世話をするのが仕事で、そうであるから一度侍者になると、もう二度と村には帰れない。
ただし侍者の契約を結んだあと、一度だけ村に帰ることを許される。これは「ためし」と呼ばれるもので、要は約定をきちんと守るのか、神からの試しの儀式なのであった。
しかしそんなことはマウヤは知らない。庄屋夫婦が教えなかったからである。
もっとも、人の好いマウヤはその残酷な約定すらも、そうとは思わず愚直に守るだろう。
けれども念には念をということで、庄屋夫婦はただ神に仕える心構えだけを説いて、マウヤを神都へ送り出したのである。
途中、気の好い商人の馬車に乗せてもらうなどして、ひと月かけてマウヤは神都へと足を踏み入れた。そして村との違いにマウヤは圧倒された。
道は広く石で舗装され、脇に立つ家屋の類いはみな石造りの立派なものばかりである。石瓦の屋根なぞ、マウヤは庄屋の家でも見たことがなかった。
家々はどれも美しく、その白い壁をきらきらと大通りへ向けている。丸く切り取られた壁の、繊細な象嵌の格子がはめられた飾り窓が、マウヤの目を奪う。
特に軒先から吊るされた灯籠は、色鮮やかな肢体をゆらゆらと揺らして、マウヤを惑わした。
そんな家屋が延々と軒を連ねているので、マウヤは庄屋にもらった粗雑な地図を見ても、どこか目的の神が住まう家なのか、さっぱりわからずじまいである。
大きな屋敷を構えているとは聞いていたからすぐにわかるだろうと思っていたのだが、神都へ来て見ればほとんど「大きな屋敷」しかないので、マウヤはすっかり困ってしまった。
「あんた、侍者見習いかい」
マウヤがぱっとうしろを振り返れば、綺麗な着物を着た少年が立っていた。年の頃はマウヤと同じに見える。
彼はマウヤよりもずっと垢抜けていて、それではじめからその目はマウヤを見下していた。
けれども人の好いマウヤは少年のそんな視線には気づかずに、天からの助けとばかり、あっというまに飛びついてしまった。
「はい。侍者になるために来たのですが、どうにも道に迷ってしまって」
「神都は格子状に屋敷が並んで、どこもかしこも同じ景色だからね。初めてのやつはよく迷うんだ。地図を貸しなよ。案内してあげるからさ」
「あ、ありがとうございます!」
喜色の顔で何度も頭を下げるマウヤを、脇を過ぎ行く人々は奇異な者を見る目を送る。それに嫌気が差して少年は早々にマウヤを止めた。
「こんな往来でやめてくれよ。案内するくらい、どうってことないだろう」
そうしてマウヤは少年――ナナトに連れられて、神都のずっと端の、奥まった地域へと案内される。
大通りからははずれた、さびれてはいないものの、人の気配のない、閑静な場所である。空き家が多いのか、先ほど見たような美しい飾り窓のそばには花もないし、鮮やかな灯籠もすっかり姿を消してしまっていた。
「ここに、神様が……」
「ああ、この神様はひどく気分屋で気難しい。だからこんなところにひとりで住んでいるのさ」
ナナトの言葉に、マウヤはここに来て初めて不安を覚えた。
――もし神様に追い返されたらどうしよう。
そうなっては庄屋夫婦や村人たちに合わせる顔はない。
曇り顔のマウヤを見て、ナナトは裏でせせら笑う。もちろんマウヤはそんなことは知らないままだ。
「あとはあんたの気概次第だよ」
「はい。ありがとうございました、ナナトさん。頑張って、侍者になります」
マウヤはまた何度もナナトに頭を下げて、彼の背が見えなくなるまでそうしていた。
顔を上げて、次に立派だがどこか寂しげな屋敷へと向き直る。
――ここに神様がおわすのか。
マウヤはつばを飲み込み、胸に手を当てた。手のひらの下で脈打つ心臓は、明らかに早鐘を打っている。
くるりくるりと両腕を動かして身なりを確認し、粗相はないかと何度も衣服をはたいた。
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