2 / 11
(2)
しおりを挟む
マウヤが求める神は、戸から姿を現さなかった。
「神の侍者は神を愛さなければならないと知っているな?」
マウヤははっきりとした声で「はい」と答える。黒塗りのぴかぴかした戸は、うんともすんともいわない。ただその奥からくぐもった声が響くばかりだった。
声は男のようでいて、女のようでもあった。男にしては高すぎるし、女にしては低すぎる。そういう声だった。
「突然押し掛けに行かされて、その先にいるなにものかもわからんやつをお前は愛せると、そう言うのだな」
声の主が言いたいことの半分もマウヤは理解していなかった。なにせ彼の頭は神と契約することだけでいっぱいだったのだ。
機嫌を損ねてはならない。マウヤはまたはっきりとした声で「はい」と答えた。
「そうか、そうか」
声の主が笑ったので、緊張に強張るマウヤの顔はちょっとだけ晴れる。しかしその笑いの種類まで理解できれば、マウヤは「のろま」などとは言われない。
「お前は私を愛すると言うのだな?」
「はい。神様を愛して、誠心誠意お仕えします!」
「……奇特な人間だ」
その言葉にマウヤはちょっと首をかしげたが、すぐにまた声の主が口を開いたので、ぴしりと背をまっすぐに伸ばす。
「まあ、いい。その気概がいつまで続くか試してやろう」
「それは……?」
「おつむの血の巡りが悪いようだな。お前を侍者にしてやると言ってるんだ」
「あ、ありがとうございます! これから、誠心誠意お仕えいたします!」
「それしか言えんのかお前は」
「す、すいません!」
そう言いつつもマウヤの顔は笑みを隠せない。安堵感が体を支配するものの、心臓は小刻みに鼓動を打っていた。
頭を下げた姿勢のままでいると、不意に木戸を引く音がした。といってもそれは気持ちのいいものではなく、がたごとと騒がしい音を立てる。
ときおり、「くそ」とか「ぐっ」とか悪態をつくような声が聞こえたような気がしたが、マウヤが深く考える時間より早く、戸の向こうの主は姿を現した。
マウヤは「あっ」と声を上げそうになった。
戸の向こうにいた声の主は、マウヤが想像したような恐ろしい姿ではなかった。それどころか主はしばし見とれるほどに美しかった。今まで見て来た家々の飾り窓よりも、そのそばに置かれた花々よりも、軒先で踊る色鮮やかな灯籠よりも、主はずっとずっと美しかった。
秋の稲穂のような金色の髪に、つり目がちの双眸に収まるのは、夜空を閉じ込めたような紺藍の瞳。特にその目は強い意志の光を放って、たちまちのうちにマウヤの心を射抜いた。
――これが神様なんだ。
マウヤは、なにもかもを丸裸にされてしまった気になる。この主の前では嘘も偽りも許されないのだと、いかにのろまなマウヤでも、直感的に理解出来た。
「お前、名前は」
戸に手をかけたまま、どこかけだるげな様子で主は問うた。マウヤはあわてて名を告げる。
「マウヤ。マウヤか。……わかった」
何度か舌で名前を転がした意味をマウヤは理解していない。単なる確認としか彼は考えていなかった。
しかし今この瞬間を持って、マウヤはこの神に魂を握られたのである。それはただ野を行く生類のひとつに過ぎなかったマウヤの、生殺与奪の権利が、この神ただ一柱に移ったことを意味していた。
「私の名を言え」
主の言葉にマウヤは「えっ」と声を上げる。
「どうした」
「え、えっと……」
「まさか、知らないのか」
次におどろきの声を上げたのは神のほうであった。そして問うた言が事実だと早々に悟るや、主は深いため息をつく。
「どうもお前は他人よりのろまらしいな」
「よく言われます」
「よく言われているのか!」
「えっ? は、はい」
神の言葉はすなわち「馬鹿にされているのか?」ということであったが、そんなことがマウヤにわかるはずもない。
マウヤよりはずっと理解の早い主は、もちろんそのことも早々に悟って、また深いため息をついた。
マウヤはそんな神の様子におろおろとするばかりだが、どうすることも出来ない。
「も、申し訳ございません! 村ではただ『神様』とお呼びしていたので……!」
「もういい、わかった。教えてやる。教えてやるからちゃんと覚えるのだぞ」
そうしなければ契約が成立しないために、神はしぶしぶといった様子でそう告げる。
マウヤは首の皮一枚繋がったとばかりに、うれしそうな顔で何度も頭を下げた。
「私はダラムーニャのクナッハと、周りからは呼ばれている」
「だ、だら……?」
「ああ、もう!」
「す、すいません! すいません!」
「クナッハだ! いいか、クナッハだ! 赤子ではあるまいし、これくらいなら覚えられるだろう?!」
「はい! クナッハ様、クナッハ様でございますね!」
そうしてマウヤが何度も「クナッハ様」と繰り返しているのを見て、神――クナッハは嫌そうな顔をする。
「そう馬鹿みたいに繰り返すな。鳥かお前は」
「はい、すいません!」
「もういい。それでお前はこれから一度村へ帰るわけだが――わかっているな?」
「え?」
「またか!」
クナッハは早くもこののろまなマウヤを侍者にしたことを悔やみ始めていた。
「いいか。一度しか言わぬからよく聞くのだぞ」
「はい!」
「これから『ためし』と呼ばれる儀式に入る。儀式、とは言うがそう気構えすることはない。ただ郷へと帰ってまたこちらへ戻ってくれば良いだけだ」
クナッハの言葉にそうたいそうな儀式ではないのだと、マウヤはあからさまに安堵した。けれどもそれをクナッハは見逃さない。
「親兄弟とは今生の別れになる。次に会うの泉下になるのだぞ。わかっているか?」
「せんか?」
「あの世のことだ」
マウヤがまたおどろきの声を出したので、クナッハは深いため息をついた。そして同時にマウヤが単にのろまなのではなく、それを利用されてここに来たこともまた、クナッハは看破したのである。
しかしそのことに同情するほど、クナッハは慈悲深くはない。ただ多少は憐れに思う程度の心は、持ち合わせてはいた。
だがマウヤの次の言葉にクナッハはまたしてもおどろかされる。
「あの世へ行けばおっとうやおっかあたちに会えるんですか?!」
「え? まあ、お前の二親やお前自身の行いが悪くなければな」
「そうなんですか!」
死ねば家族と会えると聞いて喜びの声を出すとは――そうクナッハは心中で嘆息する。周囲の扱いばかりか、その身の上もどうやら恵まれた者ではないらしい。
どうにもこうにも一筋縄ではいかない侍者のようだと、クナッハは遅まきながら理解した。
「……まあ理解したのならいい。――いいか、必ずここに戻って来るのだぞ」
「いつまでに戻れば良いのですか?」
「期限はないが、お前はもう私の侍者なのだ。なれば出来るだけ早くに戻るのが望ましい」
「わかりました。すぐに戻りますね」
「……素直なのはまあ……良い心がけだ」
「ありがとうございます!」
こいつは意味をわかっとるのか。そういう目でクナッハはマウヤを見るが、マウヤはただ曇りのない目を向けるばかり。これにはまたため息をつかざるを得ないクナッハであった。
一方のマウヤは、思ったよりもすんなりとことが進んだことで、その心は重責から半ば解放されかけていた。むしろこれからが本番なのだが、そのことは今までの緊張のせいで頭から抜けてしまっているようだ。
しかし試練はむしろこのあとにあった。マウヤの人生の中で、間違いなく一番の修羅場である。
「――クナッハ? なにを言っとるのだお前は! 儂らが侍者を出しとるのは別の神様じゃ!」
マウヤはその場で卒倒しそうになったが、へなへなとその場に崩れ落ちたのは、マウヤの報告を聞いた庄屋のほうだった。
「神の侍者は神を愛さなければならないと知っているな?」
マウヤははっきりとした声で「はい」と答える。黒塗りのぴかぴかした戸は、うんともすんともいわない。ただその奥からくぐもった声が響くばかりだった。
声は男のようでいて、女のようでもあった。男にしては高すぎるし、女にしては低すぎる。そういう声だった。
「突然押し掛けに行かされて、その先にいるなにものかもわからんやつをお前は愛せると、そう言うのだな」
声の主が言いたいことの半分もマウヤは理解していなかった。なにせ彼の頭は神と契約することだけでいっぱいだったのだ。
機嫌を損ねてはならない。マウヤはまたはっきりとした声で「はい」と答えた。
「そうか、そうか」
声の主が笑ったので、緊張に強張るマウヤの顔はちょっとだけ晴れる。しかしその笑いの種類まで理解できれば、マウヤは「のろま」などとは言われない。
「お前は私を愛すると言うのだな?」
「はい。神様を愛して、誠心誠意お仕えします!」
「……奇特な人間だ」
その言葉にマウヤはちょっと首をかしげたが、すぐにまた声の主が口を開いたので、ぴしりと背をまっすぐに伸ばす。
「まあ、いい。その気概がいつまで続くか試してやろう」
「それは……?」
「おつむの血の巡りが悪いようだな。お前を侍者にしてやると言ってるんだ」
「あ、ありがとうございます! これから、誠心誠意お仕えいたします!」
「それしか言えんのかお前は」
「す、すいません!」
そう言いつつもマウヤの顔は笑みを隠せない。安堵感が体を支配するものの、心臓は小刻みに鼓動を打っていた。
頭を下げた姿勢のままでいると、不意に木戸を引く音がした。といってもそれは気持ちのいいものではなく、がたごとと騒がしい音を立てる。
ときおり、「くそ」とか「ぐっ」とか悪態をつくような声が聞こえたような気がしたが、マウヤが深く考える時間より早く、戸の向こうの主は姿を現した。
マウヤは「あっ」と声を上げそうになった。
戸の向こうにいた声の主は、マウヤが想像したような恐ろしい姿ではなかった。それどころか主はしばし見とれるほどに美しかった。今まで見て来た家々の飾り窓よりも、そのそばに置かれた花々よりも、軒先で踊る色鮮やかな灯籠よりも、主はずっとずっと美しかった。
秋の稲穂のような金色の髪に、つり目がちの双眸に収まるのは、夜空を閉じ込めたような紺藍の瞳。特にその目は強い意志の光を放って、たちまちのうちにマウヤの心を射抜いた。
――これが神様なんだ。
マウヤは、なにもかもを丸裸にされてしまった気になる。この主の前では嘘も偽りも許されないのだと、いかにのろまなマウヤでも、直感的に理解出来た。
「お前、名前は」
戸に手をかけたまま、どこかけだるげな様子で主は問うた。マウヤはあわてて名を告げる。
「マウヤ。マウヤか。……わかった」
何度か舌で名前を転がした意味をマウヤは理解していない。単なる確認としか彼は考えていなかった。
しかし今この瞬間を持って、マウヤはこの神に魂を握られたのである。それはただ野を行く生類のひとつに過ぎなかったマウヤの、生殺与奪の権利が、この神ただ一柱に移ったことを意味していた。
「私の名を言え」
主の言葉にマウヤは「えっ」と声を上げる。
「どうした」
「え、えっと……」
「まさか、知らないのか」
次におどろきの声を上げたのは神のほうであった。そして問うた言が事実だと早々に悟るや、主は深いため息をつく。
「どうもお前は他人よりのろまらしいな」
「よく言われます」
「よく言われているのか!」
「えっ? は、はい」
神の言葉はすなわち「馬鹿にされているのか?」ということであったが、そんなことがマウヤにわかるはずもない。
マウヤよりはずっと理解の早い主は、もちろんそのことも早々に悟って、また深いため息をついた。
マウヤはそんな神の様子におろおろとするばかりだが、どうすることも出来ない。
「も、申し訳ございません! 村ではただ『神様』とお呼びしていたので……!」
「もういい、わかった。教えてやる。教えてやるからちゃんと覚えるのだぞ」
そうしなければ契約が成立しないために、神はしぶしぶといった様子でそう告げる。
マウヤは首の皮一枚繋がったとばかりに、うれしそうな顔で何度も頭を下げた。
「私はダラムーニャのクナッハと、周りからは呼ばれている」
「だ、だら……?」
「ああ、もう!」
「す、すいません! すいません!」
「クナッハだ! いいか、クナッハだ! 赤子ではあるまいし、これくらいなら覚えられるだろう?!」
「はい! クナッハ様、クナッハ様でございますね!」
そうしてマウヤが何度も「クナッハ様」と繰り返しているのを見て、神――クナッハは嫌そうな顔をする。
「そう馬鹿みたいに繰り返すな。鳥かお前は」
「はい、すいません!」
「もういい。それでお前はこれから一度村へ帰るわけだが――わかっているな?」
「え?」
「またか!」
クナッハは早くもこののろまなマウヤを侍者にしたことを悔やみ始めていた。
「いいか。一度しか言わぬからよく聞くのだぞ」
「はい!」
「これから『ためし』と呼ばれる儀式に入る。儀式、とは言うがそう気構えすることはない。ただ郷へと帰ってまたこちらへ戻ってくれば良いだけだ」
クナッハの言葉にそうたいそうな儀式ではないのだと、マウヤはあからさまに安堵した。けれどもそれをクナッハは見逃さない。
「親兄弟とは今生の別れになる。次に会うの泉下になるのだぞ。わかっているか?」
「せんか?」
「あの世のことだ」
マウヤがまたおどろきの声を出したので、クナッハは深いため息をついた。そして同時にマウヤが単にのろまなのではなく、それを利用されてここに来たこともまた、クナッハは看破したのである。
しかしそのことに同情するほど、クナッハは慈悲深くはない。ただ多少は憐れに思う程度の心は、持ち合わせてはいた。
だがマウヤの次の言葉にクナッハはまたしてもおどろかされる。
「あの世へ行けばおっとうやおっかあたちに会えるんですか?!」
「え? まあ、お前の二親やお前自身の行いが悪くなければな」
「そうなんですか!」
死ねば家族と会えると聞いて喜びの声を出すとは――そうクナッハは心中で嘆息する。周囲の扱いばかりか、その身の上もどうやら恵まれた者ではないらしい。
どうにもこうにも一筋縄ではいかない侍者のようだと、クナッハは遅まきながら理解した。
「……まあ理解したのならいい。――いいか、必ずここに戻って来るのだぞ」
「いつまでに戻れば良いのですか?」
「期限はないが、お前はもう私の侍者なのだ。なれば出来るだけ早くに戻るのが望ましい」
「わかりました。すぐに戻りますね」
「……素直なのはまあ……良い心がけだ」
「ありがとうございます!」
こいつは意味をわかっとるのか。そういう目でクナッハはマウヤを見るが、マウヤはただ曇りのない目を向けるばかり。これにはまたため息をつかざるを得ないクナッハであった。
一方のマウヤは、思ったよりもすんなりとことが進んだことで、その心は重責から半ば解放されかけていた。むしろこれからが本番なのだが、そのことは今までの緊張のせいで頭から抜けてしまっているようだ。
しかし試練はむしろこのあとにあった。マウヤの人生の中で、間違いなく一番の修羅場である。
「――クナッハ? なにを言っとるのだお前は! 儂らが侍者を出しとるのは別の神様じゃ!」
マウヤはその場で卒倒しそうになったが、へなへなとその場に崩れ落ちたのは、マウヤの報告を聞いた庄屋のほうだった。
0
あなたにおすすめの小説
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
包帯妻の素顔は。
サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完結】私は聖女の代用品だったらしい
雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。
元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。
絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。
「俺のものになれ」
突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。
だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも?
捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。
・完結まで予約投稿済みです。
・1日3回更新(7時・12時・18時)
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる